ティアムーン帝国物語(ラノベ・漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ティアムーン帝国物語』とは、餅月望によるライトノベル小説、およびそれを基にした漫画・アニメ。転生で逆転人生をテーマにしたファンタジー作品である。強国ティアムーン帝国のミーア・ルーナ・ティアムーン姫が断頭台での最期を迎える瞬間、過去の記憶を取り戻し、運命を変えるために奮闘する物語である。姫が過去の記憶を活かして運命に立ち向かう「1度きりのファンタジー」が描かれており、バッドエンドを回避するべく奮闘する姫の努力が報われるのかが見どころ。

異なる時間軸から現れた『ティアムーン帝国物語』の共同主人公。彼女は革命が起こらなかった未来から、ミーアが治める帝国の時代へとやってきた少女で、ミーアとアベルの孫娘にあたる。彼女が初めて登場した際は帝国が荒廃した未来から来たことが示され、1度姿を消した後に再び現れた時は、より平和なミーアの治める未来から来たことが明かされた。作中では親しみを込めて「ベル」と呼ばれ、自らを「ボク」と称す。このユニークなファーストネームは、未来のミーアが自分とアベルの名前を組み合わせて名付けたものである。家族の絆のため、時間を超えて運命を変える力を持つ若き少女だ。

主要人物

アンヌ・リトシュタイン

CV:楠木ともり
ティアムーン帝国に仕えるメイドで、ミーアの信頼厚い専属メイド。赤めのツインテールとそばかすが特徴。彼女は平民の家庭に生まれ、リトシュタイン家の長女として育った。彼女の誕生日は年末にあり、ミーアの誕生日から7日後を迎え、ミーアよりも5歳年上である。
革命が起きた最初の時間軸では、アンヌは収監されたミーアの世話をしていた。もともとミーア担当のメイドだったが、平民出身であるため、帝政が安定していた時代には多くのメイドの中の1人に過ぎなかった。しかし、ミーアに最期まで寄り添ったのはアンヌだけだ。そのため、時間が巻き戻った後、ミーアはアンヌの優しさと恩義に報いるために彼女を専属メイドに任命した。
アンヌは時に思い込みが激しい一面を見せる。例えば、ミーアがルードヴィッヒとの関係を深めるために接触した際、アンヌはそれを恋愛関係だと勘違いした。またダンスパーティーで「好きに使って良い」と言われた金を使って、何か大きなことを成し遂げるべきだと思い込み、結果的にティオーナを助けることになったのだ。

ルードヴィッヒ・ヒューイット

CV:梅原裕一郎
ティアムーン帝国の文官で、ミーアの四天王の一員。茶色っぽい髪が特徴。彼はその優れた能力にもかかわらず、鋭い毒舌で知られている。最初の時間軸では彼の厳しい指導のもとでミーアは成長したが、彼女は日記に彼のことを「陰険メガネ」と呼ぶなど、あまり良い印象を持っていなかった。また、彼の毒舌が原因で上司に嫌われ、地方に左遷されてしまっていたのだ。しかし帝国の状況が悪化すると、ルードヴィッヒは帝都に戻りミーアと共に帝国の立て直しに尽力するが、風鴉の工作によりその努力は実を結ばなかった。
ミーアに対しては毒舌を交えながらも、彼女のことを悪く思ってはおらず、処刑直前まで彼女の助命活動を続けていたことがアンヌを通じてミーアに伝えられている。本編の時間軸では、ミーアがルードヴィッヒの左遷を防ぎ、彼を自分の片腕として重用する。ミーアがルードヴィッヒの発言を日記に記録し、それを模倣することで、ルードヴィッヒはミーアを聡明な人物と評価するようになった。
未来のミーアベルとの関係では、ルードヴィッヒは彼女に様々なことを教え、ミーアベルが寝てしまった時には「自分の教え方が悪かった」と謝るなど、より丸くなった一面を見せる。ミーアベルが最後まで話を聞いていれば、「よく頑張ったね」と頭を撫でてくれるなど、彼の優しさが垣間見える。

アベル・レムノ

CV:松岡禎丞
レムノ王国の第二王子で、黒髪が特徴。彼の人生は2つの異なる時間軸で大きく異なる道をたどる。最初の時間軸では、兄ゲインや同い年のシオンと比べて自分の劣っていると感じ、努力を放棄しプレイボーイとして生きる道を選ぶ。この選択は彼の人生を早期に終わらせることになり、最終的にはモニカによって暗殺される。
しかし、物語の本編の時間軸では、彼の運命は大きく変わる。ミーアによってシオンに劣らない可能性を持つと評価され、これが彼に変化をもたらす。ミーアの期待に応えるべく、アベルは自らを磨き、シオンの好敵手として立ち向かうべく努力を重ねる。学園生活では最初の時間軸でカード娯楽クラブに所属していたのに対し、本編の時間軸では馬術クラブに所属し、馬術を鍛え上げる。
剣術大会では兄ゲインとの対決で勝利を収め、シオンとの激闘を繰り広げるが、雨による大会の中止で決着はつかなかった。レムノ王国で革命が起きた際、アベルは領民の蜂起を武力で鎮圧しようとするが、シオンからの決闘を申し込まれその過程でダサエフ・ドノヴァンの誘拐と領民の真の要求を知ることになる。
未来では、アベルはミーアの伴侶となり、8人の子どもを持つことになった。ミーアベルの祖父として、娘や孫に近づく貴族たちを追い払うことで「剛盾のアベル」「堅牢要塞のアベル」と称されるようになる。このように、アベル・レムノの人生は、彼がたどる時間軸によって大きく異なる運命を迎えることになった。

シオン・ソール・サンクランド

CV:堀江瞬
サンクランド王国の第一王子として、その白銀の髪と端麗な容姿で知られている。彼は頭脳明晰であり、武勇やダンスにおいても卓越した才能を持ち、多くの人々から賞賛や憧憬を集めている。セントノエル学園では、ミーアとは同級生であり、正義感が強いことで有名。幼少期にはやんちゃな一面もあり、キースウッドと共に夜食を作って食べるなどのエピソードがある。
物語の最初の時間軸では、ミーアに対する悪い噂を信じてしまい、彼女を軽蔑するようになった。ティアムーン帝国での革命後、ティオーナ達の革命勢力を支援し、ミーアの助命を願うルードヴィッヒの願いを拒否する。この行動は、彼を「断罪王」として恐れられる存在にしたが、後にこれが混沌の蛇や風鴉による策略であったことが明らかになる。
本編の時間軸では、当初ミーアを信用していなかったシオンだったが、彼女がティオーナを助ける姿を目の当たりにして考えを改める。ミーアにダンスパートナーを申し出るも、最初は距離を置こうとするミーアに断られた。しかし時間が経つにつれて、2人はダンスを通じて友人関係を築き上げていく。また、ティオーナの監禁事件に関してミーアの関与を疑う報告を受けた際、シオンはこれを真っ先に否定した。
剣術大会では、アベルとの激闘を繰り広げるが、雨による大会中止で決着はつかなかった。レムノ王国の革命時には、民への攻撃を企てるアベルに激怒し、決闘を挑むがディオンによって止められる。革命が自国の風鴉による暗躍であったことを知り、ミーアに謝罪し、彼女からの罰として足を蹴られるのだった。
未来では、シオンは「天秤王」として知られるようになる。彼の人生は正義感と才能に満ち、多くの困難を乗り越えながらも、人々との関係を大切にする姿勢を示す。

キースウッド

CV:増田俊樹
シオン・ソール・サンクランド王子の忠実な黒髪が特徴の従者であり、彼とは幼少期から兄弟のように育った。彼はもともと戦災で孤児となった子供で、エイブラムによって保護された過去を持つ。2人の間には、深い信頼と友情が築かれている。
物語の初めの時間軸では、キースウッドはミーアの処刑後、シオンの命により、シオンの弟と共に断罪される悲しい運命にあった。しかし、彼の物語はそこで終わらない。ティオーナの監禁事件に偶然遭遇し、彼女の救出に協力することになる。この事件では、誘拐犯が持っていたハンカチの紋章から、犯人がティアムーン帝国の貴族であることを推測する。また、ミーアの関与についても疑うが、これについては自分自身も完全には信じていない様子だ。
剣術大会の際には、キースウッドはまた別の才能を発揮する。料理に不慣れなミーアたちのために、お弁当作りの指示役を務め、馬型のサンドイッチを完成させることに成功する。このエピソードは、彼の多才さと、友人たちへの思いやり深い性格を示す。
キースウッドの物語は、彼の忠誠心と勇気、そして友情の大切さを教えてくれる。彼はシオン王子の側で多くの困難に立ち向かい、時には自らの命を危険にさらしながらも、正義と友情を守り続ける。

ティオーナ・ルドルフォン

CV:高尾奏音
ティアムーン帝国の遠い辺境で領地を持つ辺土伯の娘であり、彼女は民を苦しみから救う聖女として知られている。茶髪のポニーテールが特徴。しかし物語の最初の時間軸では、彼女は革命の象徴となる。主人公ミーアはティオーナを自分にとって脅威であり、裏切り者として恐れ、若干の恨みを抱いていた。帝国社会では、高い身分の者が低い身分の者に対して無礼を働いても許されるという価値観が根強く、ティオーナのような低い身分の者はしばしば標的にされていた。
物語が進むにつれて、セントノエル学園で他の貴族たちからの虐めに遭っていたティオーナは、ミーアによって救われることになる。ミーアがティオーナを助けたのは本意ではなく、友人アンヌの強い期待に応える形での行動だったが、この出来事がきっかけでティオーナはミーアに対して好意を抱くようになった。さらにダンスパーティーでの妨害と監禁事件が起こった際、ティオーナはミーアが事件に関与しているというキースウッドの発言を否定し、ミーアを守る。妨害の原因となったドレスは、アンヌがミーアから受け取ったお金で新しいものに取り替えられ、問題は解決した。
その後、ティオーナは弟セロの教育についてミーアに相談を持ちかけるなど、2人の関係は徐々に深まっていく。

リオラ・ルールー

CV:斎藤楓子
ティオーナ・ルドルフォンの忠実なメイドであり、ルールー族出身の彼女は身体能力が高く、弓の扱いにも長けている。彼女の話し方は独特で、間を空けながらゆっくりと話すことと薄紫の長髪が特徴。ティオーナが監禁された際、リオラはその場から1人で脱出することに成功し、助けを求めていた。その途中でアンヌと出会い、彼女からの助けを得ることができた。この行動がキースウッドの目に留まり、彼の協力も得て、最終的にティオーナは無事に救出される。リオラの勇敢な行動と忠誠心は、彼女がティオーナにとって単なるメイド以上の存在であることを示していている。

ラフィーナ・オルカ・ヴェールガ

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