もものききかじり(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『もものききかじり』とは、2017年1〜8月に資生堂のwebメディア「花椿」に連載された漫画作品である。作者は、ブログに掲載していた漫画『センネン画報』が話題となりデビューした今日マチ子であり、代表作『cocoon』は2013年に舞台化された。
『もものききかじり』は、2018年に文藝春秋よりフルカラーで上下巻が発刊された。
舞台女優を目指す主人公・さとだももが、夢と現実の間を揺れながら成長する姿を描く。ごく普通の女性が、迷いながらも夢に向かって前進する姿が見どころである。

アツヒロに「恋愛の相手の選択肢を増やした方がいい」とアドバイスされたももが、お見合いをした相手。結果として、ももは断られてしまう。
コンテストで「海のプリンス」に選ばれたことがある。実はアツヒロの後輩である。

その他

ももの母親

離れて暮らすももの母親。ももの結婚について心配しており、たびたび電話をしてきては交際相手とどうなったか聞いてくる。ももに黙って結婚相談所に登録するなど強引なところもあるが、ももからもお見合いについて報告するなど、母娘関係は良好である。

丸山ペケ子(まるやま ぺけこ)

月野さんと熱愛報道された女優。ももが月野さんから出演のオファーを受けていた舞台への出演が決定し、その後ももが月野さんに連絡を取ろうとしても返事が返ってくることはなくなった。月野さんは「仕事の付き合い」と丸山ペケ子とのスキャンダルを否定したが、その後破局が報じられた。

『もものききかじり』の用語

劇団水玉コルセット

ももが大学生の頃から所属している劇団。主宰・演出家は柿沼レイナ、看板女優は泉麻耶であり、ももは脇役を努めることが多い。
結成5年を迎え、徐々に注目を集めるようになってきており、特に主宰の柿沼さんは雑誌への取材に引っ張りだこである。

「月と酢とポン!」

結成5年を迎えた劇団水玉コルセットの集大成となる舞台。古典をベースとした不条理劇であり、ももは失恋する脇役を演じた。この舞台での演技が月野さんのブログ「月のザレゴト」で好評価を得たことがきっかけで、ももと月野さんの距離が一気に縮まることとなった。

「月のザレゴト」

カルチャー評論家、ライター、ブロガーとしてマルチな活躍を見せる月野玄が運営するブログ。このブログで月野さんが劇団水玉コルセットの舞台「月と酢とポン!」を取り上げ、特にももの演技を高評価したことで、2人は知り合い距離を縮めることとなった。

「恋のチクタク」

カルチャー評論家でありライターである月野玄が初めて執筆に挑戦した舞台脚本。ももは「面白い」と評価しており、出演のオファーも快諾する。しかしその後月野さんと女優・丸山ペケ子の熱愛が報じられ、月野さんは「仕事の関係」と報道を否定したものの、丸山ペケ子が本舞台に出演予定だと明かされた。同じ舞台に出演のオファーを受けていたももは、連絡を取って確認しようとするが月野さんからの応答はなかった。結局ももは、公演日程が被っていた劇団水玉コルセットの舞台に出演することにする。

『もものききかじり』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

さとだもも「身軽になりたいって思うけど、抱えてるものが多いほど頑張ることができるのかもしれないなぁ」

派遣を辞めて身軽になりたいと考えていたももが、大変そうに見える柿沼さんが「好きなことしかやってない」と言ったのを聞いて、心の中でつぶやいた言葉。
柿沼さんは、学生時代は勉学と育児と演劇を両立し、卒業した現在はシングルマザーとして男女の双子を育てながら劇団の主宰として活動していた。多忙な日々を送る姿を見て、ももは「やること多くて大変じゃないですか?」と尋ねるが、柿沼さんは「好きなことしかやってないし、常に負担があるのが当たり前になった」と返す。また、最近では趣味で小説も書き始めたといい、毎日5時起きの生活を続けているという。それを聞いて驚いたももは、「身軽になりたいって思うけど、抱えてるものが多いほどがんばることができるのかもしれないなあ…」と考える。
演劇に対する本気度の違いから、柿沼さんに少し引け目を感じていたももが、柿沼さんと自分の考え方の違いに気づいた瞬間を表す言葉となっている。

栗山さん「そんなすぐに変身できないよ。舞台の役だって稽古を重ねて少しずつ作っていくんでしょ?」

「派遣を辞めてからもなかなか演劇に本腰が入れられない」と漏らしたももに対して、栗山さんがかけてくれた励ましの言葉。
演劇1本で生きていくために派遣を辞めたにもかかわらず、なかなか本気になりきれないと自嘲気味に語るももに対して、栗山さんは「そんなすぐに変身できないよ。舞台の役だって稽古を重ねて少しずつ作っていくんでしょ?」と励ましてくれるのだった。柿沼さんや泉さんなど、本気で演劇に打ち込んでいるように見える人たちと自分を比べて自信を失っていたももが、「マイペースでいい」と肩の力を抜くことができた言葉である。

さとだもも「進まなきゃ。手をのばしてるだけじゃ夢はつかめないのだ」

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