中村佳穂(Kaho Nakamura)の徹底解説まとめ

中村佳穂(なかむら かほ)は、京都府を拠点に活動する女性ミュージシャンである。20歳で音楽活動を本格的にスタートし、2018年にアルバム『AINOU』をリリースした。その音楽スタイルは、ソウル、ジャズ、ポップ、R&B、ファンクなど多岐にわたり、世界中のリスナーから賞賛されている。2019年に「FUJI ROCK FESTIVAL」に出演するなど活発な公演を行う。2021年公開の映画『竜とそばかすの姫』では主役のすず/Belleの声優と歌を担当。声優としての演技力も高く評価されている。

祈りを捧げるように、震える発声で幕を開ける。中村の感性と哀愁を帯びたメロディが融合した、美しい楽曲である。なお、タイトルはパウル・クレーと谷川俊太郎著『クレーの絵本』に由来する。

さよならクレール

吉川和弥監督が手掛けた、紙芝居や絵本を連想させるような映像作品となっている。特に終盤、石若駿のドラムに合わせて加速する演出が目を引く。

MIU

映像は山田智和監督が担当。鉄鋼工場内に組み立てられたオリジナルのセットで撮影されている。中村の最新アルバム『NIA』の中核となる1曲だ。中村佳穂本人が出演している。

中村佳穂の名言・発言

「音楽する自分に飽きたら、それはやめるとき」

自身の半生について語ったインタビューにて。

創作活動の原動力について問われた中村は、「「音楽する自分に飽きたら、それはやめるときだと思っている」と述べ、さらに「活動するうえで『自分の心がワクワクする』っていうことにウェイトを置いているんです」と話している。彼女が新しい挑戦を続けるのは、「自分を飽きさせないため」と言えるだろう。

形にすると遠ざかってしまうことも、形にしてとっておくことが大事っていうのも、本当はどっちもわかっているんです」

アルバム『AINOU』の制作背景について語ったインタビューにて。

「AINOU」の曲名の由来を聞かれた中村は、「「形にすると遠ざかってしまうことも、形にしてとっておくことが大事っていうのも、本当はどっちもわかっているんです。そのニュアンスも込みで、「AINOU」という曲名にしたんです。『全部わかってるんだよ』って、私のなかで初めて言い切りたかった」と語った。感情や考えを言葉にすることで本質から遠ざかる可能性がある一方で、形にしなければその感覚が失われてしまう面もある。中村の表現者としての葛藤、言葉によるパッケージングの限界と価値、作品の制作過程で感じる複雑さやジレンマが表れている発言だ。

「グーグル先生が助っ人でした。まず、ライブハウスというものがあるんだと知り、キーボードを背負ってライブハウスのドアをドンドンドンと叩きました」

声優/歌唱担当として参加した映画作品『竜とそばかすの姫』への意気込みを語ったインタビュー記事から。

音楽活動を開始したばかりの頃の様子を聞かれ、「グーグル先生が助っ人でした。まず『音楽 始め方』と検索。ライブハウスというものがあるのだと知り、キーボードを背負ってライブハウスのドアをドンドンドンと叩きました」と中村は答えた。音楽を始めようと思い立ったもののライブハウスの存在すら知らなかった彼女。それにも関わらず、検索してすぐにライブハウスに向かおうとする彼女の行動力の高さが伺える発言だ。

中村佳穂の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

自律性を重視する大阪府立三島高等学校出身

中村が通っていたのは、大阪府立三島高等学校である。普通校ではあるが、教育方針として自主的・自律的な活動を促進することを挙げている学校である。そのためか、私服やピアスも可という自由な校風であった。髪色がピンク色の生徒もいたという。

人生初のスタジオで出会ったSIMPO RECORDSの小泉大輔

中村が友人のレコーディングの応援として呼ばれて行ったのがSIMPO RECORDSであり、人生初のスタジオであった。楽譜が読めないため、楽曲を耳で聞いて暗記して行った中村。途中で「コードを変えて」と言われ困惑している場面を偶然小泉に目撃されたのが、初めての出会いであったと言う。

一升瓶片手にライブハウスに現れた細田守監督

30人くらいが入る小さなライブハウスでのイベントに、細田監督が新潟の一升瓶の日本酒を片手にやってきたのが中村と細田のファーストコンタクトであった。「あの細田監督が来ているよ」と急に知らされ、中村は驚愕したという。

日常の延長線上にある楽曲制作とライブ

歌いながら何時間も絵を描き続けていたり、日常の延長線上に鼻歌を録音するような事が当たり前にあったという中村。彼女にとっては、楽曲制作もライブもその延長線上にある。鼻歌を歌いながらステージに上がり、そのまま降りる様な感覚で歌と向き合っている。

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