虫と歌(市川春子作品集)のネタバレ解説・考察まとめ
『虫と歌』とは2012年に講談社から発売された市川春子による漫画作品。夏に伯父さんの家で出会った不思議な少女は自分の指だった『星の恋人』、肘を負傷したエースピッチャーとネジ止め「ヒナ」との日常を描いた『日下兄妹』、飛行機が不時着したことで遭難する2人の少年の旅路を描いた『ヴァイオライト』、兄が開発した人型の虫「しろう」と生活する内に自分の謎に迫る表題作『虫と歌』の4作品を収めた短編集である。作者自身が行った装丁にも注目。
大輪 未来(おおわ みらい)
四恩学院中等部2年の男子生徒。父は飛行機のパイロットで、母は客室乗務員である。両親が仕事で乗る飛行機に、サマーキャンプへ行く目的で乗り合わせるも、雷に打たれ不時着する。
天野 すみれ
不注意から飛行機を墜落させてしまった雷。罪悪感から未来を灯台へと誘う。電気を自由に操ることができ、飛ぶ鳥や川で泳ぐ魚を気絶させることができる。未来に触れると静電気のように電気が発生してしまう。
日下兄妹
日下 雪輝(くさか ゆきてる)
野球部のエースでピッチャー。関節唇損傷を負い、部活を退部することを決意する。それに伴い、寮から出て親戚のおばさんが営む古道具屋に身を寄せた。野球の腕はプロにと注目されるほどで、練習には彼の姿を一目見ようと隣の女子大生徒が殺到していた。部員からはサディスト気味だと思われているが、連日退部を辞めるよう説得する部員が後を立たないほど慕われてはいた。母親とは死別、父親は母親が雪輝を妊娠中に蒸発した。親戚のおばさんのすすめで小学生から野球チームに所属していた。おばさんと野球チームの監督は不倫しており、雪輝はそのだしに使われていたことを知っていた。
ヒナ
彗星の一部だったが流れ星として地球に漂着し、タンスのネジあてにされていた。日に日に人間のように変形し、遂には話すようになる。文字を覚えてからはメキメキと成長し一通りの家事はこなせるようになった。主な情報の収集源は図書館である。命名は雪輝で母親と共に亡くなった、生まれなかった妹・陽向からとった。
ハラ
秋から正捕手になり、雪輝とバッテリーを組む予定だった1年生。雪輝に手術するよう説得するため監督に送り込まれ、雪輝とヒナの3人で一時生活を送る。同居中特に何もせずにぐうたらしていることを雪輝に指摘され、冗談で「アイス食いすぎ腹くだせ」と言い雪輝に「不敬罪で死刑」宣告される。結果、翌朝ヒナの手によって丸坊主にされてしまった。
虫と歌
晃(こう)
表向きは新種の虫を作ってクライアントへ販売している。その実、昆虫を人間に擬態させて長く生き残れるよう実験を繰り返している。
うた
兄・晃がプレゼン用に使用する虫の模型作成の手伝いをしている。野菜が好きで、肉を食べると気持ち悪くなる為あまり食べない。高校3年生で昆虫のことを学び、将来仕事にしたいと考え大学進学を望んでいる。
はな
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