ユキは地獄に堕ちるのか(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ユキは地獄に堕ちるのか』とは、2014年から2016年まで漫画雑誌『LaLa』にて藤原ヒロが連載した少女漫画である。主人公の鳴滝ユキ(なるたきゆき)を中心に、鳥辺野天哉(とりのべたかや)、壬生秋羅(みぶあきら)、桂真夏斗(かつらまなと)、二ノ瀬呉葉(にのせくれは)、常盤春花(ときわはるか)の6人の幼馴染が不思議な能力で心の闇を食らう“外道”と戦い、800年前の宿敵“虚宿”を封印する物語。熱い友情や宿命に対する恐怖、恋愛の悩みなど、思春期の子供たちが奮闘する姿を描く。

いつも明るく前向きに生活しているユキだが、たまにネガティブな感情を抑えられなくなる。そんな時に言う口癖が「かまへんかまへん!どげんとでもなるもんや!!」だ。元々はユキの母親が言っていた言葉だが、今ではユキの心の支えとなっている。この言葉を言うだけでユキはいつもの前向きな感情に戻ることができ、おまじないとして大切にしている言葉である。

天哉が覚醒するシーン

本来なら誕生日を迎えて覚醒するはずの力だが、天哉は誕生日を待たずに自力で覚醒させる。そのやり方はとても強引で、実家の寺に保管されていた宝剣を自身の手の甲に刺し、正真正銘、鳥辺野家の血であることを証明するというものだった。天哉の自己中心的な性格がとても良く分かり、衝撃的なシーンでもある。

ユキ「皆まとめて地獄に還してやるとするか」

ユキが地獄道の力に目覚め、雪の人格で放ったセリフが「皆まとめて地獄に還してやるとするか」である。本来なら六家揃っての戦闘が望ましいが、ユキは地獄道の圧倒的な力で襲い来る数多くの外道を1人であるべき場所へ還してしまい、幼馴染たちを驚かせる。地獄道の力がとても強く特別であることが分かるシーンである。

天哉「気づかなかっただけだ 俺が思うよりずっとあいつに惚れていたことを」

虚宿を封印するために犠牲となった天哉が最後に気づいた気持ちが「気づかなかっただけだ 俺が思うよりずっとあいつに惚れていたことを」である。ユキに本当の気持ちを言わずに封印されてしまうが、その辺りも素直になれない天哉らしい最後となっている。

『ユキは地獄に堕ちるのか』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

登場人物たちの言葉が標準語

本作の舞台は京都であるが、登場人物たちはみんな標準語を話している。親世代は関西の喋りをすることもあり、なぜ主要人物たちが標準語で統一されているのかは不明。読者が違和感なく読めるようにしているのかもしれない。

『会長はメイド様!』とのSPコラボ漫画でやっと報われるユキたち

原作者・藤原ヒロの代表作『会長はメイド様!』とコラボしたSP漫画『ユキ堕ち村にお嬢様!』では天哉があの世に送られてから16年後の六辻村が舞台となっており、『ユキは地獄に堕ちるのか』の最終回に登場していた天哉そっくりの謎の少年が隆也(たかや)という名前で現れる。実は彼は天哉の生まれ変わりで天哉の記憶もそのまま持っているため、ユキたちのこともしっかり覚えていた。性格は天哉より少し要領が良くなり一人称も「僕」になっていたが、ユキと再会すると「俺様が帰ってきてやったんだぞ」と亡くなった天哉そのものの発言をしている。そして幼馴染6人は奇跡の再開を果たし、本当のハッピーエンドを迎えるのだった。

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