戦国妖狐(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『戦国妖狐』とは2008年から2016年にかけて『月刊コミックブレイド』にて連載されていた水上悟志による戦国ファンタジー漫画作品、および漫画を原作とするアニメ作品である。闇(かたわら)と呼ばれる妖怪がはびこる戦国時代、人間嫌いの迅火と人間を愛する妖狐のたまが世直し兄弟として戦う姿を描く。人間と闇の複雑な間係を二部構成で描いた大作長編であり、壮大な世界観や綿密な伏線が魅力的な作品である。

神雲に対抗する力をつけるために時空のほどきで修行する一同。迅火は自分に宿る妖精眼の封印を開放しようとする。修行の最中、オオヤマミツチヒメは迅火が妖精眼を持つために親に捨てられ、闇に育てられた過去を語る。霊力を得る代償としてはあまりにも不幸な境遇であるとオオヤマミツチヒメが言う。迅火はつらかった子供の頃を思い出しその言葉に揺らぐが、これまで出会ってきた真介たち仲間やたまの事を思い出し「つらかったのは、私が不幸ではなかったからだ」と不幸を否定し、妖精眼の力を手に入れる。

千夜「おれは人間になる」

真介や月湖と共に旅立つときの千夜の台詞。千夜の千魔混沌の力を狙う無の民の襲撃により、月湖は父親を亡くしてしまう。村にいては皆に迷惑がかかると思った千夜と真介は逃げ出すように村を後にする。だが何もできずに無力さを嘆く月湖を見た千夜は、自分の力が争いを呼んだと痛感する。そして逃げ出す旅ではなく、自分が人間になる旅にすると決意し「おれは人間になる」と意気込む。2部の主人公である千夜が、人ではなく闇になりたいと願っていた迅火と対照的であることを現している台詞。

迅火の目覚め

万象王の力を借りて、無の民の結界を破り、千本妖怪となった迅火を解き放つたま達。迅火を止めるために千夜と迅火がぶつかり、その隙をつきたまは幽界干渉をおこなう。幽界へと乗り込んだたまは、真介や灼岩の協力もあり迅火の心の壁を取り除いて正気に戻す事に成功する。正気を取り戻した迅火であったが、九尾の最後の力である虚無の尾を暴走させ千夜と共に取り込まれてしまう。千夜は迅火と力を会わせ、虚無の空間に霊力を満たし元の世界へと帰還する。これをもって千本妖狐・迅火と千魔混沌・千夜の戦いは終わりを迎えるのであった。

『戦国妖狐』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

作品を書くことになったきっかけは編集からの依頼

『戦国妖狐』は『惑星のさみだれ』連載中の水上悟志が、『マックガーデン』の編集から「戦国ものを描いてほしい」という依頼を受けて始まった。その依頼を受けた理由に水上は『さみだれ』のような作品を書いてほしいという依頼が増えた中で、珍しさを感じた事や敢えて興味のない題材だから挑戦してみようと思ったと理由を述べている。

TVアニメは当初は2クールで制作予定であった

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本作のTVアニメ昨今では珍しい全3クールの話数がとられたが、最初のアニメ化の打診では2クール予定であった。水上も、第1部を回想形式にするといった2クール用の構成をスタッフに提案するが、アニメ制作チーム側から「原作の最初から作りたい」という要望があがり、全ての話数が再現できる3クールの尺がとられることとなった。

『戦国妖狐』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):MindaRyn「HIBANA」(第一部)

迅火を中心とした物語を描く、第一部のOPテーマ。タイ出身アニソンシンガーMindaRyn (マイダリン)の9thシングル。作詞したSACHIKOはバトルシーンをイメージして歌詞を作っており、サビには精霊転化といった作中の用語も使用されている。MindaRynは今までの曲に比べてすごくアニソンらしい曲になっており、迅火やたまたちの戦いをサポートしているような感覚で歌ったと答えている。

ED(エンディング):KEIKO「夕闇のうた」(第一部)

迅火を中心とする物語を描いた、第一部のEDテーマ。2019年に解散した3人組ボーカルユニットKalafinaの元メンバーKEIKOによる楽曲。KEIKOソロとしては初のアニメ主題歌となっており、作詞作曲をKalafinaのプロデューサーの梶浦由記が手掛けている。『戦国妖狐』のイメージである光と影や静と動を表現した楽曲となっている。

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