うさぎ（ちいかわ）の徹底解説・考察まとめ

うさぎの概要

うさぎとは、ナガノ原作のTwitter連載漫画『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』に登場する兎をモチーフとするキャラクター。主人公のちいかわの友人の1人。「ウラ」「プル」「ヤハ」などの言葉しか発さないため、登場キャラクター達もうさぎの真意が読み取れず、一見すると自由奔放で破天荒ゆえ周囲を振り回しているかのよう。しかし、「草むしり検定3級」を所持し、作中に登場する怪異「たまにくる怖いやつ」の擬態型を見破っている素振りがある。さらに、うさぎ・ちいかわ・ハチワレの3人で赴いた討伐で退場の判断を任されるなど、要所でその能力の高さを覗かせる。作中では友人であるちいかわ達も居住地等を知らないなど、私生活が謎に包まれている。

『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』とは、原作者であるナガノのTwitterアカウントにて、「こういう風になってくらしたい」という説明と共に描かれた二頭身の動物キャラクター「ちいかわ」を主人公として展開される連載漫画。2017年ごろから発表されている。
漫画は2020年1月より単独アカウントが作成され、それに伴い連載化された。2021年2月には講談社より単行本が刊行されている。さらに、2022年4月4日よりフジテレビ系列「めざましテレビ」内にてアニメが放送開始された。
作品は、基本的にはちいかわとその友達のハチワレやうさぎが送る日常を1話完結形式で描いた物語である。森や山など自然豊かで、食べ物が植物のように自生あるいは湧き出るファンタジーな世界を舞台としている。しかし、住宅や店が立ち並び、貨幣経済やインターネットが存在する、きわめて文明的な側面もある。さらにちいかわを含めた主要なキャラクターが「労働し収入を得て暮らしている」という現実的な設定や、どこか不穏で不気味な気配が漂うダークでシビアなストーリー展開がされているのが特徴である。それゆえファン層も、純粋にキャラクターの可愛らしさを楽しんでいる層と、世界観や作者の描こうとしている意図等、物語のよりディープな部分にまで考察を巡らせて楽しむ層とで二分されている傾向がある。

うさぎのプロフィール・人物像

誕生日：2019年1月22日
CV：小澤亜李

兎をモチーフとする黄色い体色のキャラクター。作者のナガノによると、当初は「鈍器」という名前をつける予定であった。常にテンションが高く自由奔放に振る舞う。リサイクルショップで発見したアイテムや旺盛すぎる食欲のせいでトラブルメーカーのような一面もあるが、ちいかわやハチワレがピンチの時に助けたり、サポートをしたりする友達思いな性格。また鋭いところがあり、作中に登場する怪異「たまにくる怖いやつ」の擬態型を、登場の当初から正体を見抜いているような素振りをしていることがある。多才であり、高い身体能力だけでなく、「草むしり検定3級」を所持する頭脳派。さらにギターを弾けるなど音楽の才能もある。
言葉は話さず「ヤハ」「ルルルルル」「ウララララァ」「プルャ」などの奇声を発する。この口癖は規則性があるかハッキリしておらず、表情がほとんど変わらないこともあり、何を考えているか非常に読みにくいキャラクターである。上述の通り食に貪欲で、何かを食べているか、食べ物に釣られていることが多い。大好物はピザまんであり、大抵の食べ物をちいかわ達と共有するのに対し、ピザまんだけは独り占めしようとする。3人の中では唯一居住地等が描かれておらず、プライベートは謎に包まれている。

登場当初はちいかわにちょっかいを出す「いじめっ子」のような位置づけであったが、ハチワレ登場以降はそういった描写はなくなっていった。ただし、レモンを絞ろうとして顔にかけてしまうなど、うさぎの起こした行動によりちいかわが割を食うことは多々ある。

名前が判明するまでは上記の口癖から、ファンに「ヤハウサギ」などと呼ばれていた。

うさぎの能力・装備

草むしり検定3級

『ちいかわ』の世界に存在する資格証明書。「草むしり」のアルバイトはこの資格がなくとも受託することはできるが、この資格を持っていることで報酬が上がったり、作業エリアが広がったりする。
作中ではちいかわやハチワレが資格取得に向けて勉強する様子が描かれていた。試験はマーク式ではなく筆記式。
うさぎは2人の試験の後に、先んじて「3級」を取得していたことが明かされた。5級の試験には「絶対にむしっちゃいけない草」「触るとかぶれちゃう金色の草」「根っこが長すぎる場合の対処法」「触ると手がちょっとくさくなる草の名前」などが出題されるなど、覚えることは多いよう。3級を所持しているうさぎは、当然これらの問題に難なく答えることができる。
この資格を持っていたことで唐突に明かされたうさぎの有能さに、多くの読者が驚愕した。また読者の中には、「黙って試験を受けることができるのか」といった声も上がっていた。
5級の資格証は白い台紙だが、3級になると色が付いているため、級によって色が異なることが推察される。

高い戦闘能力

普段の落ち着きない言動ゆえか、主要キャラクター3人の中では最も高い身体能力をもつ。それゆえ、意味もなく森を駆け巡ったりする無尽蔵な体力の他、討伐の際のモンスターの攻撃を軽々避ける、巨大な鳥型モンスターを相手に頭上から蹴り入れるなど、戦闘においても活躍する。また、後述の武器「黄色い棒」を駆使して戦闘し、討伐には失敗したものの討伐対象である「あのこ」を撤退させた。
作中では「討伐」に関する資格もあることが明かされており、古本屋に「草むしり検定3級」の古本とともに「討伐2級」の参考書があった。このことから、うさぎも討伐に関するなんらかの資格を持っている可能性が示唆されているが、作中で明言されておらず不明。

両端が爆発する黄色い棒

身長と同じぐらいの黄色い棒。両端に火薬のようなものが仕込まれており、うさぎは任意のタイミングで爆発させることが可能。仕組みについて明かされておらず、ハチワレが興味本位でこれを手にしたときには、突然両端が爆発してしまいパニックになっていた。
討伐順位が4位までのランカーが顔マークを彫ることを許されているが、うさぎはその権利は得ていないようで油性ペンで自身の似顔絵を描いている。

たくあん

うさぎが時折持ち歩いている黄色いたくあん。現実世界にある大根の漬物とほぼ同等のもの。形状が上述の黄色い棒によく似ているため、遠目からだとリーチの長い武器だとよく間違われる。

黄色いパジャマ

作中に登場するハンドメイド作家・ポシェットの鎧さんの作品。フード付きパジャマで頭部を含む全身を覆うデザインであるが、身体部分だけでなく耳の部分にもよく伸びる素材が使用されており、窮屈さがなく吸湿性に優れ着心地が良い。
うさぎはちいかわ・ハチワレとともにモニター協力の依頼をされ、鎧さん本人から黄色いパジャマを貰った。案外気に入っており、このパジャマを着用して出かけることもある。ちいかわ・ハチワレは全身を覆っているデザインだが、うさぎだけはしっぽが露出するデザインのよう。
このパジャマは「耳有り」「ツノ有り」など何種類かのモデルが展開し、後に作中で大ヒットし多くのちいかわ族が買い求めた。さらに「パジャマパーティーズ」なるダンスユニットも誕生した。

うさぎの来歴・活躍

「なんとかバニア」編

ハチワレが手に入れた「なんとかバニア」という「うさぎ・ハチワレ・ちいかわにそれぞれよく似た人形」をもらったうさぎが、人形の真似をして地面に寝そべる。すると徐々に身体に人形と同じ衣服が浮かび上がった。なんとこの人形は魔女がちいかわ族の姿を奪うために用意したものであった。唐突に現れた衣服を前に困惑している3人の元に、その変化は自分の魔法によるものであると主張する魔女が現れる。驚いて逃げる3人の意識を小さな人形に封じ込た魔女は、3人の元の身体を担いで逃亡しようとする。人形になったことでぎこちない動きしかできなかった3人は、状況に悲嘆するも涙も出ない。しかし、3人の中で1人だけ、少しではあるが自由の利くハチワレが、落ちていたペットボトルの蓋を転がす。このペットボトルの蓋により魔女が転倒し、ちいかわ達3人は無事身体をとりもどすことができた。
ハチワレだけ魔法の効きが弱かった理由は作者によって明言されていないが、人形の模様が若干違っていたためだとされている。
なおこの後、元の姿にもどった3人が川辺で自身の姿を再確認していると、ハチワレが川辺から「黄色と緑の集合体のような見た目の生き物（アレ）」を収穫する。ハチワレはこの生き物を食べるようちいかわへ勧めるが、普段食欲旺盛なうさぎですら手をつける様子はなかった。