ミントな僕ら(吉住渉)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ミントな僕ら』とは、吉住渉による青春少女漫画。集英社『りぼん』にて掲載された、双子の姉弟の恋愛模様を描いた学園ラブ・コメディ。双子の姉・南野(みなみの)まりあが大好きな、双子の弟南野のえるは、初恋の人を追いかけて全寮制の学園に転校したまりあを連れ戻すため、自分も転校しようと決意する。ところが、女子寮しか空きがなかったため、のえるは女子生徒を装って寮生活を送ることとなってしまう。性格の違う双子2人のそれぞれの恋愛模様や、思わず笑えるコメディタッチの作風が魅力的な作品。

のえるとまりあが飼っていたペットのインコ。「キ~ボッ」と鳴くため、キー坊と名付けられた。
作者が小学生の時に飼っていたペットがモデル。

アンブラッセ・モア

栗栖慈朗が所属しているロックバンドのこと。森ノ宮学園中等部軽音部部員で結成されており、クリス、レン、ミチヤ、タクミの4名で構成されている。ドラムパートを務める人物がいないという事情から、ライブでは録音した演奏に当て振りをしボーカルのクリスのみが生で歌う形式をとっている。学園際のライブはいつも満席。

『ミントな僕ら』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

南野のえる「もう双子なんてやだよ…!!」

単行本2巻のシーン。
まりあと良陽の交際を認めず、2人のデートに黙ってついていったり、キスを阻止したりなど邪魔ばかりしていたのえる。
そんなのえるの行動を見て、自分がまりあと会ったばかりで交際を申し込んだため、彼女への想いがいい加減に思われているのだと良陽は気付く。良陽は、半端な気持ちではなく真剣にまりあを想っていることを、真摯にのえるに伝える。良陽の熱心な態度な対応が功を成し、のえるはようやくまりあと良陽の交際を承諾した。
しかし実際のえるは深く傷ついており、自分達が双子ではなく、ただの姉弟だったらこんな疎外感を感じることはなかったと、寂しさと悔しさが入り混じった複雑な気持ちを抱えていた。そして部活で居合わせた佐々に「もう双子なんてやだよ…!!」と、のえるは泣きながら本音を打ち明ける。
良陽の交際が認められ幸せ絶頂なまりあの陰で、のえるが孤独に双子の葛藤を抱くシーンである。

まりあがのえるの振りをして、クリスに女だという証拠を知らしめるシーン

単行本6巻のシーン。
クリスはのえるが男だという決定的証拠を手に入れるために、のえるを体育倉庫へ呼び出す。しかしそこへ現われたのはのえるの振りをしたまりあだった。そうとは知らないクリスは決定的証拠を撮るためにまりあの服を脱がそうとするが、そこへ偶然佐々が通りかかり、まりあの助けに入る。
大声を出されることを危惧したクリス達はその場を立ち去ろうとしたが、まりあはそれを引き留め、ブラウスを脱ぎ下着姿を彼らに見せつけた。
体を張ってでものえるを守りたいと、姉である頼もしさを感じるシーン。

のえるが声変わりをするシーン

単行本5巻のシーン。
起床時、のえるの声がおかしいことに気づき指摘するまりあ。それは女装生活の終焉を意味するため、のえるはパニックに陥る。学校生活をどう乗り切るか悩んだが、幸い合唱コンクールの練習中だったため、そのせいで喉を潰したと説明をすると、クラスメイト達はその言葉を疑いもせず納得していた。
そのおかげで何とか誤魔化すことができたが、のえると未有と声変わりに関する会話をクリスに聞かれてしまう。
のえるの今後の女装生活が危ぶまれたシーン。

『ミントな僕ら』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

作者・吉住渉による前作『君しかいらない』の世界線を共有

作者の前作『君しかいらない』のヒロインである栗原朱音(くりはら あかね)と本作の主人公・南野姉弟はいとこ同士であり、『ミントな僕ら』の作中に朱音と朱音の父親である栗原トオルの話題が登場している。
トオルに関しては、本人が登場しないながらも、彼の名前が作中の重要なキーワードになるという、独特の位置を占めている。

のえるは急遽バスケ部のマネージャーへ設定変更

実は作者の中では初連載の前から本作のアイディアがあり、当初の設定ではのえるとまりあは女子テニス部でダブルスを組み、まりあの恋の相手は顧問の先生の予定だった。
しかし、テニス部も先生への恋も作者の他作品「ママレード・ボーイ」で使用してしまったため、急遽バスケ部に変更となる。また、のえるがバスケプレイヤーだと他の選手と接触し、かつらがズレて男バレをしてしまうことを防ぐためバスケ部のマネージャーへ変更した経緯がある。

『美少女戦士セーラームーン』の作者・武内直子が一部コマの作画に参加

『美少女戦士セーラームーン』の作者、武内直子が第1話のスペシャルゲストとして、一部のコマの作画担当として参加している。参加内容はモブキャラクター数名の作画を行うという小規模なものだが、両作家のファンには見逃せないものとなっている。

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