猫と紳士のティールーム(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『猫と紳士のティールーム』とは、2022年10月より『月刊コミックゼノン』にて連載を開始したモリコロスのグルメ系漫画作品。紅茶専門店「CAMELLIA TEA ROOM」を舞台に、紅茶と愛猫キームンをこよなく愛する店主・瀧(たき)が、客に合わせた「本日の紅茶」でひと時の喜びを提供する。極度の人見知りながらも客の心情を察することに長けた瀧が淹れる紅茶は、訪れた客達の悩みや疲れにそっと寄り添い、優しく癒す。

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瀧(左)の相棒のような存在のキームン(右)は、紅茶談義が止まらなくなる瀧を制することもできるしっかり者。

瀧の愛猫で、相棒のような存在。胸元とあごの部分だけ白く、他の部分は黒い長毛種の猫。性別はオスで年齢は不明。えんじ色の蝶ネクタイのような首輪を付けており、黒い毛と相まってタキシードを着ているような雰囲気を醸し出している。店の出窓から愛想を振りまき、片出や買い物帰りの主婦を店に誘い込んだ。瀧が紅茶を準備している際には傍で見守り、決して邪魔をすることはない。だが、瀧が客に紅茶の話を始めると、適度なタイミングでストップを入れる。
閉店後や客がいない時には瀧に甘えたり遊んでもらうが、客が入ってくるとしっかり仕事モードに切り替える。
瀧の兄からは「クロちゃん」と呼ばれている。2巻ではお馴染みの常連客となった片出にすっかり慣れ、腹を出して撫でてもらっている。

「CAMELLIA TEA ROOM」の客

片出(かたいで)

第1話から登場する片出。その後もお店を訪れ、常連客の1人となる。

1巻の第1話「ダージリンとアップルパイ」に登場する社会人1年目の女性。ショートボブでカジュアルな印象。仕事で大きな失敗をして落ち込み、気分転換に散歩していた最中に「CAMELLIA TEA ROOM」を見つける。店の出窓で営業を仕掛けるキームンに惹かれて店内に入り、瀧のイケオジ具合もツボにはまって以後、常連客として度々店に顔を出すようになる。
初来店時は「本日の紅茶」をオーダーし、アップルパイとダージリンのセカンドフラッシュのあまりの美味しさに驚いた。忙しくしていた職場の先輩に質問ができずにミスを招いたと落ち込んでいたが、その後悔を思い出し、瀧に思い切って紅茶のことを聞き出した。近づき難い雰囲気を出していた瀧が嬉しそうに紅茶の話をする様子を見て「聞いてよかった」と安堵し、紅茶を味わいながら元気を取り戻す。
アンティーク調な店の雰囲気とは異なるカジュアルな自分の服装を気にしていたが、瀧が片出のファッションも加味した上でティーセットを出していたことを知り、その後も普段のファッションで店を訪れている。初来店以降は店を気に入り、常連客になっており瀧からも名前を覚えられている。2巻では猫の撫で方もマスターし、キームンも腹を見せるほどの仲になった。初来店時には瀧の紅茶話の勢いに戸惑っていたが、常連になってからは積極的に瀧に紅茶の質問をするなど、自分なりの紅茶のある生活を楽しんでいる。作中で何度も店を訪れており、登場回数が最も多い客でもある。

買い物帰りの主婦

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買い物帰りに偶然店に入ることになった主婦。良い声で語られる瀧の紅茶の解説を気に入り、後に常連客になる。

買い物の帰り途中に「CAMELLIA TEA ROOM」を偶然見つけた主婦。名前は不明。1巻第2話「アールグレイとザッハトルテ」に登場する。夫と中高生の子供が2人おり、日々の家事に追われている。
夕飯の食材を抱えながら店頭で立ち止まっていたところ、手持ちのエコバッグが破れて食材を落としてしまう。その様子を見た瀧に食材を拾ってもらった上に、代わりのエコバッグまで無償で渡されたため、そのまま帰るに帰れなくなり店に入る。店への第一印象は「高そう」。そのため、メニューを選ぶ時も最も安いという理由で700円の「本日の紅茶」をオーダーした。
普段はコーヒー派だが、提供されたアールグレイとザッハトルテの美味しさに驚き、店に来ていた片出も驚くほどの大声を上げて感動した。その後の瀧の紅茶の解説にも目を輝かせた。
大らかな雰囲気でありながら瀧の人見知りを見抜いたり、キームンを触った瀧が手を洗ったのを確認するなど、密かに洞察力がある。瀧とは対照的にコミュニケーション能力もあり、初来店ながらも会計時に瀧の名前を聞き出した。2巻にも登場しており、常連になった様子が伺える。初来店時と変わらず、アールグレイとザッハトルテがお気に入り。

会社員風の女性

明らかに沈んだ表情で「CAMELLIA TEA ROOM」を訪れた女性。1巻第3話「ディンブラとマドレーヌ」に登場する。
2~30代ぐらいで会社員風の外見。名前は不明。大好きなアーティストのライブチケットが転売屋の影響で手に入らなかったことにひどく落ち込んでいた。瀧が「幸せが訪れそうなモチーフ」としてクローバーが描かれたティーカップで「本日の紅茶」を提供した際には、思わず頬を緩めてカップをスマホで撮影した。
提供されたのはディンブラとマドレーヌ。ディンブラの香りと味には風呂に浸かったように和らいだ表情を見せた。その後、妹からの電話を受けてチケットが入手できたと知ると、思わず席から立ちあがった。その時に感動のあまり大声が出てしまい、瀧を驚かせた。喜びを噛み締めてディンブラとマドレーヌを食べ終え、会計を済ませる頃には別人のように笑顔を取り戻した。

山田 甘菜(やまだ かんな)

紅茶を準備中の瀧(左)を正面から観察しようとする甘菜(右)

1巻第4話「ロイヤルミルクティーとカヌレ」に登場する女子高生3人組の1人。おいしいミルクティーの淹れ方を知りたいという山田結愛の願いを叶えるべく、みちか、結愛と共に来店。
センター分けのショートボブでそばかすがあり、スポーティーで目立つ雰囲気の女の子。3人の中で一番背が高い。見た目の印象通り元気が良く、よくしゃべる。瀧を見た直後に「店長さんかっこえー!」と話したり、キームンの写真を撮りたがるなど素直な性格。時々みちかにフォローされている。
学校では苗字が同じみちか、結愛と共に「山田三姉妹」と呼ばれており、席が近かったことから仲の良い3人組となった。名前の順番から長女ポジションとなっている。みちか、結愛と共に瀧のミルクティーの淹れ方を楽しそうに観察した。

山田 みちか

瀧が紅茶を淹れる様子を観察するみちか。店では常にキームン(下)を抱っこしていた。

甘菜、結愛と共に「CAMELLIA TEA ROOM」を訪れた女子高生3人組「山田三姉妹」の1人。名前の順番で次女ポジション。
ロングヘアで、話の語尾に「~」がつくことが多く、3人の中では最も女子力が高そうな雰囲気を持つ。思ったことを素直に口に出す甘菜をやんわりフォローしたり、ナイフとフォークの持ち方を教えるなどしっかり者の片鱗も見せる。甘菜と共に目立つタイプの雰囲気があり、クラス替え当初は結愛が自分達と接する時に緊張していたと語る。
甘菜、結愛と共に瀧がミルクティーを淹れる様子を楽しそうに観察し、温められるミルクにも声をかけていた。キームンを気に入り、店にいる間はずっと抱っこしていた。

山田 結愛(やまだ ゆあ)

甘菜(中央)とみちか(右)と共にティーセットに興奮する結愛(左)

山田甘菜、みちかと共に「CAMELLIA TEA ROOM」を訪れた女子高生3人組の1人で、来店するきっかけを作った本人。山田三姉妹の末っ子ポジションで、黒髪で眼鏡をかけている。甘菜やみちかと比べると制服のスカートも長く大人しい雰囲気。人生で初めてミルクティーを飲んでその美味しさに感動し、自分でもミルクティーを淹れてみたが紅茶の味がしなかったという残念な経験から、紅茶専門店で美味しいミルクティーを飲みたいという想いを抱いて来店した。瀧の紅茶の話に興味深く聞き入り、実際にミルクティーを淹れる様子を見ながら熱心にメモをとっていた。
瀧のロイヤルミルクティーの味に感動して「今まで飲んだ飲み物で一番おいしい」と大絶賛し、瀧を赤面させた。カヌレを口にした後にもう一度ミルクティーを飲み、その美味しさに思わず目を見開いた。いつもと全く異なる表情を見せたことで、甘菜とみちかを驚かせた。

石尾(いしお)

出典: cdn.mangahot.jp

富田とのデート中、紅茶の美味しさに驚く富田を見て赤面する石尾。

初デートで想いを寄せる富田と共に店を訪れた男子大学生。2巻第7話「苺のカスタードタルトと紅茶占い」に登場。デート相手の富田を誘ったものの、紅茶には詳しくないためオーダーに迷ってしまう。大人しそうな雰囲気で、初デートの会話に悩んでいた。状況を察知した瀧に「紅茶占い」を勧められ、興味を持った富田の様子を見て紅茶占いを注文した。初デートの会話をスマホで調べようとしたり、紅茶を並べる瀧を手伝おうとするなど、デートを成功させるために一生懸命な様子を見せる。
ショートケーキの苺は最後に取っておく派で、占い用の紅茶「キャンディ」と一緒に出された苺のカスタードタルトに乗った苺をたくさん食べられることに喜んだ。これがきっかけで富田との会話が弾み、瀧を安堵させた。牛乳と砂糖を加えたキャンディの美味しさに感動し、たどたどしい食レポをする富田の可愛さにはたまらない様子で赤面していた。
肝心の紅茶占いでは、誰が見ても分かるぐらいはっきりとしたハート型を出し、思わず富田の前で「好きだから」と想いを明かす。晴れて初デートは成功となり、富田と手を繋いで笑顔で帰って行った。

富田(とみた)

8kN1014
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