それでも歩は寄せてくる(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『それでも歩は寄せてくる』とは、2019年より山本崇一朗が『週刊少年マガジン』で連載している漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。アニメ放送は2022年7月から9月。
将棋部の先輩後輩の間柄である、うるしと歩(あゆむ)の日常を描いたラブコメ作品。恋の駆け引きを将棋の勝負になぞらえたストーリーが特徴。
先輩のうるしに将棋で勝ったら告白すると胸に誓っている歩。告白こそしていないものの、あからさまにうるしのことが好きだと思わせるような真っ直ぐな発言でうるしのことを照れさせている。

うるし「と金~、と金~、成ったら強いぞ。歩でも強いぞ。でも2つ置くと負ける~。何気に最強~♪」

放課後部室へ向かう途中や買い出しの途中など、うるしがときどき口ずさんで歌っている「と金のうた」。
「と金~、と金~、成ったら強いぞ。歩でも強いぞ。でも2つ置くと負ける~。何気に最強~♪」という歌を歌いながらうるしは夕飯の買い出しの帰り道を歩いていた。するとそこへ歩が現れ、用事があってうるしのことを待っていたという。歩はうるしの家に電話をして、うるしが買い出しに出ていることを聞き帰り道の途中で待っていたのだ。
うるしは歩から「センパイ、さっきの歌はいったい」と聞かれ、と金の素晴らしさを説いた歌だということを説明する。うるしの将棋好きな面がよくあらわれている。

うるし「へーい、しょーぎー」

うるしはよく、元気に「へーい、しょーぎー」と言いながらと金のポーズをして部室のドアを開けて入って来る。先に部室に来ていた歩は「何ですかそのアホみたいなやつは」と冷ややかな反応を示す。うるしと歩の関係性が表れているやり取りである。

うるし「月が…丸いな…」

修学旅行中に歩と電話越しに将棋をするシーン。歩から「月がキレイですね。」と言われ、愛してますという意味ではないことを伝えるため照れながら言葉を選ぶ。うるしは「月が…丸いな…」と別の言い方で月がキレイであることを伝えようとする。

凛「それほど惚れたのに…!!未だに告白もできていない意気地なしに怒っているんですよ!!」

「田中さんのことが好きなんですか?」と率直にうるしに問い詰める凛。しかし実際にはその逆であり、歩がうるしのことを好きだと言うことを知る。タケルにもその事実を確認した凛の心はざわつく。
凛はタケルから歩が剣道をやめたことについて怒っているのか聞かれるが、「そうじゃないです!それほど惚れたのに…!!未だに告白もできていない意気地なしに怒っているんですよ!!」と強い口調で言い返す。
なぜなら凛自身も中学時代、剣道で一本とったら歩に告白すると決めていて、そんな自分自身と重ね合わせてしまったのだ。

凛「好きな人がいなくなった学校というのは、けっこう寂しいものですから」

うるしが修学旅行に行くので、数日間会えなくなることに落ち込む歩は将棋がいつも以上に弱くなっていた。そんな歩の相手をしていた凛は同情し「好きな人がいなくなった学校というのは、けっこう寂しいものですから」と言葉をかける。
歩は「凛にもそんな経験があったのか」と自分に対しての事だとは全くわからないのであった。

飼い主に似るペット

帰り道にうるしと歩が2人で歩いているとネコに遭遇。うるしの家で飼っているキンという名のネコだった。
ペットは飼い主に似るという言葉があるように、「なんとなくうるしと似ている気がする」と歩。
キンのことを言っているはずなのだが、かわいい、きれい、美しいといった言葉を自分と重ねてしまううるし。
キンは歩にすごく懐いてくるので「オレのこと好きなんですかね」とうるしに尋ねるが、うるしは照れながら全力で否定する。

うるし父と対決

うるしの父に将棋で勝負を挑む歩

雨上がりの帰り道、車の水ハネからうるしを守りびしょ濡れになってしまった歩。うるしは着替えを貸すため歩を家に上げる。
帰ろうとした矢先、玄関でうるしの父と遭遇する。
うるしはとっさに彼氏だと嘘をつき、歩を連れて馴染みのお好み焼き屋に逃げ出す。
うるしは父に将棋部に入っていることを黙っていて、家の中でも将棋のことは話題に出していなかったからだ。

しかし、うるし父はどこへ行ったかなど百も承知ですぐ店にやってくる。歩は自分が勝ったらうるしの話をちゃんと聞いてほしいと父に勝負を挑む。
八枚落ちでも全く歯が立たず、圧倒的強さを見せつけるうるし父。歩がもう一度勝負を挑もうとしたところで、うるし父はすかさず「その歳で許すわけないだろう!結婚なんて!」と声を大にして叫ぶ。
うるしの父は結婚の話を聞いてほしいとずっと勘違いしていたのだ。
父に初めて将棋部に入っていることを告げるうるし。そこへうるしの母も店に入ってきて、全員で食卓を囲みながら話をすることに。

母から事実が語られる。まだ3歳だったうるしは、じいちゃんと組んでうるしの父を将棋で負かす。
うるしに「お父さんよわーい」と言われたのが相当ショックで、父は十数年間ずっとスネ続けていたのだ。
うるしはそれを父は将棋が嫌いなのだと思い込んで過ごしてきており、将棋の話も将棋部に入っていることも黙っていた。
歩が勝負を挑んだおかげで長きに渡っての悩みは消え、父と娘の距離も縮まったのであった。

『それでも歩は寄せてくる』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

漫画の元々の始まりはX(旧Twitter)

作者山本崇一朗のX(旧Twitter)アカウント内にて不定期に投稿されていた無題の漫画が原案となっている。

将棋に関して詳しくなかった作者山本崇一朗

本作は将棋マンガだが、山本崇一朗は特段将棋に詳しいわけではないようだ。
女流棋士の北尾まどかと、株式会社ねこまどが監修協力している。

将棋の駒にかけた学校名

ayuhunn
ayuhunn
@ayuhunn

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