それでも歩は寄せてくる(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『それでも歩は寄せてくる』とは、2019年より山本崇一朗が『週刊少年マガジン』で連載している漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。アニメ放送は2022年7月から9月。
将棋部の先輩後輩の間柄である、うるしと歩(あゆむ)の日常を描いたラブコメ作品。恋の駆け引きを将棋の勝負になぞらえたストーリーが特徴。
先輩のうるしに将棋で勝ったら告白すると胸に誓っている歩。告白こそしていないものの、あからさまにうるしのことが好きだと思わせるような真っ直ぐな発言でうるしのことを照れさせている。

将棋の駒には玉将と王将があり、段位が上の人や年上の人が王将を持つという礼儀がある。

棒銀

飛車、銀、歩を縦一列に並べて進め、龍を作るのを狙う戦法。

(アニメでのエピソード)
年末も近づき、年内うるしに1勝もできなかった歩。今まで平手での勝負だったが、6枚落ちのうるし相手に勝ちを狙いに果敢に攻めていく一手。
歩が勝ったが、平手で勝つまでは告白はしないと決意。

三間飛車(さんけんびしゃ・さんげんびしゃ)

先手なら7筋、後手なら3筋に飛車を振ること。石田流、コーヤン流、下町流など様々ある。

(アニメでのエピソード)
歩と凛の初対局で凛が打った手。凛は小さい頃、将棋教室にも通っていたことがあり強かった。
この勝負で凛が勝ち、歩は「田中先輩」から「田中さん」呼ばわりされることになる。

耀龍四間飛車(ようりゅうしけんびしゃ)

美濃囲いにせず、3八玉型で戦うノーマル四間飛車。
美濃囲いとは振り飛車戦法で用いられ、先手でいえば玉将を2八の位置に、右の銀将を3八の位置に、左の金将を5八の位置に動かして作る囲いのこと。
四間飛車とは振り飛車の一種。 先手ならば飛車を6筋に、後手ならば飛車を4筋に振る戦法である。

(アニメでのエピソード)
修学旅行中のうるしと電話越しに対局した歩が出した戦法。凛に特訓してもらった成果を発揮し、強くなっていることをうるしも実感する。

その他の用語

将棋用語ではない、作品の中で登場する用語。

と金のポーズ

と金のポーズ

右手親指、人差し指、中指の3本で、ひらがなの「と」の形をつくるポーズ。ピースサインと同じように使われる。

BOYAITTER(ボヤイッター)

コミックス作中に登場するSNS。うるしが「と金LOVE」というアカウント名で詰め将棋を載せている。
「と金LOVE」がうるしとは知らず、偶然にも歩は「走る」というアカウント名で毎回回答を送っていた。

コアラのマッチョ

チョコレート菓子。まれに幸運を呼ぶ、ガチムチマッチョコアラが入っている。

『それでも歩は寄せてくる』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

歩「すごいですねセンパイは…こんなに将棋が強くて、そのうえそんなにかわいいだなんて」

放課後部室で将棋を指しているうるしと歩の2人。うるしは「強くはなってきてるけど、まだまだだなー」と歩の成長を認めつつも、追い打ちをかける一手で攻める。
歩は「すごいですねセンパイは…こんなに将棋が強くて、そのうえそんなにかわいいだなんて」と言った。それを聞いてうるしは動揺する。
歩はあくまで、うるしがかわいいという事実をそのまま言ったに過ぎないと主張する。これはまぎれもなく歩がうるしに思っている感情なのだ。

歩「オレは一生センパイと将棋を指していたいくらいですよ」

部員が増え正式な部として認められることを願ううるしだが、このまま2人だけのままでいいと思う歩の気持ちが表れる一言。
うるしは部員が入れば負けてばかりの歩むも勝てるかもしれないと、部員が増えることの良さを説こうとする。しかし歩は「オレは一生センパイと将棋を指していたいくらいですよ」と部員が増えることに反対の気持ちを表現しようとする。うるしは「何そのプロポーズっぽいの!?」と照れる。

歩「オレ今なら何を犠牲にしてでもセンパイを喜ばせたいですよ」

歩は幼なじみのタケルを部員に勧誘し、新入部員が1人増えたことをうるしに伝える。嬉しい気持ちと感謝の気持ちを正直に伝えるうるし。うるしが喜んでくれることに自分も嬉しくなり、一瞬気を失う歩。
歩はうるしと二人きりでいられなくなるため本当は部員が増えて欲しくないと願っているが、うるしの気持ちを優先させる。部員を増やすためなら仕方ないと自分の気持ちを犠牲にする歩の優しさが表れている。歩は「オレ今なら何を犠牲にしてでもセンパイを喜ばせたいですよ」と他にもうるしが嬉しくなることしてあげたいという思いを伝えるのだが、うるしにとっては重荷で「いや犠牲って怖いから!ヤダ!」と返す。

ayuhunn
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