からかい上手の高木さん(漫画・アニメ・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『からかい上手の高木さん』とは、『ゲッサン』にて連載の山本崇一朗による漫画作品及び、それを原作としたアニメ作品。とある田舎の中学校を舞台にした男子中学生の「西片くん」と同級生の女子「高木さん」のからかいあい勝負を通して描かれる、1話完結の甘酸っぱくもほほえましいラブコメディ。
第2回次にくるマンガ大賞にもノミネートされた本作は、『ふだつきのキョーコちゃん』や『あしたは土曜日』と同じ舞台で描かれており、両作品を知っていると更に楽しめる作品となっている。

『からかい上手の高木さん』の概要

『からかい上手の高木さん」とは『ゲッサン』(小学館)連載の山本崇一朗による漫画作品及び、それを原作としたアニメ作品。
日本の田舎町にあるどこかの中学校を舞台に、男子中学生「西片くん」と、彼をからかうことが大好きな同級生の女子「高木さん」のやりとりを軸に描かれたラブコメディ。

作品を通して西片くんの視点で描かれており、「高木さん」にからかれては仕返しをしようとして、返り討ちに合い、またからかわれる中で、少し小悪魔的な「高木さん」にドキッとさせられたり、中学生2人の純情な関係をほほえましくも応援したくなってしまう作品。
また同原作者の作品『ふだつきのキョーコちゃん』と『あしたは土曜日』は世界観を共有しており同じ舞台で描かれている。特に『あしたは土曜日』は本作と同じ中学校が舞台になっておりミナ、ユカリ、サナエの3人は本作の西片くん、高木さんと同じクラスという設定になっている。時々見られるミナ、ユカリ、サナエの3人の日常もファンにとってはたまらない見どころの一つである。

『からかい上手の高木さん』のあらすじ・ストーリー

消しゴムを使ったおまじない

「西」の文字が書かれた消しゴム。

中学生男子の西片くんは授業中にも関わらず、コソコソとビックリ箱を作っていた。西片くんは普段自分をからかってくる高木さんをビックリさせて一泡吹かせてやるつもりでいたが、逆に高木さんが筆箱に仕掛けたビックリ箱に驚かされてしまい、先生にも注意される始末。懲りずにどうにか仕返しができないかと考える西片くんに、高木さんは消しゴムを貸してほしいと頼んでくる。しめたとばかりに高木さんがドジだという西片くんだが、消しゴムに好きな人の名前を書いて使い切れば両思い、という言葉にドギマギさせられてしまう。

西片くんの貸した消しゴムを訝しげに眺める高木さんを見て、もしかして自身の消しゴムに何か書いてあったのかと困惑する西片くん。そんな子供っぽいことはしないと強がる西片くんだが、不安に駆られて消しゴムを返してほしいと頼み込む。
消しゴムを返してくれる高木さんに言い訳をする西片くんだが、そこには何も書いてなく、しかも高木さんの机の上には忘れたはずの消しゴムがあり、またからかわれたことに気付く。

高木さんは授業中にトイレに行った。またもやからかわれ、先生にも怒られた西片くんは、高木さんが席を外している隙に高木さんの消しゴムに名前を書いて、からかってやろうと画策する。しかし消しゴムのケースを外そうとした瞬間、「ろ」の一文字が書いてあった。自分の名前ではないことに何だか落ち込んでしまう西片くんだが、高木さんの弱みを握るために決死の思い出消しゴムの中身を確認する。しかし、そこには「ろうかみろ」と書かれており、廊下には西方くんを笑う高木さんの姿があった。さらにからかわれていたことに気づいた西片くんは絶望の表情を浮かべる。

やはりからかい甲斐があると喜ぶ高木さんに、いつか絶対恥ずかしがらせてやると宣言すると西片くん。
それに対して高木さんは「無理だと思うよ。大チャンスで2分の1を外すようじゃね」と言う。
その言葉の意味がわからず困惑する西片くんだったが、見えない側の面には「西」の字が書かれていたのであった。

自転車の2人乗り

明日からいよいよ夏休み。クラス中が浮かれムードの中、あまり嬉しそうじゃない高木さん。下校中も西片くんは待ちに待った夏休みで嬉しそうな様子。プールに海水浴、キャンプなどやりたいことが沢山ありすぎて時間が足りないと西片くんが楽しそうに話すのを真顔で聞いている高木さん。西片くんが「あぁ~。ずっと夏休みだったらいいのになぁ」と言うと「そぉ?私は学校も好きだよ。だって⋯楽しいもん」と高木さんは言う。
そんな2人の目の前を自転車2人乗りしながら楽しそうに通り過ぎるクラスメイトの中井くんと真野ちゃんの姿があった。「私たちもしよっか?」という高木さんの提案を赤面しながら断る西片くん。
「もしかして恥ずかしいの?」とからかわれたので言い返すと、高木さんに言いくるめられて結局空き地で2人乗りを試してみることになった。
「できなかったらジュース奢ってね」と高木さんに言われて意気込む西方君だが、上手くこぎ出すことができなかった。「こんなに難しいのか!2人乗りって」と焦る西片くん。
わざと高木さんがバランスを崩しているんじゃないかと疑うが、高木さんは西片くんのせいだとして、「前に乗っけてもらったときはその人スイスイこいでたもん」と意味深発言をする。「その人」が女子ではないと知り、何だか心の中がモヤモヤする西片くん。しかし何度も諦めずにチャレンジする。

そんな西片くんの様子を見て「なんか、ムキになってる?」と高木さんが聞くとムキになる西片くん。ムキになりつつペダルをこぎ出すと少しずつ自転車が前に進み出した。すると高木さんが「ねぇ、西片。私が最後に2人乗りしたのってね、お父さんだよ。4歳の時だったかな?」と言いだし、それを聞いた西片の足がペダルから外れ、自転車はバランスを崩して転んでしまう。
結局、西片くんは高木さんにジュースを奢ってあげた。そして自分の分も買おうしたが財布に32円しか持っていないことに気づく。高木さんに自分の分を買うお金がないとは言えずごまかすと、高木さんは飲んでいたジュースを西片くんに差し出して「飲む?」と聞いてきた。本当は飲みたいがまた間接キスだとからかわれることを警戒し断る西片くん。

汗を流して暑そうな西片くんを見た高木さんは、自分のお金で西片くんにジュースを買ってあげる。「いいの?」と西片くんが聞くと「うん。だって西片、間接キスで恥ずかしがりすぎなんだもん」と笑顔で言う高木さん。赤面しながら否定する西片くん。2人でジュースを飲みながら話していると、高木さんが明日からここで2人乗りの練習をしようと言い出す。ここで乗るだけなら練習しても意味はないのではないかとする西片くんに「ううん、あるよ。だって明日から夏休みだもん」と答える高木さん。意味が分からない様子の西片くん。最初の浮かない顔とは打って変わって「楽しみだね!夏休み」と笑顔で言う高木さんであった。

部屋で一緒に勉強

高木さんと西片くんの2人で夏休みの宿題の進捗について話をしていると、高木さんが「今日、一緒に宿題しない?」と誘う。西片くんは昼から約束があるという。自分の宿題を写してもいいよと高木さんが言うと、すぐにその気になった西片くん。2人は昼まで一緒に宿題をすることになった。
宿題をする場所を考えていると高木さんが西片くんの家で行うことを提案、西片くんの表情が一気に固まる。

西片くんの家の前に着いた2人。女子である高木さんが自分の部屋に入ることに緊張を隠せない西片くん。「お邪魔します」とキチンと挨拶する高木さんに「気使わないで。親、仕事だから」と西片くんは言う。自分の部屋に高木さんを案内したものの西片くんは内心ドキドキが止まらない。そんな西片くんの様子を察知して高木さんが「どうしたの?」と顔を近づけ、西片くんは飛び退いてしまう。
部屋の本棚に入った『100%片想い』のマンガ全巻を見つけた高木さん。それを見ようとする高木さんを慌てて止めようとする西片くん。すると2人の顔が予期せず急接近して思わず西片くんは「ごめん!」と謝った。どうして謝るのか高木さんに聞かれ、何も言えずにいると高木さんは「好きなんでしょ?」と聞いてくる。西片くんが混乱していると更に「好きなら好きって言えばいいのに」と言ってくる高木さん。西片くんが赤面していると「『100%片想い』好きなんでしょ?隠さなくていいのに」と高木さんが言うのを聞いて「そっちかー!!」と赤面したまま内心叫ぶ。

部屋の中を見回して「西片の部屋ってすごく西片っぽいね」という高木さんに「それって褒めてるの?」と聞く西片くん。少し考えてから「褒めてはないかな」と笑顔で答える高木さんに西片くんは何も言えない。その後の「私は好きだけど」という高木さんにも恥ずかしくて何も言えず勉強しようと切り出す。しかし、部屋に机は1つしかなく、折りたたみのちゃぶ台などもない。「じゃあ椅子に一緒に座って勉強する?」という高木さんの冗談を真に受けて赤面する西片くん。

冗談だったと安心したのも束の間、高木さんが少し黙ったあと静かに「ベッドで勉強しよっか」と言い、その言葉に衝撃を受けて固まる西片くん。高木さんは布団をめくり「ほら、布団めくったら机代わりになるし」と言い、西片くんを見て「どうかした?」とからかうような表情を見せる。西片くんは目線をそらせながら「ナイスアイディア」というのが精一杯だった。
2人隣同士で床に座り、ベッドを机代わりにして勉強を始めることに。ベッドの上に英語の宿題を広げた西片くんは「あの。さっきの話なんだけど」と遠慮がちに高木さんに言う。すると「もちろん、約束だもん」という高木さん。西片くんが宿題を写させてもらえると嬉しそうな顔をして「ありがとう」と言った次の瞬間、「私が持ってきてるの、漢字の書き取りだけど」と高木さんに言われて、ショックを受ける西片くん。漢字の書き取りは写しても意味がない。すぐに「だましたな!高木さん!」というと高木さんは「だましてないよー」と言いつつ笑い泣きした。

英語の宿題を写すことができなくなり、仕方なく宿題の漢字の書き取りを始めた西片くんは一緒に勉強する必要なかったのではと内心思いつつ、隣で同じく書き取りをしている高木さんに見とれてしまい手が滑って書き間違えてしまう。消そうと思って消しゴムに手を伸ばすと、そこには同じように消しゴムに手を伸ばしていた高木さんの手があり、手と手が重なってしまう。
西片くんはフリーズしながらも「これは『100%片想い』で見たシチュエーション!」とアニメのワンシーン(重なった手を握り「もっと側へ来いよ」と言って相手を引き寄せるシーン)を思い出すがそんなことはできなかった。
すると高木さんが「これ、西片の消しゴムだったね。間違えちゃった」と言うが、西片くんはかすれた声で答えるのが精一杯だった。その手が高木さんの手の上にそのままになっているので高木さんが「手」と言うと我に返る西片くん。西片くんは「ごめん!」と飛び退き、飲み物を取ってくるために走って部屋を出て行ってしまう。それを苦笑しながら見送った高木さんは、窓辺で鳴っている風鈴に気付き目をやる。そのまま部屋を見渡すと壁のコルクボードには書道で書いた「現状維持」と書かれた半紙や、プールの解放期間の書かれたお知らせが貼ってあり、思わず笑ってしまう高木さん。
帰り際に「また来るね」という高木さんの言葉に「部屋、片付けるか」とつぶやく西片くんであった。

わき腹

高木さんと並んで歩いて下校しながら、今日も1日、散々高木さんにからかわれてしまったと心の中で振り返り、どうにかしてやり返そうと目論む西片くん。
そんな西片くんの様子を見て「何?」と唐突に高木さんが西片くんのわき腹を指でつつく。わき腹をつつかれたことで思わず大声が出てしまった西片くんを見て「西片、ほんとわき腹弱いね!」と笑った。
高木さんは「自分はわき腹がこそばゆくない」という。それが本当なのか訝しんだ西片くんは高木さんのわき腹をつつこうとするが、「ほんとにつついてもいいものなのか?セクハラとかになるのでは!?」と自問自答する。高木さんから罰ゲームで「私のわき腹つついてみてよ」と言われると、西片くんは恥ずかしさをこらえて高木さんのわき腹を指でちょんとつついた。
高木さんは平気な様子で「ね?私、わき腹こそばゆくないんだよ」と言うが、西片くんは赤面したまま目を合わせることもできず「うん」というのが精一杯。

そのまままた2人並んで歩いていると突然高木さんが「脇の下は弱いんだけどね」と言い出し、顔を真っ赤にしながら心の中で「そんなとこ触れるかー!」と叫ぶ西片くんなのであった。

入学式の日の出会い

入学式の日、職員室に寄っていた西片くん。応対した先生にお礼を言われ、職員室を後にする。
教室では担任の田辺先生が教壇で話をしている最中だった。教室の後ろの席で鞄の中を漁りながら何かを探している高木さんは「落としたかな?」と悲しそうな表情を見せている。
ちょうどその時、田辺先生の話の途中で西片くんが申し訳なさそうな顔をして教室へ入ってくる。寝坊を疑う田辺先生。田辺先生の威圧感に西片くんは何も言えなくなってしまい、「西片です」と名前を答えるのが精一杯だった。

先生に促されて、悪目立ちしていることに恥ずかしさを覚えながら自分の席に座る西片くん。
ちょうどその時、田辺先生の元へ式の準備が遅れているという連絡が入ってくる。時間が出来たのでその間に席順を決めることになった。その結果、窓際の一番後ろの席になった西片くんは「ただでさえ誰も知らないのに左も後ろもいないなんて。しかも隣は女子」と思う。西片くんの隣の席は高木さんだった(西片くんはまだ高木さんの名前を把握していない)。西片くんが隣の席に座っている高木さんを見ていると、それに気づいた高木さんは「本当に寝坊したの?」と話しかける。西片くんが話しかけられた事に驚いていると、高木さんは「先生に何か言いかけてなかった?」と続ける。
西片くんが一言「高木さんって人のせいだ」とつぶやくと、その言葉に一瞬驚いた表情を見せる高木さん。ちょうどその時、田辺先生から入学式の為に体育館に移動するように言われ、話は途中のままになった。
西片くんの言ったことが頭に引っかかっていた高木さんは、何かに気づくのだった。

入学式が終わって教室へ戻ってきた1年2組の皆は各々自由に談笑していた。「初日から遅刻なんてすげぇな」と中井くんに肩を叩かれながらうなだれる西片くん。そこへ担任の田辺先生が入ってきて席に着くように促す。
皆が席に着く中、隣の女子(高木さん)がいないことに気づく西片くん。すると「すみません、遅れました」と言って教室に入ってくる高木さん。早く座るようにと田辺先生に言われて席に着く。
先生が色々と話をしていると、高木さんが話しかけてきた。西片くんが少し驚いて隣を見ると、高木さんが「今日、西片くんが遅刻した理由、当ててみようか」と言い出す。そして「1回で当たったら私の勝ちね」と高木さんは続けた。
頷く西片くんだが、内心1回で当たるわけがないと思っていた。しかし「落とし物、届けてたから」という高木さんの言葉に驚いて思わず席から立ち上がって大声で「えぇ!?何で!?」と叫んでしまう。クラスの皆が振り向いて注目する中、即座に田辺先生に怒られてしまう。
謝って席につき「何で?」と小声で高木さんに尋ねる西片くん。すると高木さんがスカートのポケットからハンカチを取り出し「何ででしょう~」と言いながら西片くんに広げてみせる。ハンカチには刺繍された「Takagi」の文字があった。
ようやく自分が拾ったハンカチの持ち主の高木さんが目の前にいる女子だと理解した西片くんは目の前にいる高木さんを指さして「高木さん??」と言う。「自己紹介の時いなかったもんね」という高木さんに頭を抱えて声を出す西片くん。
それを見て笑い声を上げて「何?その反応!」と面白そうに言う高木さん。すると田辺先生に注意されてしまい、西片くんと高木さんは2人揃って謝る。それでも笑いが止まらない高木さん、笑い泣きした涙を指でぬぐいながら「拾ってくれてありがとね」と西片くんに言った後「これからよろしく」と満面の笑みで言った。
その笑顔を見て、思わず頬を赤くしてしながらも「よろしく」という西片くんであった。

『からかい上手の高木さん』の登場人物・キャラクター

主要キャラクター

西片(にしかた)くん

CV:梶裕貴
本作の主人公。中学1年生。1年2組に所属している。
高木さんと同じクラスで、教室の左端の一番後ろ(窓際の席)に座っている。
毎日クラスメイトの高木さんにからかわれては、どうやって高木さんをからかうことができるかを考えている。
色々と仕返しを試みるも、いつも高木さんに見抜かれて失敗に終わっている。

高木(たかぎ)さん

CV:高橋季依
本作のヒロインで、中学1年生。
西片くんと同じクラスで西方くんの右隣の席に座っている髪の長い女の子。
西片くんに好意を持っているため、日々彼をからかってはその反応を楽しんでいる。

クラスメイト

月本サナエ(つきもとサナエ)

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