桐嶋郁弥（Free!）の徹底解説・考察まとめ

桐嶋郁弥の概要

桐嶋郁弥は、おおじこうじによる水泳を題材にした小説『ハイ☆スピード！』、及びそれを原作とした京都アニメーションによるテレビアニメ『Free!』シリーズに登場するキャラクターである。
郁弥が初めて登場したのは、原作小説では第2巻、アニメでは原作小説を元にした劇場版の『ハイ☆スピード！』。『ハイ☆スピード！』は遙と真琴の中学1年生の夏を描いた話で、郁弥は遙たちと同じ岩鳶中学の水泳部の仲間として描かれる。
水泳部に入部し、部長をしている兄の夏也の命令で遙、真琴、旭とリレーのチームを組むことになっても個人主義的な考えを貫いていたが、チームメイトたちと過ごしていくうちに本心を打ち明けることができ、仲間の大切さを学んでいく。中学2年時に兄と一緒にアメリカに水泳留学へ行き、帰国後の高校3年の時初めて出場した大会で大会新記録を叩き出した。中学2年以降はリレーメンバーと疎遠になっていたが、大学入学後に再会する。大学生の郁弥は個人の強さに固執するようになり自分を見失っていたが、再会した遙やその仲間たちと一緒に泳ぎ本当の自分を取り戻す。
中学生時代は、可愛い見た目で丸い目をしていたため女の子のような顔立ちをしていた。髪型はマッシュカットで前髪が長い。大学生になると可愛さよりも綺麗さが目立つ顔になっており、よりクールな印象を受けやすい。髪型は中学の時からほとんど変わらずマッシュのままである。髪の色は深い緑で、瞳の色は赤い。体格は中学から比べるとかなり成長しているが、周りと比べる華奢な方である。

桐嶋郁弥のプロフィール・人物像

性別：男
年齢：中学1年 13歳（『ハイ☆スピード！』）→大学1年18歳（『Free! -Dive to the Future-』）
誕生日：3月3日
身長：150㎝（中学1年）→176㎝（大学1年）
所属：岩鳶（いわとび）中学校水泳部→霜狼（しもがみ）学院大学水泳部
専門種目：ブレ（平泳ぎ）、個人メドレー
家族：兄（2歳差）
趣味：ヘッドホンで音楽を聴く
好きな食べ物：エビフライ、甘い卵焼き、ピスタチオクリーム
好きなもの：ゆるキャラ、リス
好きな本：にんぎょひめ
嫌いなもの：牛乳、ピーマン
イメージカラー：レッドパープル
イメージアニマル：ベルーガ
CV：内山昂輝

見た目はクールな印象を受けるが恥ずかしがり屋で泣き虫。感情が昂ると涙目になってしまうシーンがよくある。人付き合いに関して不器用で自分の気持ちを表現することが苦手なため、つい強い態度をとってしまうことがあるが、心を開いた相手や尊敬する人物には素直な性格である。かなり繊細で感受性が豊かであり、感覚が鋭い。そのため心が少し弱く、そんな自分が嫌いで誰にも頼らずに戦える強さを得ることに固執していた。真面目で自己管理も厳しく無茶な練習を続け、酸欠で溺れる事件が2回ほどあり、夢中になると周りが見えなくなってしまう危うさがある。また、負けず嫌いで意地っ張りな一面もあり、仲良くなった友達でも張り合って言い合いになっている。
自分の弱さをなくすため感情を殺していた時期もあったが、本来は感情豊かで素直である。本当の強さに気づいてからは仲間とも積極的に関わり、励まし励まされている。

桐嶋郁弥の能力

ブレ（平泳ぎ）

フリー（クロール）、バック（背泳ぎ）、ブレ（平泳ぎ）、バッタ（バタフライ）の4種目全てマスターしているが、特に得意なのがブレである。力強さよりもしなやかさを武器としており、中学の水泳部の先輩である芹沢尚（せりざわ なお）曰く、1番疲労の少ない泳ぎ方をしているため、ロングでもスピードを落とさず泳ぎ切ることができる。世界で戦える強さを持ち、世界大会では銅メダルを獲得した。

個人メドレー

個人メドレーとは、1人でバッタ→バック→ブレ→フリーの順に泳ぐ競泳の種目の1つである。
郁弥は中学2年から行ったアメリカ留学中に専門であるブレ以外の種目も次々マスターし、個人メドレーの練習に打ち込むようになった。
高校3年で日本に帰国し、初めて出場した大会で大会新記録を出すほどの実力がある。

桐嶋郁弥の来歴・活躍

小学生時代

兄に憧れて水泳を始め、一緒に地元の坂東SCに通っていて、当時の夢は「兄と一緒に世界を目指す」ことであった。「兄がいればそれでいい、友達もいらない」というほどに慕っていていつも後ろをついて行っていた。そんな郁弥を心配した兄に「世界を広げろ」「仲間を作れ」と突き放され、関係が拗れてしまい寂しい思いをする。しばらく兄に強く当たるようになり、兄弟仲は悪くなってしまう。

中学生時代

岩鳶中学に入学し遙、旭と同じクラスになる。中学の水泳部には入るつもりがなかったが勢いで入部することになり、部活初日に見た遙のフリーの泳ぎに魅せられ、それ以来ずっと憧れである。水泳部の部長をしている兄の夏也に次に行われる佐野中との練習試合でリレーを泳ぐように言われ、遙、真琴、旭とチームメイトになった。郁弥は兄がいなくなってからずっと1人で泳いできて、「強くなればもう1度兄が振り向いてくれるかもしれない」と1人でも強くなることを目指していた。他の3人も慣れないチームで、昔泳いだリレーが忘れられないなど気持ちがバラバラでチームはまとまらず、練習試合は散々は結果となった。
試合後、部活が始まる前の教室で郁弥は「もう水泳部を辞める」と3人に告げ、教室を飛び出してしまう。しかし追いかけてきた3人に本心を打ち明け、励まされ、兄に言われた言葉の本当の意味や仲間の大切さを知ることができた。部活に戻ってから兄とも話をして、和解することができる。その後体調を崩した遙の家にしばらくみんなで泊まって自炊したり枕投げしたり花火したりと絆を深め、練習でも連携がうまくできるようになり、記録会ではリレーで1位を獲得した。
夏の大会では勝ち進むことができなかったため4人で合宿を行う。合宿の夜、遙と2人でプールサイドに座り星を眺めながら話をし、いつかフリーで勝負してほしいと頼む。それ以来もっと強く速くならないとという意識から自分を追い込んで無茶な練習をしてしまい、酸欠で溺れてしまうことになる。その事件があった後郁弥はいつかではなく、来年の夏勝負しようと遙と約束を交わす。しかし遙は2年になる前に水泳を辞めてしまい、旭は親の転勤で引っ越してしまい、チームはバラバラになる。遙との約束も勝負もできなくなってしまった。
しかし遙は戻ってくると信じて、強くなるために中学2年で夏也とともにアメリカへ留学する。アメリカでは同い年の遠野日和と仲良くなり共に練習に励む。アメリカで強い選手を目の当たりにして壁にぶつかった郁弥は再び無茶な練習を続けてしまい、酸欠になり溺れてしまう。この事件がきっかけで、誰かに頼らず1人で強くならなくてはいけないと考えるようになり、1人で戦える個人メドレーにこだわり練習するようになる。
帰国後の高校3年時、初めて出場した大会で、個人メドレーの大会記録を更新し優勝した。

大学生時代

霜狼学院大学の水泳部に所属し、大学の新人戦の帰り道に遙と偶然再会した。中学で留学して以降、1人で強くならなくてはいけない、と練習を重ねしっかり強くなった郁弥だが、遙と再会したことで練習中にも昔のことを思い出して心が揺れ、泳ぎの調子を崩してしまう。そうして揺らぐ自分を感じてまだ強くなれていなかったと落ち込み悩む。アメリカにいる時から郁弥を支えてきた日和に、「郁弥は十分強い」、「七瀬遙のことは忘れるべきだ」と励まされるが、「日和には関係ない」と突き放し、しばらく距離ができてしまった。
悩み不調が続く中、大会で遙と個人メドレーを泳ぐことになり、遙のどこまでも自由な泳ぎを横で感じ、自分の本当の気持ちに気がつくことができた。メドレーの最中に自分を取り戻した郁弥は遙に勝利し、全日本選抜大会に進む。遙と泳いだことで再びリレーを泳ぎたい気持ちが芽生え、日和にリレーを一緒に泳ぎたいことを告げる。日和と共にフリーのリレーに出場し、遙と旭が所属する燈鷹（ひだか）大学と勝負することになり、結果は負けてしまったが日和とは和解することができた。試合の後は以前のような明るさを取り戻し復活を果たす。
遙と個人メドレーで対決した次の日の試合ではブレの100mとフリー100mに出場し、両方で全日本選抜に進出する。
全日本選抜大会では、個人メドレー、ブレ100m、フリー100mで出場した。個人メドレーでは兄の夏也との兄弟対決で僅差で勝利する。泳ぎ切った後、兄に抱きしめられながら「やっぱりお前は自慢の弟だ」と言われ涙する。2人とも惜しくも基準タイムをクリアできず、個人メドレーでは世界大会進出はできなかった。世界大会に進めたのはブレ100mのみとなった。
シドニーで行われる世界大会では世界の空気に飲まれ実力を発揮できずに予選で脱落し、5位で敗退という結果であった。悔しさと不甲斐なさが募り、世界大会後、次の世界大会に向けて夏也が行う合宿に参加する。プロを目指すことに決め、次の大会では種目をブレに絞り、参加し見事世界大会出場を決める。世界大会では予選も勝ち進み、決勝で銅メダルを獲得した。
自分個人の種目以外にも遙のために急遽メドレーリレーに出場することになった。予選からブレ担当で出場して勝ち上がり、決勝では遙、凛、宗介とのチームで優勝し金メダルを獲得した。

桐嶋郁弥の関連人物・キャラクター

七瀬遙（ななせ はるか）

CV：島崎信長
『Free!』シリーズの主人公。水や泳ぐことに特別な思いを抱き、水に愛される才能を持つ。その泳ぎは人を魅了する力がある。物静かで少し変わっているが、泳ぎ同様不思議と人を惹きつける。
郁弥とは中学1年生の時にリレーのチームになり、一緒に泳いだ仲間であった。専門種目はフリーで、フリー以外は泳がないが、大学生になり郁弥に再会したときに、変わってしまった郁弥と分かり合うために個人メドレーで試合に出て、中学の時に郁弥と交わした約束を果たす。
鯖が大好物で、話の中でも鯖を絡めた発言をよくする。