SYNDUALITY Noir(シンデュアリティ ノワール)のネタバレ解説・考察まとめ

『SYNDUALITY Noir』(シンデュアリティ ノワール)とは、文明崩壊後の世界で生きる冒険者たちのスリリングな日常と、世界の謎へと迫る戦いを描いたロボットアニメ作品。3社共同のSFプロジェクト『Project SYN』の中核シリーズ『SYNDUALITY』の、メディアミックス作品の1つである。
荒れ果てた地上を探検するドリフターになることを夢見る少年カナタは、ある時記憶を失った少女型アンドロイドを発見。ノワールと名付けた彼女の協力で己の機体を得たカナタは、ドリフターとして歩み始める。

「かつてイストワールと交信したミステルさえ手に入れれば、その正確な座標を突き止めることができる」と判断したイデアールは、ミステルの奪取を目的に大部隊を送り出す。カナタたちの暮らす都市を舞台に大規模な戦闘が繰り広げられ、トキオはマハトと対決。ついにその決着がつこうとしたその時、ヴァイスハイト操るクレイドルコフィンが乱入。ミステルを拉致した上に、研究中だったロケットを奪ってイストワールへと飛び去っていく。
ミステルを助けるため、カナタはヴァイスハイトを追うことを決意。「ヴァイスハイトのことは前から1発ブン殴ってやりたかった」というトキオ、「彼の行動はイデアールの同胞たちへの裏切りも同然だ」と判断したマハトもこれに協力し、3人はそれぞれのメイガスと共に予備のロケットに乗り込む。

ヴァイスハイトが乗ったロケットの軌跡を辿った先には、衛星軌道上に浮かぶ巨大な人工衛星があった。この地こそがカナタの両親が生涯を懸けて探し求め、カナタ自身も目標としていたイストワールの正体だった。絶滅した動物や地球環境を含むあらゆるデータと、文明崩壊前の技術が残されたこの地を掌握すれば、奇跡に等しい行為でも容易に実行できる。
ミステルを媒介にしてそのイストワールを掌握したヴァイスハイトが行ったのは、「地球に存在する全てのメイガスの機能を停止する」という暴挙だった。ヴァイスハイトは人類を超える能力を持つメイガスを警戒し、マハトたちにも秘密にしたまま“メイガスに頼らない形での人類文明の復興”を目指していたのである。メイガスが機能を停止したことでトキオとマハトのクレイドルコフィンが戦闘不能に陥る中、ノワールだけは機能を維持したまま、カナタと共に戦い続ける。

新たなる夢

ノワールが問題なく動くことができたのは、彼女が「シエルのボディにイストワールから送り込まれた人格プログラムを搭載した“未完成なメイガス”」であることが理由だった。そんなノワールを「メイガス以下のゴミ」と嘲笑されたカナタは、実力以上の力を発揮してヴァイスハイトに食い下がる。クレイドルコフィンを手動で再起動させたトキオとマハトがここに加勢し、彼らがヴァイスハイトを抑えている間にカナタはイストワールを起動させる媒介となっていたミステルに接触。彼女を解き放つことに成功する。
カナタたちを排除して再びイストワールを掌握せんとするヴァイスハイトだったが、ノワールとミステルが協力して放つ強力なメイガススキルによって戦闘力を奪われる。敗北を悟ったヴァイスハイトは、「お前にはまだやるべきことがあるはずだ」と必死に説得するトキオとマハトの手を振り切り、破損した隔壁から宇宙空間へと身を躍らせて散る。

イストワールそのものも大きなダメージを受けており、このままではカナタたち諸共に地表に落ちかねない状況だった。ミステルは「自分がイストワールに残って墜落を防ぎつつ、カナタたちを乗せた脱出艇を地上まで誘導する。他に手は無い」と言い切り、一行を問答無用で脱出艇に乗り込ませる。カナタとノワールは「君を助けに来たのに置いていくことはできない」と最後まで抵抗したが、これが全員が助かる唯一の道だと悟ると、「どれほど時間がかかっても必ずミステルを迎えに来る」と宣言。ミステルは「期待しないで待っている」と嘯いて、カナタたちを乗せた脱出艇を発進させる。
地上に戻った一行は、それぞれに新しい道を歩み出していった。マハトは「人類の救済」という崇高な目的のためにイデアールの再建に奔走し、古巣との決着をつけたトキオは新天地を目指して旅立っていく。「再びロケットを作り、イストワールに辿り着いてミステルを迎えに行く」という新たな目標を得たカナタは、同じ夢を追うノワールと共に、ドリフターとして力強く生きていくのだった。

『SYNDUALITY Noir』の登場人物・キャラクター

カナタ

CV:大塚剛央

ドリフターとなって幻の古代都市イストワールを見付けることを夢見る少年。頭の回転は速いが、それだけに考え過ぎて落ち込むことも多い。優しく誠実な人柄で、ロックタウンの多くの人々から信頼されている。
クレイドルコティンの操縦技術は低く、アヴァンチュールの入団試験では歴代最低の記録を叩き出している。しかしノワールの力でクレイドルコフィンの潜在能力を限界まで引き出せるようになり、ドリフターとしての人生を歩み始める。

ノワール

CV:古賀葵

カナタが地上の施設で見付けた少女型アンドロイド。後に初期型(ゼロ型)のメイガスであることが判明する。過去の記憶を全て失っており、日常的な面ではほとんど役に立たないが、クレイドルコフィンと接続するとすさまじい性能を引き出す。
基本的に自己主張しないおとなしい性格だが、「自分を再起動してくれたカナタに恩を返したい、彼の役に立ちたい」という想いを抱いており、ドリフターとして歩み始めたカナタを支えていく。

ミステル

CV:古賀葵

ノワールの内に眠っていたもう1つの人格。ミステルがいうには彼女の方が主人格で、ノワールのことは「セーフモード」と呼んでいる。自分のことについてはほとんど語らず、正体不明。
もともと同一の個体であるため、髪と肌が黒くなる以外はノワールと見た目は変わらない。自分のことを「ミステル」と名前呼びし、強力なメイガススキルを操る。カナタに対しては辛辣で、特にドリフターとしての腕前については徹底的にこき下ろしている。

シエル

CV:青山なぎさ

マスターのいない女性型メイガス。歌うことが好き。
共に連れ去られた際にノワールと知り合い、その流れとカナタとも関わるようになっていく。

トキオ/リヒト・アルター

CV:小林裕介

ロックタウンを拠点に活動する、一匹狼のドリフター。腕は抜群にいいが経営は大雑把で、儲けた金はすぐに使ってしまう。
ドリフターを目指すカナタを引き取り、自分の下で様々なことを学ばせている。カナタのドリフターとしての才覚に期待しており、「ドリフターは誰かに認められてなるもんじゃない、気付いたらなっているものなんだ」との言葉をかけている。

イデアールの一員として育てられた過去を持ち、当時は「リヒト・アルター」と呼ばれていたが、ここを出奔して以降は「トキオ」と名乗っている。

ムートン

CV:小松史法

トキオのメイガス。男性型で、いかにも執事然とした性格。トキオの奔放な振る舞いには時に苦言を呈しつつ、嫌な顔1つせずに尽くしている。
金遣いの荒いトキオがドリフターとして経営破綻せずにやっていけているのは、ムートンのサポートの力が大きい。

エリー

YAMAKUZIRA
YAMAKUZIRA
@YAMAKUZIRA

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