ハンサムな彼女(吉住渉)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ハンサムな彼女』とは、吉住渉によって描かれた恋愛少女漫画。1988年から1992年に集英社「りぼん」に掲載された。また、1992年にはポニーキャニオンからOVAが発売されている。吉住渉の代表作の1つである。女優である萩原未央は、あるドラマ撮影で熊谷一哉に出会う。芸能界という特殊な環境のなかで、10代の少年少女が夢と恋愛の狭間で葛藤しながら想いを深め合う青春ラブストーリーだ。

アーサーの監督作品。撮影の勉強にきた一哉を役者として出演させた作品。それ以来、アーサーは一哉を再び撮影したいと願う。

SOMY(ソミー)

レコード会社や電気製品、出版や文具など様々な商材を扱う大手グループ企業。ハードウェアの販売強化の戦略として、映画制作に携わる。

サウンドアベニュー

一哉が聴くラジオ番組。リスナーから募集したデモテープを紹介する特集があり、一哉は礼央が応募した作品を聴いて、礼央を自主製作映画の音楽担当に起用した。

プライヴェート藍(ぷらいべーとあい)

一哉達の自主製作映画のタイトル。主人公は未央。探偵である少女が、ある事件を探る内に自身の複雑な過去の真相を知ることになる物語。一時、出資元であるSOMY上層部の意向で制作が頓挫する問題が起きるが、無事に公開されてヒットとなった。

TRAFFIC JAM(とらふぃっくじゃむ)

超大型新人バンドとして注目されている。メンバーはヴォーカルの松木聖、ベースの本間しのぶ、リードギターの佐藤秋星(さとうしょうせい)、ドラムスの南久志(みなみひさし)、キーボードの石川吉明(いしかわよしあき)で形成される。ロスでのファーストアルバムレコーディング中に、アメリカのビックバンドに気に入られ、ツアーの前座をつとめたことで大好評を博した実力派である。

『ハンサムな彼女』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

沢木彩「あたしのファースト・キス、一哉くんなのよ」

未央から一哉を好きになったと打ち明けられた彩が、自分の堪えていた想いを告げた時に放った一言。アーサーの映画制作記念パーティーで一哉と未央が飛び出したという記事を見た彩は、複雑な心境であった。楽屋を訪れた未央に、彩は「一哉くんのこと、好き?」と問う。素直な気持ちを伝えた未央は、「てるちゃんとうまくいってる?」と悪気無く質問する。その問いをきっかけに、彩は堰を切ったように話し出す。彩と一哉は中1のころに付き合っていたのだ。まだ一哉を忘れられない彩は「あたしのファースト・キス、一哉くんなのよ」と未央に伝える。親友である彩の知られざる過去が明らかとなり、物語が複雑になる始まりの一言。

萩原未央「さよなら」

帰国の日、未央を見送りに来た一哉に告げた言葉。遠距離恋愛をしていた2人は、久しぶりにアメリカで再会し楽しいひと時を過ごす。しかし、未央はキースが映画仲間に一哉を誘っていることを知る。憧れの場所ハリウッドで活動できる絶好の機会だが、未央の存在が一哉の足枷になっていることに気付く。未央は大好きな一哉の夢を邪魔したくない想いで、何も告げずに別れることを決めた。そして空港での別れ際、未央は一哉にキスをして「さよなら」と涙ながらに告げて走り去った。ずっと一途に一哉を想い続けた未央が、彼のために想いを殺した切ない一言。

初めて出会ったスタジオで再会する未央と一哉

一哉と別れた後、未央は一流の女優になっていつか会いに行くと心に決め、女優業に勤しんでいた。新たなドラマの撮影でスタジオに着いた未央は、共演の彩達に1人でスタジオ内に通される。未央は誰もいないスタジオに懐かしさを覚える。2年半前、早入りした未央が初めて一哉と出会ったスタジオなのだ。あの時一哉がいた場所を振り返ると、まったく同じ場所で眠っている一哉が目に入る。目覚めた一哉は、「日本でだって映画は撮れるさ」と未央に伝える。未央は号泣し、2人は強く抱き合った。映画一筋だった一哉が未央のために帰国したという、2人の絆の深さが伝わるシーン。

『ハンサムな彼女』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

一哉の名前の由来はテニス選手熊谷一弥

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