リブラブ(livelove)のネタバレ解説・考察まとめ

『リブラブ(livelove)』とは、小田ゆうあによる漫画で「ユーレイ女子」と「仲良し主婦3人組」の友情物語。『office YOU(月刊オフィスユー)』にて連載された。生きることが嫌になり、自ら命を絶った主人公・水上素直はなぜかユーレイとなって、職場仲間だった3人の主婦の前に現れる。お互いに戸惑いながらも、4人の不思議な交友関係が始まった。初めて友達ができた素直は、3人と触れ合うことで「人のためになりたい」という、本来なりたかった自分へと成長していく。生きることの素晴らしさを描いた作品である。

ありたカントリークラブ

昔からあるゴルフ場。仕事を引退した年配男性が常連客となっており、大企業のトップだった人物も多い。併設されているレストランの従業員は、パートの主婦が大半を占めている。

リブラブ

男性四人組のバンド。ボーカルを担当しているのは相島弾。ライブチケットはファンクラブに入っていても入手困難なほど、若者を中心に絶大な人気を集めている。

うらみ玉

幽霊になった素直の恨みや怒りなど、黒い気持ちが塊になったもの。物にぶつけたりすることができる。復讐心から生まれたものだったが、のちに弾や実代の危機を救うために役に立った。

『リブラブ(livelove)』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

水上素直「こんなとこぜーんぶ燃えちゃえばよかったのよ」

素直はゴルフ場での仕事になかなか馴染めず、同僚が陰口を言っているのを聞いてしまう。持ち場に戻る気になれず一服していたが、タバコの火の不始末でボヤ騒ぎとなってしまった。原因は素直のタバコだと気づいた伊佐子が「謝ってくれればいいから」と優しく諭すが、素直は「こんなとこぜーんぶ燃えちゃえばよかったのよ」と逆上し、非を認めなかった。
素直は足が震えており、大変なことをしてしまったと本当はわかってはいるが、責められるとつい言い返してしまう性格がよくわかる場面である。周囲に責任転嫁することで、自分は悪くないと思い込もうとする気持ちも伝わってくる。正直な自分の気持ちを周囲にうまく伝えることができないという、素直の不器用な部分が表れている。

窪田道孝「あのコ死んじゃってんだぜ」

素直は以前勤めていた職場で嫌がらせを受けており、復讐したいという思いを抱いていた。その相手である女性たちは、素直の死後も改心することなく、彼女を見下す発言をしていた。他の社員も大勢いる場所で、そんな会話をする様子を見かねた窪田が「死んだ人間のことを悪く言うのはやめた方がいい」と注意した場面である。
窪田は「彼女たちを強く非難しすぎたんじゃないか」と心配する同僚に「あのコ死んじゃってんだぜ」と答えている。素直が、亡くなってからもさらに傷つけられることを止めたかったという気持ちが感じられる言葉だ。彼は、素直のミスだとされた仕事のトラブルは嫌がらせによるものだったことにも気づいていた。
好意を寄せていた窪田に理解してもらえていたこと、悪口からかばってくれたことで、素直は復讐したいという黒い気持ちを消化することができた。

大河内伊佐子「あたしたちもうすっかり友達でしょ」

伊佐子は、単身赴任中の夫・慎悟が浮気しているのではないかと悩んでいた。それを聞いた素直は、伊佐子を悲しませる慎悟に怒りを覚えるが、自分にはできることが何もないと落ち込んでしまう。さらに、「あたしは誰にも必要とされない役立たずだ」と自分を責める素直に、伊佐子は「あたしたちもうすっかり友達でしょ」と返した場面である。
素直は伊佐子・環・実代と親しくなるうちに、それぞれの悩みに寄り添い、自分のことのように感じて行動していた。素直は自覚していないが、そのことは相手にとって大きな助けになっていた。すでに伊佐子たちにとって素直は大切な友達であり、いてくれてよかったと思う存在なのである。だからこそ、素直の「必要とされていない」という言葉を、伊佐子は強く否定したかったのだ。

『リブラブ(livelove)』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

姉小路の呼び名は「ヨーグルトじじい」

ゴルフ場の常連客・姉小路は、毎回レストランでヨーグルトを食べてからコースを回ることを、20年以上習慣にしていた。本来持ち込みは禁止だが、ゴルフ場の社長らと古くからの知り合いであることから、特別に認められていた。だが素直はその事情を知っても、特別扱いするべきではないと納得いかない様子を見せ、それ以降姉小路のことを「ヨーグルトじじい」と呼ぶようになった。

実在する有馬カンツリー倶楽部がHPで本作を紹介

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