ふたりモノローグ(漫画・ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ふたりモノローグ』とはツナミノユウ原作の日本のラブコメディ(百合)漫画である。2016年から2018年までコミック配信サイト『サイコミ』にて掲載され、2017年には実写ドラマも配信された。根暗で地味な女子高生・麻積村ひなたはある日、隣に座るクールなギャルが小学生時代の親友・御厨みかげだということに気づく。ひなたは昔とは全く変わっていたみかげに動揺しながらも、また友達になりたいと思っていた。見た目も性格も正反対な二人がお互い相手を想うあまりにすれ違い続ける新感覚学園ラブコメディ。

『ふたりモノローグ』の概要

『ふたりモノローグ』とは、ツナミノユウ原作の日本のラブコメディ・百合漫画である。
2016年10月15日からコミック配信サイト『サイコミ』で掲載される。その翌年10月9日から11月13日までAbema TVにて麻積村ひなた役に福原遥、御厨みかげ役に柳美稀で実写ドラマ版がインターネット配信された。
見た目も性格も正反対の二人が、それぞれお互いを想うモノローグ(心境の呟き)でストーリー展開していく異色のラブコメディである。
高校2年の春になってから2ヶ月がたったある日、地味で大人しい女子高生・麻積村ひなた(おみむら ひなた)は隣の席に座るクールなギャルが小学生時代に引っ越してしまった親友・御厨みかげ(みくりや みかげ)だということに気が付く。昔と全く変わってしまったみかげに動揺しながらも、なんとかまた友達になれるように努力するひなた。一方、離れている間にひなたに認められたくてダサい自分と決別していたみかげ。みかげはクールなギャルとしてひなたと接しながらも、ひなたに対しての愛で毎日心をかき乱されていた。
お互いを想いながらもすれ違い続けるふたりのラブコメ百合漫画だ。

『ふたりモノローグ』のあらすじ・ストーリー

隣の席の元・親友

高校2年の5月(ドラマ版では7月頃)のとある日、地味な女子高生・麻積村 ひなた(おみむら ひなた)は突然「あっ」と声を出しそうになってしまった。なぜなら、隣に座るギャルが小学生時代の同級生・御厨 みかげ(みくりや みかげ)だということに気がついてしまったからだ。
それと同時に、ひなたは小学校入りたての自分がみかげに言った軽率な一言「私達一生親友でいようね!!」という言葉が蘇ってきた。そして、ひなたは自分からそう言ったのに他の子と仲良くなり、みかげとは疎遠になっていったことに罪悪感があった。みかげはそのまま引っ越したため再会するのは10年ぶりだった。
久しぶりすぎるみかげは昔のお嬢様っぽい雰囲気から一転、ギャルを通り越して不良っぽい女子高生になっていた。一方ひなたは自分が地味でネクラになってしまい、小学生時代の面影すらなくなっていることに引け目を感じていた。
その頃、隣のひなたからの視線に気が付いたみかげは「思い出してくれたのかな」と緊張していた。みかげは入学した時からひなたに気が付いていた。みかげは昔ひなたに言われた言葉「私達一生親友でいようね!!」を忘れずにずっとひなたを想っていた。みかげは昔ひなたが他の友達のと仲良くしていたのは自分がトロかったせいだと思い、一生懸命自分を変えようとクールなギャルになっていたのだ。
みかげは放課後、ようやく自分に気が付いてくれたひなたに喜び声をかけようと試みる。しかし、不良のようなギャルになったみかげに怯えてしまったひなたはみかげを避けてしまう。みかげは諦めずひなたを追いかけ、あくまで「クールなギャル」としてクールに振る舞った。結果「これからイロイロよろしくね……トモダチでしょ?ウチら」と緊張で恐ろしく引き攣った顔でひなたに声をかけ、ひなたに「カツアゲされる…」と、恐怖と絶望を与えた。

ROBOU NO ISHI

ある朝みかげは一緒に登校するひなたを待っている時に、ひなたの中学時代からの友人・佐呂間 由依(さろま ゆい)と遭遇した。
そこまで話したことない佐呂間と2人っきりになったみかげは、内心気まずく想いながら頭の中を「ひなたちゃん」という言葉でいっぱいにしやり過ごしていた。一方、隣で同じくひなたを待っている佐呂間も頭の中では違うことを考えていた。
佐呂間は後からやって来たひなたがほんの少し髪を切ったことに気がついた。みかげがひなたを好きなことに気がついている佐呂間は、野暮なことはせずみかげが先に気がつくのを待った。しかし、みかげの目を奪ったのは髪の隙間から覗く、剥がし忘れた「S」と書かれたサイズシールだった。そんなことにみかげは激しく萌え、剥がしてあげたいと息を荒くする。
なかなか髪のことを言わないみかげに痺れを切らした佐呂間は、わざとみかげの注意がひなたの髪にいくよう仕向ける。しかし、シールから目が離せないみかげはそれに気が付かない。完全無視された佐呂間はそんな自分を「路傍の石」だと蔑み、その快感に悶絶した。興奮しすぎた佐呂間が卒倒しそうになった瞬間、みかげがその体を咄嗟に支えた。そのみかげにまた翻弄され、さらに妄想を膨らます佐呂間だった。

ユカタキル

期末試験で無事赤点を回避したみかげは、おかげでひなたと夏祭りに行けることに喜んでいた。当然二人きりではなく、佐呂間とみかげの友人でムードメーカー的存在である蓮茂台 洸(はすもだい あきら)も一緒だった。
浴衣で待ち合わせした4人。ひなたの浴衣姿を見たみかげは、その可愛さに興奮を通り越して仮死状態になった。意識を失っている間、みかげはいろんな姿のひなたを思い出していた。みかげが目を覚ますとそこには「一番の正解」である浴衣姿のひなたがいた。心配するひなたに膝枕をしてもらうチャンスもあったのに、棒に振ったみかげは2人で屋台のりんご飴を買った。みかげは初めて食べたりんご飴をひなたと2人で齧りあった。りんご飴を懐かしむひなたの横で、みかげは「間接キス」してしまったことに興奮していた。
その光景を見ていた佐呂間も2人を「アダムとイブ」に見立て、洸の隣でこっそり興奮していた。

夏の掌

夏休みにひなたに会えないことに我慢できなかったみかげは、ひなた目当てに二週間の夏期講習に参加していた。最後の授業を終えた参加者たちは、打ち上げとしてその日開催されている花火大会にいくことにした。
ひなたが来るまでみかげは今まで関わることがなかった「受験組」のメンバーに囲まれていた。今までギャルで浮いていたみかげは、いつの間にかみんなに溶け込んでいた。ひなたも合流し、花火大会が始まるとすぐに人混みの波が一斉に花火の方へ流れていった。その勢いにひなたはみかげの横から流されていった。咄嗟に手を伸ばすみかげだが、その頭に中学時代のトラウマがよぎり手を引っ込めてしまった。ひなたは運良く波から外れ、他のメンバーに合流することができた。その時、その場の1人の女子がひなたにみかげとのことを「意外な組み合わせだよね!!」と言った。そう言われたひなたは自分に自信がないため少し落ち込みそうになったが、気を取り直しみかげを探しに戻った。
みかげは一人、ひなたに差し出した手を引っ込めてしまった罪悪感に苛まれていた。中学時代、自分に好意を抱いていたと思っていた女子がいた。みかげは思い切ってその子の手を握った途端、激しくドン引きされ拒絶された。そのトラウマがどうしても脳裏に焼きついてしまい苦悩するみかげ。そのことが原因でひなたを失いたくないみかげは、なんとかその女子の亡霊を追い払い、ひなたを探しに駆け出す。やっと見つけたひなたは人混みでふらつきかけていたひなたに、みかげは手を伸ばした。ひなたはその握られたみかげの手を見て「ありがとう…!!」と笑顔で言った。その言葉に安堵し、みかげは大粒の涙を流した。
みんなの元に無事戻ってきた2人。帰ってきたひなたにさっき「意外な組み合わせ」と言った女子が「ごめんね 変な言い方になっちゃって 私ねギャルと地味っこのコンビってメチャいいと思って…」と話しかけてきた。今度のひなたは自信満々でみかげの腕を組み「でしょ!」と笑顔で返した。

君の名を呼ぶ

たまたま同じ学校の風紀委員にいた田中 弘美(たなか ひろみ)は、10年前ひなたとみかげの間に割って入った人物だった。ひなたは当時あまり合わないと思ったみかげと距離を置き、弘美と仲良くしていた。自分が2人の中を割いたと罪悪感を感じ続けながらも、弘美はまた2人と仲良くなりたいと強く思っていた。
風紀委員として2人に近づいた弘美はだんだんとひなたとみかげ、その周りとも仲を深めていった。しかし弘美はみかげにだけは、なかなか自分の名前を明かせないでいた。そんなある日、ふとしたタイミングで名前がみかげに知られてしまう。それを聞いたみかげがショックを受けたのはその名前ではなく、ひなたが知っていたのに自分に言ってくれなかったことだった。ひなたはその瞬間、みかげを傷つけたことに初めて気がついた。
弘美はまた2人の仲を割いてしまったのではないかと心配していた。自分に自信がなくなり「ダサいまんま」だとぼやいたみかげに、ひなたは「ダサくない!!」と言い放つ。「ずっとずっと一番かっこいいよ…… お願いだからっ…『私がみかげちゃんのことダサいって思う』なんて考えないで!!」と目に涙を浮かべて訴えた。その言葉を聞いたみかげは心を打たれ、素直に「ん…考えない…」とひなたの手を握りしめた。その光景を見た弘美は安心してその場を立ち去ろうとした。みかげは弘美に対して「あんたのこと うらんだりしてないよ…腹から笑かしてくれるのあんたしかしないから」と言った。10年分の罪の意識から解放された弘美はその場でへたり込む。こうして10年ぶりに再会した3人は無事に和解することができたのだった。

ふたりのダイアローグ

学園祭の時期になり、ひなた達のクラスは演劇をやることになった。
ずっとひなたに恋心を抱いていたみかげと、修学旅行でのみかげとの偶然のキスで自分の気持ちに目覚めてしまったひなた。二人は同時にこの文化祭で相手に告白しようと決意していた。
文化祭前日、主演を演じる弘美に頼まれ、役者に変わって舞台に立ってみてほしいと言われたひなたとみかげ。その衣装は二人ともウェディングドレスだった。舞台の指定位置に立たされ向かい合った二人はお互いの姿に見惚れてしまう。2人とも今告白してしまいたい気持ちで溢れていた。そして2人っきりになったタイミングでひなたから「好き…」という言葉が出た。みかげは言われた瞬間「友達として」だと思ったが、ひなたはそうではない素直な気持ちを打ち明ける。まさかの事態にみかげが状況を飲み込めないでいると、想いを告げたひなたは「ありがとうっ 聞いてくれて…」と言ってその場を駆け出していった。
ひなたの告白の衝撃で、みかげは立ちつくす。ひなたの勇気に心を奪われると同時に、ようやくひなたが自分のこと「好き」と言ったことを実感し始め我に返った。破裂しそうな心臓を抑えつつ、みかげはなんとかひなたを追いかけ出した。
屋上にいたひなたは自分の想いを告げられたことに満足していた。恋心を受け入れてもらえるはずもないと思っているひなたは、追ってきたみかげを寄せ付けないで感傷に浸っていた。近づきたいみかげと、寄せ付けないひなた。みかげはなんとかしてひなたに近づき10年分の想いをぶつける。「ひな…ひなちゃを 愛ひ…愛してるからだからっ」と感情が昂りすぎてと最後までうまく言葉にならないみかげは、その想いを全部込めてひなたにキスをした。

『ふたりモノローグ』の登場人物・キャラクター

主人公

麻積村 ひなた(おみむら ひなた)/演:福原 遥、木幡 環(幼少期)

本作の主人公の一人。學ヶ岳学院の2年生。
2年生の5月にして、隣の席のギャルが自分の10年前の親友だということに気がついた。かつて小学校に入学したばかりのひなたは今より明るく、たまたま席が隣だったみかげに「私たち一生親友でいようね!!」と、軽率な一言を言ってしまった。その後、あまり性格が合わなかったみかげと距離が空き疎遠になる。そのままみかげは転校していき、それ以来の再会だった。
昔とは変わり、地味でネクラになった自分に自信がない。オタクで引きこもり気質。キアヌという犬を飼っている。
再会してからはみかげに対する過去の罪悪感から、また良い友達になれるように努力する。そんな中でみかげや周りの友人達との出会いでどんどん前向きに成長していく。
修学旅行のハプニングでみかげとキスしてしまって以来、みかげに対して友情とは別の感情に気が付いてしまう。
それからは自分の気持ちが抑えられず、学園祭で告白する決心をする。前日、偶然みかげと舞台衣装のウェディングドレスを着ることになったひなたは、その姿で感極まり自分の想いを告白してしまった。友情ではない感情を受け入れてもらえるとは思っていなかったひなたは、傷心に浸るため一人屋上で泣いていた。そこへ追いかけてきたみかげから同じ気持ちだと打ち明けられキスをされ、無事二人は結ばれた。
恋人同士になってからそのあまりの多幸感に、ひなたは重度の記念日女になってしまった。

御厨 みかげ(みくりや みかげ)/演:柳 美稀、岩崎 未来(幼少期)

學ヶ岳学院の2年。
長身で巨乳のギャル。巨乳であることに若干コンプレックスを抱いている。
10年前に親友だったひなたをずっと想っている。昔はお嬢様っぽい雰囲気でこの頃から爬虫類が好きな変わり者だった。ひなたに距離を置かれたのは自分が弱いせいだと思い、クールなギャルになるように努力してきた。ひなたとは違い入学時からひなたの存在に気がついていた。ひなたにかっこいいところを見せたいがために、わざとクールぶって振る舞っていた。最初は知らず知らずにその迫力でひなたを怯えさせてしまう。
ひなたと再会してからはひなたの一挙一動が愛おしく感じられ、時折理性が保てなくなるとオオカミ状態と化す。
中学時代、自分にベタベタしてくる女子がいた。みかげは当時ひなたのことが忘れられないながらも、その女子の行動に応えるように思い切って手を握ってみた。「恋人繋ぎ」をされた女子はそれにドン引き、みかげを拒絶した。その過去がトラウマになり、ひなたに対して今一歩踏みとどまってしまう。
いつもは虚勢を張ってクールぶっているが、実はヘタレで何度もひなたに救われている。何度も告白しようとするができず、最終的には学園祭前日にひなたから先に告白されることになった。
その後長年の想いが成就し、ひなたとラブラブな生活を送っている。

御厨 みかげ(幼少期)/演:岩崎 未来

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