おおきく振りかぶっての名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『おおきく振りかぶって』とは、部員10人の新設野球部である西浦高校が弱気で卑屈な投手・三橋廉を中軸に一丸となって甲子園優勝を目指す青春野球漫画である。従来のスポーツ漫画にはない繊細な心理描写や日常の細やかな描写がされており、一球ごとの読み合いによる心理戦が展開されているのが特徴である。主人公三橋が、チームと共に成長していく姿も描かれており、白熱の試合展開から、人間模様まで幅広く取り扱っているが故に名言・名場面が多い作品となっている。

強豪の桐青高校相手に1点リードした状態での9回裏で、三橋は体力に限界がくる。制球も読まれており、「自分がこのまま投げ続けていては負けるかも」と思いながらもマウンドは誰にも譲りたくない気持ちから投げ続ける。そんな葛藤の中で、投げ続けることに罪悪感を持っていた三橋だが、バックで守るメンバーはみんな優しく声をかけてくれる。そして、4番に打たれたがボールへの勢いが無く、ライトを守る泉孝介(いずみこうすけ)は「捕れる」と判断する。その時に言ったセリフが「投げ勝っている!捕ってやるぜ三橋」である。三橋の頑張りに答えようと必死でボールに飛びついて捕ろうとする泉の気迫は、西浦高校の勝ちにつながった大事な場面である。また、投手の頑張りがバックを盛り上げている印象的な場面でもある。

水谷文貴の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「オレは7番用のスライダーを…打てる!」

夏の大会の試合で、4番の田島には4番用のストレートとシンカーを投げて打ち取られていたが、7番の水谷文貴(みずたにふみき)は、自分には4番用の球は打てないが、7番用のスライダーなら打てると確信した。その時のセリフが「オレは7番用のスライダーを…打てる!」である。いつも自信が無く打ち取られることも多い水谷であったが、相手が7番用に打たせてくれるスライダーを投げてくれるなら打てると信じて、おもいっきりバットを振りヒットとなる。7番の自分にしか出来ない仕事をやり遂げ、喜ぶ姿が印象的な場面である。

百枝まりあの名言・名セリフ/名シーン・名場面

「野球をホントに楽しめるのは…ホンキで勝とうとする人間だけよ」

阿部は三橋の制球力の高さから、「自分のリードと打たせた球をとってくれる野手と1点入れてくれる打者がいれば甲子園に行ける」と宣言する。その言葉を聞いた三橋は、すぐに「無理です」と言う。そんな時に監督である百枝(ももえ)が言ったセリフが「野球をホントに楽しめるのはホンキで勝とうとする人間だけよ」である。野球が大好きで、念願叶い高校野球の監督を務めることができた百枝は、全ての試合で勝ちたいと言う。チームとしてスタートしたばかりだが、これからホンキで野球に取り組み、ホンキで勝っていきたいという意気込みが感じられる。ホンキの監督からの言葉で恐怖すら覚える選手もいたが、この言葉から西浦高校野球部がスタートしたのである。

「捕手が投手につくした分を投手は信頼で返すのよね。信頼されるっていいものでしょ。」

初めての練習試合が終わり、勝って安心した三橋はそのまま眠ってしまう。心地よさそうに眠っている三橋を見ながら監督の百枝が阿部に言ったセリフが「捕手が投手につくした分を投手は信頼で返すのよね。信頼されるっていいものでしょ。」である。今まで、捕手からの一方通行だと思っていた阿部は考えを改める。バッテリーとは、信頼関係があるが故にピッチャーはキャッチャーを信じて全力で勝負に挑める。また、キャッチャーもピッチャーを信頼しているからこそ的確な指示と声かけができる。それを学んだ阿部が、「三橋が西浦を選んでよかった」と思えるようなキャッチャーになると誓った、三橋への愛情を感じる深い場面である。

「集中するには練習を楽しむこと!」

チームの目標を決めた西浦高校は、全員一致で「甲子園優勝」とする。「甲子園優勝」をするにはそれ相応の覚悟がいることを百枝は言う。練習は今までより厳しくなるが、イヤイヤやっていたら無駄が多くなってしまうことを部員に伝える。監督が「甲子園優勝」に向けた取り組みで重視していることが「集中するには練習を楽しむこと!」である。楽しめなくなったらきつい練習をこなすだけとなり、時間を無駄にする。時間を最大限活かすには「時間」を意識しながら「集中」して取り組み「楽しむ」こと。これが重要であることを伝えている。野球に限らずどんな状況でも必要とされる意識すべきことであり、印象に残る言葉である。

「なら俺が4番を打つと言うのかと思った!」

阿部が怪我をして、チームで1番の才能を持っている田島がキャッチャーと4番をすることになっている。それは負担では無いかと心配する花井は、「俺がキャッチャーやれば」と監督に提案する。それに対して監督が答えたセリフが「なら俺が4番を打つと言うのかと思った!」である。花井の能力は長けているが、田島には現時点では追いついていない。監督は田島のライバルになるように花井に言っているが、花井は自分自身を田島の下に置いてしまっていることに気づく。可能性が無限大の高校生が、自分の可能性を捨てずに競っていってほしいと願う印象的な名場面である。

「いいミスだよ!」

メンタルコーチの小松崎を迎え入れた西浦高校は、監督である百枝に対しても指導する。「いいミスだよ!」と選手に伝えることが大切であると伝える。ミスを褒められてまたミスをしようと思う選手はいない。しかし、ミスを怒られると選手は萎縮してしまう。そういうことから、練習は成功のイメージを植えつけて自信を生み出す場にすることが必要であると言う。ミスは悪いイメージがあるが、ミスをしたら繰り返さないようにどうしてミスをしたのかを考える良いきっかけと欠点が分かるので練習しやすい。メンタル強化も野球をする上では非常に重要であり、自信をつけることは野球に限らず人生において必要なことである。『おおきく振りかぶって』は、野球の要素だけではなく、選手としての視点、指導者としての視点や指導の仕方などをあらゆる方向から描かれているので、今回のメンタル強化の回は、漫画の魅力を増す名場面である。

志賀剛司の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「練習は量より質だ。質を上げるためには一人一人の意識が重要なのは分かるよね。やれる!と思うこと!やる!と集中すること!やってよかった!と満足すること」

Sh3I2Doun1
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@Sh3I2Doun1

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