金田正太郎（AKIRA）とは【徹底解説・考察まとめ】

金田正太郎の概要

金田正太郎（かねだ しょうたろう）とは、大友克洋による近未来SF漫画・映画『AKIRA（アキラ）』の主人公。暴走族のチームを率いている少年で、彼の真っ赤な改造バイクは『AKIRA』のアイコンにもなっている。
チームの少年たちを率いて他の暴走族と抗争しては警察の世話になる日々を送っている。怪我や死を恐れない走りで一目置かれており、仲間からの信頼は厚い。
もうひとりの主人公・鉄雄とは同じ施設で育った幼馴染で、いじめられっこだった鉄雄を庇護下に置いていた。
反政府ゲリラの少女ケイに出会ったことで彼らの戦いに関わっていくことになる。軍に収容されたことで超能力に覚醒した鉄雄を止めるため、ケイと共に立ち向かっていく。

金田正太郎のプロフィール・人物像

誕生日：2003年9月5日
年齢：16歳
身長：164cm
体重：52kg
CV：岩田光央
英語版CV：カム・クラーク
英語DVD版CV：ジョニー・ヨング・ボッシュ

第8区職業訓練校の生徒。バイクチームのリーダー格で、自称「健康優良不良少年」を自称している。真っ赤な改造バイクで少年たちを率いて、暴走や他のチームとの抗争に明け暮れている。
偶然出会った反政府ゲリラの少女・ケイをナンパし、何かと言い寄るなど軽薄な部分はあるが、仲間思いで責任感が強く、命の危険にも動じない度胸や行動力を備えた主人公。
軍に連れ去られた友人の鉄雄を取り戻すべく、ケイと協力して軍を相手に行動を起こす。鉄雄が自身の超能力に溺れて仲間を殺してしまった後は、鉄雄を止めるために立ち向かっていく。

金田正太郎の来歴・活躍

暴走族のリーダー

新大型爆弾による破壊から復興を遂げつつあるネオ東京。第8区職業訓練校に所属する不良の金田は、真っ赤な改造バイクで街を駆ける暴走族だ。
ある夜、仲間を率いて他のチームと抗争していた最中に、同じチームの鉄雄が事故を起こしてしまった。道路の真ん中に、老人のようにしわがれた不気味な子どもがおり、それを避けようとしたのだ。駆けつけた警察に鉄雄は運ばれていき、金田たちは補導された。不良少年でごった返す警察署の中で、金田は美しい少女を見掛ける。ナンパついでに少女を助け出した金田だったが、少女は金田を冷たくあしらって去っていった。
鉄雄が運ばれた病院がわからず、金田たちはもどかしい日々を過ごす。そんな中鉄雄が戻ってきたが、しきりに頭痛を訴え、ずっとイラついた様子で、何かがおかしい。やがて軍隊が現れ、わけもわからないまま鉄雄は連れ去られてしまった。

鉄雄の行方

金田は再会したケイと共に軍の施設へ潜入し、鉄雄を助け出そうとする。一方、鉄雄は軍の極秘研究の末に生まれる超能力を持った子どもたち「ナンバーズ」のひとりとして収容されていた。鉄雄は長年下っ端扱いであった鬱屈や、どこに行ってもリーダーになる金田の影に埋もれていたコンプレックスが大きくなり、徐々に凶暴化していく。他のナンバーズの子どもたちや、研究を主導する敷島（しきしま）大佐が鉄雄をなだめようとするが、鉄雄の反発心や攻撃性を刺激するだけだった。
力づくで施設から逃走した鉄雄は破壊衝動のままに街を壊し、薬物に手を出し、とうとうチームの仲間を殺してしまう。それを知った金田は、鉄雄がもう以前の鉄雄ではなくなってしまったことを思い知る。

対決

鉄雄はオリンピック会場建設地の地下深くに封印されたナンバーズ「アキラ」のもとへと導かれる。アキラとは「28号」の番号を与えられた子どもで、他の子どもたちとは比べものにならない力を持っていた。しかし鉄雄が封印をといたアキラは、研究のためにバラバラにされ、冷凍保存された臓器だった。
鉄雄に追いついた金田は、軍の施設から盗み出した携行型レーザー兵器で鉄雄との対決に挑む。しかし鉄雄の人知を超えた力には太刀打ちできない。すると敷島大佐が軍事衛星からレーザー砲を発射させ、鉄雄の右腕を破壊する。鉄雄は超能力で軍事衛星を破壊するが、能力が暴走し、膨れ上がり、制御できなくなった結果、機械と肉がまじりあった巨大な怪物と化してしまう。
金田がその場から逃げ出そうとしたとき、アキラが覚醒する。光の球体が発生し、すべてを呑み込んで破壊していく中、鉄雄の助けを求める声を聞いた金田は光の中へ飛び込んでいく。金田は、いじめられっこだった幼い鉄雄の幻を見た。鉄雄はナンバーズの子どもたちとアキラと共に別の宇宙へと去っていき、金田はアキラによって破壊しつくされたネオ東京へ戻ってきた。
鉄雄を見送った金田がケイと共に街へ戻っていき、「僕は鉄雄」という呟きが宇宙に響く場面で物語は終わる。

原作漫画版

原作漫画版の中で、アニメ映画版との大きな違いは鉄雄が封印を解いたアキラが生きた少年である点だ。しかしアキラにはほとんど意識がなく、手を引かれるままに誰にでもついていき、話すこともない。
アキラを解放した鉄雄だったが、軍との戦いで重傷を負って姿をくらます。アキラは金田とケイが保護し、ケイの仲間のチヨコのもとに身を寄せる。ケイは竜に代わってアキラを根津に引き渡そうとするが、根津はケイ、金田、チヨコを抹殺して口封じしようと画策する。金田たちは根津からアキラを奪い返して逃亡するが、アキラを追ってきた軍隊と、かつてナンバーズだった超能力者ミヤコの手先が現れ、ネオ東京の街を舞台に四つ巴の大騒動となる。
最終的には大佐が率いる軍隊がアキラを確保し、アキラはナンバーズの仲間たちと再会を果たす。しかし、アキラを奪われるくらいならば殺してしまおうと考えた根津が物陰から発砲し、その弾はタカシの頭に当たってしまう。タカシは即死し、アキラはそのショックで能力を暴発させてしまう。二度目の東京壊滅が起きたのだった。

ケイとチヨコは大破壊を生き残り、残ったナンバーズのキヨコとマサルを保護していた。金田は爆発の中で行方不明となったまま、死体も見つからなかった。無政府状態となった東京で、鉄雄はアキラを「大覚様」として祭り上げ、「大東京帝国」という武力勢力を築いて君臨した。
ケイとチヨコはキヨコとマサルを連れて、かつて争ったミヤコの教団へと身を寄せる。大東京帝国はキヨコとマサルを狙って教団を襲撃し、多くの犠牲者を出す紛争が起きる。そんな中、ケイの前に、爆発が起きたときとまったく同じ姿の金田が現れた。再会を喜ぶふたりだったが、ケイにはキヨコ、マサル、ミヤコの触媒となって鉄雄と戦うという使命があった。金田は「必ずケイとふたりで生き残る」と決意し、仲間と共に鉄雄との決戦へ赴く。
ケイ、金田、敷島大佐、そして国連が差し向けたアメリカ軍が絡み合う激戦の末、鉄雄の能力は覚醒を迎える。それに呼応してアキラも覚醒を起こし、ふたつの巨大な光が東京を包み込んだ。それに巻き込まれた金田は、鉄雄と出会ったときの記憶を見ていた。金田と鉄雄はたしかに友達だったのだ。そして、キヨコたちナンバーズやアキラ、鉄雄が別の宇宙へと去っていくのを見送った。キヨコたちは、アキラと同じ力の覚醒が金田たちの中にも始まっていることを言い残した。
光が収束した後、アメリカ軍が東京に上陸し、難民の救助活動をはじめる。金田は仲間たちとともに「大東京帝国 AKIRA」の旗をかかげ、アメリカ軍から救援物資を奪って追い返した。ケイを乗せたバイクで走りだした金田は、かつて鉄雄に殺された山形、そして鉄雄がバイクで並走する姿を目にする。そして、見事な復興を遂げた東京のビル群を目撃するのだった。

金田正太郎の関連人物・キャラクター

島鉄雄（しま てつお）／41号

『AKIRA』のもうひとりの主人公であり、金田の幼馴染の少年。小さなころはいじめられっこで、金田の弟分だった。体が小さく、仲間内では軽んじられている。
ある夜、金田たちと共にバイクで走っている最中にナンバーズのひとりであるタカシに遭遇し、事故を起こしてしまう。それをきっかけに超能力に目覚め、軍に収容されて「41号」のナンバーを与えられる。アキラに迫るほどの能力を発揮したことで、自身の力に溺れて暴走をはじめてしまう。
軍の制御下から逃げ出して街を破壊し、とうとう暴走族の仲間を殺してしまった。金田や軍との対決を経て、他のナンバーズと共に別の宇宙へと去っていった。

島鉄雄／41号（AKIRA）とは【徹底解説・考察まとめ】 - RENOTE [リノート]

renote.net

島鉄雄（しま てつお）／41号とは、大友克洋による近未来SF漫画・映画『AKIRA（アキラ）』に登場する、主人公・金田と対立するもうひとりの主人公。金田の暴走族チームの一員だが、体が小さく仲間内で子ども扱いされることに鬱屈を感じていた。
ナンバーズと接触した事故をきっかけに超能力の素質に目覚め、軍の極秘科学班によって処置を受けた結果、東京を壊滅させた「アキラ」に匹敵する素質を引き出される。万能感にとらわれた鉄雄は力に溺れて暴走し、金田と対決することになる。

ケイ