Unravel(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ
『Unravel』とは、Coldwood Interactiveによって開発されたインディーゲームである。2016年にWindows、PlayStation 4、Xbox Oneでダウンロード販売された。赤い毛糸でできた「ヤーニー」を操作して、毛糸を解きほぐしながら先へ進むアクションパズルゲームである。発売年には「Editor's Choice Award」を受賞し、「Best of E3(ベスト・オブ・E3)」にも選出されている。2018年には、続編の『Unravel Two』が発売された。
工事現場を抜けたヤーニーが先へ進むと、薬品によって水が汚染されている洞窟があった。ステージ「これで足りる?」は、前のステージで手に入れられなかったバッジを見つけるために薄暗い山岳地帯を進んでいくステージだ。洞窟の先には、水質汚染の原因となった証拠を抹消している社員の思い出が眠る小屋があり、物語が佳境へと進んでいる実感を得られる展開となっている。ステージギミックとして、落雷と電線がある。落雷が発生すると、ヤーニーが渡るための電線にも通電するギミックで、通電のタイミングで電線から離れて回避する必要がある。また、ベルトコンベアを使った移動ギミックもあり、電気に触れないように糸の長さを調整するといった手に汗握るステージとなっている。
山岳地帯の中腹には水質汚染の原因となった施設があり、ヤーニーはその施設を登っていく。今は誰もいないコントロールルームにはカラスの巣があり、先ほど奪われてしまった毛糸のバッジが残されているのであった。
チャプター8:手紙
ステージ『手紙』は、季節が冬となり美しい大自然がテーマのエリア構成となっている。雪化粧で彩られた牧場を抜け、おばあさんの記憶が眠る場所へと歩みを進めていくのが目的だ。このエリアのギミックで特筆するべきは鳥の襲来だ。画面奥から飛んでくる鳥は、捕まると即リトライになってしまう。鳥に捕まる前に物陰に身を潜めて回避する必要があり、スピードとタイミングが今まで以上に重要になるエリアといえる。
物語は、牧場で働く父親のもとに手紙が届く展開となっており、悪い知らせが届いたことを告げるものだった。ヤーニーは、襲い来る鳥を避けながらも信頼できる一羽の鳥と出会い、ゴミ箱の上にそっと置かれた毛糸のバッジを見つけることができた。
チャプター9:冬の太陽
雪が降り積もり、完全に冬景色となった世界を進むのが『冬の太陽』だ。雪を巧みに利用したギミックが登場するステージで、雪だるまを作って足場として利用したり、枝に降り積もった雪を応用したりと直感的に分かりやすいものとなっている。ステージ難度も優しいことから、本作の特徴である美しい景色を存分に楽しめるステージといえる。完全に凍り付いた湖はワカサギ釣り用の穴が掘られ、行く先を阻むギミックにもなっている。
冬に家族と過ごした思い出が蘇る展開は優しい雰囲気に包まれており、小屋の屋根にそっと置かれた毛糸のバッジも星型のものになっている。
チャプター10:さび
雪がしんしんと降り注ぐ廃車置き場を舞台としたステージが『さび』だ。廃車工場の仕掛けがヤーニーを襲うため、配置された仕掛けが何に使うものなのかという発想が重要なステージといえる。ヤーニーは、廃車工場のプレス機から脱出すると、雪に埋もれた毛糸のバッジを見つけることになる。バッジは半分削り取られており、もう半分のピースを探す必要があるのだった。
チャプター11:最後の葉
雪は更に激しさを増し、猛吹雪となっていた。カンテラの明かりを頼りに進んでいくのが終盤のステージ『最後の葉』だ。このステージは、猛吹雪とカンテラが重要なギミックとなっている。カンテラから一定以上離れると身体が凍り付いてしまうことに加え、一定間隔で強風が発生するためカンテラに毛糸を括り付けないと飛ばされてしまうのだ。ギミックとしては単純だが、自然の猛威を体感できるシンプルかつ面白いステージだ。
エリアの途中では、おばあさんの夫が亡くなり家族が墓参りをしている姿が映し出される。おばあさんの記憶の旅というのは、最愛の家族を思う旅なのだろう。吹き付ける吹雪の先で、毛糸のバッジの片割れを見つけたヤーニーだったが、バッジを手にする瞬間に自身の身体の毛糸が完全に解けてしまう。ただの糸になったヤーニーだったが、その糸を拾い上げる一人の男性の姿があった。
チャプター12:再スタート
雪解けの山林にぽつんと置かれたバッグの中で目を覚ましたヤーニーは、豊かな自然が生い茂る山を駆け抜ける。ステージ1のように美しい山林を駆け抜けるヤーニーは、光の綿毛に毛糸を飛ばし宙を滑空するのだった。そんな、優しい世界観で描かれるステージが、最終ステージ『再スタート』だ。ギミックは一切無く、糸をかけることができる光のポイントがふわふわと浮かんでいるだけであり、右へ右へと進んでおばあさんの家にたどり着くことを目的としている。
ステージ『最後の葉』でヤーニーを拾い上げたのはおばあさんの子供であり、遠く離れて暮らしていた子供が実家に帰ってくる姿が描かれていた。家の軒先で最後のバッジを見つけたヤーニーは、おばあさんの家へと戻っていく。ステージ名『再スタート』とは、家族がもう一度ひとつになるという意味が込められているのであった。
『Unravel』のゲームシステム
世界を横から見るスクロールゲーム
本作は、美麗な3Dグラフィックで描く2Dアクションゲームだ。北欧の地域を舞台とした物語は、息を呑むような美しい自然と、その自然がもたらす脅威を描いている。人間にとってありふれた事象や現象が、2Dアクションとして上手くトラップやギミックに応用されている作品といえる。
ステージごとにギミックは複雑になっていくが、リンゴや空き缶といった物体を足場にしたり、木のしなりを応用して移動したりして画面右へと進んでいくことでクリアとなる。
自分の毛糸が移動距離
主人公のヤーニーは、毛糸でできた自身の身体を解くことで移動することができる。自分の毛糸が移動距離となるため、ステージを攻略するためには正しいルートやステップを踏んで攻略することになる。ステージの道中では、追加の毛糸が配置されているため、上手く補充しながらギミックを突破していくパズル要素を味わうこともできる。操作は、ジャンプや毛糸の末端を結びつけるといった簡単な操作しかないが、その単純明快な操作のなかに複雑なステージギミックが絡み合って、後を引くゲーム展開となっている。
フックやトランポリンを作り出す
ヤーニーは、自身の毛糸を小枝や崖にぶら下げることで、フックやトランポリンを生み出すことができる。フックを応用することで遠くにターザンロープのように移動することもでき、長さや幅を調節して自由自在に移動することができる。トランポリンは、その名の通りヤーニーや軽い物体を上に打ち上げる効果がある。このように、毛糸という柔らかい素材を応用した移動手段が豊富に登場するのも本作の魅力だ。
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目次 - Contents
- 『Unravel』の概要
- 『Unravel』のあらすじ・ストーリー
- チャプター1:アザミと雑草
- チャプター2:海
- チャプター3:ベリーの沼
- チャプター4:山々を歩く
- チャプター5:レールを外れて
- チャプター6:穴に落ちて
- チャプター7:これで足りる?
- チャプター8:手紙
- チャプター9:冬の太陽
- チャプター10:さび
- チャプター11:最後の葉
- チャプター12:再スタート
- 『Unravel』のゲームシステム
- 世界を横から見るスクロールゲーム
- 自分の毛糸が移動距離
- フックやトランポリンを作り出す
- 大自然が襲い掛かる
- 『Unravel』の登場人物・キャラクター
- ヤーニー
- 『Unravel』のアイテム
- 毛糸
- 写真
- お花マーク
- 星マーク
- 王冠マーク
- 『Unravel』の用語
- ジャンプ
- つかむ
- 毛糸の末端を結びつける(ほどく)
- 毛糸の輪
- 『Unravel』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 製作チーム「Coldwood」は6人チーム
- ステージに必ず1つあるトロフィーギミック