思い、思われ、ふり、ふられ(ふりふら)のネタバレ解説・考察まとめ

『思い、思われ、ふり、ふられ』とは、別冊マーガレットにて連載された少女漫画である。作者は咲坂伊緒。2017年に第41回講談社漫画賞にノミネート、2018年に第63回小学館漫画賞少女向け部門を受賞した。内気な市原 由奈と、快活な山本 朱里。性格が正反対な2人の主人公が、恋愛を通して成長していく青春物語である。2020年には実写映画とアニメーション映画が公開された。

単行本1巻第3話のシーン。朱里が他クラスの女子の彼氏にちょっかいをかけているという噂が流れ、それを真に受けた由奈は朱里に冷たい態度を取ってしまう。その事を和臣に話すと、朱里が保健室で泣いていたと教えられ、バイト終わりの朱里に会いに行く。そこで朱里と女子生徒の彼氏が話しているのを聞き、噂が誤解である事を知った。由奈は朱里に謝るが、「ムリに私といなくても大丈夫」と言われてしまう。朱里に初恋の人が絵本の中の王子様だと言った時もバカにせず、それが嬉しかった事を思い出す。

翌日、由奈は女子生徒に会いに行き朱里の誤解を解こうとする。内気で下ばかり見ている由奈が、勇気を振り絞り必死に朱里に謝るよう訴える。朱里は由奈がしてくれた事を嬉しく思い、初めて「さみしかった」と本心を言葉にした。この一件により、2人の友情は深まった。

由奈が理央に初めて告白するシーン

単行本2巻第5話のシーン。理央が一度だけ強烈な恋愛感情を抱き、告白出来ずに終わってしまった相手が朱里だと知ってしまった由奈。由奈と理央が図書室で勉強をした帰りに、突然雨が降ってきて高架下で雨宿りをする。雨が嫌いだと言う理央は、父親の再婚相手が朱里の母親だと知った日も雨だった事を話す。ふってもらえれば理央を支えられる友達になれるのではないか、理央の秘密を知っておいて自分の秘密は黙ったままで良いのかと、告白する理由が出来てしまった由奈は理央に気持ちを伝える。結果ふられてしまった由奈だが、「新しい世界に連れ出してもらった気分」と言えるくらい、自分が少し変われた事を嬉しく思った。

和臣が倒れた朱里を助けるシーン

倒れた朱里を和臣がお姫様抱っこをして助ける。

単行本3巻第12話のシーン。マラソン大会の日、朝から体調が悪かった朱里は見学しようとする。しかし朱里の悪口を偶然聞いてしまった由奈は、朱里の事を悪く言われないように「和臣の好きなタイプは何にでも一生懸命で、ついいつも全力で頑張ってしまう子が放っておけない」と嘘の情報を教え、体調が悪いとは知らずやる気を起こさせる。全力でマラソン大会に参加した朱里は走り終えた後に倒れてしまうが、その場にいた和臣にお姫様抱っこをされて助けられた。体調が悪いのに走った事に対して和臣に怒られたが、「だから放っておけない」と言われ朱里はときめく。寝ている朱里と飲み物を取ろうとした和臣の顔が近くなり、恋愛に興味のない和臣が初めて照れた様子を見せたりと、2人の距離が縮むきっかけになったシーンである。

朱里と理央のために和臣が怒るシーン

朱里と理央のために怒る和臣。

単行本4巻第14話のシーン。朱里への気持ちを抑えられず理央がキスしてしまった事で、2人は気まずくなってしまう。放課後出入口で理央は朱里を待ち伏せていたが、そこへ合コンで朱里に好意を向けていた男子が現れる。朱里と理央が本当の姉弟ではない事を知り、朱里にふられた腹いせに「同じ家に住んでるとかすごいね」「山本って本当に朱里ちゃんの事好きだったり」と追い詰めるような言葉を投げかけてくる。言い返そうとする理央を由奈は止め、腕を引っ張り先に帰っていく。やり取りを見ていた和臣は、「これ以上2人に突っかかる様な事したら殴る」と男子に対して怒りを露にする。嫌われたと思っていた和臣が怒ってくれた所を見た朱里は、ますます彼への思いを募らせた。

山本 理央「大丈夫、ただの姉弟ゲンカ!」

単行本4巻第15話のシーン。和臣に恋をする朱里の姿を見て、自分の気持ちを抑えられなくなった理央は、朱里にキスをしてしまう。その後2人は気まずくなってしまい、朱里は後ろめたさから由奈を避けるようになる。様子がおかしい朱里を心配した由奈は、理央から事情を聞き、ショックを受けながらも朱里と会う事にする。理央と何があったかも、理央が誰を好きかも知っていると話す由奈に、朱里は1年前に自分がした事を打ち明けた。

1年前、朱里のスマホに理央から呼び出しの留守電が入っていた。告白かもと思い、朱里は雨が降る中待ち合わせ場所に向かう。その途中でデート中の母親と男性と会い、その男性は理央の父親である事を知った。以前、相手の男性とゆくゆくは結婚を考えていると聞いていた朱里は、理央の留守電に気づく前にスマホを壊してしまったように装い、理央の父親のスマホを使い理央を呼び出した。家族になった時に理央が気まずい思いをしないようにと、朱里が考えた末の行動だった。

母親から1年前の顔合わせの日の事を聞いた理央は、由奈から言われた「朱里ちゃんなりに理央くんを守ろうとして頑張ってるんだよ」という言葉と照らし合わせ、朱里が自分のために嘘をついていた事を察する。一度は気持ちをぶつけようとしていた理央だが、家族の事を考えて行動している朱里を知り、「ノリであんな事してごめん」と謝る。心配して顔を出した母親に、「大丈夫、ただの姉弟ゲンカ!」と弟として振る舞う。2人は仲直りし、弟になる決意をした理央は清々しい気持ちだった。

理央が由奈を好きだと自覚するシーン

単行本5巻第20話のシーン。夢に由奈が出てきて以来、由奈の事が気になる理央。思い込みなのかと日々悩む中、由奈と我妻が急接近しているのを目の当たりにしてもやもやしていた。そんな時、由奈が夏祭りにお面を買ってくれたお礼に、理央に手作りのクッキーをプレゼントする。「一番上手に焼けたやつだけ選んで包んだ」と笑う由奈に、理央はきっかけが夢だろうと今目の前にいる由奈が好きだと自覚する。

文化祭で由奈と理央が両想いになるシーン

変われた自分で理央にもう一度告白する由奈。

単行本7巻第27話のシーン。文化祭の後夜祭で、男子が意中の女子の所に行き、フォークダンスのパートナーに誘うという告白イベントがある。由奈と理央が笑い合っている写真が、朱里達のクラスの出し物であるフォト選手権のカップル部門に貼られていて我妻は焦りを感じる。由奈と2人きりになった時に後夜祭に誘い告白するが、断られてしまう。我妻から由奈が後夜祭で好きな人に告白するらしいと聞いた理央は、「自分の気持ちを知ってもらいたい」と由奈に告白する事を決心して走り出す。一方由奈も、理央が誰か後夜祭に誘うかもしれないと思いながらも、少しは変われた自分でもう一度理央に告白しようと走り出す。無事会えた2人は、お互いの気持ちを伝え合い両想いになる。

山本 朱里「引っ越しが決まった時、ほんとはすごく悲しかった。みんなと離れなきゃいけないのが悔しかった。ずっと一緒にいたかった!」

単行本7巻第27話のシーン。朱里と和臣は2年生の女子グループの撮影の手伝いをする。来月転校してしまう女子が「本当は行きたくない」「ずっとみんなと一緒にいたい」と自分の素直な気持ちを言いながら泣く姿を見て、朱里は胸が締め付けられる。文化祭に遊びに来ていた花乃達に、引っ越す時に伝えられなかった本心を今更でも伝えたいと思い、和臣に背中を押されて走り出す。駅で待っていた花乃達に、「引っ越しが決まった時、ほんとはすごく悲しかった。みんなと離れなきゃいけないのが悔しかった。ずっと一緒にいたかった!」と今まで話せなかった本心を話す。花乃達も自分と同じように思ってくれていた事を知り、これからは自分の気持ちにもっと素直になりたいと思う朱里だった。

朱里と和臣が両想いになるシーン

単行本11巻第42話のシーン。朱里と理央の両親が喧嘩をし、母親はもし離婚をしたら前住んでいた所に戻りたいと言っていた。どうしたら良いのかと悩む朱里に、亮介は「もう一度山本とやり直したい」と告白する。朱里は好きな人がいると断ったが、「ちゃんと考えてから返事くれればいいから」と言われて一旦保留になる。後日、朱里は亮介に返事を催促されるが、和臣の事を諦めきれないと断る。

一方、和臣は朱里への気持ちも将来の夢も、ずっと理由を後付けして失敗する事を怖がっていただけだと気づく。朱里に告白する前に、両親に将来映画を作る人になりたいと初めて本心を話した。

亮介から応援の言葉をもらった朱里は、見晴らし台にいるという和臣に会いに行く。自分が変われた事を自覚し、正面から向き合えた2人は両想いになった。

由奈と朱里が感謝を伝え合うシーン

単行本12巻最終話のシーン。朱里と理央の父親がアメリカへ転勤する事になり、一度は父親が単身赴任するという話になった。しかし由奈と理央の交際についてマンション中で噂になり、由奈が話のネタにされるのが我慢ならない理央は、マンションを出て学生寮に下宿する事にした。朱里は夢である通訳になるため、両親とアメリカへ行く事を決意する。朱里の選択した道を応援しながらも、離れる寂しさから涙を流す由奈。価値観の違う由奈と朱里は、出会えたお陰で違う自分に気づけた、影響されて世界が広がったと感謝を伝え合った。どんなに離れても最高の友達だとお互いが感じたシーンである。

『思い、思われ、ふり、ふられ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

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