ストロボ・エッジ(Strobe Edge)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ストロボ・エッジ』(Strobe Edge)とは、2007年から2010年まで『別冊マーガレット』(集英社)にて連載された少女漫画。作者は『アオハライド』『思い、思われ、ふり、ふられ』で知られる人気漫画家の咲坂伊緒。2015年に福士蒼汰・有村架純主演、廣木隆一が監督を務め実写映画化し、第58回ブルーリボン賞受賞。おっとりで素直な性格の主人公仁菜子(になこ)が学年で一番人気の蓮(れん)に初めて恋心を抱く学園青春ロマンスである。

『ストロボ・エッジ』の概要

『ストロボ・エッジ』(Strobe Edge)とは、『別冊マーガレット』(集英社)にて2007年7月号から2010年9月号まで連載されていた累計発行部数580万部を記録した人気少女漫画である。単行本は全10巻で巻末に番外編や短編集が掲載されているものもある。作者は咲坂伊緒。本作が長期連載初作品である。2010年から2011年にかけて原作・イラスト咲坂伊緒、著者阿部暁子で小説化。2015年3月14日に福士蒼汰・有村架純主演、監督廣木隆一で実写映画化し、第58回ブルーリボン賞を受賞している。
タイトルの意味は「恋をした時のまぶしく、それでいて胸に突き刺さるような強い想い」を写真を撮影するときの瞬間的な強い光=「ストロボ」、そのストロボが胸に突き刺さるということは、それは尖っているということ=「エッジ」この2つを組み合わせた作者の造語である。「誰でも抱いた事のあるような感情を1つ1つ丁寧に伝えたい」という思いでこの作品を描いていると作者は語っている。
福士蒼汰が映画中で披露する逃げられないように相手を壁際に追い詰めるいわゆる「壁ドン」や、蓮の大きいパーカーを着た仁菜子が手を洗う際に、袖が濡れるのを防ぐために蓮が後ろからパーカーの袖を捲る「袖クル」のシーンは女性を中心に話題になった。
まだ恋を知らない、おっとりで素直な性格の高校1年生、木下 仁菜子(きのした になこ)が学年一人気の男子でいつもクールな一ノ瀬 蓮(いちのせ れん)に恋をすることで始まる物語である。仁菜子は蓮の友人安堂 拓海(あんどう たくみ)に何度もアタックされるが蓮を好きな気持ちは変わらず、最後には安堂に背中を押される形で蓮と結ばれる。今まで知らなかった様々な感情を経験し、仁菜子の成長していく姿と蓮の心境の変化、安堂の一途な想い、そして周りの友人たちの恋模様等を描いた青春ロマンス物語。

『ストロボ・エッジ』のあらすじ・ストーリー

メインストーリー

仁菜子と蓮の出会いと告白

本作の主人公は、木下 仁菜子(きのした になこ)。高校一年生で、周りの言葉に流されやすく少し天然な女の子。彼女の通う学校の同じ学年には、学年一人気者の一ノ瀬 蓮(いちのせ れん)がいた。見た目が良く、あまり表情を出さないクールな性格から多くの女の子から好意を向けられていた 。仁菜子もその一人で、クラスの女の子達と蓮のことについて盛り上がっていた。

しかし、その日の帰りの電車でうたたねしてしまった仁菜子の2つ隣の席で、蓮が同じようにうたたねして座っていることに気づく。仁菜子は蓮がそんなに近くにいることが嬉しく、そのことを友人たちにメールをしようと携帯を取り出す。仁菜子がメールを打っている最中に、蓮が慌てて鞄を掴み電車の出入り口に向かう。その際蓮の鞄が仁奈子に当たり、携帯が床に落ちてしまう。さらに運の悪いことに、仁菜子の携帯に付いていたストラップを蓮が踏みつけてしまい、割ってしまう。呆然とする仁菜子に蓮は優しく声をかけ、ストラップへの謝罪と仁菜子に学年とクラスを聞いて、次の駅で降りて行った。仁菜子は蓮がクールで無口だと思っていたが、優しさを持ち合わせた人だと驚きと蓮への想いが強くなる。

次の日、仁菜子がトイレから出るとたまたま通りかかった蓮と鉢合う。蓮は仁菜子に昨日のお詫びだと言い、仁菜子に綺麗な蝶のストラップを渡す。わざわざ蓮が選んで買ってきてくれたことに仁菜子は嬉しくて、自然と笑みがこぼれていた。それから仁菜子と蓮の関わりは増え、仁菜子の蓮への想いは日を追うごとに大きくなっていった。仁菜子自身もその感情を恋なのだと気づくのに、時間はかからなかった。

そんな様子を見て、焦りを抱いたのは仁菜子の幼馴染是永 大樹(これなが だいき)だった。大樹は思い切って仁菜子に伝えたが、仁菜子はその告白を断ろうとする。その言葉を遮るように大樹は、蓮には彼女がおり、その彼女は自身の姉・是永麻由香(これなが まゆか)であることを明かす。さらに、連と麻由香のデートの日付を仁菜子に伝える。デート当日、仁菜子は遠目に蓮と麻由香が仲良く歩いている姿を目にして涙するが、仁菜子の蓮に対する恋心は消えることはなかった。

後日、帰りの電車で再び蓮と一緒になった仁菜子は、蓮を追いかけ同じ駅で降り蓮に自身の想いを伝えた。しかし蓮の反応は仁菜子の予想通りで、蓮は「ありがとう。でもごめん、付き合っている人がいるから」と仁菜子の告白を断る。仁菜子もその言葉に、「知ってる。言いたかっただけだから。聞いてくれてありがとう」と笑顔で答えた。二人はその後友人としての付き合いを約束する。

安堂 拓海(あんどう たくみ)との出会い

仁菜子が蓮に告白したのは夏休み前だったが、夏休みが明けると仁菜子は学校中では、”蓮に告白して振られた人”というので有名になってしまっていた。それでも仁菜子は蓮と友人関係を崩したくないと強く思っており、偶然を装って廊下で鉢合わせるふりをしていた。仁菜子が蓮が来たと思い廊下に飛び出すと、仁菜子の目の前に立っていたのは蓮ではなく、違う男子生徒だった。その男子生徒は仁菜子をまじまじと見つめ、「駅で蓮に告白してフラれた子だ!」と大きな声で仁菜子に話しかけた。仁菜子は驚きとショックを受け、蓮に挨拶することもできずその場を退散する。

その日の放課後、仁菜子は文化祭実行委員の集まりに参加した。そこには、蓮と仁菜子が蓮と勘違いして挨拶してしまった男子生徒が居た。彼は蓮と中学からの友人であり、名前は安堂 拓海(あんどう たくみ)。拓海は蓮と真反対な性格をしており、女たらしで気さくな性格をしていた。

仁菜子は拓海を良く思っておらず、面倒な人に目を付けられてしまったと少し落ち込んでしまっていた。そんな時仁菜子は急に大勢の女子生徒に囲まれ、中庭に呼び出される。その女子生徒たちは蓮に告白してフラれた女子生徒たちで、自身達のことを通称「ふられんぼ同盟」と名乗っていた。しかし、彼女たちの行動の内容は、陰でフラれた蓮に対する悪口を言い合うというものだった。仁菜子は最初は喜んだが、その行動がどうしても許せず、ふられんぼ同盟に反論し抜けてしまう。それ以来、仁菜子は嫌がらせを受けるようになってしまう。しかし仁菜子は、そんな嫌がらせにも負けずに日々を過ごした。嫌がらせにも負けない仁菜子を陰で見ていた拓海は、徐々に仁菜子に興味を持ち始め、親交を深めようとしてくる。

それから学校では、蓮が仁菜子に接することは明らかに少なくなっていた。仁菜子は自分が無理に友達でい続けさせようとしたのが悪いんだと嫌悪していた。しかし実際は、蓮が振った女子生徒から仁菜子が嫌がらせを受けていると蓮は知り、仁菜子から距離を取っていたのだった。さらに、蓮がふられんぼ同盟のメンバーたちに「自分には何をしてもいいから他の人を傷つけるのはやめて」と伝えているところを仁菜子が偶然聞いてしまう。仁菜子は蓮の優しさに触れ、2人はまた友達の関係に戻ることになる。しかし、友達の関係に戻れた仁菜子は蓮に笑顔を見せるが、蓮は複雑な表情をしていた。

3人のそれぞれの想い

文化祭の準備は順調に進み、当日も無事終えることができた。普段の学園生活に戻ったある日の朝、小柄な仁菜子は満員電車の中で苦しんでいた。それを助けてくれたのは、蓮と拓海だった。最初は蓮が仁菜子を自身の身体で守ってくれていたが、拓海が突然「ズルい!」と強制的に蓮と場所を変え、仁菜子を守る形になる。仁菜子は訳が分からず拓海の顔を見上げるが、拓海はそんな仁菜子にときめいてしまう。女慣れしているはずの自分が、不覚にもときめかされたことにショックを受けながらも、拓海は自身の仁菜子に対する想いを確信する。

季節は流れ中間テストの期間に入り、数学が赤点だった仁菜子は追試を受けることになる。補習授業が行われる教室に入ると、蓮の友人で頻繁に行動を共にしている三好 学(みよし まなぶ)の姿があった。数学が苦手な2人は意気投合し、学は仁菜子を自身が働くオープンしたてのカフェのバイトに誘う。仁菜子は快く引き受け、後に蓮と拓海も誘われていたことを知る。

学の誘いを受けた3人は、カフェでのバイトを始める。仁菜子は学校だけでなくバイトも通じて、ますます蓮に想いを募らせていく。蓮もバイトをする中で仁菜子に対して、ふとした瞬間同じことを考えていたりと意識が仁菜子に向いていく。たまたま蓮のバイト先を見学に来ていた真由香はそれに気づき、2人を引き離す。残された仁菜子は、表面上では平気なふりをしていたが、本心では寂しく思っていた。

蓮・麻由香と別れ、帰り道を仁菜子と拓海は2人で歩いていく。仁菜子の切ない表情を見兼ね、拓海は「蓮を想う気持なんか俺が消してあげる。だから俺と恋をしよう」と仁菜子に告白する。困惑する仁菜子をよそに、何事もなかったかのように拓海は歩き出した。その後も仁菜子が決まづく思わないように、拓海は何気ない会話を続け配慮してくれた。様々な面で安堂の優しさに触れる仁菜子だが、それでも仁菜子の心の中は蓮への気持ちが強くなるばかりだった。

ある日、体調不良でバイトに出ることができない蓮の代わりに、仁菜子が出勤することになった。そのお礼にと、蓮はバイトの休憩室で学と仁菜子に数学を教えることを約束する。仁菜子と蓮は帰りの電車で隣同士に座り、寝不足の仁菜子はうたたねをしてしまい蓮にもたれかかってしまう。蓮もそれを拒まずに仁菜子に肩を貸し、仁菜子の寝顔を見つめる。自分の降りる駅に着いても仁菜子を起こせずにいる自分に気づき、蓮は遂に自分の仁菜子への気持ちを自覚する。

同じ頃大樹と、麻由香の父親が再婚し転勤することが決まる。父親と共に住んでいた大樹は、父親と共に福岡に行くかどうか選択を迫られる。一方母親と住んでいて、両親の復縁を望んでいた麻由香は父親の再婚が受け入れられず動揺し、蓮の元に向かう。蓮の元についた麻由香は、「やっぱり永遠に続く愛なんてないのかな。私たちも変わっちゃうのかな」と涙を流す。そんな麻由香に蓮は「大丈夫、俺はどこにも行かない」と伝え、自身の仁菜子に対する想いを消すことを決意する。

麻由香の心の変化

蓮は仁菜子との距離を取る為にカフェのバイトを辞め、ガソリンスタンドのバイトを始めた。仁菜子もまた麻由香の事情を知り、蓮と距離を取る方が想いを止めることができると思い、2人共距離を取ることになる。大樹もまた父と共に行けば彼女と別れることにもなるため、転勤のことについてや姉のことも心配で思い悩んでいた。

拓海と仁菜子はカフェのバイトを続け、2人はクリスマスイブにはバイト先で開かれるクリスマス会の買出しに出かけていた。そこで偶然にも拓海の元彼女・杉本 真央(すぎもと まお)に遭遇する。拓海は険しい顔になり、普段明るい様子ばかりを見てきた仁菜子は驚きを隠せずにいた。その後のクリスマス会も拓海は欠席してしまい、仁菜子は拓海の心の傷を知ることとなる。

一方同じ頃、大樹・麻由香と父親は、転勤前の家族の時間を過ごしていた。麻由香は父の再婚に賛同できずにいた。しかし、自身の父も母も元から愛していなかったわけではなく、時間の中で変化もあることを理解する。その上で自分自身も変化していることに気づき、前に進めるようになる。そんな姉を心配していた大樹も、今の姉の様子を見て安堵の表情を見せた。

年が明け、仁菜子は久しぶりに蓮と再会する。距離を取っていたが、再会すると自身の中にある蓮への気持ちが膨れ上がるのを仁菜子は感じていた。蓮に対するこの気持ちは変えることができないとしっかりと心に決め、ずっと返事ができなかった拓海からの告白を断ることを決意する。拓海はすぐに諦めることはできないと仁菜子に伝えるが、拓海の優しさで2人の雰囲気は気まずくなることはなく、その後も拓海と仁菜子は友人関係を保つことになる。

麻由香は大学受験を無事終え、お祝いに蓮と出かけていた。その際、2人が付き合う前に良く通っていた公園に向かう。そこで麻由香は父親との事、自身の変化と父を受け入れられたことを蓮に話し別れを切り出す。自身の変化を認められたから、蓮の変化も認めなければならないと麻由香は考えていた。麻由香は蓮に、もう無理はしないでという心配と、心の中にいる仁菜子への思いに素直になるべきだと伝える。

次の日、学校では蓮が彼女と別れたという話が広がった。蓮に想いを寄せていた女の子たちが騒ぐ一方で、蓮の気持ちの心配をしていたのは仁菜子だけだった。仁菜子は別れたばかりの蓮に対し、自分の気持ちを隠そうとする。一方で蓮は、自身の仁菜子への気持ちを認め始める。

同じクラスになる仁菜子・蓮・拓海

2年生に進級した3人は、同じクラスになる。唯一友人間で大樹のみが別のクラスになってしまったが、蓮と同じクラスになったことを仁菜子は素直に喜んでいた。その日の帰り、拓海の前に同じ制服を着た真央が現れる。真央は拓海を追いかけて入学したと伝えるが、蓮を追いかけてきたと思っている拓海は真央を冷たくあしらった。

拓海は、元カノは蓮に近づくために自分に近寄り、更に好きになった仁菜子も蓮を想っていることにどうしようもないと理解しつつも、苛立ちを隠せずにいた。拓海と蓮の関係は悪化の一途をたどるが、蓮は自身と対等に向かい合ってくれる拓海に感謝し、友人でありたいと願っていた。互いに友人であり、良きライバルであることを認識し改めて拓海は蓮に対し、仁菜子だけは渡さないと宣戦布告する。同じく蓮も、仁菜子への想いを一層強くし拓海に宣戦布告する。

蓮の告白

蓮と拓海が仁菜子を巡り宣戦布告する中、仁菜子は真央と接触する。真央は自身が拓海を蓮に近づくために利用し、そのせいで親友だった二人の仲を壊したことを仁菜子に明かす。真央は自分と同じことを仁菜子にはしてほしくないと、蓮と拓海を想い忠告する。仁菜子はそれを聞き、2人の仲を壊さない為にも自身の蓮への気持ちを消すことを決意する。

蓮は仁菜子に対しアプローチするが、仁菜子は友人だからと自分の心に言い聞かせ、蓮とは一定の距離を保とうとする。そんな中学校では体育祭が行われ、蓮も拓海も一層仁菜子にアプローチしようとする。そして、蓮は体育祭後仁菜子に告白することを決意する。真央は拓海に、改めて自分は拓海の事を追いかけて同じ高校に入学した事を告げる。しかし、拓海は自分は仁菜子に必死だからと言い真央をおいてその場を去る。

体育祭は無事終わり、蓮は仁菜子を大切な話があると呼び出した。仁菜子の心の中には諦めなければならないという気持ちと、どこか期待してしまう自分がせめぎ合っていた。しかし、その日は時間が合わず蓮は告白を断念する。その空いた時間で仁菜子は、改めて蓮への想いを考え、もう一度蓮に告白することを決意する。

その後仁菜子はバイトに向かい、バイト中は拓海は仁菜子に必死にアプローチする。しかしバイト終わりに、拓海と仁菜子は不良に絡まれ暴力を振るわれてしまう。仁菜子を庇った拓海は怪我を負い、拓海は自身が好きな子を守ることもできないことに落ち込みその場を去ってしまう。動揺している仁菜子の元に、タイミングよく蓮から「今から会いたい」と連絡が入る。

仁菜子が蓮に会いに行くと、案の定蓮は仁菜子に告白をする。しかし、仁菜子の脳裏には拓海への心配や、拓海と蓮の関係がまたぐるぐると駆け巡る。咄嗟に仁菜子の口から出た言葉は「ごめん」という言葉だった。次の日から拓海は学校をしばらく休み、蓮と仁菜子は距離を置くようになる。

拓海が休み明けに蓮と仁菜子の様子を見ていると、2人の距離が遠く付き合っていないことを確信する。仁菜子が自分が原因で蓮の告白を断ったことを知る拓海は、「同情するなら俺と付き合いなよ」と仁菜子に強引にキスをして、悪役に回る形で仁菜子が自身の気持ちに素直になれるよう背中を押す。仁菜子は驚き拓海を振り返ることなく去っていき、その背中を見ながら拓海は静かに涙を流した。

一方走り出した仁菜子は、駅まで蓮を追いかけやっと追いつく。仁菜子は泣きながら、蓮に改めて自分の想いを伝える。その懸命な姿に蓮は仁菜子を抱き寄せ、2人は恋人になることができた。

特別編

単行本10巻に掲載。恋人同士になった仁菜子と蓮の、初デートを描いている。

仁菜子と蓮は、鎌倉で初デートをする。デートは順調だったが、デート中蓮はしきりに時計を気にしてその様子を見ていた仁菜子は寂しく感じていた。それ以外にも、仁菜子には気がかりなことがあった。仁菜子は蓮と付き合う前に、ファーストキスを拓海に奪われたことを気にしていた。蓮もそのことをたまたま拓海と仁菜子が話しているのを聞き知っているが、その時の蓮の反応は仁菜子が思っている異常に薄いものだった。仁菜子は一連の蓮の反応に、好きなのは自分だけではないかと不安を感じていた。

そんな仁菜子が不安を感じているとは知らずに蓮は、帰りの電車の切符を買おうとしていた。慌てて仁菜子が「まだ乗りたくない」と拗ねて立ち止まってしまう。「まだ帰りたくなくて乗りたくないって言ったの。わがままでごめん。私ばっかり好きでごめん」と言う仁菜子に、蓮は「すぐ帰ろうと思ってたんじゃなくてさ」と話し始める。蓮が切符を買おうとしたのは仁菜子に内緒で夕日がきれいなスポットに連れて行きたかったからだと話す。蓮が時計を気にしていたのも、夕日の時間を気にしてのことだった。

蓮は「余裕ないのにカッコつけるからダメなんだね」と少し落ち込みながら話す。「本当は安堂のことも、全然平気じゃないし…」と自分の素直な気持ちを伝える。仁菜子は蓮が自分が思っている以上に、蓮が自分のことを想ってくれていることを嬉しく感じた。そして、自分たちの想いをしっかり確認した2人は静かにキスをした。

番外編

ストロボ・エッジ~another light~

単行本2巻収録。蓮中学2年生、麻由香高校1年生の時の物語。

両親が離婚し父と別居になった麻由香は、母と共に新しいアパートに引っ越して来ていた。当時麻由香は高校一年生で、学校の帰りに中学生の蓮が年上にカツアゲされている場面に遭遇する。殴られそうになっている蓮が目に飛び込み、麻由香は思わず蓮の腕を掴みその場から逃げる。それから蓮が麻由香の住むアパートの近くの塾に通っていることを知り、2人はたびたび近くの公園で会う事が日課になっていく。本編で描き切れていない、蓮と麻由香の関係性を描いた物語。

ストロボ・エッジ~未完の地図~

単行本5巻収録。中学2年生の蓮と拓海の出会いを描いた物語。主人公は拓海。

中学2年生の蓮と拓海は、同じクラスで出席番号も近かった為親しくなっていく。そんな拓海は、同じ中学で一つ年下の真央に想いを寄せていた。しかし、真央は蓮に想いを寄せていることを拓海は知っていた。そんなある日、拓海は真央から蓮に彼女がいるかどうか質問される。拓海は蓮と真由香の事を知っていた為、「いるみたいだよ」と答えると真央はあからさまに悲しい表情を見せた。そんな表情を見た拓海は真央に思い切って告白し、2人は付き合うことになる。しかし、後日蓮と真央がキスしている場面に出くわしてしまう。本編で描き切れていない、蓮・拓海・真央の関係性を描いた物語。

カラーレス・ドリーマー

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