Salt and Sanctuary(ソルト アンド サンクチュアリ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『Salt and Sanctuary』とは、Ska Studiosの開発による2DアクションRPG。2016年にPlayStation 4向けにリリースされ、2022年5月には続編の『Salt and Sacrifice』がリリースされた。王女の護衛任務に就いていた主人公が、船の難破をきっかけに流れ着いた島で王女を捜索する物語である。豊富なアイテム・スキル・装備を駆使して自分好みのキャラクターに育成するRPGのリプレイ性と、高い難易度から何度もボスに挑み続けるリプレイ性が融合したゲームである。

『Salt and Sanctuary』の概要

『Salt and Sanctuary』とは、Ska Gamesが開発したPlayStation 4、Microsoft Windows、macOS、Linux、PlayStation Vita、Xbox One、Nintendo Switchソフトである。FromSoftwareの『ソウルシリーズ』に大きく影響を受けており、「2D版ソウルライク」と評されている。プレイヤーは、起源、クラスといったRPGの概念と、広範囲に枝分かれしたスキルツリーによってキャラクターを強化していくことになる。また、600種類以上のアイテムや武器を駆使しながら高難易度のフィールドを攻略することになるため、多彩な育成方針が楽しめるゲームである。

本作の特徴は、なんといってもその難易度の高さだ。プレイヤーが訪れることになる島は息をつかせぬ多くの敵が徘徊し、初見では回避することの難しい罠が点在している。その障壁を乗り越え、何度も死亡しながら活路を見出していくことが好きなプレイヤーは、本作の世界観に没入できるはずだ。プレイヤーは経験値としてソルトを獲得し、各地のサンクチュアリでソルトを使用することで能力を強化することができる。しかし、プレイヤーが死亡するとその場にソルトを落とし、回収する道中で再度死亡してしまうと落としたソルトは全て消失してしまう仕様となっている。この「何度も死んで覚える」というゲームスタイルこそ「ソウルライク」と言われる所以であり、本作が高く支持される理由の一つだ。
開発は、『The Dishwasher: Vampire Smile』、『The Dishwasher: Dead Samurai』、『Charlie Murder』といった作品を発表しているSka Games。横スクロールのゲーム開発を得意としており、今作にもスタイリッシュなアクションと美麗な世界観が反映されている。

物語は、戦争を回避するため政略結婚を結ぶことになった王女を乗せている船に、プレイヤーが密航する場面から開始する。船は巨大なクラーケンに襲われ難破し、神秘の島沿岸に漂流したプレイヤーは行方不明の王女を探すために島の探索を行うことになったのだ。島は霧に覆われ、正気を失くした人間やモンスターが徘徊している。プレイヤーは自身を強化しながら、各地のサンクチュアリを経由して謎を解明していくことになる。島の住人は「ソルトボーン」と呼ばれる塩を原料に構築された身体となり、プレイヤーもソルトボーンの一員となってしまう。王女を探す旅は、自身の出生の謎を解明する物語へと発展していくのである。

『Salt and Sanctuary』のあらすじ・ストーリー

プレイヤーは行方不明となった王女を探すために島を探索することになる。大筋のルートは存在するが、分岐をどのように進むかはプレイヤーにゆだねられている。

広大なフィールドの一部を縮小したマップ

凍える岸辺

凍える岸辺に佇む「謎の老人」

プレイヤーが漂着した島の沿岸。沿岸付近には「謎の老人」が佇んでおり、この先のサンクチュアリで信仰すべき宗教について助言を受けることができる。先へ進むとサンクチュアリがあり、亡者となった兵士が徘徊していた。

腐食の晩餐会場

岸辺を超えた先は、正気を失くした兵士が蔓延る晩餐会場であった。プレイヤーは晩餐会場の屋上にいるボス「水被りの騎士」を倒して、先へ進む鍵を手に入れることを目標とする。

蛮族の道

「蛮族の道」は、白い靄立ち込める地上と、薄暗くしっとりと湿った地下からなるマップだ。晩餐会場から出た辺りで「使命を持った騎士」と初めて出会うことができる、彼は王家直属の騎士だったが、気付いたらこの島に流れ着いていたという。今後の旅で幾度のなく出会うであろう彼に別れを告げ、次に向かうべきは地下にある村だという。

微笑みの村

地下を進んだ先でたどり着くのは、薄暗い集落「微笑みの村」だ。放し飼いにされた巨大な犬や、正気を失くした村人が襲い掛かってくる。狩猟用の罠もいたるところに設置されており、モンスターの攻撃以外でも命を落とす危険がある。このエリアから、敵モンスターに防御力の高い騎士が配置されるようになり、訪れた時点では厄介な脅威として立ちはだかる。先へ進むと不気味な喋る「案山子」と遭遇することになる。案山子は「多くの者はすでにひざまずいた、お前もその仲間に加わるか?」とプレイヤーに問いてくる。初対面からただの案山子ではないことが分かるが、その本質は物語の主犯格へと繋がっているのであった。

見張られの森

「微笑みの村」を超えた先にあったのは、うっそうと木々が生い茂る「見張られの森」であった。ここでは、木の枝といった細い足場の上で弓使いなどの攻撃を捌かなければならない。半透明なドロドロの敵に捕まると大ダメージと同時に毒の蓄積が溜まってしまうため、厄介なモンスターとマップが同時にプレイヤーに襲い掛かるエリアとなっている。森から繋がっている洞窟には巨大なモンスターが道を塞いでいるが、その先にはNPC「灯火の魂」が佇んでいる。彼は、プレイヤーが犯した「罪」や「穢れ」を浄化してくれる。罪は、「造反者」という宗教を選んでいる場合に蓄積するステータスであり、NPCと敵対してしまうようになる。一方、穢れは特定のアイテムを使い続けると蓄積するステータスでプレイヤーにデバフ効果が発生してしまう。「灯火の魂」は攻略を進める上で非常に重要なNPCだ。

沈んだ砦

「沈んだ砦」では、死亡した他のプレイヤーが絞首台に表示される

「見張られの森」を超えた先には、「沈んだ砦」がある。このエリアでは、移動速度や攻撃速度が速いモンスターが徘徊しており、細かなダメージを受けやすいエリアになっている。このエリアから複数体のボスが出現するようになるため、進むためには更なる危険を乗り越えなければならなくなる。大型のボスモンスター「クラウケン・キュクロプス」や、モーションの素早いボスモンスター「偽りの道化師」などが行く手を阻む。
ボスモンスターを討伐した先にはNPC「導きの道化師」が佇んでおり、彼から「反転の焼き印」を貰うことができる。「反転の焼き印」はモニュメントに触れることで、重力を上下逆さまにすることができる移動ギミックだ。この能力によって、移動できるエリアが増え、アクションに更なるテクニックが求められるようになる。

嵐の城

「沈んだ砦」で手に入れた重力を反転させる力を使って、「嵐の城」に入ることができた。ここでは巨大な騎士のモンスターや、瞬間移動しながら間合いを詰めてくる騎士など、バリエーションに富んだ手ごわいモンスターが登場する。踏むと作動する罠も設置されているため、攻略の難度が一気に跳ね上がるエリアといえる。プレイヤーは嵐の城の頂上に君臨しているボスモンスター「クラウケン・ドラゴン」の討伐を目標とすることになる。クラウケン・ドラゴンは強力な炎攻撃と高い体力で長期戦を強いられるボスモンスターだ。クラウケン・ドラゴンの猛攻を制した後は、嵐の城の上層にいるNPC「失望した盗賊」から「忍びの烙印」という焼き印を貰うことができる。忍びの烙印によって、壁を利用して再度ジャンプすることができるようになる。この能力を使用することで今まで手が届かなかった段差や、新たな新天地への道を切り開くことができるようになるはずだ。

紅の牢獄

「嵐の城」の地下には、「紅の牢獄」と呼ばれる空間が広がっていた。拷問器具が配置された空間は異様そのものであり、登場するモンスターも執行人や異形の存在まで様々である。このエリアでは、火を噴く機械や押しつぶす機械を避けながら、下へ下へと向かう必要がある。大型の敵モンスターは攻撃に対してひるみにくいため、ヒット&アウェイ戦法も活用する必要がある。多く他エリアと繋がっており、初めて訪れたときには空かない鉄格子が数多く存在する。牢獄の地下には、複数体の死人で形成されたボスモンスター「人間ノ樹」がプレイヤーの進行を阻んでくる。エリアもボス戦も、どちらともマップのダメージギミックを回避しながら戦う必要があるため、臨機応変な対応が求められるエリアといえる。

忘却のドーム

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