Salt and Sacrifice(ソルト アンド サクリファイス)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『Salt and Sacrifice』とは、Ska Studiosの開発による2DアクションRPG。2022年5月10日にPlayStation 4、PlayStation 5向けにリリースされた。2016年にリリースされた『Salt and Sanctuary』の続編となっている。邪悪な魔道司の大軍が世界を飲み込もうとしている世界で、プレイヤーは「刻印の審問官」となり魔導司を狩る責務を負わされることになる。魔導司を狩ることは正義なのか、その真実に迫る物語である。

『Salt and Sacrifice』の概要

『Salt and Sacrifice』とは、Ska Gamesが開発したWindows、PlayStation 4、PlayStation 5のソフトである。FromSoftwareの『ソウルシリーズ』に大きく影響を受けた作品で、「2D版ソウルライク」と評されている。前作『Salt and Sanctuary』とはストーリーの繋がりはないものの、基本的な操作方法や育成方法を受け継いでいる。起源、クラス、キャラクタークリエイトといったRPGの概念と、自分のプレイスタイルに合わせた豊富なキャラクター育成要素を備えたゲームだ。「死にゲー」としても有名なシリーズで、強力な敵モンスターとステージギミックが理不尽なほど詰め込まれた作品となっている。
本作の特徴は、更に難易度が上がったゲームプレイにある。前作『Salt and Sanctuary』は敵モンスターやステージギミックに気を付けて攻略するゲームだったが、今作は新たな勢力「魔道司」と「霜焼けの躰」による三つ巴の戦いに注意する必要がある。「魔導司」は本作の敵勢力の一つで、火や水といった元素、死や穢れなどの概念から生み出された存在だ。彼らはマップを徘徊しており、ステージに配置されたモンスターとは異なる勢力として戦う必要がある。更に「霜焼けの躰」という別概念の敵モンスターも現れるため、それぞれの勢力が争い合う混沌の中でストーリーを進めていく必要がある。このように、敵と戦闘する機会も増えるため理不尽な戦闘も増えるが、魔道司を倒した素材から多種多様な装備品を作って自身を強化することができるため、ハクスラ要素に磨きがかかった作品となっている。
物語は、平和だった王国に魔導司の軍団が侵攻してから数年後が描かれている。プレイヤーは、様々な罪を犯した死刑囚の集まり「刻印の審問官」となって、魔道司を壊滅するために世界各地を奔走することになる。「サクリファイス」という言葉は生贄や犠牲といった意味があり、NPCや魔道司から明かされる事実は壮絶な真実へと発展していくのである。

『Salt and Sacrifice』のあらすじ・ストーリー

魔導司を狩るために、審問官となるプレイヤー(右)

プレイヤーは、世界の均衡を乱す魔導司を倒すために各地を探索することになる。拠点を中心として、転送門から各地にワープするシステムとなっている。新たなエリアに向かうためには「ルーン文字」が刻まれた石が必要であり、エリアのボスやNPCから「ルーン文字」を授かることで新天地へと足を踏み入れることが可能になる。

免罪の谷

免罪の谷から各エリアにワープすることができる

「免罪の谷」は本作の拠点となるエリアだ。装備作成や装備強化、アイテム購入などのNPCが点在している。ゲーム序盤ではNPCの数や行ける場所も少ないが、エリアを攻略してNPCを解放することで活気あふれた集落へと進化していく。本作は、レベルアップやスキル取得のために何度も免罪の谷に戻ってくることになる。免罪の谷から攻略エリアに移動すると、エリアの初期位置からスタートする仕様となっている。この仕様からエリアの最深部から拠点に戻った場合に移動距離が長くなってしまうため、拠点に戻るタイミングと死なないプレイを天秤にかけて最善の判断をする必要がある。

灰枯れ村

灰枯れ村で出会う喋る木(右)

「灰枯れ村」は、「根天井の洞窟」「灰苔沼」「白水晶の鉱山」「アークリッジ区画」「石造りの地下洞」「谷夜の広場」「灰被りの城」からなるエリアだ。プレイヤーが最初に転送されるマップであり、上下左右に繋がるエリアの多さに冒険心がくすぐられる作りとなっている。地下洞窟を進んだ先の小さな沼では、初めてのボス「耳飾りのウリクス」が待ち受けている。本作は各地に封印されている魔導司を倒すという目的もあるが、道中でプレイヤーを待ち受けるボスモンスターも非常に強力だ。ボスを倒した先では、特殊アイテム「鉤付きフック」を入手することができ、このフックを利用して上へ上へと攻略していくことになる。また、先に進む扉は魔法の力で封印されているため、魔導司を一定数倒して解放する必要もでてくる。灰枯れ村周辺では、「炎の魔導司アーザン・ティン」や「氷の魔導司セラス・ゼンド」といった魔導司がいるため、攻略と装備強化の両面から打倒が必要だといえる。

ボル・ゲラン

ボル・ゲランの墓所寺院を守るボスモンスター「不屈の聖司祭」

「ボル・ゲラン」は、「荒れ野ヶ原」「祈る巨人」「徘徊の洞窟」「穢れたオアシス」「見捨てられた渓谷」「ボル・ゲランの墓所寺院」からなるエリアだ。全体的に砂漠化してしまった寺院周辺が舞台となっており、部族や虫のようなモンスターが多く登場し、身動きが取れないまま大ダメージをくらう掴み攻撃を多用するモンスターが多いため注意が必要である。道中では滑車を利用して上下左右に移動することができるアイテム「マグネシンの袋」を入手することが可能で、このアイテムを利用した大規模なマップ移動が目玉となっている。また、徘徊の洞窟には大量の罠が張り巡らされており、地面に貼った糸や、地面の小さな穴を注意深く確認して移動することが重要だ。

コルヴィウスの沼地

特殊アイテムで道を実体化して先へ進む

「コルヴィウスの沼地」は、「黒土の巣」「腐れる霧の湿地帯」「悪臭の岩屋」「緑の遺跡」「大樹」「ヴェルーナの聖堂」「背信の岩山」からなるエリアだ。薄暗い沼地は毒状態を受ける仕掛けが豊富で、昆虫や得体のしれないモンスターが徘徊している気味の悪いエリアが続いている。モンスターの耐久度はそこまで高くないものの、動きの速さや遠距離攻撃といったクセの強い攻撃手段を持ち合わせていることが多い。このエリアには多くの魔導司がおり、「菌の魔導司ボル・ミェック」「腐肉の魔導司ゴア・ロホサ」といった腐敗に関連した魔導司が数多く封印されている。

恐れ石の山

空中には巨大な箱舟「流星号」が鎮座している

「恐れ石の山」は、「白い山道」「十一神の神殿」「見張りの洞窟」「流星号」「古い石部屋」「巡礼者の休息所」「冒涜者の宝物庫」からなるエリアだ。十一神の神殿では新たに「エーテル布」というアイテムを獲得することができ、その布を使って上昇気流で一気に上に登ることができるようになる。このエリアは、上昇気流による高低差の移動が激しいマップで構成されており、落下死を常に注意する必要がある。洞窟を抜けていくと、空には鎖で繋がれた箱舟「流星号」が浮かんでおり、強力な近距離攻撃を繰り出してくるモンスターや飛竜などのボスが行く手を阻む。「流星号」の船首で木に話しかけることによって、「古の森」を解放するためのルーン文字を獲得することができる。

古の森

最終エリア「不完全な聖堂」内

「古の森」は、「不浄の湖」「空の砦」「残り火の神殿」「不完全な聖堂」からなるエリアだ。プレイヤーは、西と東にそびえ立つ2つの砦に侵入するために、「不浄の湖」で魔導司を倒す必要がある。「不浄の湖」には拘束攻撃を仕掛けてくるモンスターや、ボス級の巨大モンスターも徘徊しているため注意が必要だ。道中には「ロゴスタス・ライム」という魔導司がおり、この魔導司を倒すことで「空の砦」を開けるための心臓を獲得することができる。空の砦と残り火の神殿は対となるエリアだ。空の砦にいるボス「煉獄の象徴」を倒すことで「空のエッセンス」を、残り火の神殿にいるボス「死を忘れし虫」を倒すことで「火のエッセンス」を獲得することができる。この2つのエッセンスは扉の封印を解く鍵となっており、最終エリア「不完全な聖堂」に進むための条件となっている。最終エリア「不完全な聖堂」は、今まで手に入れた移動手段をすべて使うことで頂上を目指すルートとなっている。頂上にはボス「サクリファイス」が封印されており、サクリファイスを倒した後の選択をどうするかでエンディングが2つに分岐する。

エンディング「登頂」

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