かくしごとの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『かくしごと』とは、漫画家の父親と小学生の娘の騒々しくも優しく温かい日常を題材とした、久米田康治による漫画作品。タイトルは「隠し事」と「書く仕事」の2つの意味が込められている。2016年から『月刊少年マガジン』で連載され、2020年にはアニメ化された。
下品な作風で知られる漫画家の後藤可久士は、失望されたくない一心で、娘の姫には自分の職業を隠している。親子愛が感じられる温かい言葉や、周囲のキャラクター達のクスっと笑える一言など、『かくしごと』には印象に残る名(迷)言が多く登場する。

「あのな、姫。こういうのは、祝える時に、祝っとけ」

友達から受け取った誕生日会の招待状

友達の誕生日会への参加を断ろうとする姫に、可久士は理由を尋ねると、「お呼ばれしたら自分の誕生日会に呼ばなくちゃいけなくなる。そうなると、父一人に大量の料理を作らせることになるので申し訳ない」と答える。すると可久士は、「あのな、姫。こういうのは、祝える時に、祝っとけ。いつか祝いたくても祝えなくなる日が来るかもしれない。逆もしかり、祝ってもらえる時に祝ってもらっとけ」とも伝える。可久士の妻、そして姫の母親はもうずっと前から行方不明になっている。祝いたくても祝えない妻のことを想い、可久士は姫にこの言葉を伝えたのだ。

「たしかにうちは二人家族で人手不足かもしれないけど、少ない分お互いに深い愛情を注ぐことが出来るんだ」

出版社において、大所帯じゃないと新人を育てる余裕がないという話が引っかかる可久士。姫の成長のためにも、父子家庭は人手不足かもしれないと不安を感じる。だが、帰宅して姫の顔を見ると、「たしかにうちは二人家族で人手不足かもしれないけど、少ない分お互いに深い愛情を注ぐことが出来るんだ」と思えた。可久士と姫の強い親子愛を感じられる。

「どんなことがあっても、最後まで立派に育てあげるからね」

古い母子手帳を棚から取り出す可久士。パパからのひとこと欄には、「どんなことがあっても、最後まで立派に育てあげるからね」というメッセージ。「これがオレの初回文書。これだけは絶対に、ブレずにやり遂げる」と語る可久士。姫を強く深く、そして優しく愛する可久士の気持ちが伝わる感動的な言葉である。

「一流の漫画家なら白黒原稿でもカラーに見せる事が出来る」

墨で青空を表現する可久士の原稿

カラー原稿が話題に上がると、可久士は「一流の漫画家なら白黒原稿でもカラーに見せることが出来る」と話す。そして、モノクロで青空や黄色のTシャツなどを表現し、人は色を目ではなく脳で見ていることを証明する。だから、自分にはカラー原稿は不要だと言い放つ。だが、カラーを嫌う本当の理由は異なる。行方不明になる前、可久士の妻は色覚異常でいずれ世界がモノクロに見える病気を患っていた。「漫画を読むには丁度いいかもね」と話す妻に、「俺の仕事は、色なんて白黒でいくらでも表現できるからな」と言う。それ以来、モノクロ原稿で表現することに強くこだわるようになった。可久士が妻と交わした会話を忘れていないことから、彼女を今も深く愛していることがうかがえる。

「会える時に会っておいた方がいい。集まれる時に集まっておいた方がいい。いつ会えなくなるか分からないからな」

誕生日会の集合写真

姫の誕生日会が、予定を遥かに超える参加人数になってしまった。姫が「大勢を招いてしまって申し訳ない」と謝罪すると、「会える時に会っておいた方がいい。集まれる時に集まっておいた方がいい。いつ会えなくなるか分からないからな」と伝える。妻に会いたいと願っても会えない可久士の切なさや悲しみが伝わってくる。だからこそ、姫には大切な人と過ごす時間を大事にしてほしいと考えているのだ。

「姫がちゃんと我が家に帰ってきますように」

姫の11歳の誕生日に、オルゴールをプレゼントする。曲は「トロイメライ」だった。他にも姫は「星に願いを」や「月の光」を候補に挙げたにも関わらず、なぜ「トロイメライ」にしたのか聞く。すると、「姫が家に帰りたくなるいい曲」と言ったから「トロイメライ」を選定したと話す。帰ってこない妻への悲しみから、「姫がちゃんと我が家に帰ってきますように」という願いが込めたのだ。

間取りが同じ家

昔、可久士と妻、そして幼い姫が住んでいた鎌倉の家と、可久士と10歳になった姫が住んでいる中目黒の家は、可久士の要望でまったく同じ間取りだった。色覚に障害を持ち、色、そしていずれ光が見えなくなったとしても、同じ間取りなら生活しやすいだろうという妻への配慮だった。可久士の妻に対する大きな優しさが伝わってくる。

後藤姫の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「じゃあ、いろんなお色、い~っぱい塗れるね!何色にだって塗れるね!」

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