ターヘルアナ富子(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ターヘルアナ富子』とは、原作者徳弘正也による漫画作品。集英社の『週刊少年ジャンプ』において、1986年より1986年まで連載された。医者の娘・亀田富子と、その隣にある寺院の息子・天童空也が織り成す騒動を描いたギャグ漫画である。
なお、タイトルは『解体新書』の底本となった解剖学書、『ターヘル・アナトミア』のもじりである。

『ターヘルアナ富子』の概要

『ターヘルアナ富子』とは、原作者徳弘正也による日本の漫画作品。集英社の『週刊少年ジャンプ』において、1986年第22号より1986年第36号まで連載された。単行本はジャンプ・コミックス全2巻。徳弘正也の初の連載作品であり、「もっこり」を流行らせた『シェイプアップ乱』の連載終了後、2作目の連載作品として執筆された医療系ギャグ作品であるが、ブレイクには至らずに15話にて打ち切りとなった。
貧乏外科開業医の娘で、無免許ながら父の仕事を手伝う内に高校生ながら父以上の手術の腕を身につけた亀田富子と、その隣にある貧乏寺の息子で喧嘩っ早い空手の達人天童空也の幼馴染み同士が織り成す騒動を描いた医療系ギャグ作品。この幼馴染みの2人が中心となり、さまざまなキャラクターが加わって話が展開される。ギャグの中にも悪党を懲らしめるバトルシーンがあり、空也のみならず富子もメスや手術道具を使って悪と戦うシーンが存在する。富子の決めセリフは「オペしましょ♪」。
本作のタイトルは日本初の西洋医学『解体新書』の底本となった解剖学書、『ターヘル・アナトミア』のもじりである。

『ターヘルアナ富子』のあらすじ・ストーリー

謎の女京子

鐘を持って現れた空也。

亀田富子(かめだとみこ)は青春学園に通う高校1年生。両親は亀田病院という赤字続きの病院をひっそりと営んでいる。父は三流大学の医学部を卒業後にお情けで医師の国家試験に合格し、亀田病院を開業している。しかしそこで大勢の死亡者を出してしまったため、患者はほとんどこなくなっている。富子の母は、その貧乏な亀田病院を支える看護師として働いている性格的にも優しく良く出来た人間である。富子は医師免許は持っていないが、幼い頃から父親の医療行為を見ていたため、既に医療の心得があり、何と手術も行っている。悪人を懲らしめる際は、両手にメスを持ち「おぺ(手術)しましょ」といいながらメスを振り回す。
亀田病院の隣には、曹星寺(そうせいじ)という貧乏なお寺が存在した。その寺の住職の息子である天童空也(てんどうくうや)は、富子と同じく青春学園に通う高校1年生。荒っぽい性格で喧嘩早く、空手の達人であるため腕っ節も強い。富子とはご近所さん同士幼馴染みであり、事あるごとに口喧嘩をするが心の底では信頼しあっている関係性である。
そんな亀田病院の13号室に入院している暗い影を持つ美人の京子がいた。昨年の12月に雪の中で路上で倒れていたところを富子の父が助け出して、強引に亀田病院に入院させたのであった。しかし京子は既に生きる気力を無くしていた。ある日富子と空也が京子の様子を見に行くと、ヤクザたちが京子を強引に連れ出そうとしていた。富子と空也は連携プレーでヤクザたちをぶちのめし、なんとか京子を助け出したのであった。
すると京子は富子たちに、実は自分は暴力団である黒龍会(こくりゅうかい)の会長の女であったが組の若頭の英二のことを好きになってしまい、組から逃げ出している身であるということを打ち明けた。さっきのヤクザは自分を組に連れ戻そうとしていたのであった。そして英二は既に制裁として殺されてしまったという。黒龍会に居場所がばれてしまった京子は、周りの迷惑にならないように自殺を試みるが、富子に間一髪で止められる。
そしてある日、黒龍会のヤクザたちが京子を取り戻すべく、再び亀田病院に乗り込んできた。院内で銃を撃ちまくって暴れ回るヤクザたちに、富子もやられてしまう。その時空也が寺の鐘を持って亀田病院に乗り込んできた。鐘で銃弾を避けると、得意の空手で一網打尽にしてしまう。こうして京子は助かったのであった。

空念登場

真っ二つになった曹星寺のご本尊。

ある日、曹星寺を旅立って3年になる空念(くうねん)が街に帰ってきた。空念はずる賢いハレンチ坊主として近隣でも有名で、3年前に近所の女子寮に夜這いに行って警察に捕まり、父親に勘当されてから修行の旅に出ていたのであった。空念が曹星寺に戻ると、出ていった当時と変わらずに女好きで、まったく改心していない空念に激怒する父親。
一方の空念は、自分が寺の跡取りに収まるべく何とか父親が死んでしまう方法はないのか富子に聞くような始末であった。ある日再び空念に激怒した父が刀を振り回すと、誤って寺の本尊を真っ二つに切断してしまった。こうして寺になくてはならない御本尊がなくなってしまった曹星寺。
後日、また空念に怒りつかみかかった父は、精神的に疲れ果ててその場に倒れてしまう。ここで機転を利かせた空念は、本尊がなくなったことを檀家にバレてしまう前に何とかしなくてはいけないと、意識朦朧とした父親の全身に金粉を塗りたくって、なんと本尊の代わりに設置するのであった。こうして檀家の目をかわし、空念のお陰で本尊がなくなってしまったという危機を乗り越えた曹星寺であった。しかし富子に、金粉を全身に塗って長時間いると、皮膚呼吸ができなくなってしまうということを聞いた空也は、寺に走って戻り急いで呼吸困難に陥りつつある父親を助け出す。あわよくばこの出来事をきっかけに父親を殺してしまおうと考えていた空念に、空也は改めて恐ろしさを感じるのであった。

名救急会入り

手術を手伝う富子。

ある入院患者を救うため、心臓移植手術を決断した亀田病院のメンバーたち。ラウアシャムウェイ法と呼ばれる難度の高い術を家族総出で行い、なんと成功させた。大病院さえもサジを投げた患者を救いだし、富子もまぐれだと話すほどの大手術の成功であった。実はその患者は大金持ちであり、そのことを知った空念は、葬式代を稼ごうとあの手この手で亀田病院へ探りを入れ始めるのだった。
そしてある日、この大手術の成功を耳にした大学医学部の学長にして世界心臓外科連盟名誉理事の近藤無太郎(こんどうむたろう)が亀田病院を訪れた。自らもわずかな数しか成功していない心臓移植手術を亀田病院が本当に成功させたのか自分の目で確かめに来たのだ。患者を診察してよく蘇生したものだと驚きを隠せない無太郎は、富子の父を優れた医師のみ入会を許される日本一権威のある名救急会の会員へ推薦すると話す。しかし亀田病院の管理体制をチェックすると、何と医師免許のない富子が手術を手伝ったことが判明し推薦どころではないと言い出した。
そんな中、無太郎が原因で患者の心臓が止まってしまう。無太郎に蘇生処置を頼む富子の父であったが、色々と理由を付けて何もしない無太郎。そんな無太郎に対し「名救急会などこちらからお断りだ」と一喝すると、自分で処置をはじめる。なんとか一命を取り留めた患者を前に、富子も「隣はお寺だから生きてても死んでもアフターサービスは万全」とアピールするのであった。

『ターヘルアナ富子』の登場人物・キャラクター

亀田 富子(かめだ とみこ)

青春学園に通う高校1年生。両親は亀田病院という名の医院を営んでおり、医師免許は持っていないが医師である父の手術を見ている内に医術を身につけた。医療の心得があり、何と高校生ながら手術も行っている。悪人を懲らしめたりする時に、両手にメスを持って「おぺ(手術)しましょ」といいながらメスを振り回すのが決めポーズであり、作者が流行らそうとしていたが連載終盤になると立ち消えになった。亀田病院の隣にある曹星寺の息子で幼なじみの天童空也とは、顔を合わせれば互いに憎まれ口を叩く間柄である。

天童 空也(てんどう くうや)

亀田富子の幼馴染みであり、同じく青春学園に通う高校1年生。空念の弟にあたる。亀田病院の隣にある曹星寺という寺の住職の息子である。首には常に数珠を巻いている。坊主の息子でありながら大らかでがさつな性格だが、スポーツは万能で喧嘩も強い。根性の曲がった奴らを富子と共にやっつける。悪人を懲らしめる際に言う「坊主の前で殺生すると地獄行きだぜ」が決めセリフ。

影山 みゆき(かげやま みゆき)

富子や空也と同じく青春学園の高校1年生。スケ番グループに目をつけられてしまい、何かと学校に馴染めずにいた。幼少時代に、忙しい親が友達の代わりにと買い与えた動物たちと仲良くなっていく中で、動物たちの声が聞こえるようになった。そうして動物と会話するうちに人間に不信感を抱くようになり、次第に同級生から浮いた存在になっていった。富子と空也と知り合ってからは閉ざした心を少しずつ開き始め、やがて強い空也への憧れから恋心を抱くようになる。しかし親の都合でアメリカに引っ越すことになり、転校してその恋が叶うことはなかった。

竹目 五郎(たけめ ごろう)

1年生の時に青春学園に富子のクラスにやってきた転校生。竹目の祖父は大日本医者会の会長という重職に就いており、その権力の威を借りて転校早々威張り散らし、空也にも喧嘩を売った。怒った空也にコテンパンにやられておとなしいふりをしていたが、それを根に持って何かと空也や富子に嫌がらせをしている。

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