バリハケン(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『バリハケン』とは、鈴木信也によって、2008年から集英社出版の『週刊少年ジャンプ』に掲載されたギャグコメディ漫画である。作者の鈴木信也は、人気野球ギャグ漫画『Mr.FULLSWING』も手掛けており、今作は2作目の連載作品。ヤンキーとオタクという異色の組み合わせと、テンポの良いギャグが魅力となっている。
主人公はオタクで臆病な性格の高校生・御手洗団吾。ひょんなことから番長になってしまった彼が、様々なハプニングに巻き込まれていく物語である。

火讐怜斗「すいません…すいませんした オレは…バカだ オタクだから何だってんだ…?オレ達を救ってくれた兄貴に変わりはねぇじゃねぇか…」

体を張って自身の拳と御宅田の武器の攻撃を受け倒れた御手洗に、火讐がかけた言葉。オタクが嫌いな火讐は、不良とオタクの抗争が決まった際に誰よりも殺気立っていた。尊敬していた御手洗がオタクであると知ると、誰よりもショックを受け、御手洗に裏切られたと思い込んでしまう。抗争の火種となった事件の誤解が解けた後もその怒りは収まらず、先頭に立ってオタク側への攻撃を開始した。しかし火讐が振るった拳は御手洗が受け止め、衝突を避けられた代わりに、そのダメージにより御手洗が倒れてしまう。体を張って両陣営への想いを伝えた御手洗の姿に、火讐は我に返り、「すいません…すいませんした オレは…バカだ オタクだから何だってんだ…?オレ達を救ってくれた兄貴に変わりはねぇじゃねぇか…」と泣きながら謝罪したのだった。

火讐は長風呂対決で、燃え盛る小屋の中から、身体を張った御手洗に救出されたことがある。その他にも敵対する不良との抗争や、妹が誘拐される事件など、自身の身や身内に何かある度に、御手洗に助けられてきた自覚があった。その様々な経験の中で、御手洗に絶大な信頼を寄せていた火讐だからこそのセリフとなっている。火讐はオタクだけでなく、オタクが好きなアニメなどの文化全般を毛嫌いし、よく知りもしないまま見下している面があった。そんな火讐が今までの御手洗との思い出や信頼関係を優先し、オタクやその文化への偏見を考え直すきっかけとなった印象的なシーンでもある。
その後の火讐は、御手洗以外のオタクたちへの偏見も改め、御宅田たちとゲームをするなどして歩み寄るようになった。

『バリハケン』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

タイトルの由来

御手洗が「九州の大番長」という設定だった『バリハケン』のプロトタイプ。

『バリハケン』というタイトルは、「覇権」と「派遣」のダブルミーニングとなっている。「バリ」の部分は、主に九州で使われる方言である「とても~」や「すごく~」という意味を持つ「バリ」が由来である。連載される前の『バリハケン』で御手洗が「九州の大番長」という設定だったため、「バリ」が使われた。

登場人物の名前の由来

『バリハケン』のメインの登場人物は、「御手洗団吾=みたらし団子」「紋武乱=モンブラン」のように、お菓子などの食べ物の名称が由来となっているものが多い。他にも磯部以外の覇那乃堕女組は昭和のアイドル、高校の名称は実在する高速道路の名称が由来となっている。

『バリハケン』の誕生秘話

作者の鈴木信也は、単行本の4巻で「大ブッチャケ祭」と称して、本作が出来るまでの過程を掲載している。以前に長期連載していた野球漫画『Mr.FULLSWING』が終わり、別のジャンルの作品を手掛けたいと思ったことから新たな作品作りが始まった。様々なジャンルへの挑戦を経て、「仕事の派遣があるなら、部活の派遣もあったっていい」という発想から本作の完成に至ったことが語られている。他にも、『バリハケン』を連載するまでの気持ちの変化や苦悩などが詳細に書かれており、ファンにとっては読みごたえのある企画となっている。

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