聖女の魔力は万能です(ラノベ・漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『聖女の魔力は万能です』とは2016年より小説投稿サイト「小説家になろう」で連載開始した橘由華の異世界召還ファンタジーWeb小説と、それを原作としたライトノベル、漫画、アニメなどメディアミックス作品である。魔法が存在する異世界に主人公セイとアイラが日本から召還された。しかし王国の第一王子カイルはアイラだけを聖女として扱い、セイを無視してしまう。元の世界に戻ることができない中、セイは自分の居場所を見つけ「聖女」としての力を発現させてゆく。女性が主人公のほのぼのとした異世界召還ストーリーである。

「聖女」をテーマにしたのは読者に「ウケる要素」だったから

原作者の橘由華は「聖女」をテーマにした理由、本作を書き始めたきっかけについて、インタビューで語っている。

橘が本作を書き始めたのは、「小説家になろう」のトップページに賞の案内が出ているのを見つけたのがきっかけだった。軽い気持ちで「自分も投稿してみよう」と書き始めたのが始まりだ。
テーマ作りの参考にしようと橘が人気ランキングをチェックしたところ、男女どちらのランキングにもタイトルに「聖女」が入っている作品が多いことに気付いた。「聖女はウケる要素なんだ」と思った橘は、「聖女」をテーマにプロットを組み立てていったのだという。
もともと橘は「小説家になろう」を読者の目線で見ていたため、人気作品の傾向はつかみやすかったとも語っている。

このように読者のニーズに合わせた形で本作は作られている。
橘はインタビューの最後に「1日の終わりにこの作品を読んで一息ついて、少しでもほっこりしていただけたら本望です」と語っている。

当初アイラは断罪予定だった

国王からこれまでの言動について指摘されるカイル(画像右)とアイラ(画像左)

単行本2巻のあとがきで、原作者の橘由華が当初の構想から内容を変更した点について語っている。
それは、カイル王子とアイラへの処遇についてである。

作中でカイル王子はセイを無視しアイラだけを保護、アイラを聖女として祀り上げ、セイを「偽聖女」と言い騒動を起こした。聖女関連の様々な言動に対して責任をとる形で、カイル王子は謹慎処分を受けている。一方、アイラは突然召還された身であること、周囲が勝手に聖女と祀り上げていただけであることからお咎めなしとなった。

これが当初のストーリー構想では、カイル王子と偽聖女だったアイラは共に断罪され、国外追放される予定だったと言う。
しかし読者からの声で「アイラが可愛そう」という意見が多かったため、方針を変更したのだと橘は語っている。

主演声優陣からも「ストレスなくサクサク読める」と好評

テレビアニメ版のセイ(画像左)とアルベルト(画像右)

2021年7月、本作のコミックスを発売しているカドカワが夏のコミックフェア『カドコミ2021』を主催した。アニメイトがこれに参加し、『カドコミ2021 in アニメイト』が開催された。それを記念する形で、テレビアニメ版に出演する声優、セイ役石川由依とアルベルト・ホーク役櫻井孝宏へのスペシャルインタビューが実施された。

石川は本作について「異世界召喚ストーリーといえば主人公は男性というイメージがありました。ですから、まず女の子が召喚されるというのが、私にとっては新鮮でしたね」と語っている。また自身が声を担当した主人公セイと、その周囲の人々について「とても前向きな子。最初のうちこそ理不尽な思いもしますが、周りの人々もとても温かいのでストレスなくサクサク読み進めることができました」と印象を話している。
櫻井は主人公セイについて「セイはこの世界での生活を受け入れているのが新鮮でしたね。ちょっと引っ越したくらいの感じ」と、すんなり受け入れたセイを面白く感じたと語っている。

作品の魅力について石川は「セイも、現実世界で仕事に疲れていたところから異世界に行き、元気になりました。皆さんも癒しの世界に飛んでスローライフを味わっていただけたらなと思います」と語った。
また櫻井はゲーム好きな男性ファンが"おっ"と思うような表現やキーワードが出てくる点が面白いと触れつつ「ディテールだけでも楽しめる要素が盛り込まれているので、その辺りも注目していただければ。しかも、ノーストレスでテンポよく観られるアニメなので、30分もあっという間です」と、テンポのよさとストレスなく見られる気持ちよさをアピールした。

『聖女の魔力は万能です』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):結城アイラ『Blessing』(第1期)

結城アイラ『Blessing』

日本の女性歌手で作詞家、声優でもある結城アイラが歌う『Blessing』がオープニングの主題歌である。
作詞は結城アイラが担当、作曲・編曲は結城アイラと矢野達也が共作で担当し、2021年4月28日に発売された。

結城アイラにとって4年ぶりのシングルで、ファン待望のタイアップ主題歌となった。
優しく包み込むような歌声が本作の世界観を美しく彩っている。

ED(エンディング):NOW ON AIR『Page for Tomorrow』(第1期第1話 - 第11話)

NOW ON AIR『Page for Tomorrow』

2016年から2021年まで活動していた日本の6人組声優・音楽ユニット"NOW ON AIR"の『Page for Tomorrow』である。
作詞は結城アイラ、作曲・編曲は結城アイラと柳澤奈緒樹と石倉誉之が担当した。

NOW ON AIRは一般オーディションで選出された飯野美紗子、片平美那、岩淵桃音、神戸光歩、鈴木陽斗実、田中有紀の6名で結成されたユニットで、『Page for Tomorrow』は2021年04月28日に発売された7枚目のシングルである。

今日まで紡いできた人生の1 ページ1 ページを抱え、まだ見ぬ明日へ思いを馳せる前向きなミディアムバラードになっている。

ED(エンディング):結城アイラ『Pray』(第1期最終話)

結城アイラ『Pray』

テレビアニメ第1期の最終話のエンディングテーマとして流れたのは、結城アイラが歌う『Pray』である。
作詞・作曲は結城アイラが担当し、編曲は三好啓太が、英訳詞はJoelleがそれぞれ担当した。

結城アイラは自身の公式ツイッター上で「最終話ED『Pray』いかがだったでしょうか?愛に気づいたセイの気持ちをイメージした楽曲です。」と語っている。

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