聖女の魔力は万能です(ラノベ・漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『聖女の魔力は万能です』とは2016年より小説投稿サイト「小説家になろう」で連載開始した橘由華の異世界召還ファンタジーWeb小説と、それを原作としたライトノベル、漫画、アニメなどメディアミックス作品である。魔法が存在する異世界に主人公セイとアイラが日本から召還された。しかし王国の第一王子カイルはアイラだけを聖女として扱い、セイを無視してしまう。元の世界に戻ることができない中、セイは自分の居場所を見つけ「聖女」としての力を発現させてゆく。女性が主人公のほのぼのとした異世界召還ストーリーである。

CV: 日野聡

クラウスナー領の傭兵団団長である。
クラウスナー領のことを大切に思っており、討伐の際にはユーリが森を燃やし尽くさないかと心配していた。

セイが「聖女」だとしばらくの間知らなかった。セイが高度の回復魔法の使い手であると知った際には、傭兵団に入って欲しいと本気でスカウトしている。しかしセイは「聖女」だから無理だと聞かされ、引き下がった。

『聖女の魔力は万能です』の用語

スランタニア王国

主人公セイとアイラが「聖女」として召還された異世界の国家である。

魔法や魔物が存在している世界で、服装などは中世ヨーロッパに似ている。
王都は治安が安定しており、王立学園や王宮図書館、薬用植物研究所がある。

クラウスナー領

スランタニア王国にある領土の1つである。
薬草の一大産地であり、薬師の聖地と呼ばれている。
この地域にしかない薬草や、この地域で伝承されている独自のポーションなどがある。

聖女召喚の儀

スランタニア王国で行われる、異世界から「聖女」と呼ばれる存在を召還するための儀式のことである。

スランタニア王国は数世代に一度、定期的に瘴気に覆われその度に多くの魔物が出現する。歴史上、そのような時には魔を祓う聖なる力を持つ女性「聖女」が現れ国を救ってきた。しかし今回は聖女が現れなかったため、伝説の儀式である「聖女召喚の儀」が行われた。

聖女

国を覆う瘴気を浄化し、魔を祓う聖なる力を持つ女性のことである。

聖女の術

「聖女」だけが使える魔法で、超強力な広域浄化魔法である。
数百~数千の魔物を一度に消滅させることができる。また、魔物を生み出す黒い沼(瘴気の塊)を丸ごと消し去ることも可能である。

この術を発動させる際には、聖女の身体から金色に光り輝く魔力が溢れ出し、魔力が包み込んだ範囲すべてが浄化される。範囲内にいた魔物及び瘴気は全て消える。
浄化以外にも使えるが、一般には知られていない。クラウスナー領では育成に「聖女の術」が必要な薬草があり、セイは土壌に「聖女の術」をかけることで薬草を育てた。

『聖女の魔力は万能です』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

アルベルト・ホーク「君が参加するのであれば私にエスコートさせてほしい」

セイ(画像左)にエスコートを申し込むアルベルト(画像右)

セイのダンスレッスンを見学しに来たアルベルトだったが、たまには違う人と踊ったほうが良いという講師の言葉を受け、セイのダンスの相手をすることになった。
セイとアルベルトの二人は、迫る社交シーズンとそこで開かれるパーティーについて会話する。パーティーに対してあまり気乗りしない様子のセイに、アルベルトは自分もあまりパーティーは好きではないと前置きしたうえで「君が参加するのであれば、私にエスコートさせてほしい」と甘い声で伝えた。

淡い想いを寄せているイケメン(アルベルト)とドレス姿でダンスして、さらに甘い声でエスコートを申し込まれるという、まさに女の子の憧れが詰まったシーンである。それまでセイは研究所でポーション作りに励むことが多かったため、これまでと異なる雰囲気の2人が見られるシーンとなった。

西の森を浄化した「聖女の術」

セイが発動させた「聖女の術」

魔物が多く発生している西の森での魔物討伐に、セイは初めて回復要因として参加することとなった。
魔物は森の奥へ進めば進むほど増えてゆく。前回の討伐で違和感を覚えた騎士団は森の奥で何かが起こっていると判断し、今回は森の最深部まで行くことになったのだ。森の奥に行けば行くほど瘴気は濃くなり、空気は淀んでいる。最深部が見える場所まで辿り着くと、最深部には瘴気の塊である"黒い沼"が出来ており、その沼の中から次々と魔物が湧き出していることが分かった。

黒い沼から出てくる魔物と戦うセイたち一行だったが、苦戦する。その時、アルベルトが黒い狼のような魔物の攻撃を受けて負傷してしまう。
その様子を目撃したセイの中から、突如金色の魔力があふれ出し、周囲に広がり黒い沼までもを呑み込んだ。セイは意図せず「聖女の術」を発動させたのだ。術が終わると、辺りに居た魔物も魔物を生み出していた沼も消えていた。

これは、セイがはじめて多くの人の前で「聖女の術」を発動させた瞬間である。これはスランタニア王国に古より伝わる「聖女が使う術」だ。聖女としての能力を遺憾なく発揮したセイの実力は王宮内で話題となり、より多くの人々にセイが「聖女」であると印象付ける出来事となった。
また、セイはアルベルトのピンチに"思わず"術を発動させた。セイのアルベルトへの想いが分かるシーンでもある。

騒動を聞き駆けつけたアルベルトに助けられるセイ

セイ(画像右)を守るように立ちはだかったアルベルト(画像中央)

ある日王宮でカイル王子と婚約者のエリザベスが言い争う場面に、セイは遭遇する。
エリザベスは、カイル王子とその側近がアイラに対して過保護になり常に行動を共にしていることについて「今のままでは彼女のためにならない」と進言する。この国では、婚約者がいる男性が婚約者以外の女性と常に一緒にいる事が問題視されるのは当然のことなのだ。しかしカイルは「お前が先導してアイラを孤立させようとしているという話を聞いている」と言い返し、エリザベスの意見に聞く耳を持たない。
その場には話題になっているアイラもおり、アイラはカイルとエリザベスを交互に見ては不安そうにしていた。

カイルは自身が聖女召還の儀を統括した為、アイラを保護する必要があるのだと言う。それに対しエリザベスは、もう一人召還されているが「もう一人の方には何もされていらっしゃらないようですけど」と言い返した。するとカイルは当然のように「あれは聖女ではないだろう」と言う。今はまだアイラを討伐に参加させられないため、世間の声に答えるために偽の聖女を討伐に参加させているのだとカイルは言う。セイの事を完全に否定した上、これまで噂になっていた聖女の活躍はプロパガンダだと断言したのだ。
これにはセイが怒る前に、エリザベスがキレた。

口論を見守っていたセイに最初に気付いたのはアイラだった。それに続いてエリザベスとカイルも気付く。カイルは「お前が噂の偽聖女か?」と言うが、あいさつだけ済ませたセイはその言葉をスルーし、エリザベスに場所を移すことを提案する。スルーされたカイルは痺れを切らし、「おい!」とセイのほうへ手を伸ばす。その手を阻むように掴み、セイをかばったのがアルベルトだった。その直後、国王がその場に現れて事態は収拾された。

アルベルトがセイのために駆けつけかばうこのシーンは、セイと読者の心をくすぐるシーンになっている。
駆けつけたアルベルトの息は上がっており、かなり急いで来てくれた事が伝わった。王族相手のこのような状況でもアルベルトはスマートな対応を見せてくれており、アルベルトのセイへの気持ちと大人の余裕、かっこ良さが伝わるシーンだ。

『聖女の魔力は万能です』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

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