潔く柔く(漫画・映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『潔く柔く(きよくやわく)』とは、いくえみ綾による漫画、およびそれを原作とした実写映画作品。瀬戸カンナ、赤沢禄を中心に、森由麻、沢内瑞希、永友亜衣、笹塚一恵、千家百加、安養寺音々、川口朝美の複数の主人公たちによる恋愛模様をオムニバス形式で描く。各エピソードはそれぞれどこかでつながっており、複数のエピソードに登場する人物も多い。連載終了後に番外編『潔く柔く 切切と』が掲載された。2009年の第33回講談社漫画賞少女部門を受賞。2013年に新城毅彦によって実写映画化された。
瀬戸カンナ「魂はきっといろんなことを忘れないでいてくれるんだと思います」
幼馴染のハルタを亡くしてから時間が止まったままだった瀬戸カンナと、同級生の柿之内希実とともに事故に遭い、死なせてしまった赤沢禄。
お互いの過去を知った2人は、「ハルタに会いに行こう」とカンナの地元に戻り、ハルタに関係する場所をめぐる。
その後で2人は禄の地元に行き、希実の姉である桜場愛実と睦実の親子に会う。
言葉が遅く心配されていた睦実だが、禄に会ってはじめてしゃべりだす。その姿に涙を流す禄。
カンナと禄はこの旅でようやく過去と向き合うことができたのだった。
その別れ際、カンナは禄に「魂はきっといろんなことを忘れないでいてくれるんだと思います」「今つらくて忘れたいことも 思い出そうとしても思い出せない大切なことも」「思い出そうともせず忘れられてゆくことも」と話す。
カンナと禄は「罪を抱えて生きていくということ」を受け入れる。2人が過去から解放されて前に進み始めることを示唆するシーン。
『潔く柔く』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
2013年に実写映画化された本作
今作はテレビ放送網開局60周年記念作品として、2013年に新城毅彦監督、長澤まさみ・岡田将生のW主演で実写映画化された。
キャッチコピーは、「大切な人を失っても、人はまた愛することができるのでしょうか」。
主題歌『かげろう』は斉藤和義が担当した。
原作のACT2、ACT10を中心に、ACT6の一部を加えた内容となっており、他のエピソードの主要人物である森由麻、沢内瑞希、永友亜衣、笹塚一恵、安養寺音々、梶間洋希、古屋寿らは登場しない。
原作では舞台ははっきりと明示されていないが、映画は瀬戸内海を中心に撮影されている。
この映画版の公開に合わせて公式ファンブック『いくえみ男子 ときどき女子 いくえみ綾名言集』『映画ノベライズ 潔く柔く』『潔く柔く 映画化スペシャル』などの関連本が発売された。
「いくえみ男子」が多数登場
いくえみ綾の作品に登場する男性キャラは「いくえみ男子」と呼ばれ、読者からの人気が高いことで知られる。
特徴としては、外見は細身でシャープな顔立ちに無造作ヘアで脱力系のファッション、キャラクターとしてはクールで不器用だがさりげない言葉や態度に優しさを感じさせるというもので、スーパースターではないその辺にいそうな格好良さがポイントとされる。
今作でも、赤沢禄、梶間洋希、春田一恵、真山稔邦、小峰清正、古屋寿、夏目伊吹といった「いくえみ男子」が多数登場し、2013年に発売されたファンブック『いくえみ男子 ときどき女子』にもそれらの登場人物の名セリフ・名場面が多数収録されている。
「いくえみ男子」については2015年にも『いくえみ男子 スタイルBOOK』が発売され、こちらにも本作の登場人物が多数掲載されている。
物語の舞台
物語の舞台ははっきりと明示されていないが、赤沢禄が遠足で訪れるはずだった「田沢湖」は、秋田県の田沢湖をイメージしているとされている。
また、ACT9で川口朝美と夏目伊吹がデートする「目黒寄生虫館」は、東京都目黒区に実在する。
映画版では瀬戸内海を中心にロケが行われており、広島県の鞆の浦、呉市のれんが通り、三原港、松永高校、愛媛県の伊予鉄の路面電車、今治北高等学校などが登場する。
『潔く柔く』の主題歌・挿入歌
主題歌:斉藤和義『かげろう』
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目次 - Contents
- 『潔く柔く』の概要
- 『潔く柔く』のあらすじ・ストーリー
- 梶間洋希に告白する森由麻
- 4人の出会いとハルタの死
- 沢内瑞希と梶間洋希の出会いと別れ~再会
- 永友亜衣の真山稔邦への想いと真山の再生
- 笹塚一恵と小峰清正の出会い・瀬戸カンナとの再会
- 赤沢禄の過去と柿之内愛実・希実との再会
- 千家百加の恋と瀬戸カンナとの友情
- 安養寺音々と赤沢禄・福沢皓介の三角関係
- 川口朝美の過去との決別
- 瀬戸カンナと赤沢禄の出会い〜2人の再生
- 千家百加と古屋寿のその後の進展
- 『清く柔く』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 瀬戸カンナ/カンナ(せとかんな/演:長澤まさみ)
- 赤沢禄(あかざわろく/演:岡田将生)
- 梶間洋希(かじまひろき)
- 真山稔邦/マヤ(まやまとしくに/演:中村蒼)
- 川口朝美/アサミ(かわぐちあさみ/演:波瑠)
- 千家百加(せんけももか/演:平田薫)
- 梶間洋希の関係者
- 森由麻(もりゆま)
- 諏訪仁志(すわひとし)
- トコちゃん
- 沢内瑞希(さわうちみずき)
- 湯川(ゆかわ)
- 先生
- ミミ(耳)
- 高橋佳奈(たかはしかな)
- 真山稔邦の関係者
- 永友亜衣(ながともあい)
- 早川萠(はやかわもえ)
- 木崎さん(きざきさん)
- 黒田(くろだ)
- 瀬戸カンナの関係者
- 春田一恵/ハルタ(はるたかずえ/演:高良健吾)
- 笹塚一恵(ささづかいちえ)
- 満里奈ちゃん(まりなちゃん)
- 森先輩(もりせんぱい)
- 柳原さん(演:和田聰宏)
- ヨウちゃん
- 笹塚一恵の関係者
- 小峰清正/キヨ(こみねきよまさ/演:古川雄輝)
- 津山エリナ(つやまえりな)
- 菊池浩介(きくちこうすけ)
- ロン
- ナッチ
- 赤沢禄の関係者
- 柿之内希実(かきのうちのぞみ/演:信太真妃)
- 柿之内(桜場)愛実(かきのうち(さくらば)まなみ/演:池脇千鶴)
- 高瀬三千花(たかせみちか)
- 内村(うちむら)
- 関谷(せきや/演:前野朋哉)
- ロク
- 安養寺(福沢)音々(あんようじ(ふくざわ)ねね)
- 武井守(たけいまもる/演:田山涼成)
- 野原チカコ(のはらちかこ/演:MEGUMI)
- 鈴木さん
- 桜場睦実/むっちゃん(さくらばむつみ/演:大滝愛結)
- 安養寺音々の関係者
- 板尾善一(いたおよしかず)
- 佐原教(さはらのり)
- 中手川(なかてがわ)
- 福沢皓介(ふくざわこうすけ)/福ちゃん
- 千家百加の関係者
- 古屋寿(ふるやことぶき)
- 中西史也(なかにしふみや)
- のんちゃん
- 松本(まつもと)
- 吉永(よしなが)
- コンビニの店員
- 美咲(みさき)
- 杏子(きょうこ)
- 川口朝美の関係者
- 夏目伊吹(なつめいぶき)
- 夏目瑠璃(なつめるり)
- 河本雅矢(かわもとまさや)
- 宝城美姫(ほうじょうみき)
- 『潔く柔く』の用語
- 猫のキス
- ハルタ人形/一恵クン人形
- 東高のマドンナ
- いつものバー
- 目黒寄生虫館
- 老衰フレンチ
- 『ミラクルミルキー!』
- 『潔く柔く』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 森由麻「もう少しいっしょにいて下さい」
- 瀬戸カンナ「ごめんね〜…ハルタ〜…ごめんね〜…」
- 梶間洋希「そいつに 俺とあんたのことがどれだけわかるっていうんだ!」
- 永友亜衣「左手 一本分でいいの 今はまだ」
- 笹塚一恵「うらやましかった あの人がずっと」
- 柿之内愛実「禄ちゃんは禄ちゃんの道を行って」
- 瀬戸カンナ「言えたじゃない… バイバイ百加」
- 瀬戸カンナ「魂はきっといろんなことを忘れないでいてくれるんだと思います」
- 『潔く柔く』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 2013年に実写映画化された本作
- 「いくえみ男子」が多数登場
- 物語の舞台
- 『潔く柔く』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:斉藤和義『かげろう』