ここは今から倫理です。(ここ倫)のネタバレ解説・考察まとめ

『ここは今から倫理です。』とは、雨瀬シオリによる漫画作品。集英社の雑誌『グランドジャンプPREMIUM』で2016年11月号から連載が開始された。高校で倫理科を受け持つ教師・高柳(たかやなぎ)が、様々な悩み・不安を抱える生徒たちと向き合い、問題を解決に導いていく様子が描かれている。自傷行為、違法ドラッグ、DV、いじめ、一方的な性行為など、社会を取り巻く諸問題に切り込んだ作品として大きな話題になった。2021年1月には山田裕貴主演でドラマ化もされ、反響を呼んでいる。

ドイツの哲学者。マルクスと共に科学的社会主義の世界観を構築した。イギリス古典経済学およびフランス社会主義の科学的、革命的伝統を継承して科学的社会主義を完成させた。マルクス理論の擁護者として理論を誤解するものや逸脱するものに対する批判に力を注いだ。

ロバート・オーウェン

イギリスの初期社会主義者。アメリカで「ニューハーモニー」共産村を建設した、空想的社会主義の代表者。マンチェスターで工場経営に成功し、スコットランドのニューラナークで社会改良に取り組む。また工場法改正による労働者保護に尽力。労働組合運動、協同組合運動を指導し、社会主義の先駆者となる。

『ここは今から倫理です。』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

マックス・シェーラー「愛こそ貧しい知識から豊かな知識への架け橋である」

高柳に対して恋心を燃やす逢沢。高柳は逢沢に対して教養を身につけることを勧める。高柳に相応しい女性になるために教養を身につけると高柳に宣言すると「愛こそ貧しい知識から豊かな知識への架け橋である」と逢沢に伝えて教室を出て行く。

ショーペンハウアー「誰もが自分の視野の限界を世界の視野の限界だと思っている。」

頭がいい故に周囲の人全てを見下していた酒井は高柳の態度が気に入らずに授業後、高柳に文句をいうため廊下で話していた。そんな酒井に対して「誰もが自分の視野の限界を世界の視野の限界だと思っている。」と高柳は言い放った。

フランシス・ベーコン「なんといっても最上の証明は経験だ」

八木の自殺未遂を高柳が止め、酒井に駆け寄る八木。酒井は本やインターネットから得た情報が全てだと思っており自殺に至る八木の気持ちが理解できない。そんな酒井と八木に対して高柳は「なんといっても最上の証明は経験だ」と言葉を投げかけ、これから様々な勉強な遊びを経験して行くことを勧めた。

老子「善なる者は吾これを善とし、不善なる者も吾これを善とす。徳は善なればなり。」

「虐める方にも虐められる方にも原因があるなら誰を助ければいいのか?」と悩む谷口に対して「善なる者は吾これを善とし、不善なる者も吾これを善とす。徳は善なればなり。」と、人は皆善であるということを話す。そして、いじめっ子もいじめられっ子も全てを信じ救える先生になってほしいと谷口に話した。

ゴータマ・シッダータ「何を読もうと聞かされようと自分自身の理性が同意したこと以外、何も信じるな」

ぬいぐるみのリュウくんから声が聞こえるという本田。そんな「自分自身が他から見たら異常」ということに気付いている彼女に対して、高柳はアレテーやエウゼーンなど、さまざまな倫理の話をする。会話が難しくなって行く頃、高柳は「何を読もうと聞かされようと自分自身の理性が同意したこと以外、何も信じるな」と本田に伝え、自分自身が正しいと思った意見を参考にするようにアドバイスをした。

『ここは今から倫理です。』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

『ここは今から倫理です。』誕生のきっかけは作者の叔母の自殺だった

『ここは今から倫理です。』が誕生したきっかけは、作者の叔母の自殺だ。うつ病を患っており、働くことができなかった彼女は、母親と2人暮らしをしていた。ある日、親戚から心のないことを言われてしまった彼女は落ち込んでしまい、「何が何でも死ななければ」と思ってしまった。それから1週間かけて準備をし、自殺してしまった。
その後、遺品から付箋だらけの倫理の教科書と哲学書、「対話日記」と書かれた日記が見つかる。付箋にはびっしりとメモがあり、日記には誰にも打ち明けていなかった彼女の思いが書かれていた。

叔母が哲学を通して『生きるための勉強』をしていたことを知った作者の雨瀬は、亡くなった叔母の人生を「うつ病だった人の自殺」で終わらせたくないという思いから『ここは今から倫理です。』を執筆する。

倫理には詳しくても学校事情には疎い作者

喫煙者が故に社会科準備室を追い出されることになる高柳。改正法が施行され、2019年7月1日から「学校・病院・児童福祉施設等・行政機関の庁舎等」では敷地内が禁煙となっている。これにより学校では基本的に校内での喫煙が禁止になっており、喫煙所が別に設置されている。そのためそもそも準備室での喫煙シーンは本当ならないのだが、作者の雨瀬はそのことを知らずに描いてしまった。

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