ここは今から倫理です。(ここ倫)のネタバレ解説・考察まとめ

『ここは今から倫理です。』とは、雨瀬シオリによる漫画作品。集英社の雑誌『グランドジャンプPREMIUM』で2016年11月号から連載が開始された。高校で倫理科を受け持つ教師・高柳(たかやなぎ)が、様々な悩み・不安を抱える生徒たちと向き合い、問題を解決に導いていく様子が描かれている。自傷行為、違法ドラッグ、DV、いじめ、一方的な性行為など、社会を取り巻く諸問題に切り込んだ作品として大きな話題になった。2021年1月には山田裕貴主演でドラマ化もされ、反響を呼んでいる。

中国の春秋時代の哲学者。道教の開祖であり、老子を神格化して崇拝している。諸子百家の道家は彼の思想を基礎としている。中国の歴史書である史記では老子は紀元前6世紀の人物とされている。一方で、歴史家の評は様々あり、神話上の人物とする意見、複数の歴史上の人物を統合させたという説などもある。

ゴータマ・シッダータ

仏教の開祖。高校生の世界史では「ガウタマ=シッダールタ」と表記されることが多い。一般には釈迦と言われるがブッダとも呼ばれる。ブッダは「悟りをひらいた人」を意味する尊称であり名前ではない。高柳が本田と話し、多くの倫理の会話をした際に、彼の言葉が引用された。

セーレン・キルケゴール

デンマークの哲学者。実存主義の創始者と言われている。実存主義とは「生きる道を自分で切り開く、ひとりの人間の現実存在(=実存)としての自分のあり方」を求める思想である。間が夜中に遊びに行き、自由でいることに対して、高柳はキルケゴールの言葉を伝えていた。

ソクラテス

古代ギリシアの哲学者。「無知の知」で有名。倫理学の祖として名前を挙げられることが多い。彼は対話を通して市民をより善くしようと望んでいたため、彼の本は存在せず、ソクラテスの考えや人物像を読み解くには、弟子たちが残した著作物をもとにするしかない。高柳が対話を重要視しているのはソクラテスの哲学からだと推測できる。

J.S.ミル

イギリスの哲学者。政治哲学者、経済思想家でもある。政治哲学においては自由主義だけでなく、社会民主主義の思潮にも多大な影響を与えた。晩年は自ら社会主義者を名乗っているが、初期科学哲学の重要な哲学者としても知られる。

エピクテトス

ローマ時代の哲学者。ストア派の哲学者であり、知者は不幸に動じないと主張した。授業を聞かない安村に対して、高柳が人格(ペルソナ)に関しての話をするときに彼のセリフを引用した。

イマヌエル・カント

ドイツの哲学者。啓蒙思想を完成させた。人間の認識能力を考究の対象としており、感性と悟性が先験的に備わっていると考え『純粋理性批判』、『実践理性批判』、『判断力批判』の三部作を通して批判哲学を完成させた。

荀子

中国の思想家・儒学者。性悪説を説いた。性悪説は、孟子が提唱する性善説に反対して唱えた人間の本性に対する主張。 「人の性は悪なり、その善なるものは偽(ぎ)なり」という言葉から来ている。ジュダは生徒の前で善であろうとする高柳に対して彼を引き合いに出した。

ハンナ・アーレント

ドイツの哲学者。全体主義を生みだす大衆社会の分析で知られる。アイヒマン裁判を傍聴し、全体主義の中で醸成される悪について分析した。周りに流されて悪の道に進んでしまった近藤の行動に対してジュダはアーレントを引き合いに高柳から庇った。

フランシス・ベーコン

イギリスの哲学者。「知識は力なり」で有名。作中ではたびたび彼の言葉が引用される。一番最初に引用されたのは、八木の自殺を高柳が防いだ際に、八木と酒井に言葉を投げかけたのが最初になる。

エリック・ホッファー

アメリカの社会哲学者。「沖仲仕の哲学者」と呼ばれる。正規の学校教育を受けず、企業や大学にも所属せず、港湾労働者として働きながら、読書と思索と執筆に励んだ哲学者である。母親のために勉強を頑張る田村に対して高柳はホッファーの言葉を引用した。

カール・マルクス

ドイツの哲学者『資本論』の著者。社会主義。資本主義とは、資本家が、自由に事業を起こし、労働者を雇い、利潤を得る経済の仕組み。相反関係にあるのが社会主義である。高柳は授業中にこの社会主義の説明をニューハモニー村の実例を挙げて話した。

フリードリヒ・エンゲルス

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