Mr.ノーバディ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『Mr.ノーバディ』とは、2021年アメリカで公開されたハードボイルド・アクション映画。平々凡々で特に目立つところもなく、妻子と暮らしている中年男が豹変していく姿を描いた作品。 監督はイリヤ・ナイシュラー。脚本はデレク・コルスタッド。主演は今作のために厳しいトレーニングを積んで挑んだボブ・オデンカーク。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のトム役が有名なクリストファー・ロイドも出演。なんの変哲もない一人の男が繰り広げる激しいアクションシーンが見どころの作品。
日本語吹き替え:安原義人
ハッチ・マンセルは、見た目もやる事もすべてが平凡で、毎日同じようなルーティーンで過ごしている中年男性。妻にも子どもたちにも尊敬されることもない、冴えない父親。ところが家族に危害を加えられると一変して、強盗犯やマフィアにも立ち向かう家族思いの面を持つ。
ハッチを演じたボブ・オデンカークはアメリカのコメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』でTVデビュー。ドラマ『ブレイキング・バッド』(2009年~2013年)、2017年スティーヴン・スピルバーグ監督『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』、2019年『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』などに出演。『Mr.ノーバディ』の主役を演じるにあたり、2年間もの期間を費やしてトレーニングを積み臨んでいる。
ベッカ・マンセル(演:コニー・ニールセン)
日本語吹き替え:日野由利加
ハッチ・マンセルの妻ベッカ・マンセルは、息子と娘の2人の子どもの母。仕事をしながら、頼りにならない夫にあきれながらも家庭を守っている。夫婦関係が冷めてきていたが、家族の危機の際は夫ハッチを信じて支え、子どもたちを守るしっかり者。
ベッカを演じたコニー・ニールセンは、1993年『デス・クルーズ 欲望の嵐』で、ハリウッドに進出。1997年『ディアボロス 悪魔の扉』、2000年にはリドリー・スコット監督の『グラディエーター』に出演。2017年『ワンダーウーマン』、2020年『ワンダーウーマン 1984』ではヒロインの母であるヒッポリタ女王役を演じた。
ブレイク・マンセル(演:ゲージ・マンロー)
日本語吹き替え:バトリ勝悟
ハッチ・マンセルの息子ブレイク・マンセルは、平凡な父親を軽蔑している青年。家に押し入った強盗のスキをみて飛び掛かるなど、勇ましい面を持つ。
アビー・マンセル(演:ペイズリー・カドラス)
日本語吹き替え:佐藤里緒
ハッチ・マンセルの娘アビー・マンセルは、猫が好きな女の子。家族が父親のハッチを蔑ろにする中で唯一、父親を慕っている。ハッチが、アビーのためにブレスレットを強盗から取り戻そうとするほど溺愛している娘。
主人公の親族
デイビッド・マンセル(演:クリストファー・ロイド)
日本語吹き替え:側見民雄
ハッチ・マンセルの父デイビッドは元FBI。息子であるハッチを心配しながら、老人ホームで余生を送っている。普段はTVばかり観て過ごしているが、ハッチの危機には銃を持ちマフィアにも立ち向かっていく。
デイビッドを演じたクリストファー・ロイドは、1975年ミロス・フォアマン監督の『カッコーの巣の上で』、1988年ロバート・ゼメキス監督の『ロジャー・ラビット』、1991年バリー・ソネンフェルド監督の『アダムズファミリー』、1993年『アダムズファミリー2』などに出演。代表作は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』3部作のドク役が有名である。
ハリー・マンセル(演:RAZ)
日本語吹き替え:志村知幸
ハッチ・マンセルの異母兄弟。ハッチが職場に隠している無線機を通して情報を提供してきたり、父親のデイビッドと共に、ハッチがロシアンマフィアと対峙する時に駆け付けてハッチを助ける。銃の扱いもハッチやデイビッドに負けないくらいの腕前。ハッチとデイビッドとの息もぴったり。明るく、場を盛り上げる軽いタイプにみえるが、銃撃戦では機敏に動き応戦する。
ハリー・マンセルを演じたRZAは、ヒップホップグループのウータンクランのリーダー。映画プロデューサーとしても俳優としても活動をしている。1999年ジム・ジャームッシュ監督の『ゴースト・ドッグ』で俳優としてデビュー。2003年に『コーヒー&シガレッツ』、2012年には監督もした『アイアン・フィスト』に出演。またクエンティン・タランティーノ監督の『キル・ビル』やサミュエル・Lジャクソン制作総指揮『アフロサムライ』シリーズでは映画音楽を担当するなど多彩な面を持つ。
エディ・ウィリアムズ(演:マイケル・アイアンサイド)
日本語吹き替え:廣田行生
ハッチ・マンセルの義父。ハッチが勤める金型工場のオーナー。豪放でハッチの理解者でもあるが、金塊を前に工場をすぐに手放すなど金に弱い面がある。
エディ・ウイリアムズ役を演じたマイケル・アイアンサンドは、1981年デビット・クローネンバーグ監督『スキャナーズ』が当たり役となり人気を得る。1990年ポール・バーホーベン監督『トータルリコール』、1998年『スターシップ・トゥルーパーズ』に出演。トム・クルーズ主演の『トップガン』の教官役としても認知度が高い。
チャーリー・ウィリアムズ(演:ビリー・マクレラン)
日本語吹き替え:中島智彦
ハッチ・マンセルの妻ベッカの弟でハッチの義弟。ハッチも務める父が経理する工場の役員を務めている。強盗事件でのハッチの対応をからかうように話し、ハッチを見下している傲慢な男。
チャーリーを演じたビリー・マクラレンは1974年カナダ生まれ。2019年『ザ・サイレンス 闇のハンター』、2016年『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』に出演。
マフィア
ユリアン・クズネツォフ(演:アレクセイ・セレブリャコフ)
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目次 - Contents
- 『Mr.ノーバディ』の概要
- 『Mr.ノーバディ』のあらすじ・ストーリー
- 傷だらけの正体不明の男
- 平凡な日々に起きた事件
- 事件の翌朝
- アビーのブレスレット
- 帰り道
- ロシアンマフィア
- ハッチの父デイビッド
- マフィアとの交戦
- 3カ月後
- 『Mr.ノーバディ』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- ハッチ・マンセル(演:ボブ・オデンカーク)
- ベッカ・マンセル(演:コニー・ニールセン)
- ブレイク・マンセル(演:ゲージ・マンロー)
- アビー・マンセル(演:ペイズリー・カドラス)
- 主人公の親族
- デイビッド・マンセル(演:クリストファー・ロイド)
- ハリー・マンセル(演:RAZ)
- エディ・ウィリアムズ(演:マイケル・アイアンサイド)
- チャーリー・ウィリアムズ(演:ビリー・マクレラン)
- マフィア
- ユリアン・クズネツォフ(演:アレクセイ・セレブリャコフ)
- パヴェル(演:アラヤ・メンゲシャ)
- バスのチンピラ
- テディ・クズネツォフ(演:アレクサンドル・パル)
- バスのチンピラ(演:ダニエル・バーンハード)
- 『Mr.ノーバディ』の用語
- 地下室
- 老人ホーム
- トランプのタトゥー
- 『Mr.ノーバディ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ハッチ「お前ら、ぶちのめす」
- ハッチ「まだイーブンじゃない」
- ベッカ「地下室が」
- 『Mr.ノーバディ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ボブ・オデンカークにとって魂の挑戦だった
- また監督と仕事がしたい
- バスの乱闘シーン
- 『Mr.ノーバディ』の主題歌・挿入歌
- 挿入歌:Bunny Sigler 「Let The Good Times Roll」