Mr.ノーバディ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『Mr.ノーバディ』とは、2021年アメリカで公開されたハードボイルド・アクション映画。平々凡々で特に目立つところもなく、妻子と暮らしている中年男が豹変していく姿を描いた作品。 監督はイリヤ・ナイシュラー。脚本はデレク・コルスタッド。主演は今作のために厳しいトレーニングを積んで挑んだボブ・オデンカーク。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のトム役が有名なクリストファー・ロイドも出演。なんの変哲もない一人の男が繰り広げる激しいアクションシーンが見どころの作品。
ハッチ「まだイーブンじゃない」
ハッチは、ロシアンマフィアのユリアンが所持している絵画や金をすべて燃やした後で、ユリアンのナイトクラブに向かう。ユリアンと2人で話をしている時にハッチが言ったセリフが「まだ、イーブンじゃない」だ。続けて、ハッチは「我が家に来たんだからな」、「あれは、絶対にやるべきじゃなかった!」とユリアンに吐き捨てるように言う。ハッチが、家族をなによりも大切にしているのがわかるセリフ。
この他にも強盗が侵入した時でさえ犯人を見逃したハッチが、娘アビーのブレスレットが盗まれたかもしれないと知ると自ら強盗犯を探しに行くなど、ハッチの家族への思いは深い。
ベッカ「地下室が」
事件が落ち着き、新居を探しているハッチとベッカ夫妻。不動産屋の案内で物件をみていると、ハッチに電話がかかってくる。電話が終わると、神妙な顔つきでハッチが「この家にはあるかな」とつぶやいた時に、ベッカが言ったのが「地下室が」というセリフ。言いにくそうに言葉を切り出す夫の思いを察して、不動産に地下室の有無を尋ねるベッカ。平凡で何者でもない夫であり、子供にとっても頼りがいのない父親だと思っていたハッチとの夫婦関係が、事件を通して好転してきたことが伺える。
『Mr.ノーバディ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
ボブ・オデンカークにとって魂の挑戦だった
もともとコメディアン出身だったボブ・オデンカーク。アクションの経験がなく過去がある父親役を演じるにあたり、個人的にトレーニングを積んで映画に臨んだ。激しい乱闘シーンを演じるにはたくさんのトレーニングが必要だったが専任コーチの元で体幹も鍛え様々な格闘シーンに備えた。
ボブ・オデンカークは2017年11月から練習を開始。約2年間をかけ、体を鍛えぬいて激しいアクションシーンをノースタントで完璧に演じきった。
また監督と仕事がしたい
クリストファー・ロイドは老人ホームで余生を過ごす父親役を演じたが、その役どころは隠居した老人ではなく元FBIの過去を持ち現役で銃を放つ男。たくさんのアクションシーンを通し、たくさんのことを吸収でき最高だったと語る。『バック・トゥー・ザ・フューチャー』のドク役でも、破天荒な行動をする姿は年齢を感じさせない。
バスの乱闘シーン
強盗犯の家から自宅に帰る際に乗ったバスでの乱闘シーン。ハッチ役のボブ・オデンカークが、チンピラと格闘した時にバスの窓を割って放り出されるアクションシーンがある。車外に放り出された後、ハッチがまたバスに乗り込んで行き乱闘を続けることでアクションに迫力が増し、ハッチの怒りの強さがわかりやすくなっている。このシーンのアイデアは、ボブ・オデンカーク自身である。
『Mr.ノーバディ』の主題歌・挿入歌
挿入歌:Bunny Sigler 「Let The Good Times Roll」
Related Articles関連記事
バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2(BTTF2)のネタバレ解説・考察まとめ
大ヒットSF映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のPART2。監督は前作も手がけたロバート・ゼメキス。主人公マーティは、30年後にタイムトラベルしに行ったはずの親友ドクから今度は未来が危ないと告げられる。未来で起こる事件に関わる息子たちを助けるため、再びタイムマシン・デロリアンでタイムスリップする。
Read Article
バック・トゥ・ザ・フューチャー(BTTF)のネタバレ解説・考察まとめ
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』とは1985年のアメリカのSF映画。公開当時、全米で「フューチャー現象」と呼ばれるブームが生まれるほど大ヒットした。監督は視覚効果の巨匠ロバート・ゼメキス。主人公のマーティことマーティン・シェイマス・マクフライは、科学者ドクことエメット・ラスロップ・ブラウンの発明したタイムマシン「デロリアン」で30年前にタイムスリップしてしまう。主演のマイケル・J・フォックスの代表作であり、タイムマシーンを題材にした映画の大元ともいえる名作。略称は『BTTF』『BTF』。
Read Article
バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3(BTTF3)のネタバレ解説・考察まとめ
『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』とは、1990年のアメリカ映画で、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズの完結作である。監督はロバート・ゼメキス。製作総指揮はスティーヴン・スピルバーグ。PART2のラストシーンで1955年に取り残されてしまったマーティの元へ届けられた一通の手紙。それは1885年にタイムスリップしたドクからの手紙だった。マーティは隠してあったタイムマシンでドクを助けるため1885年へタイムスリップする。
Read Article
ワンダーウーマン 1984(DCEU)のネタバレ解説・考察まとめ
『ワンダーウーマン 1984(DCEU)』とは、2020年に公開されたアメリカのスーパーヒーロー映画で、2017年世界中で大ヒットした『ワンダーウーマン』の第2作目である。1984年を舞台とし、人々の欲望を叶える「ドリーム・ストーン」を手に入れた実業家による陰謀で世界中に混乱を招くが、その陰謀を阻止すべくワンダーウーマンが立ちはだかる。人間の欲望、愛との狭間での苦悩を描きつつ、陸海空を舞台に壮大なアクションが繰り広げられる。
Read Article
【BTTF】バック・トゥ・ザ・フューチャーに隠された小ネタ・伏線・パロディまとめ【Back to the Future】
バック・トゥ・ザ・フューチャー(Back to the Future)とは、1985年公開のアメリカ映画で、世界中で大ヒットしたタイムトラベルSF映画。バック・トゥ・ザ・フューチャー3部作の原点となるPart1に焦点をおいて、細かく小ネタを紹介。当時のアメリカを知らないとわかりにくいパロディなど、知ったら思わずもう一度観たくなる小ネタが満載。
Read Article
【BTTF3】バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3に隠された小ネタ・伏線・パロディまとめ【Back to the Future Part III】
『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』とは、アメリカのSF映画で、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズの完結作である。 監督は全シリーズ共通でロバート・ゼメキスが務める。 PART2のラストで1955年に取り残されてしまったマーティの元へ一通の手紙が届けられた。その手紙は1885年にタイムスリップしたドクからピンチを告げるものであった。 ドクを助けるためにマーティは1885年にタイムスリップする。 Part3に焦点をおいて、細かく小ネタを紹介。
Read Article
【BTTF2】バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2に隠された小ネタ・伏線・パロディまとめ【Back to the Future Part II】
『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』とはアメリカのSF映画で、1985年公開の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の続編作品である。 1989年公開で原題は『Back to the Future Part II』。監督は前作と同じロバート・ゼメキスが務めた。 主人公マーティは、親友であるドクから未来で息子に危険が迫っているといわれ、デロリアンで30年先の未来へタイムスリップする。Part2に焦点をおいて、細かく小ネタを紹介。
Read Article
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が9.11事件を予言していた!都市伝説・陰謀論で有名なシーンを紹介
1985年公開の映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が9.11事件を予言していたという都市伝説についてまとめました。タイムマシーンの実験のシーンに、テロが起こった日やツインタワーの倒壊が暗示されているといった噂があります。その他にも作中でテロを予言していたと噂されているシーンを、徹底的に検証していきます。
Read Article
目次 - Contents
- 『Mr.ノーバディ』の概要
- 『Mr.ノーバディ』のあらすじ・ストーリー
- 傷だらけの正体不明の男
- 平凡な日々に起きた事件
- 事件の翌朝
- アビーのブレスレット
- 帰り道
- ロシアンマフィア
- ハッチの父デイビッド
- マフィアとの交戦
- 3カ月後
- 『Mr.ノーバディ』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- ハッチ・マンセル(演:ボブ・オデンカーク)
- ベッカ・マンセル(演:コニー・ニールセン)
- ブレイク・マンセル(演:ゲージ・マンロー)
- アビー・マンセル(演:ペイズリー・カドラス)
- 主人公の親族
- デイビッド・マンセル(演:クリストファー・ロイド)
- ハリー・マンセル(演:RAZ)
- エディ・ウィリアムズ(演:マイケル・アイアンサイド)
- チャーリー・ウィリアムズ(演:ビリー・マクレラン)
- マフィア
- ユリアン・クズネツォフ(演:アレクセイ・セレブリャコフ)
- パヴェル(演:アラヤ・メンゲシャ)
- バスのチンピラ
- テディ・クズネツォフ(演:アレクサンドル・パル)
- バスのチンピラ(演:ダニエル・バーンハード)
- 『Mr.ノーバディ』の用語
- 地下室
- 老人ホーム
- トランプのタトゥー
- 『Mr.ノーバディ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ハッチ「お前ら、ぶちのめす」
- ハッチ「まだイーブンじゃない」
- ベッカ「地下室が」
- 『Mr.ノーバディ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ボブ・オデンカークにとって魂の挑戦だった
- また監督と仕事がしたい
- バスの乱闘シーン
- 『Mr.ノーバディ』の主題歌・挿入歌
- 挿入歌:Bunny Sigler 「Let The Good Times Roll」