きのう何食べた？（漫画・ドラマ・映画）のネタバレ解説・考察まとめ
『きのう何食べた？』とは2007年からよしながふみが『モーニング』で連載を開始した漫画及びそれを原作としたドラマ、映画作品。ゲイのカップルである弁護士の筧史朗（かけいしろう）と美容師の矢吹賢二（やぶきけんじ）の2人が毎日の食卓を中心とした2LDKのアパートで暮らす日常を描く。料理のレシピが載っており実際に作ることもできるため、料理本としても楽しめるのが魅力。ドラマは2019年に放送、映画版は2021年に公開され、ともに筧史朗を西島秀俊、矢吹賢二を内野聖陽が務めた。
矢吹家3人姉弟の真ん中。長女政江、賢二同様に美容師資格を持っている。しかしながら美容師にはならず、デパートで働いている。理由は語られていないが、独身で気ままに生活している。
共通の友人（準レギュラー）
本田鉄郎（ほんだ てつろう／演：菅原大吉）
街で数店舗の飲食店を経営するやり手の実業家である。通称は「テツさん」。丸顔が特徴的で史朗達よりはかなり年上の印象を受ける。性格は温和ではあるが、両親との間にわだかまりがあり、自分の死後に財産は両親へはびた一文も渡さないとしている。そのため、史朗に弁護士として仕事依頼をしている。
長嶋善之（ながしま よしゆき／演：正名僕蔵）
テツさんのパートナーで長年連れ添ってきた。面長なルックスで無口である。史朗のことをオタク仲間の間で使うような「筧氏」（かけいし）という呼び方にしている。通称は「ヨシくん」。料理の腕前はプロ顔負けで、オーガニック材料を使うことをこだわりとしている。カップル同士で花園神社へ二年参りにいくなど、パートナーとの仲が良い。
小日向大策（こひなた だいさく／演：山本耕史）
史朗と賢二の友人。きっかけは佳代子の夫のテニス仲間で史朗が佳代子宅にいたときに紹介された。その理由も「ゲイ同士だから仲良くなれるかと思って」ということで史朗にとって出会いはあまりよいものではなかった。体格は大柄で無骨な感じで、ゲイの世界ではモテるタイプの外見である。普段は表情をあまり表に出さないが、恋人である航の前では満面の笑みを浮かべることがある。そしてあまい口調に変わる。航にはベタ惚れなため、わがままな航との日常を史朗へ「悲しい出来事」として話すが、のろけ話にしか聞こえていない。賢二は史朗のタイプであるために付き合ってしまうのではと心配をしている。仕事は「株式会社モリプロ」という芸能プロダクションのマネージメントのグループリーダーである。一等地にあるマンションや家でのパーティで出てくる高級食材などからみて高収入で裕福な家庭で育ったとみられる。両親には自分がゲイであることはカミングアウトはしていないものの、ずっと独身を貫いていることから薄々気づいているのではないか、と考えている。しかし、兄弟がいて結婚し、孫の顔も見れているので大策が結婚しないことも気にしていないとも思っている。航とは小日向が大学生時代に家庭教師と生徒として知り合ったと聞いた史朗と賢二は、航が当時まだ12歳だったことを知って焦るが、小日向曰く深い関係になったのは航が17歳の時とのこと。子供好きらしく、佳代子の一家と史朗と一緒に行った花見で孫の悟朗に会った時は「カワイイですね…♡」と頬を染めていた。
井上航（いのうえ わたる／演：磯村勇斗）
小日向の恋人で、史朗たちは小日向から「（航の）ビジュアルはジルベールみたいな美少年をイメージして下さい」といわれていたため、妄想のジルベールとして存在させていたが、実際に会った時に無精髭を生やし、服装にも無頓着な外見の青年に驚愕してしまった。小日向とは一回りほど年下だと思われる。わがままな性格であり、度々小日向を困惑させている。併せて歯に衣着せぬズバリと物事の核心をつく発言が多く、その話し方に史朗は苦手意識をもっている。賢二とは恋人からの愛され度合いを競っており、ライバルような存在としている。仕事はデイトレーダーとして小日向のマンションで仕事している。月収は10万円程度であり、小日向の収入もあるのでこれで満足している。
父親は一代で外食チェーンを築き上げた実業家だが、航は「たたき上げの成金」と思っている。家族はゲイであることを知っているが、理解はされておらず、勘当に近い状態になっている。その反動か愛情に飢えているような面が多々あり、小日向に対して愛情の試し行動が多い。史朗の料理を「おばちゃんくさい」「普通」と悪くいいながらおかわりをすることもあり、気に入ってはいる様子。
上町・筧法律事務所（筧史郎の職場）
上町美江（うえまち よしえ／演：高泉淳子）
史朗の上司であり、職員などから「大先生（おおせんせい）」と呼ばれている。好物は豚まんと玉乃屋の豆大福である。夫と共に事務所を立ち上げたが、直後に夫がクモ膜下出血で亡くなり、「上町法律事務所」の女性所長となった。夫の葬儀の時に姑から「専業主婦になってもっと体を気遣ってくれたら」と泣いて責められるが、その後も弁護士を続け、倒産法の専門家として活躍。一人息子の修（おさむ）も育てあげた。
年齢のことも考え、引退への準備を始めているが考えの見えない息子の修やどこか頼りない史朗に不安を拭えていない。しかし、すこしずつ担当を2人に譲り、修と史朗に共同代表として事務所経営も任せるようにした。
嫁の春菜と仲が良好でなく、同居せずに修の自宅から徒歩10分ほど家で一人暮らしをしている。顧客からいただいたものや不要になった台所用品を嫁に渡せさず、史朗にこっそり渡している。修夫婦へ滅多に口出しをしないが、嫁に修が家の事を任せきりなことに少々落胆している。
上町修（うえまち おさむ／演：チャンカワイ）
上町法律事務所で働く史朗の同僚である。美江（大先生）の息子で周りからは「修先生（おさむせんせい）」「若先生（わかせんせい）」とも呼ばれている。家族は専業主婦の春菜との間に2人の子供に恵まれている。仕事では大先生譲りで民事再生や破産法を得意としている。殺人事件の犯人である諸住直次（もろずみなおつぐ）の弁護を受けてからは刑事事件も積極的に取り組んでいる。結婚後、家事の一切を妻に任せている。そのため食事の管理がおろそかで、もともと痩せていたが太ってしまった。家事をしない息子に大先生は「やりがいをみつけたのは良いが、稼ぐための仕事と自分の趣味とのバランスを取ってもらいたい」と感じている。
片岡志乃（かたおか しの／演：中村ゆりか）
史朗の職場の事務員であり、老舗洋食屋「小山軒」の二代目オーナー夫妻の一人娘。旧姓は小山（こやま）。かつて小山軒が事業の拡大によって多額の負債を抱えて倒産寸前だった。しかし上町法律事務所の尽力により倒産は避けられた。借金は残ったため、返済の手助けで高校卒業後に事務所に就職した。平日は事務所で働き、週末の土日は実家のホールを手伝っている。無遅刻無欠勤で有能であると大先生から評価されている。
若い時から言葉遣いが丁寧で、年と一致しない落ち着いた雰囲気のために、高校生時代のあだ名が「チーママ」だった。その一方でメール返信の速さや、油っこいものが好むなど若者らしい一面もある。
父親の店で働く一番弟子の片岡周平に思いを寄せており、一度告白したが振られていた。しかし、時が過ぎて両想いになって周平と結婚する。
婚約を事務所のメンバーに伝えた際には、大先生が「結婚したら事務所の方は当然辞めてしまうのだろう」と考えていたが、本人は「借金がまだ残っているから結婚しても当分は事務所を辞めないつもり」と言い、一同を安心させた。結婚後は豊洲のマンションで生活を送っている。
自分が老け顔のため、年齢に合わず、若く見える史朗を苦手としている。史朗が料理することに対しても「おごった材料ですかした意識高い系の男の料理」と思い込んでいたが、後輩の山田瑞希（やまだみずき）と史朗との会話を横で聞いて、史朗がそんなつもりで料理を作っているわけでないことがわかった。以後は史朗へ食事について相談をすることもある。
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目次 - Contents
- 『きのう何食べた？』の概要
- 『きのう何食べた？』のあらすじ・ストーリー
- 富永佳代子との出会い
- 小日向・ジルベールとの出会い
- 筧家との顔合わせ
- 2人での京都旅行
- 矢吹家の水解け
- 賢二の店長就任
- 史朗が法律事務所代表へ就任
- 小日向・ジルベールの結婚式
- 『きのう何食べた？』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- 筧史朗（かけい しろう／演：西島秀俊）
- 矢吹賢二（やぶき けんじ／演：内野聖陽）
- 筧家
- 筧久栄（かけい ひさえ／演：梶芽衣子）
- 筧悟朗（かけい ごろう ／演：志賀廣太郎（第1話 - 第5話）、田山涼成（第11話 - 第12話））
- 矢吹家
- 矢吹賢一（やぶき けんいち／演：内田文吾）
- 矢吹峰子（やぶき みねこ）
- 矢吹 政江（やぶき まさえ）
- 矢吹智恵子（やぶき ちえこ）
- 共通の友人（準レギュラー）
- 本田鉄郎（ほんだ てつろう／演：菅原大吉）
- 長嶋善之（ながしま よしゆき／演：正名僕蔵）
- 小日向大策（こひなた だいさく／演：山本耕史）
- 井上航（いのうえ わたる／演：磯村勇斗）
- 上町・筧法律事務所（筧史郎の職場）
- 上町美江（うえまち よしえ／演：高泉淳子）
- 上町修（うえまち おさむ／演：チャンカワイ）
- 片岡志乃（かたおか しの／演：中村ゆりか）
- 長森夕未（ながもり ゆみ）
- 高橋（たかはし）
- 外山まどか（とやま まどか）
- 山田瑞希（やまだ みずき）
- 史朗が担当した弁護依頼人
- 逸見大悟（いつみ だいご）
- 今田聖子（いまだ せいこ）
- 金沢（かなざわ）
- 生稲（いくいな）
- 諸住直次（もろずみ なおつぐ）
- 皆川（みながわ）
- 井形（いがた）
- 竹中真澄（たけなか ますみ）
- 池辺（いけべ）
- 中谷（なかや）
- 西松紗奈（にしまつ さな）
- 弁護士仲間
- 塚本雅志（つかもと まさし）
- 菅沼晃一（すがぬま こういち）
- 北村誠（きたむら まこと）
- 斉藤、渋谷、富村（さいとう、しぶや、とみむら）
- Forme（フォーム／賢二の職場）
- 三宅祐（みやけ ひろし／演：マキタスポーツ）
- 三宅玲子（みやけ れいこ／演：奥貫薫）
- 早乙女エリ（さおとめ エリ／演：椿弓里奈）
- 麻生美香（あそう みか／演：松山愛里）
- 田渕剛（たぶち ごう／演：松村北斗）
- 中村光江（なかむら みつえ）
- 富永家
- 富永佳代子（とみなが かよこ／演：田中美佐子）
- 佳代子の夫（演：矢柴俊博）
- 渡辺ミチル（わたなべ ミチル／演：真凛）
- 渡辺達也（わたなべ たつや）
- 渡辺 悟朗（わたなべ ごろう）
- その他
- 仁美（ひとみ／演：大島葉子）
- 翔人（ひろと）
- ヒデくん
- 久仁子（くにこ）
- 三枝愛（さえぐさ あい）
- マーちゃん
- 伸彦（のぶひこ）
- 金森幸夫（かなもり ゆきお）
- 瀬尾家（せおけ）
- 我孫子（あびこ）
- オバちゃん
- 三谷まみ（みつや まみ）
- 片岡周平（かたおか しゅうへい）
- 逸見千波（いつみ ちなみ）
- 『きのう何食べた？』の用語
- 同性愛
- 上町・筧法律事務所
- Forme（フォーム）
- 『きのう何食べた？』の名言・名セリフ／名シーン・名場面
- 史朗「ホントだ。ちょっとリセットされた…」
- 史朗「嫌ったりしないよ!!」
- 賢二「毎日続けることです。」
- 渉「大ちゃんと僕 お式上げるしかなくない？」
- 『きのう何食べた？』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話
- 話の間には作者による料理のワンポイントが書かれている
- 漫画の内容で大きな事件は起こしたくない
- ラブシーンなど性的表現はしない
- 『きのう何食べた？』の主題歌・挿入歌」
- テレビドラマ版
- OP（オープニング）：OAU（OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND）「帰り道」
- ED（エンディング）：フレンズ「iをyou」
- 映画版
- 主題歌：スピッツ「大好物」