レディ・イン・ザ・ウォーター(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『レディ・イン・ザ・ウォーター』とは2006年に公開されたファンタジームービー。『シックス・センス』(1999)など衝撃的な結末の映画が大ヒットしたM・ナイト・シャラマンが監督を務めた。殻に閉じこもった人生を送っていたある中年男が、海の精に出会う。中年男は周囲の人々と協力して、海の精を助け、世界を救うために大奮闘する。天敵の恐ろしい魔物も登場し、危険と困難を伴うミッションを通して、中年男は失っていた自信を取り戻し、人生を見つめ直す。現代に蘇ったおとぎ話が、大きな感動を与えてくれる作品だ。
ヴィック・ラン(演:M・ナイト・シャマラン)
吹き替え:東地宏樹
妹と共にコーブ・アパートに住んでいる青年。
いつも妹とは悪態をつき合っている。
クリーヴランドの仲介でストーリーに出会い、「選ばれし器」として覚醒し、未来の革命の種となる「料理本」を完成させた。
また「料理本」の過激な政治思想が原因で、殺される運命であることをストーリーから予言される。
自身の早すぎる死については妹には黙っていてほしいとストーリーにお願いするなど、妹を思いやる優しい兄でもある。
アナ・ラン(演:サリタ・チョウドリー)
吹き替え:林佳代子
ヴィックの妹。
おしゃべり好きの面倒見のいい女性で、親身になってストーリーの世話をこなす。
掟でブルーワールドについて話せないストーリーに、こちらの質問にジェスチャーを使って答えるように提案するなど、機転の利く女性でもある。
このジェスチャーゲームを通して、ギルドやヒーラーなどの情報を確認することができた。
ストーリーの予言によるとアナは将来7人の子どもに恵まれる。
ヤン・スーン・チョイ(演:シンディ・チャン)
吹き替え:斉藤梨絵
母と共にコーブ・アパートに住む東洋人の大学生。
読書家で、クリーヴランドとはよく本の貸し借りをしている。
母親のチョイ夫人がひいおばあちゃんに聞いたというおとぎ話を、英語を話せない母親から聞いて、クリーヴランドに通訳してあげる。
最後はギルドの1人として、ストーリーの怪我を癒す手伝いをし、彼女のブルーワールドへの帰還に貢献する。
チョイ夫人(演:ジューン・キョーコ・ルー)
ヤンの母親。
おとぎ話についてクリーブランドから度々尋ねられ、ヤンのひいおばあちゃん、つまり自身の祖母から聞いた東洋のおとぎ話を話して聞かせる。
しかし頑固で人嫌いな性格なため、なかなかクリーヴランドに心を許さない。
母は無邪気な人なら心を許すというヤンからのアドバイスを聞いて、クリーヴランドはチョイ夫人の前ではあどけなく振舞った。
その様子を見て、チョイ夫人は親近感を抱き、おとぎ話の詳細をクリーヴランドに語った。
チョイ夫人からの情報のおかげで、ストーリーは無事ブルーワールドに帰還を果たした。
デュリー氏(演:ジェフリー・ライト)
吹き替え:安井邦彦
コーブ・アパートの住人で、クロスワードパズルを解くことが趣味の黒人。
クリーヴランドに通訳ではないかと期待され、得意とするクロスワードパズルから神からのメッセージを読み取ろうとする。
しかしそのメッセージを元に立てた計画は上手くいかず、結局彼は通訳ではなかった。
その後息子のジョーイが通訳ではないかということに気付き、息子を通して神からのメッセージを受け取ることが出来た。
ジョーイ・デュリー(演:ノア・グレイ=ケイビー)
デュリー氏の息子で、コーンフレークを食べながらおしゃべりばかりしている男の子。
純粋な心を持っている彼は、通訳として身近なもの、つまりコーンフレークの箱の文字の羅列の中から神からのメッセージを選び出す。
このメッセージを基に、スクラントに襲われたストーリーを癒すことが出来た。
ハリー・ファーバー(演:ボブ・バラバン)
吹き替え:塾一久
映画の評論家。
とても辛辣な批評家だが、文章を書くプロとしてクリーヴランドに物語の登場人物の定石について語って聞かせる。
その考察を聞いて、クリーヴランドはナーフを故郷に帰すためのヒントを得る。
しかし今回のおとぎ話においては、ハリーの考察は全くの誤りで、ストーリーの帰還作戦は一度失敗に終わってしまう。
その後パーティーでほろ酔い気分になったハリーは、偶然スクラントに出くわし、襲われてしまう。
レジー(演:フレディ・ロドリゲス)
なぜか体の右側だけを鍛えている男。
科学実験と言いつつ、毎日左腕が右腕より何センチ大きくなったかを測っている。
当初はナーフとは全く関係ないと思われていたが、偶然対峙した時にスクラントが動かなくなったため、レジーが守護者であることが分かった。
その後タートゥテックが来るまでは、スクラントからストーリーを守った。
Related Articles関連記事
スプリット(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『スプリット』とは、2017年製作のアメリカ映画。日本公開は2017年の5月。23人もの別人格を持つ多重人格者に誘拐されてしまった女子高生たちが体験する、予想不可能な恐怖を描く。監督は「シックス・センス」「アンブレイカブル」「サイン」など、意表を突いたラストやどんでん返しで有名なM・ナイト・シャマラン。誘拐犯である多重人格者をジェームズ・マカヴォイが熱演し、主役の女子高生をアニャ・テイラー=ジョイが演じている。
Read Article
シックス・センス(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『シックス・センス』とはブルース・ウィルス主演の1999年のミステリー映画。 タイトルを直訳すると第六感。ブルース・ウィリスが演じる小児精神科医が、死者が見えるという第六感を持つ少年と向き合っていく、というストーリーだ。 映画館での上映では、「映画の秘密を話さないでください」のブルース・ウィリスの前置きも話題となり映画は大ヒット。アカデミー賞でも多くの部門にノミネートされた話題作。 監督は『サイン』などのM・ナイト・シャマラン。 第六感を持つ少年を演じたオスメントの名は世界中に知られた。
Read Article
サイン(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『サイン』とは2002年に公開されたアメリカのSFサスペンス映画。一時期大きな話題となったミステリーサークルの謎を題材にした映画で、宇宙人襲来のパニックを描きつつ、ある家族の再生と主人公の信仰心を扱った異色作。妻の不慮の死で信仰心を失った男グラハムの営む農場に、ある日突然ミステリーサークルが出現する。それと共に世界中でUFOや宇宙人が目撃。人々は宇宙人の襲来から神の啓示によって救われるのか、それともただの不幸な出来事となるのか。宇宙人から家族を守る鍵はなんとグラハムの信仰心だった。
Read Article
アンブレイカブル(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『アンブレイカブル』とは、2000年製作のアメリカ映画。日本公開は2001年の6月。大ヒットとなった「シックス・センス」の次にM・ナイト・シャマランが手掛けた作品。脚本もシャマラン自身が担当した。凄惨な列車事故に遭いながら、ただ一人かすり傷ひとつ負わずに生き残った男が辿る数奇な運命を描く。主演は「シックス・センス」に続きブルース・ウィリス。共演はサミュエル・L・ジャクソン、ロビン・ライト・ペン。
Read Article
アメイジング・スパイダーマン2(マーク・ウェブ版)のネタバレ解説・考察まとめ
「アメイジング・スパイダーマン2」は、映画「スパイダーマン」のリブート(再始動)作品。 恋人「グウェン」を危険にさらさないという、彼女の亡き父との約束に悩む「スパイダーマン」こと「ピーター」は、両親の死に繋がる大きな陰謀に巻き込まれ、運命に翻弄されていく。
Read Article
ジュラシック・ワールド(Jurassic World)のネタバレ解説・考察まとめ
『ジュラシック・ワールド』とは2015年のアメリカ映画で、1993年に製作された『ジュラシック・パーク』シリーズ4作目である。前作に引き続きスティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務めている。イスラ・ヌブラル島で起きた「ジュラシック・パーク」の事件から22年。新たなるテーマパーク「ジュラシック・ワールド」がオープンし、多くの観光客で賑わっていた。しかし、新たな目玉アトラクションとしてパークが用意していた新種恐竜インドミナス・レックスが脱走し、パークは大パニックに陥る。
Read Article
ジュラシック・ワールド/炎の王国(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ジュラシック・ワールド/炎の王国』とは、2018年6月22日にアメリカ合衆国で公開された映画。『ジュラシック・パーク』シリーズ5作目の映画である。 日本公開は2018年7月13日。前作での大惨事から3年。放棄されたジュラシック・ワールドを有したイスラ・ヌブラル島には火山噴火の兆候が見えていた。噴火へのタイムリミットが迫る中、主人公オーウェンと彼の仲間たちは恐竜たちの救出チームに参加する。それぞれが奮闘する中、オーウェンたちは救出劇の裏に隠された陰謀にも巻き込まれていく。
Read Article
シンデレラマン(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『シンデレラマン』とは、2005年にアメリカ合衆国で制作された、実話を基にした感動の映画。右手の怪我と大恐慌によって苦しい生活を強いられていたプロボクサー、ジム・ブラドックが一夜限りの試合で勝利を収める。それをきっかけに再びボクサーとして奇跡の復活を遂げ、恐慌にあえぐ人々を勇気付けていく姿を白熱の試合シーンと家族の絆を交えながら描き出していく。オスカー俳優ラッセル・クロウ主演、共演は同じくオスカー女優レネー・ゼルウィガー、監督も同じくオスカーを獲得したロン・ハワードが務めた。
Read Article
ロケットマン(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ロケットマン』とは2019年にイギリス・アメリカ合作で製作された伝記・ミュージカル映画である。グラミー賞を5度受賞した世界的ミュージシャン、エルトン・ジョンの自伝的映画。「Your Song」や「Rocket Man」など数々の名曲で知られるエルトン・ジョンが並外れた音楽の才能でスターとなる一方、その裏では様々な困難や苦悩を抱えていた半生が描かれている。製作総指揮にエルトン本人が携わり、エルトン役を演じるタロン・エガートンは歌声を披露している。
Read Article
オールド(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『オールド』(原題: Old)とは、2021年アメリカのスリラー映画。監督・製作・脚本は『シックス・センス』、『サイン』など数々の話題作を生み出したM・ナイト・シャマラン。南国のビーチにバカンスに来た家族。案内されたプライベートビーチで、漂流してきた死体を発見した時から事態は一変。次第にビーチにいる人の体にも異変が現れ始め、どんどんと老化していく。時間の概念を覆す不思議なビーチに囚われた人々は、様々な恐怖に襲われる。主演はガエル・ガルシア・ベルナルとヴィッキー・クリープス。
Read Article
スパイダーマンの歴代スーツまとめ
『スパイダーマン』とは、MARVEL COMICS発祥のアメコミヒーローである。 スパイダーマンは、スパイダースーツを着用してヴィランたちと戦いを繰り広げる。これまでスパイダーマンは『サム・ライミ版スパイダーマン』『アメイジング・スパイダーマン』『MCUスパイダーマン』の3つのシリーズで映画化されてきた。シリーズによってスパイダースーツの形状や能力が異なっている。
Read Article
映画ファン厳選!どんでん返し映画まとめ【ユージュアル・サスペクツ他】
予想もしない大展開や驚愕のラストに思わずうなってしまったことはありませんか? 本記事ではこれさえ観ておけば間違いない、映画ファン厳選のどんでん返しがすごい映画をまとめました。 ふだん映画をあまり観ないという方にもおすすめです!
Read Article
『シックス・センス』の子役ハーレイ・ジョエル・オスメントの軌跡
ここでは映画『シックス・センス』や『A.I』などに出演して大人気になったハーレイ・ジョエル・オスメントを紹介する。『シックス・センス』の頃は子役として大人気だったが、その後は学業に専念してハリウッドの子役にありがちな転落人生にはならなかったようだ。大人になってからも俳優として活動を続けている。
Read Article
2015年公開のハリウッド映画まとめ!『アベンジャーズ』から『ミッション:インポッシブル』まで超豊作
アメリカの有名映画制作会社が数多く拠点を置き、アメリカ映画の代名詞ともいえるハリウッド。『スター・ウォーズ』や『アベンジャーズ』、『ミッション:インポッシブル』や『ジュラシック・ワールド』など、日本でも大人気の映画が勢ぞろいしています。特に2015年には『アベンジャーズ』と『スター・ウォーズ』の同年公開に加え、名だたるシリーズの続編や新作が発表されました。ここでは大豊作の年のハリウッド作品をご紹介!
Read Article
タグ - Tags
目次 - Contents
- 『レディ・イン・ザ・ウォーター』の概要
- 『レディ・イン・ザ・ウォーター』のあらすじ・ストーリー
- コーブ・アパートの人々
- 海の精との出会い
- 「選ばれし器」探し
- ナーフを助ける人々
- 旅立ちのパーティー
- クリーヴランドの使命
- グレート・イートロンの来訪
- 『レディ・イン・ザ・ウォーター』の登場人物・キャラクター
- クリーヴランド・ヒープ(演:ポール・ジアマッティ)
- ストーリー(演:ブライス・ダラス・ハワード)
- ヴィック・ラン(演:M・ナイト・シャマラン)
- アナ・ラン(演:サリタ・チョウドリー)
- ヤン・スーン・チョイ(演:シンディ・チャン)
- チョイ夫人(演:ジューン・キョーコ・ルー)
- デュリー氏(演:ジェフリー・ライト)
- ジョーイ・デュリー(演:ノア・グレイ=ケイビー)
- ハリー・ファーバー(演:ボブ・バラバン)
- レジー(演:フレディ・ロドリゲス)
- リーズ氏(演:ビル・アーウィン)
- ベル夫人(演:メアリー・ベス・ハート)
- バブチック氏(演:ジャレッド・ハリス)
- ナレーター(演:デヴィッド・オグデン・スティアーズ)
- 『レディ・イン・ザ・ウォーター』の用語
- マダム・ナーフ
- おとぎ話
- ブルーワールド
- スクラント
- タートゥテック
- グレート・イートロン
- 選ばれし器
- 料理本
- 『レディ・イン・ザ・ウォーター』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ストーリー「あなたの心は美しい。あなたの心は大きい」
- シャワー室でのやり取り
- ハリー「なぜ映画の登場人物は傘をささない?」
- リーズ氏「人は救われる価値があるかな?」
- 『レディ・イン・ザ・ウォーター』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- デュリー氏役は海外ドラマ『ウエストワールド』の俳優
- 自信家ハリーの最期
- ゴールデンラズベリー賞にノミネート
- 『レディ・イン・ザ・ウォーター』の主題歌・挿入歌
- ED(エンディング):ア・ウィスパー・イン・ザ・ノイズ 「時代は変わる」