ホテル・ムンバイ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ホテル・ムンバイ』とは、2018年に製作されたオーストラリア・インド・アメリカの合作映画である。2008年にインドのムンバイで発生した同時多発テロの際、タージマハル・ホテルに閉じ込められた人たちの様子を実話をもとに描いている。ホテルのレストランで給仕を担当しているアルジュンはロビーからの銃声を聞いて宿泊客を頑丈な部屋へ避難させ、テロリストとの戦いが始まる。監督はアンソニー・マラスが務め、デヴ・パテル、アーミー・ハマー、ジェイソン・アイザックスらが出演した。

イムランによる処刑

オベロイ料理長はホテルが火事になった以上チェンバースに留まることはできないと判断し、通用階段を使って一斉に逃げることを決断する。しかし、そのチェンバースにいた男がマスコミからの電話取材でこれから逃げることを言ったためにテレビで報じられ、それを見たテロリストはチェンバースへ向かうことになってしまう。

1人で人質を見張っていたイムランにも無線で連絡が入り、人質を全員殺してチェンバースへ向かうように指示される。イムランが人質の処刑を始めると、ワシリーが拘束された体を反らしてイムランの負傷した脚に噛みつく。イムランをその場に倒すことには成功したが、ワシリーはイムランに撃たれて殺されてしまう。立ち上がったイムランは次にデヴィッドも撃ち殺す。イムランは最後にザーラを撃ち殺そうとするが、ザーラはアラーを讃える歌を歌い始めたためにイムランは撃てなくなってしまう。イムランは無線で「同じイスラム教徒を撃つことはできない」と言うが、無線では「構わず撃て」と指示が来る。イムランは銃を撃ったふりをして部屋を後にするのだった。

ホテルからの脱出と家族との再会

部屋に1人残されたザーラは拘束された手の布を解いて部屋を出た。デヴィッドが殺される前に教えてくれた道具入れの小部屋に行くもサリーとキャメロンはそこにおらず、ホテル内を探し回ることになる。

テロリストがチェンバースへ辿り着いたころ、チェンバースにいた人たちは裏口から階段を使って逃げ始めていた。追いついたテロリストが階段や、調理場で逃げ惑う人々を次々に撃ち始めた。そこへようやく到着した特殊部隊がテロリストを全員殺すことに成功し、アルジュンやサリー、オベロイ料理長らは何とか助かった。

ザーラは火事によって退路を塞がれ、煙が充満した部屋の窓を壊して外にいる特殊部隊に助けを求めた。クレーン車を使った救助によってホテルから脱したザーラはサリーの名前を呼び続けた。それに気付いたサリーは乗っていた車から降りると、ザーラはサリーとキャメロンに再会することができた。

同じくホテルから脱したアルジュンはオベロイ料理長と抱擁を交わし、心配する家族の待つ家へ向かった。アルジュンは自分の安否を心配していた妻と小さな娘に再会するのだった。

『ホテル・ムンバイ』の登場人物・キャラクター

ホテルの従業員

アルジュン(演:デヴ・パテル)

日本語吹替:高橋英則

家には臨月の妻と小さな娘がおり、タージマハル・ホテルでは1階のロビー横にあるレストランで給仕をしている。ロビーから銃声が聞こえてくると、レストランで食事をしている宿泊客に伏せるように指示を出して身の安全の確保に努めた。オベロイ料理長からの連絡を受けて、レストランにいる宿泊客を引き連れて6階にあるチェンバースという部屋に避難する。その後チェンバースに逃げ込んできた女性が重傷を負っていたことから、彼女を連れて病院へ行くことを申し出る。彼女を連れて階段を降りている途中で、2人の警官に引き留められ、その2人がテロリストだと思った女性が廊下に出るとテロリストに撃ち殺されてしまう。その後は2人の警官の依頼で、2階にある警備室へ案内し、防犯カメラに映っている場所を教えるなど協力した。その警備室の防犯カメラから、チェンバースにテロリストが入ろうとしているのを見てオベロイ料理長に連絡したことで、チェンバースは危機から救われる。また、テロリストがホテルを爆破したことで宿泊客が部屋から避難しようと出てきており、その向かう先にテロリストがいることを防犯カメラで確認したアルジュンは彼らをチェンバースへ連れていった。火災によってチェンバースからも逃げなくてはいけなくなると、他の従業員や宿泊客とともにチェンバースの裏口から階段を下ってホテルから脱出することに成功する。ホテルを脱出すると、自分の安否を知らない家族の元へ真っ先に向かい、妻と娘に再会を果たすのだった。

ヘマント・オベロイ料理長(演:アヌパム・カー)

日本語吹替:堀越富三郎

タージマハル・ホテルの料理長。ホテルがテロリストによって攻撃を受けていると分かると、従業員に対して宿泊客を守る行動を取ることを宣言する。家族を優先したい従業員にはホテルに留まることを強制せず、残った従業員とともに6階にあるチェンバースという部屋に避難した。レストランにいるアルジュンにも連絡して隠れている宿泊客をチェンバースに連れてくるように指示を出す。チェンバースに宿泊客が避難してくると、従業員に指示を出して飲み物を出すなどして宿泊客の気を紛らわせていた。ホテルが火災になっていることを知ると、チェンバースに留まることは不可能であると考え、チェンバースの裏口から通用階段を使って非難することを決断する。ホテルを脱した後は、ともに宿泊客を守ったアルジュンと抱擁を交わした。

ホテルの宿泊客

デヴィッド(演:アーミー・ハマー)

日本語吹替:星野貴紀

タージマハル・ホテルに宿泊するアメリカ人。妻のザーラ、息子のキャメロン、息子のベビーシッターであるサリーとホテルにやって来た。ホテルに到着後は、サリーにキャメロンの世話を任せて妻のザーラとレストランへ食事に向かった。食事中にロビーから銃声が聞こえてきたことで、机の下に隠れる。部屋にいるサリーと連絡が取れると、息子のキャメロンとサリーを助けるために危険を冒して部屋へ戻った。赤ちゃんが泣きだしたらテロリストに見つかってしまうとサリーが言ったことで、しばらくは部屋に留まることにした。その後意を決して部屋を出てチェンバースに向かうも、テロリストに見つかって拘束される。拘束された部屋に後で捕まったザーラが連れて来られたことで再会するが、テロリストの1人イムランによって銃殺される。

ザーラ(演:ナザニン・ボニアディ)

デヴィッドの妻。サリーにキャメロンの世話を頼んで、夫のデヴィッドとレストランで食事をしていると、ロビーから銃声が聞こえてきて机の下に身を隠した。デヴィッドがサリーとキャメロンを助けに部屋に戻ったことでレストランに取り残される。アルジュンの指示で6階のチェンバースにしばらく留まっていたが、デヴィッドらに会いに行くためチェンバースをワシリーらと出ることを決断。デヴィッドらのいる部屋に向かう途中でテロリストに捕まってしまい、デヴィッドが拘束される部屋に連れて来られる。目の前でデヴィッドらがテロリストの1人イムランによって処刑された後、アラーを讃える歌を歌うことでイムランからの処刑を免れた。その後は拘束された手を解いて部屋を出て、サリーやキャメロンの居場所を探してホテルを彷徨う。ホテルが火災で煙が充満すると、部屋の窓ガラスを壊して外にいる特殊部隊に救助されてホテルから脱出することに成功。サリーの名前を呼び続け、それに気付いたサリーがキャメロンを抱いて車から出てきたことで念願の再会を果たす。

サリー(演:ティルダ・コブハム=ハーヴェイ)

日本語吹替:松井暁波

デヴィッドとザーラの間に生まれた息子キャメロンのベビーシッター。デヴィッドとザーラがレストランで食事をする間、キャメロンの世話を頼まれる。シャワー室から出ると廊下からは銃声が聞こえてきたため、咄嗟にキャメロンを抱いてクローゼットに身を隠す。トイレに隠れた女性が撃たれたことでキャメロンが泣き始めてしまい、テロリストにバレないようにキャメロンの口を押えてテロリストが立ち去るのをじっと待っていた。テロリストが立ち去るのを確認すると、浴室に入って覆っていたキャメロンの口から手を放して、大泣きするキャメロンをあやすことになる。ザーラと連絡を取ってキャメロンの無事を伝える。心配したデヴィッドが部屋に戻って来てザーラのところへ戻ろうと提案を受けるが、赤ちゃんが泣き出したらテロリストに見つかってしまうと言って反対する。その後意を決してチェンバースへ向かう途中、デヴィッドがテロリストに見つかり、サリーはキャメロンを抱いたまま道具入れの小部屋に入れられる。デヴィッドがテロリストから連れ去られた後、その小部屋から出ようとするが、外からしか開けられないためその場に留まらざるを得なくなる。しばらくして、アルジュンが宿泊客をチェンバースへ連れていく途中で発見されて道具入れの部屋から脱することに成功する。ザーラがいると聞いていたチェンバースに辿り着くもザーラの姿がなかった。火災によってチェンバースから脱出することになると、他の人たちと一緒にキャメロンを抱いてホテルから脱出することに成功する。キャメロンと車に乗っているとザーラの呼ぶ声が聞こえて車から出て再会するのだった。

キャメロン

抱きかかえられているのがキャメロン。

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