電撃デイジー(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『電撃デイジー』は、最富キョウスケ作の少女漫画である。2007年から2013年にかけて漫画雑誌『ベツコミ』に連載されていた。主人公の女子高生、紅林照と、照を「下僕」と呼ぶ不良校務員、黒崎祐、そして謎の人物「DAISY」を中心に、照の兄の死の裏に隠れた大きな事件の謎にせまる。少女漫画でありながら、恋愛、コメディー、友情に加えてバトルあり、サスペンスありとさまざまな要素が織り込まれ、2010年には同雑誌が誇る4大作品「BIG4」にも選ばれた人気作である。

亡くなった緑川教授のHDに残されていたデータのうちの、奏一朗に解読されず行方不明になった一部である。多くの機関が躍起になって探していて、アントラに誘導された黒崎たちも探すことになる。Mの遺言が自分に遺されたものだと聞いたアキラも探し求めていたが、その中身は、危険人物であるアキラを殺すための計画だった。

Mの遺言の鍵

アントラが黒崎たちに渡した、Mの遺言にたどり着くための鍵となる情報の暗号データである。自分には渡さなかったMの遺言の鍵をアントラが黒崎たちに渡したことを知ったアキラは激怒し、脱走して鍵を奪うために照たちを襲った。Mの遺言の鍵の暗号を一目見たアキラは瞬時にそれを解読し、Mの遺言の場所へと向かった。

企業名

剣橋電機(けんばしでんき)

JFを作り出し、開発から運用までを担っていた企業。竹田の現在の職場で、奏一朗、理子、安藤、マスター、黒崎の元職場である。

ハイペリオン

JFの復活を目論むも失敗に終わり、瓦解した危険な組織である。いわゆるサイバーマフィアで、ネット上のあらゆる犯罪を金儲けの手段にしていた。非道なやり口が有名で、各国から危険視されていた。

『電撃デイジー』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

照が黒崎の下僕になった場面/1巻・第1話

「世の中そんなに甘くねえよバーカ。金がねーなら身体で払え」(黒崎)
黒崎の初登場シーン。ガラスを割ったものの修理代が払えない照に、優しい言葉をかけたかに見えた黒崎は一転、容赦なく見返りを要求した。「身体で払え」という言葉はそのまま、金の分を労働して返せ、という意味であった。そしてこれ以降、照は黒崎に「下僕」としてこき使われるようになる。黒崎の意地の悪い「大魔王」じみた一面が、漫画上もっともあからさまに現れた場面である。

照がDAISYの正体が黒崎だということを確信した場面/3巻・第14話

照はDAISYが黒崎ではないかと思う気持ちとそんなはずはないと否定する気持ちの間で揺れ動いていた。台風の中、黒崎が照を家に残して買い物に出ている間に、黒崎の部屋に風が吹き込んで部屋に置いてあったオルゴールが落ちて鳴り始める。そのオルゴールは、照がDAISYにプレゼントしたもので、黒崎が持っているはずのないものだった。締め切られた部屋の中から聞こえてきたメロディにいてもたってもいられなくなった照は、部屋の中に入り、オルゴールを見つける。やはりそのオルゴールは照がDAISYに送ったものに間違いなく、つまりは黒崎がDAISYであることを示していた。照がずっと見てみぬふりをしてきた疑惑が確信に変わった瞬間であった。

うっかり照への好意を思わせる行動をとった黒崎に照が動揺する場面/4巻・第16話

照は、玲奈と遥に黒崎の態度について相談し、「男の人が好意をもっているときはなんとなくわかるものだ」とのアドバイスを受けていた。黒崎が熱をだし、合コンに行っていたところで知らせを受けた照は急いで帰ってくる。黒崎の容態は落ち着いて、黒崎は眠っていた。照が帰ってきて目を覚ました黒崎は、合コン仕様の恰好の照がつけていた「男の人受けがいい」ネックレスを目にしたとたん「外せよ」と口にする。熱に浮かされた黒崎がうっかり本音を漏らし、照が、黒崎が自分に好意をもっていることに気づき始めるきっかけを作った場面である。

黒崎の罪のことを知った照にDAISYとしての黒崎が別れのメールを送る場面/8巻・第34話

「DAISY 兄を殺した人は許せない 消えてください」(照からDAISYへ)
「僕のそばにいる君は その花よりも ずっと きれいな女の子だと思いました」(DAISYから照へ)
黒崎は照に、奏一朗の死に関わる自分の罪を告白することを決め、照を初デートに誘う。遊園地でのひと時を楽しむ照と黒崎だったが、照がアキラに連れ去ってしまう。そして照は、黒崎が話そうとしていた黒崎の過去の罪をアキラから聞くことになる。争いの中、アキラは照をだましてDAISYに「消えてください」と書かれたメールを送らせる。自分の気持ちとはまったく違うメールを送ってしまったことに焦る照だが、返ってきたDAISYからのメールには、アキラの話が事実であること、照の前から姿を消すこと、そして、照に対する謝罪と感謝の言葉がつづられていた。メールを見た照は泣きながら黒崎に電話するがその電話が通じることはなく、黒崎は照の前から姿を消す。アキラと森の悪意によって、照にとっても黒崎にとっても最悪の形で、事実が照の知るところとなった。本漫画前半の最大の山場ともいえる場面である。

黒崎の過去を知ったうえで照が黒崎を迎えに来た場面/9巻・第41話

「私は黒崎にこれからも『ありがとう』っていっぱい言うよ。」(照)
JFと奏一朗の死に関わる黒崎の過去の罪を知った照は、それでもなお黒崎を受け入れることを決めた。死を覚悟して照から離れ、罪を償うために一人JFを追っていた黒崎は、かたくなに照と会うのを避けようとしていた。黒崎を騙すかたちにはなりつつも黒崎と二人きりで会うことができた照は、今の黒崎に対する自分の想いを伝えた。何も知らなかったこれまでとは違って真実を知ったうえで照が黒崎と本当に心を通わせ、黒崎がこの先も照を守ることを誓った場面である。

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