麻雀小僧(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『麻雀小僧』とは2010~2017年まで押川雲太朗が『近代麻雀』で連載していた、「高レート麻雀を渡り歩く青年が雀ゴロから勝負師になっていく様」を描いていく漫画作品だ。『近代麻雀』での連載終了後は電子書籍版で続きを配信している。舞台は現代の日本。主人公・まー坊こと正岡正彦は高レート麻雀を渡り歩く青年。鋭い読みの技術を生かした鳴き麻雀を武器に見せ金1億円の麻雀大会への出場を目指す。弱冠18歳でありながら、勝負師として生きる覚悟のこもった言葉は、麻雀だけでなく人生を生きる上で大事な教訓が詰まっている。

客船麻雀

三好財閥の総帥である三好会長が主催している船上麻雀である。参加費が1億円で、船上内でも目玉のイベントである。沼井が三好に企画を提案し、開催されることとなった。多くの雀ゴロが参加を夢見る大会である。

日本麻雀道連盟

田中や国枝、野口、牧野などが所属するプロ雀士の団体である。

『麻雀小僧』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

まー坊の父「いいか…まー坊 うまく行かない時どれだけ冷静になれるか 本当の実力がそこでためされる」

まー坊がピンチの時に良く思い出す、父からの言葉が「いいか…まー坊 うまく行かない時どれだけ冷静になれるか 本当の実力がそこでためされる」だ。何か上手くいかない時に、初めてその人間の本質が試されるという麻雀だけでなく人生を生きる上で大事な名言で、まー坊が心が折れそうなときにこの言葉を思い出し、最後まで自分のできる最善を尽くすきっかけとなる。

まー坊「船で会おう…タミー 今度こそ『まいった』と言わせてやるから…」

客船麻雀の参加権を掛けた戦いでタミーに敗れたまー坊は、その際にタミーからまー坊の麻雀はしのぐ麻雀であり、勝ち切る麻雀が出来ないならタミーには勝てないという事を告げられる。まー坊は納得したもののそれを体現できずスランプに陥り、客船麻雀を行う船の出航まで残り1か月と迫った際に、ヒゲ谷から連絡が来る。その内容は超高レートの卓を立てる代わりに、まー坊が負けた時には三好チームに加入し、優勝に貢献する事であった。更にこの卓では、三好チームの3人対まー坊という、まー坊側にとってかなり不利な条件であった。スランプ陥っているにも関わらず、こんなにも厳しい条件ではほとんど勝ち目がないことはまー坊も分かってはいたが、これを逃せば客船麻雀には参加出来ない事を悟り、これを受ける。やはりまー坊には厳しい展開になり、あっという間に資金が底を尽きようとしていた。まー坊は諦めて三好チームとして戦うことを覚悟するが、付き添いで来ていた田中が宝くじで当てた5000万円の資金を差し出す。そしてまー坊が最善を尽くして負けた訳ではない、まだ全力を出し切れていないことを指摘され、半ば諦め雑になっていた己の麻雀を見直して徐々にバランスを取り戻していく。そしてまー坊が最善を尽くしたことにより展開が向き、ここで新たな感覚、勝ち切る麻雀の感覚を掴む。勝負所を見定め、1つ上のステージに上がったまー坊。通常であれば九種九牌で流す局面を流さず国士無双に仕上げ、三好チームのコウとの大物手同士のぶつかり合いを制し見事アガり切ったシーンだ。ここでの名言が「船で会おう…タミー 今度こそ『まいった』と言わせてやるから…」である。大きな壁を乗り越え、タミーら一流の領域に足を踏み入れ雀ゴロから勝負師へと開花した名シーンである。

「自分のために戦っただけだ」とさらりとお礼の言葉を受け流す沼井

三好チームに良いようにやられた沼井チームは、3回戦の段階で生き残ったのは沼井のみという屈辱的な状態にされていた。更に3回戦の組み合わせが沼井以外三好チームのメンツとなっており、圧倒的に不利な状況で戦うことを余儀なくされていた。3回戦のルールが東風戦を3回行い、総合ポイントが一番低かったものが敗退というものだ。沼井は三方から厳しい対応をされるも、隙を見逃さず大トップで勝ち上がる。これを観た沼井チームのメンツは敵となれば恐ろしいぐらいに冷徹な男の仲間への熱い想いにお礼を言う。そこで沼井は、決して君たちの為に戦ったのではなく自分の為に戦ったのだと、澄ました顔で言う。この一連のシーンは狂気的な沼井の勝利への貪欲さと、仲間に対する熱い想い、それを直接的に仲間には言わない大人な一面と沼井という男の人間臭さが滲みでたシーンであった。

『麻雀小僧』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

スターシステムを多用

漫画におけるスターシステムとは、あるキャラクターが容姿や名前などが同じでありながら同作者の他作品に出演することである。作者の押川はこれを良く多用している。理由は「名前をつけるのが面倒くさい」や「キャラクターを役者のようなものだと思っている」からだ。

大の阪神タイガースファン

作者の押川雲太朗は大の阪神タイガースファンで、キャラクターの名前に阪神選手の名前をよく付けている。

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