TOTO(トト)の徹底解説まとめ

TOTO(トト)とは、アメリカ、ロサンゼルスの凄腕スタジオミュージシャン達が集まって1977に結成されたバンドである。1978年、アルバム『TOTO~宇宙の騎士』でデビュー、1982年のアルバム『TOTO Ⅳ~聖なる剣』はグラミー賞6部門を制覇、「ロザーナ」「アフリカ」といったロック史に残る名曲を発表した。また、メンバー各々がスタジオミュージシャンとしても活躍し、関わったアルバムは5000枚にも及ぶといわれている。結成40周年を超えた今も世界を巡り活動を続ける、ロック界のレジェンドである。

TOTO(トト)の代表曲

Hold the Line

デビューアルバム『TOTO〜宇宙の騎士』からの1978年10月2日に発表されたファーストシングル。
バンドのキーボード奏者デヴィッド・ぺイチによって書かれた。リードボーカルはボビー・キンボールにが担当。まさにTOTOというバンドの方向性を表すロックナンバー。
ビルボードホット100で5位に達し、英国シングルチャートで14位に達し、いきなりバンドの大ヒットとなった。
ドラムのジェフ・ポーカロはスライ&ザ ファミリーストーンの「Hot fun in the summer time 」でのグレッグ・エリコのように演奏しようと思ったと語っている。
バンドメンバー達はこの曲が初めてラジオで流れたのを聴いて「興奮して家の中を駆けずり回った」と当時の思い出を語っている。

I’ll Supply The Love

1978年リリースのデビューアルバム『TOTO』の2曲目、セカンドシングルとしてリリースされた。
アルバムのオープニングを飾る壮大なインストゥルメンタルナンバー「Child's Anthem」に続き、ルカサーのギターリフから始まるロックナンバーが、まさにこのバンドの夜明けを告げる。
デヴィッド・ペイチの作品であるが、ロックを基調しながらも様々なエッセンスを盛り込んだ多彩なサウンドメイクはまさにTOTOの真骨頂。ボビー・キンボールのハイトーンがさらに花を添える完成度の高い作品である。PVでは、その「Child's Anthem」の一部が流れ、「I’ll Supply The Love」へと続く構成になっている。

Georgy Porgy

1978年リリースのデビューアルバム『TOTO』収録。
R&BテイストなAORで、デヴィッド・ペイチが、リオン・ウェアーが書いたマーヴィン・ゲイの曲、「I Want You」にインスパイアされて書いた曲。リードヴォーカルはスティーヴ・ルカサーが担当、存在感のあるバックコーラスはシェリル・リンで、彼女は同年、デヴィッド・ペイチとデヴィッド・フォスターがプロデュースした「Got To Be Real」の大ヒットナンバーを発表している。TOTOはロックだけではなく、R&B的な作品も作れる事を証明したナンバーで、まさにドラムのジェフ、ベースのハンゲイトの2人の生み出したグルーブは大きい。エリック・ベネイ、ルーサー・ヴァンドロス、邪(よこしま)等、様々なアーティストにカバーされ続けているナンバーである。

99

1979年発表のセカンドアルバム『ハイドラ』からのファースト・シングル。全米チャート26位を記録。
「若き日のジョージ・ルーカスが未来の管理社会を題材に製作した1971年の映画『THX 1138』に捧げられた」ということから、「99」というのはある女性の管理番号ということになる。TOTOには女性の名前を冠した曲が非常に多いが、この曲はちょっとひねった形の名前の曲である。メロウでファンキーな哀愁バラード。ジェフとハンゲイトのリズム隊が最高のグルーブを生み出している、TOTOのAOR作品の中でも最上位にくる人気の曲である。

Goodbye Elenore

1981年リリースの3作目『Turn Back』収録
前2作『TOTO』『Hydra』でのきめ細やかなサウンドメイクとは対照的にストレートでラフなロックを追求したアルバム『Turn Back』を象徴するロックナンバー。
ここでの主役はなんと言ってもジェフ・ポーカロのパワフルなドラミングと縦横無尽に炸裂するスティーヴ・ルカサーのギタープレイ。ドラムの連打のフェイドインで始まり、3連の高速のビートを刻むジェフのドラムが、たまらない疾走感を生み出し、それに絡むルカサーのギターリフがアーミングを交えながら楽曲を彩っている。キャッチーなメロディーで、ボビーのハイトーンボイスとメンバーのコーラスが見事にミックスされ、更にギターとシンセサイザーがユニゾンするソロは、彼らがテクニシャンの集まりであることを感じさせる。チャート的には全米107位と振るわなかったものの、TOTOファンには欠かすことのできない作品である。

Rosanna

「TOTOの音楽を一番表している曲はどれかと聞かれたら『Rosanna』こそがそれだって答えるよ。この曲には僕らのあらゆる要素が込められているから」スティーブ・ルカサーはそう答えている。1982年リリース、グラミー賞6部門で受賞したTOTOの最高傑作『TOTO Ⅳ』のオープニングナンバーで1stシングル、全米2位の大ヒットになった。イントロからジェフ・ポーカロの代名詞となった「ポーカロ・シャッフル」が弾ける。作者のデヴィッド・ペイチは最初、ニューオリンズ風の、ボ・ディドリーのようなブルースとロックンロールのビートを提案した。しかしジェフは「う〜ん、違うなあ、僕達が聴いていたスティーリー・ダンの「バビロン・シスター」や、レッドツェッペリンの「フール・イン・ザ ・レイン」の感じでやってみないか?」と言って、そっち方向に持っていった。これは、スティーリー・ダンのバックでドラムをプレイしていたバーナード・パーディーが、「バビロン・シスター」や「ホーム・アット・ラスト」で披露したリズムに、元レッド・ツェッペリンのジョン・ボーナムが「フール・イン・ザ ・レイン」で叩いていたリズムパターンを重ね合わせた全く新しいリズムパターンである。更に右足はボ・ディトリーのビートを刻むという完全オリジナルのリズムを作り上げた。ジェフはこれを「ハーフタイム・シャッフル」と命名している。一聴して簡単に聴こえるリズムも実はとてもドラマー泣かせの複雑な構造になってる。デヴィッド・ペイチは後に「イントロでジェフのドラムが聴こえた瞬間に、あの曲だ、とわかるくらいにジェフの力は大きい」と述べている。
PVは、マイケル・ジャクソンの『スリラー』からのヒット曲「今夜はビート・イット」の雛形のような内容で、実際に「今夜はビート・イット」ではジェフ・ポーカロ、スティーブ・ルカサーはじめ、TOTOの面々が演奏している。

I Won't Hold You Back

『TOTO Ⅳ~聖なる剣』からの4thシングル、1983年5月7日にビルボードホット100チャートで10位を獲得し、アダルトコンテンポラリーチャートでは初の3週連続1位を獲得した。
バッキングボーカルにイーグルスのベースのティモシー・B・シュミットが参加している。元々は『Turn back』のレコーディング時に、いつものごとくデヴィッド・ペイチが遅刻をしてきて、暇を持て余している時にルカサーがこのメロディーを思いつき、スタジオのピアノでイントロを弾き出したところ、ジェフが「いいじゃないか!」と言って出来上がった。ブリッジの部分はジェフが「歌ではなくギターで弾くべき」と言って、あの有名なギターソロが生まれた。

Waiting For Your Love

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