TOTO(トト)とは【徹底解説まとめ】

TOTO(トト)とは、アメリカ、ロサンゼルスの凄腕スタジオミュージシャン達が集まって1977に結成されたバンドである。1978年、アルバム『TOTO~宇宙の騎士』でデビュー、1982年のアルバム『TOTO Ⅳ~聖なる剣』はグラミー賞6部門を制覇、「ロザーナ」「アフリカ」といったロック史に残る名曲を発表した。また、メンバー各々がスタジオミュージシャンとしても活躍し、関わったアルバムは5000枚にも及ぶといわれている。結成40周年を超えた今も世界を巡り活動を続ける、ロック界のレジェンドである。

Tambu (タンブ)

01. Gift of Faith
02. I Will Remember
03. Slipped Away
04. If You Belong to Me
05. Baby He's Your Man
06. The Other End of Time
07. The Turning Point
08. Time Is the Enemy
09. Drag Him to the Roof
10. Just Can't Get to You
11. Dave's Gone Skiing (Instrumental)
12. The Road Goes On
13. Blackeye (Japanese release only)

1995年5月発売、オリジナルメンバーのジェフ・ポーカロが亡くなり、一時はバンドとしての存続が危惧されていたTOTOが、後任のドラマーにサイモン・フィリップスを迎えて発表した9作目のスタジオアルバム。メンバーは、ペイチ、ルカサー、マイク・ポーカロ、サイモン・フィリップスの4人となったが、キーボードのスティーブ・ポーカロはレコーディングには参加している。
前作と同じくメインボーカルはルカサーが担当、バラードタイプの曲が多く収録され、前作のハードロック路線とは一転して聴きやすくなったが、一聴するとスティーブ・ルカサーのソロアルバムの様にも聴こえてくる。しかしルカサーのボーカルに対する専門家の評価は高く「今までなぜその役割をあたえられなかったのかが不思議なほどの出来である」としている。『タンブ』は世界で60万枚の売上を記録、シングルとなった「アイ・ウィル・リメンバー」(I Will Remember) は、アメリカではチャートインできなかったが、イギリスでは「ホールド・ユー・バック」(I Won't Hold You Back) 以来12年ぶりにチャートに入るヒットとなった。アメリカの音楽雑誌 The Absolute Sound では、このアルバムについて「すばらしい」、「完璧に近い」と評し、バンドの前の作品よりもよいとしている。このアルバムは1997年のグラミー賞のベスト・エンジニア・アルバム(ノンクラシカル部門)にノミネートされた。

TOTO XX 1977-1997

01. Goin' Home (Recorded in 1989)
02. Tale of a Man (Recorded in 1979)
03. Last Night (Recorded in 1987)
04. In a Word (Recorded in 1986)
05."Modern Eyes (Recorded in 1986)
06. Right Part of Me (Recorded in 1984)
07. Mrs. Johnson (Recorded in 1977)
08. Miss Sun"(Recorded in 1977)
09. Love is a Man's World (Recorded in 1977)
10. On the Run"(Recorded at the Montreux Jazz Festival '91)
11. Dave's Gone Skiing (Instrumental)"(Recorded at the Standard Bank Arena, Johannesburg, South Africa in 1997)
12. Baba Mnumzane (trad.: L. Mkhize, M. Namba - Recorded at the Standard Bank Arena, Johannesburg, South Africa in 1997)
13. Africa (Recorded at the Standard Bank Arena, Johannesburg, South Africa in 1997)

1998年リリースの未発表音源+ライブ音源集。つまり、お蔵入りとなってしまった幻の音源集で、亡きジェフ・ポーカロのプレイが蘇る、ファンにとっては涙モノの企画盤。
13曲は9曲がスタジオテイクで、終盤の4曲がライブテイク。スタジオテイクは過去にレコーディングしながらもアルバムには採用されなかった不採用テイクから厳選。不採用テイク9曲をレコーディングされた年別に分けると、1977年が3曲、1979年と1984年が1曲、1986年が2曲、そして1987年と1989年が1曲ずつとなっている。それぞれがどのスタジオ・アルバムの時期だったかをみると、1977年の「Mrs. Johnson」「Miss Sun」「 Love is a Man's World」の3曲はデビューアルバム『TOTO』の頃。1979年の「Tale Of A Man」は『Hydra』の頃。ここまでの4曲はデビュー当時のオリジナル・メンバーで作られている。1984年の「Right Part Of Me」は時期的には2代目ボーカリスト、ファーギー・フレデリクセンに変わった『Isolation』の頃だが、収録されたバージョン初代ボーカリストのボビー・キンボールが歌っており、彼はこの直後に脱退している。1986年の「In A Word」と「Modern Eyes」はボーカルが3代目のジョセフ・ウイリアムズに変わった『Fahrenheit』の頃。1987年の「Last Night」は『The Seventh One』、1989年の「Goin' Home」は1992年リリースの『Kingdom of Desire』の頃の録音曲になる。ライブテイクの1曲目「On The Run」は1991年のモントルー・ジャズ・フェスティバルで収録された曲で、ジェフがドラムを叩いている。ジェフがいた頃のTOTOはスタジオ・アルバムを8枚リリースしているが、ライブ盤は1枚もリリースしていない為、貴重なライブ音源となっている。この曲のみスタジオバージョンが存在しない。「Dave's Gone Skiing」以降のラスト3曲は南アフリカのヨハネスブルグでのライブテイクで、ジェフの後任のサイモン・フィリップがドラムを叩いている。

Mindfields(マインドフィールズ)

1999年オリジナル盤

01. After You've Gone
02. Mysterious Ways
03. Mindfields
04. High Price of Hate1
05. Selfish
06. No Love
07. Caught in the Balance
08. Last Love
09. Mad About You
10. One Road
11. Melanie
12. Cruel
13. Better World (Parts I, II & III)
14. Spanish Steps Of Rome2

2018年 ボックスセット、リマスター盤

01. Cruel
02. Mysterious Ways
03. Mindfields
04. High Price of Hate
05. Selfish
06. No Love
07. Caught In The Balance
08. Last Love
09. Mad About You
10. One Road
11. Melanie
12. After You've Gone
13. Better World
14. Spanish Steps

1999年発表の10作目のオリジナルアルバム。
1984年のアルバム『アイソレーション』のレコーディング中にバンドを脱退した初代ボーカリストのボビー・キンボールが、15年ぶりにメンバーに復帰した。原点回帰というよりかは80年代全盛期のエッセンスを加えたような仕上がりになっている。「After You've Gone」では、元オジー・オズボーン・バンドのフィル・スーザンが、ソングライティングとバッキング・ボーカルで参加している。また、元メンバーのジョセフ・ウィリアムズが、メンバーのデヴィッド・ペイチと共作した「Mad About You」も収録。イーグルスのティモシー・B・シュミットや、ミスターミスターのリチャード・ペイジがバックコーラスで参加、キンボールのハイトーンボーカルに厚みを加えている。
『Mindfields』の北米仕様と日本版は『Spanish Steps Of Rome』がボーナス曲として追加されている。

Through the Looking Glass(スルー ザ ルッキング グラス)

01. Could You Be Loved
02. Bodhisattva
03. While My Guitar Gently Weeps
04. I Can't Get Next to You
05. Living for the City
06. Maiden Voyage / Butterfly
07. Burn Down the Mission
08. Sunshine of Your Love
09. House of the Rising Sun
10. Watching the Detectives
11. It Takes a Lot to Laugh, It Takes a Train to Cry (Live)

2002年リリース。デヴィッド・ペイチの提案により、全曲が他のアーティストの曲で構成された、バンドにとって初のカバー・アルバム。
メンバーは『MINDFIELDS』と同じ、ボビー・キンボール<vo>、デヴィッド・ペイチ<key>、マイク・ポーカロ<b>、スティーヴ・ルカサー<g>、サイモン・フィリップス<ds>の5人。長年籍を置いてきたコロムビア・レコードを離れ、本作はキャピトル・レコード傘下のCMCから発売された。

Falling in Between(フォーリング イン ビトゥイーン)

01. Falling in Between
02. Dying on My Feet
03. Bottom of Your Soul
04. King of the World
05. Hooked
06. Simple Life
07. Taint Your World
08. Let It Go
09. Spiritual Man
10. No End in Sight
11. The Reeferman (US, Canadian and Japanese bonus track)

2006年リリース。スタジオ・アルバムとしては『マインドフィールズ』(1999年)以来7年ぶりの作品。マイケル・ジャクソンをはじめ、多くの大物アーティストのバックで活躍し、TOTOでもサポート・メンバーとしてに関わっていたキーボーディストのグレッグ・フィリンゲインズが正式メンバーとして加入し、既にツアーからの引退を表明していたデヴィッド・ペイチも曲作りやレコーディングには全面参加した。シカゴのジェイソン・シェフ、ジェスロ・タルのイアン・アンダーソン等、多くのゲスト・ミュージシャンを迎えて制作された。
そしてこの頃、ベースのマイク・ポーカロがALS(筋萎縮性側索硬化症)を発病。アルバム制作には参加できたが、ツアーに出る力はなく、松任谷由実のバックでもお馴染みの凄腕ベーシスト、リーランド・スカラーが代役を務めた。デヴィッド・ペイチもツアー不参加、オリジナルメンバーはルカサーとキンボールだけというツアーになり、彼らにはバンドを続けていく力がなくなった。そして2008年、TOTOはその長い歴史に幕を下ろした。

Toto XIV(XIV~聖剣の絆)

01. Running Out of Time
02. Burn
03. Holy War
04. 21st Century Blues
05. Orphan
06. Unknown Soldier (For Jeffrey)
07. The Little Things
08. Chinatown
09. All the Tears That Shine
10. Fortune
11. Great Expectations

2015年リリース。前作2006年のアルバム『Falling In Between』から実に9年振りとなる新作。
2008年に解散していたTOTOだが、その後、マイク・ポーカロ闘病を支援すべく、闘病生活の資金援助と難病研究への寄付を目的として2010年に期間限定という前提で再結成し、ジョセフ・ウィリアムスとスティーブ・ポーカロがメンバーに復帰、ワールドツアーを行った。当初はスタジオ・オリジナル作品の制作は考えていなかったというが、マネージャーがオリジナル作品制作の契約をレーベルと行っていたことが後に発覚、「それならば最高のものを」ということで2014年より制作が開始された。スティーブがスタジオ・アルバムに全面参加するのは1986年の『Fahrenheit』以来。ジョセフにとっても88年のアルバム『The Seventh One』以来となる。アルバムには、1982年の『TOTO IV 〜聖なる剣〜』を最後に脱退した初代ベーシストのデヴィッド・ハンゲイトが全曲ではないものの4曲で参加している。またドラマのキース・カーロックはサイモン・フィリップの後任として2014年に参加したドラマー。Steely Danの2000年以降のアルバムやDonald Fagenのソロ・アルバムでドラマーを担当した実力派である。
このアルバムが発売される数日前の2015年3月15日、マイク・ポーカロはALSのため死去した。

40 Trips Around the Sun

01. Alone(新曲)
02. Spanish Sea(新曲)
03. I'll Supply The Love
04. I'll Be Over You
05. Stranger In Town
06. 99
07. Struck By Lightning(新曲)
08. Pamela
09. Afraid Of Love
10. I Won't Hold You Back
11. Jake To The Bone
12. Stop Loving You
13. Lea
14. Hold The Line
15. George Porgy
16. Rosanna
17. Africa

2018年、デビュー40周年記念リリース。メンバーが書き下ろした楽曲と、今は亡きジェフ・ポーカロらが遺したマルチトラック音源を使用/再構築して完成させた新曲3曲を含むベストアルバム。新たにリマスターされた往年のヒット曲は、グラミー賞とエミー賞の受章歴を誇るレコーディング・エンジニア/プロデューサーのエリオット・シャイナーと、同じく数度のグラミー受賞歴を誇るマスタリング・エンジニアのギャビン・ルアーズセンが率いるチームがその工程を手がけ、それをTOTOのスティーヴ・ルカサー、デヴィッド・ペイチ、スティーヴ・ポーカロ、ジョセフ・ウィリアムズがスタジオに入ってまとめ上げた。新曲は「Spanish Sea」 「Alone」 「Struck By Lightning」の3曲。TOTOの全米ナンバー1ヒット曲「Africa 」と同じリズムの曲「Spanish Sea」は、ソニーのアーカイヴの中から発見された。ジェフ・ポーカロ(Dr.)とマイク・ポーカロ(Ba.)をフィーチャーしたいくつかの未完成トラックの中からの一曲を使用し、再構築された新曲。
アルバムタイトルの『40 Trips Around the Sun』とは、太陽を周る40回のトリップという意味で、地球は一年かけて太陽を一周することにかけて、40周年の旅を意味している。

Old Is New

01. Alone (previously on 40 Trips Around the Sun)
02. Devil's Tower
03. Fearful Heart
04. Spanish Sea (previously on 40 Trips Around the Sun)
05. In a Little While
06. Chelsea
07. Chase the Rain
08. Oh Why?
09. Struck by Lightning (previously on 40 Trips Around the Sun)
10. We'll Keep On Running (featuring What So Not )

2018年にデビュー40周年を記念して発売されたTOTOの31枚組ボックス・セット『All In 1978 - 2018』、その中でも目玉とされていた、全10曲からなる新録ディスク『Old Is New』の単体リリース収録10曲が全て新曲で構成されており、5曲はバンドが40周年に向けて2017年に書き下ろしたもの。そのうち「ALONE」「SPANISH SEA」「STRUCK BY LIGHTNING」の3曲は『40トリップス・アラウンド・ザ・サン』からの再集録である。残る5曲は、1981年から1984年にかけての未完のレコーディング・セッション音源に、メンバーが新たなセクションを書き加え、追加録音を行って完成させたもの。つまり、全盛期のジェフ・ポーカロ、マイク・ポーカロ、デヴィッド・ハンゲイト(更には当時20代だった自分達)のプレイにあわせて2017年のスティーヴ・ルカサーやデヴィッド・ペイチ、スティーヴ・ポーカロらが新たに重ねてプレイしている。「DEVIL’S TOWER」は、全盛期のジェフ・ポーカロとデヴィッド・ハンゲイトの演奏が聴ける、最も古い楽曲の一つ。原曲のドラム、ベース、ピアノ、オルガンとエレキ・ギターは1981年の録音のまま残っており、ヴォーカルとギターが新しく足されている。冒頭からバンドの初期のサウンドを彷彿とさせつつも、曲が進むにつれてより現代的なサウンドになっていく。ジェフ、マイク、スティーヴのポーカロ3兄弟が時空を超えて集結した「Fearful Heart」「Oh Why」など、ファンには涙モノの”新曲”が並ぶ。また2019年に全世界配信リリースされた「Chelsea」や、ベースミュージック界の風雲児ホワット・ソー・ノットやスクリレックスとの異色コラボ「We Keep On Running」も収録されている。

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