虎と狼(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『虎と狼』とは2009年から2012年の3年間神尾葉子が『別冊マーガレット』で連載した青春ストーリーである。「ひまわり食堂」を切り盛りするヒロイン鳥沢美以(とりさわ みい)と、客としてやってきた男2人、大上謙(オオカミ)と千谷虎次(トラ)の3人が織りなす青春ストーリーである。冷酷なオオカミと優しいトラは対照的な二人であるが、美以の人生に様々な影響を及ぼし彼女を成長させてゆく。

ひまわり食堂を50年間切り盛りする。美以のおばあちゃんで、優しい孫想いな人。美以がひまわり食堂をずっと手伝ってくれることに感謝している。ひまわり食堂が閉店したときには、美以の幸せを願い「普通の高校生のような時間を過ごしていいんだよ」と美以を思ってくれた。美以がトラとオオカミのことをBLブログに書いていることを知っている。

学園の先生たち

千谷虎次 (せんごく とらじ)

通称・トラ。日本画を描くのが得意で、一度絵に取り掛かると食べることを忘れるほどの集中力を持つ。その為、何日も食べずにいたせいで倒れてしまい、オオカミにひまわり食堂へ連れていってもらう。その時からひまわり食堂の料理を好み、足繫くひまわり食堂に通うようになる。絵を描きながら食べていくために美以の学園の美術教師になった。いつも笑顔で柔らかい雰囲気は、生徒から人気が高い。特に女子生徒から人気で、顧問になった美術部には入部希望の女子たちが殺到していた。人から好かれやすく、トラに恋をしてきた女の子はたくさんいた。しかし、恋をする気持ちがわからない為、好意の気持ちを受け取るということを知らなかった。八戸弥生がトラに告白したときも、トラはそれを「10代にありがちな感情」だと軽く受け流してしまった。それを聞いた美以から「人の気持ちが分からないひとに誰かの心を打つような絵なんて描けない!」と一喝される。このことがきっかけで、人からの気持ちを受けとることを学んだ。オオカミとは小学生の頃から仲が良く、ずっと一緒に過ごしてきた。いつも自分の為に行動してくれるオオカミに感謝をしているものの、オオカミにも自分のやりたいことを見つけてほしいと願っている。

大上謙 (おおかみ けん)

通称・オオカミ。口が悪い。初めてひまわり食堂にトラを連れてきたときは、古くて小さなひまわり食堂の事を馬鹿にしていた。その理由は、幼い頃に両親が離婚し、母親の手料理を食べたことがないからである。だから手作りの料理を気持ち悪がりサプリメントばかり摂取していた。大手建設会社社長の父親とは跡継ぎのことでよく揉めており、家庭環境もあまりよくない。そのことを知った美以が「料理をつくることの真心」を伝えるためにあえてオオカミにひまわり食堂の料理を食べさせる。美以の熱い思いに感化され、ひまわり食堂の料理を食べられるようになった。トラと同様ひまわり食堂の常連客になる。幼い頃からトラと一緒にいて、トラを取り巻く数々の困難からトラを守ってきた。トラを守るため、そして跡継ぎを1年間放棄する代わりに、美以の学園の地学教師になった。美以のクラスの担任にもなる。面倒くさいといいながら教師を続けているが、徐々に生徒たちと打ち解けるようになり、人気者の先生になった。小谷紅子の嫌がらせが続いた時には、美以を庇いそのことで学園を辞めることになる。美以に特別な感情を抱くようになり、その気持ちが恋だとは気付かなかったが、美以からの告白で彼女への恋心を自覚する。口は悪いが、根は優しい。泣いている女が大の苦手である。

森下(もりした)

トラとオオカミと同期の教師。生徒に名前を呼んでもらっただけで生徒と気持ちが通じあうと信じている。飲み会の席でオオカミにこのことを話すが馬鹿にされ、相手にしてもらえなかった。しかし、オオカミが美以と学園の資料室に閉じ込められた時、オオカミはこの森下が言った「名前を呼ぶと気持ちが通じ合う」という言葉を思い出した。だから、暗所恐怖症で苦しむ美以の名前をオオカミは必死に叫んだ。

東山(ひがしやま)

トラとオオカミと同期の体育教師。担当が体育なため、生徒たちの体力がないのを気にしている。そんな心配もあり、生徒たちの体力アップを目標にし林間学校では山登りのゲームを考案する。しかし東山の熱意は残念ながら生徒たちには届かず、山登りにブーイングする生徒が多かった。

学園の友達

八戸弥生(はちのへ やよい)

芸術的なセンスを抜群に持ち、絵を描くのが上手い。家は豪邸であり、数々の美術作品を所有している。弥生の父がひまわり食堂の料理を絶賛したことで、美以のことを知り美術部の入部をきっかけに美以と話すようになる。トラの日本画を尊敬し、それと同時にトラにも好意を抱く。積極的な弥生はトラを美術展の展覧に誘い、2人はデートをすることなる。弥生の恋心は、ほかの女子とは違い本気なものだった。意を決してトラに告白するがフラれてしまう。美以は、弥生に「トラが人の気持ちを受け取れない人」だということを伝えられなかったが、弥生が告白した後美以はそのことを弥生に話す。初めて本音で話すことのできた美以は、弥生と本当の友達になる。コスプレが好きで、トラに振られて元気のなかった美以にコスプレをして渋谷へ遊びにいこうと提案する。紅子の嫌がらせが続いた時も、弥生は美以を心配し、クラスは違うが美以と一緒にいてくれた。

関獅子雄(せき ししお)

不登校児。学校がつまらない、という理由でサボっていたが、オオカミに「退学したければすればいい」と教師らしからぬ説得にオオカミに興味を抱く。また、渋谷でカツアゲから助けた女の子が美以であることと、美以がオオカミと仲が良いことに興味を持った獅子雄は、学校へ来るようになる。明るい性格で、渋谷には友達が大勢いる。美以が紅子の嫌がらせで、トラとオオカミから離れひまわり食堂も閉店というなにもかもなくした美以に、獅子雄は優しく接した。美以のことを本気で好きになり告白をする。しかしオオカミのことを好きな美以に気が付き潔く身を引く。

河田 (かわた)

美以のクラスメイト。家がお金持ちで、トラブルを起こしてはお金で解決してきた。オオカミの生徒への厳しい指導が気に入らず、オオカミと美以を資料室に閉じ込めた張本人。カラオケボックスで、今までつるんでいた生徒と喧嘩をし、それをきっかけに周りから人が離れていき、孤立することになった。孤立したままの林間学校で、美以が河田の怪我を手当したことで改心する。それ以降美以のことを気に入っている。

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