花のち晴れ〜花男 Next Season〜(花晴れ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『花のち晴れ〜花男 Next Season〜(花晴れ)』とは、神尾葉子の漫画『花より男子』の続編として、2015年から『少年ジャンプ+』で連載されていた漫画である。2018年にはドラマ化もされた。
F4卒業から2年後の英徳学園を舞台に、学園に相応しくない資産状況の生徒を追放する「C5(コレクト5)」のリーダー神楽木晴(かぐらぎ はると)と、元社長令嬢で現在は庶民の主人公・江戸川音(えどがわ おと)を中心としたラブコメディーだ。
『花男』と同一世界の物語のため、前作のキャラクターも登場する。

『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』の概要

『花のち晴れ〜花男 Next Season〜(花晴れ)』とは、神尾葉子の漫画『花より男子』の続編として、2015年から『少年ジャンプ+』で連載されていた漫画である。2018年にはドラマ化もされた。
『花男』連載終了から11年経過しての連載スタートだったが、作者の神尾が前作で描ききれなかったことを描くことと、あまり時が経っていない方がフレッシュな感じがあるため、F4卒業から2年後の設定にしている。
F4卒業から2年後の英徳学園を舞台に、学園に相応しくない資産状況の生徒を追放する「C5(コレクト5)」のリーダー神楽木晴(かぐらぎ はると)と、元社長令嬢で現在は庶民の主人公・江戸川音(えどがわ おと)を中心としたラブコメディーだ。
『花男』と同一世界の物語のため、前作のキャラクターも登場する。

『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』のあらすじ・ストーリー

音とC5(コレクトファイブ)の出会い

江戸川音(左)と神楽木晴(右)

F4が英徳学園を卒業して2年が経った。学園はF4によるいじめが原因で多くの退学者を出したことによる悪評と、ライバル校の桃乃園学院の勢いにより、入学希望者が激減して財産難に陥っていた。そんな中、C5(コレクトファイブ)と呼ばれる5人組が誕生する。C5は、寄付金、授業料などを滞納している生徒を強制退学させて英徳の品位を正す活動と称し、「庶民狩り」を楽しんでいた。
C5の中心になっていたのが主人公の神楽木晴(かぐらぎ はると)だ。『花より男子』に登場していたF4のことを尊敬しており、特に道場寺司(どうみょうじ つかさ)に対しては大きな憧れを持っており、それが英徳学園を守るための原動力となっていた。
もう1人の主人公は江戸川音(えどがわ おと)。父親は一代で化粧品会社を築き上げた社長だったが、業績不振のため倒産し、行方不明になってしまう。現在は母親と共にアパートに住む庶民暮らしだ。どうして庶民暮らしを隠してまで英徳学園に在籍しているかというと、ITグループ「HASE LIVE」御曹司の馳天馬(はせ てんま)と許婚の関係で、天馬の母の遺言で「音が英徳学園を卒業する」と条件を出されていたからだった。そのため、音は家計が苦しくてもアルバイトをして、その条件をクリアしようとしていた。
ある日、音は学園からの帰り道に車に轢かれそうになるが、その車に乗っていたのがC5だった。自分が貧乏人だと知られれば学園を追い出されてしまうと焦る音は、猛ダッシュでその場を逃げ出す。その日の夜、通販が趣味の晴が、執事の小林が怪我したため自分でコンビニに受け取りに行くことになった。変装してコンビニを訪れた晴は、レジにいた音とばったり顔を合わせてしまう。お互いに秘密がバレたと焦る晴と音。音に弱みを握られた晴は、C5メンバーの1人、成宮一茶(なるみや いっさ)のアドバイスで音を自分に惚れさせて言うことを聞かせようと画策する。
自宅のバーベキューパーティーに、音と音のバイト仲間の紺野、紺野の彼氏を招待した晴だったが、2人への無礼な態度に激怒した音は晴を殴ってしまう。思いもよらない音の行動に放心状態だったが我に返った晴は「音をボコボコにする」と意気込み、C5のメンバー平海斗(たいら かいと)と共に音の働くコンビニ前で音を監視する。
バイトを終えて家に帰ろうとする音を尾行しようとする晴だったが、以前から音に目をつけていたバイト仲間の前野が公園で音を襲おうとした。それを見て思わず助けに入ってしまう晴だったが、前野を追い払い、涙ぐむ音に心にもない暴言を吐いてしまう。音は晴の言動や尾行していたことに怒り、ふたりは口喧嘩をしたまま別れる。しかし、音は晴の自宅を訪ね、助けてくれたことのお礼を言う。音の誠実さを直視した晴は恋に落ちるのだった。

晴の恋路

音に恋をした晴だったが、音に婚約者がいることを知り、素直になれず悪態をついてしまう。そんな中、音の婚約者がライバル校の桃乃園学院の生徒会長、天馬であることがわかる。その翌日、音の顔写真がついた「ド庶民は出て行け」というビラが学園中にまかれた。ビラをまいたのは晴に好意を持っているC5の愛莉だった。
音をターゲットにした庶民狩りが始まった。音はバケツの汚水をかけられ、男子に殴られる。音は英徳学園をやめる決意をしていたが、そんな音を助けたのは天馬だった。音の名前で5000万を英徳学園に寄付したのだ。天馬は晴に「音に同じことをやったらひねりつぶす。江戸川音の婚約者として」と宣言した。
晴は大事をとって入院した音を訪ね、「俺のせいだ、ごめん。気が済むまで何度でも殴っていい」と謝罪する。音は晴のことを少し見直し、ふたりの距離が少し縮まるのだった。

音に恋をする晴の前に、西留めぐみという女性が現れる。ホテルチェーンを有する会社の令嬢で、「メグリン」という名義でファッションモデルをしている人気者だ。偶然晴と出会っためぐみは彼を気に入り、音はそんなふたりの様子を見てモヤモヤした気持ちを抱える。バイト仲間の紺野に「それはやきもちだ」と指摘されるが、自分の気持ちを認めることができない。
音が天馬と水族館デートをしていると、モデルの撮影に来ていためぐみに出会う。音に彼氏がいることを知っためぐみは自分が晴を好きになってもいいか音に尋ね、音は「自分と晴は無関係」と答える。それを聞いていた天馬は音のことを気遣い、音は天馬の優しさに応えようと、正式に天馬に交際を申し込んだ。

遊園地デート

ある日、音と天馬は遊園地でデートをすることになるが、なんと同じ日に同じ場所で晴とめぐみもデートをしていた。めぐみがダブルデートを提案したことで、4人で行動することになる。晴は天馬に対して敵意剥き出しで勝負を仕掛けるがあっさり負けてしまい、逆に「音は渡さない」と天馬から宣言されてしまう。
観覧車に向かった4人だったが、天馬がほどけた靴紐を結び直してる間にぼんやりしていた晴が先に観覧車に乗り込み、晴と音は思いがけず2人きりになってしまう。
観覧車の中ではめぐみのことで言い合いになり、晴は自分の想いを告白しようとしたのだが、事故で観覧車が緊急停止してしまう。他のゴンドラに乗っていた子供が観覧車から投げ出されそうになり、とっさに母親が掴んだものの、宙ぶらりん状態になってしまった。それを見た晴は恐怖を堪えて助けに行く。子供は助かったが晴は手を滑らせて落下し、天馬の指示で用意されていたマットレスの上に落ちた。
その姿を見ためぐみは晴に「付き合ってほしい」と申し込む。一方、音は観覧車の中での告白めいたものが気になり、晴の家を訪ねて自分を好きなのか確かめる。晴は想いを告白するが、音は「ありがとう」と告げてきっぱりと断った。

英徳狩り

数日後、英徳の生徒が街中でヤンキー風の男達に脅されペンキをかけられるなどの暴行事件が連続して起き、「英徳狩り」と呼ばれる騒ぎになる。音もペンキを吹きかけられて目を痛めてしまうが、そこで街を巡回していた桃乃園学院の生徒会副会長である近衛に助けられる。
音は病院で手当を受け、近衛からの連絡で駆けつけた天馬は音を心配して桃乃園学院への転入を勧める。英徳のために多くの努力をしていた晴を知る音は、晴のために転入することを迷っていた。しかし晴から受けた暴言がきっかけで桃乃園学院に転入することを宣言してしまう。母親に桃乃園学院への転入はあっさり却下されるのだが、音のもとに近衛から制服が送られてきていたため、音は転入しないことを告げようと近衛のマンションを訪ねる。音はそこで、近衛が自分を襲った男達に金を渡す姿を見てしまった。音が近衛を問い詰めるとが、「音は天馬に相応しくない」と断言されてしまう。音が真実を話そうと天馬の家を訪れると、そこには近衛の姿があった。音は近衛の前で天馬に「自分を襲わせたのは近衛だ」と告げると、天馬は自分を慕っている近衛が犯人とは信じなかった。
事を知った晴は天馬に激怒し、音は無条件に自分を信じる晴に涙ぐんでしまう。晴は音が桃乃園学院への転入をやめたことを告げられ、気持ちが昂った晴は思わず音を抱きしめる。そこに音を追ってきていた天馬が現れる。晴は怒りが抑えられず、「晴を叩き潰す」と音に告げる。こうして晴と天馬は勝負をすることになった。

勝負の1種目目、柔道では晴は天馬に手も足も出ず負けてしまう。しかし紺野から音に送られてきた、近衛が英徳狩りの犯人である証拠の動画を見た天馬はひどく動揺し、2種目目の弓道であっさりと晴に負けてしまう。天馬はその場に現れた近衛に怒りを爆発させ、「二度と自分の前に現れるな」と近衛に絶縁を宣言して残りの勝負を棄権してしまった。結果、勝負は晴の勝ちとなった。
その後、音は京都にある天馬の家を訪ねる。音を信じられなかった天馬は、「自分と別れて親同士が決めた許婚から自由になれ」と音に告げる。そこに近衛を叩きのめした男達現れ、天馬は音を庇って刺されてしまう。天馬は救急搬送され、音は天馬に付き添って病院へ向かった。
四条大橋では音と会うことを約束した晴が音を待っていたが、音は天馬の側を離れることができない。音は通りがかったタクシー運転手に晴へのメッセージを託したが、それが晴の手に渡ることはなかった。
音が天馬に付き添っていることを晴は知ることもなく、連絡一つない音に絶望し、音への想いを終わらせることを決意した。

ふたりきりの海

天馬は京都で療養することになり、音もそのまま付き添うことになった。新年を迎え、さらに半年が過ぎた頃、回復した天馬は京都から東京へ戻る。天馬は晴に会いに行き、音と別れたことを伝えたが、それに対して晴は態度を変えることはなかった。
音も東京へ戻って久々に英徳学園に行き、愛莉に誘われて桃乃園学院と合同のサマースクールに出かけることになった。久々に会った晴は音に冷たい態度を取る。
晴と音はたまたま同じ船に乗り合わせ、シュノーケリングコースに向かう。しかし手違いが起きて船が行ってしまい、海の真ん中で置き去りにされてしまう。音と晴がふたりきりになっても晴の態度は冷たい。しかし、徐々に手足の感覚がなくなり沈みそうになる音を晴は引き上げ、抱きしめて救助を待つことになる。音は天馬の怪我が原因で待ち合わせの場所に行けなかったことを謝罪し、意識を失う。
音はホテルのベッドで目を覚ます。晴も無事だった。天馬は危険な目に遭わせたことを謝り、音を救ってくれた晴にもお礼を言った。

晴の窮地

回復した晴は執事の小林から緊急の用件で呼び出され、すぐに帰ることになる。音は助けてもらったお礼と、この先晴に困った時があれば助けることを伝えた。
自宅に戻った晴だったが、門が開かない。すると涙ぐみながら現れた小林からタブレットを渡されて、動画を見るように言われる。動画に映っていたのは晴の父だった。息子の能力を見限り、新たに自分の後継者として養子縁組をすると語り、晴に家を出て行くように告げる動画だった。そんな晴の前に現れたのが景(けい)・ウインザーと名乗る男だった。景は晴を気にも留めず、小林を連れてその場を去ってしまう。
音が予定を繰り上げて帰宅したことを紺野に連絡すると、なぜかバイト先に晴がいることを聞き、慌てて駆けつけた。晴は「人生で一番困った事態だ」と語り、音に「家に泊めてくれ」と頼まれる。音は事情がわからないまま晴を連れて帰った。家で事情を聞いた音は晴の父の行動に納得できず、晴をそのまま家に泊めることになる。
翌日、音のバイト先に景が現れた。「安易に彼を甘やかす環境を作ってはいけないから」と言う景は晴に会いたがるが、音はバッサリと断った。ふたりがそんなやり取りをしていると、店長が売れ残りの商品について悩んでいた。景がアドバイスをすると、その商品は順調に売れ始める。それを見ていた音は晴には勝ち目が薄いような気がするのだった。景は店長の希望でコンビニのアドバイザーをすることになった。
音は自宅で晴と過ごす穏やかな時間に喜びを感じていた。音の自宅で晴は誕生日を迎え、ふざけあっているうちに唇が触れ合う。ふたりが焦っていると、愛莉が泣きじゃくりながら突然訪ねてきた。心配する音と晴だが、愛莉は訳を話そうとしない。

晴は愛莉の自宅に身を寄せていたが、そこに神楽木家を辞めた小林がやって来た。景から晴が大事にしていた司の写真を廃棄するように指示され、それを拒否した小林は神楽木家を出てきたのだ。晴は自分だけでなく小林までも追い出した景に怒り心頭で家を飛び出した。
晴が景を探している時、音は店長の指示で景と買い物に出ていた。店に戻る途中、晴の姿を見つけた景はわざと音と親しげな素振りをして、その姿を見て晴はショックを受けてしまう。晴は景に小林を辞めさせないように伝え、その場を後にしようとするが、音が景との状況を晴に伝えようとする姿に怒鳴ってしまう。晴の言葉に傷ついた音が公園で涙を流していると、景は優しい言葉で音を手懐けようとする。
景は幼い頃に母を亡くして里親のもとで暮らしていたが、そこで虐められていた。そんな時にクリスマスに何でも買ってもらえる男の子を見て「自分もそうなりたい」と思いながら見つめていると、その子の父親に「社会の底辺」と言われて追い払われ、とても傷ついたという経験をしていた。その男の子というのが晴だった。景は晴から全てを奪おうと神楽木家に現れ、その「全て」の中に音のことも含まれていた。
音が公園を出て一人家に帰ろうと歩いていると海斗に会い、そこで初めて愛莉が天馬を好きだということを知る。音は愛莉の変化に気付けなかった自分を責めるが、そこへ再び景がやってきて、「自分と一緒にアメリカへ行こう」と音を誘う。景の思惑を知る由もない音は、自分のせいで周りを傷つけているんだと思い、どこかへ逃げたいと考えるようになる。
神楽木家に戻った小林は景の荷物の中に晴や晴の父親、音のことなどに関するデータを見つけて驚き、晴のもとに駆けつける。そこで晴は景には理由があって神楽木家に入り込んだことを知る。
音はアメリカに行くことを決意し、空港へ向かう。「もう一度晴に会いたい」と思い引き返そうとするが、それを景に止められてしまい、景は音を無理矢理にでも連れて行こうとした。そこに晴が現れて音を引き離し、景の計画が全て破綻したことを告げる。結果、景は一人でアメリカに行くことになるのだが、書類が見つかってしまったことに焦る様子もなく平然としていた。

F4登場

晴と音はこれまでの行き違いを話し、仲直りしようとするが、そこに伝説のF4の総二郎とあきらが揃って現れる。オーラに圧倒される2人だが、総二郎に自分のリムジンに乗るように勧められる。晴は司の近況を聞き、世界で活躍している司と自分との間に埋められない差を感じてしまう。そんな気持ちを察した総二郎はあきらの家に連れて行き、東屋に晴と音を閉じ込めて鍵をかけてしまった。思いがけずふたりきりになってしまった音は、「自分に嘘をつくのはやめよう」と晴に精一杯の想いを伝える。晴も抑えられない想いが溢れて音を抱きしめた。ようやくふたりの気持ちが通じ合ったのであった。

晴はようやく自宅に戻ったが、そこで荷物を片付けていた景と遭遇する。景の計画は全て晴の父親に利用されていたと判明したが、景は意外にもそれについてはサバサバした様子で晴とのわだかまりも消え、笑顔でアメリカへ帰って行った。
一方、音は母親から、天馬の親から婚約破棄についての話し合いを求められていることを聞かされる。両家の話し合いの席で、音は天馬の父から婚約解消の理由を聞かれ、自分に好きな人ができたことを告げる。天馬の父親は音の幸せを願って婚約解消を受け入れた。
天馬は幼い頃からの音への想いが止められずにいたが、音のために必死に音を遠ざける。音は自分の行動で周りを傷つけてしまうことに胸の痛みを感じていた。
晴から夏祭りに誘われた音はデートに出かけるが、胸の痛みは消えず、心から楽しむことが出来ない。天馬とのことが音の胸をつかえていることを知った晴は「そんな音が好きだ」と告げ、「自分との思い出を作っていこう」と伝えたのだった。
桃乃園学院ではアメリカのロサンゼルスに姉妹校を開校することになる。天馬はそこへ編入を申し入れ、アメリカへ行くことになった。音とのことでけじめをつけようと天馬の家を訪れた晴は、「自分がアメリカに行くことを音に言わないでほしい」と天馬に頼まれてしまう。しかし、晴は自分の立場なら最後に音に会いたいと思うはずと考え、晴は音を一人車に乗せて空港へ向かわせる。
搭乗口へ向かう天馬と会うことが出来た音は涙を浮かべる。そんな音を見た天馬は「笑ってほしい」「音の笑った顔が好きだった」と伝え、音は「次に会った時は笑顔で迎える」と約束し、ふたりは別れた。

晴と雨依

晴と音がイマイチ進展していないと考えた愛莉が、音を別荘へ連れ出した。一人取り残された音の元へ、「緊急事態」と言って呼びつけられた晴がやってくる。意図せずふたりきりになると気まずい空気が流れるが、音はここで晴への気持ちを伝えようと決める。しかし言おうとした瞬間にお腹が鳴ってしまい、食料がないかと探している中の会話で、晴からめぐみのエピソードを聞かされヤキモチを妬いてしまう。晴は音の気持ちが分からないことや、自分を選んでくれたことが間違ってるんじゃないかと自信がなくなることを伝える。音は自分の気持ちを伝えようとするが、「無理するな」と気を遣われてしまう。
その空気が嫌になった音は土砂降りにも関わらず外へ飛び出す。追いかけてきた晴に、音は妬いて当たったことや、不安な気持ちにさせたことの謝罪、そして晴を好きな気持ちを伝えた。その言葉を噛み締めた晴は音を強く抱きしめた。
別荘へ戻った音が風呂から上がると、晴がC5が壁に書いた落書きを発見していた。その中にC5のメンバーにはいない名前があったが、晴の記憶にはなかった。晴は気にすることなく、音の母親に挨拶することを提案し、ふたりは唇を重ねる。

別荘から戻ったある日、晴と音の前に雨依という少女が現れた。笑顔で晴に抱きつく雨依を叩き落とす晴だったが、彼女は晴の初恋の相手で、C5の幼なじみだということと、別荘での落書きが彼女のものだったということが判明する。晴と音、愛莉と海斗でダブルデートすることになった日、雨依と会った音は強引にお願いをされ、彼女を連れて行くことになった。
ボートで晴と雨依はふたりきりになり、音は愛莉から雨依の病気を患っていたこと等を教えられる。

最悪の挨拶

音の父親が晴に会うことになった。音の家では晴を迎えるために準備していたのだが、晴は音の家に向かう途中で雨依に出くわしていた。雨依は晴のことが忘れられないことを伝え、そのまま体調が悪くなって倒れてしまった。病院に付き添うことになった晴は音へ連絡を入れ、約束の時間から4時間経ってやっと晴の家に現れた。音の父親は「外で話そう」と言って晴を連れ出す。
音の父親は晴に、「音のことをどれぐらい分かっているのか」「これまで何かを欲しがったことはなく、人のために大切なものを手放す子だ」と諭す。帰り道、その言葉の意味に晴が悩んでいると、雨依が道の途中で晴を待っていた。雨依に抱きつかれた晴だったが、あの頃の気持ちを雨依に伝えながらも約束を守れなかったことを謝った。音はそれを目撃してしまい、晴にとって雨依は大切な人だということを実感し、その場を去るのだった。そんな時、音のスマホに天馬からビデオレターが届く。
次の日から学校へ来なくなった音を晴は心配していたが、その頃、音はロサンゼルスの天馬の元を訪れていた。そのことを桃乃園学院ロサンゼルス校のテレビ中継で知った晴はその足でロサンゼルスへと飛んだ。現地についた晴はすぐ桃乃園学院へ向かったが、校門で大暴れしてしまったせいで大使館へと連れて行かれ、音と天馬が迎えにきた。
その日の夜、晴が泊まっているホテルで、天馬のことになると感情が高ぶってしまうことや、そんな自分を止められないことを音に伝えると、そんな晴を愛おしく思う音は大好きだということを伝え、一緒のベッドで眠りについた。

つくし登場

晴と音はロサンゼルスでデートを楽しんでいた。そんなふたりの耳に、女性の叫び声が飛び込んでくる。彼女は海に何かを叫んでいるようだった。叫んでいた女性が振り返り、晴はその顔を見た瞬間声を上げてしまった。牧野つくしだったからだ。
つくしは晴と音が英徳学園の生徒だと聞き、晴がC5だということも知らずに、学校での生活を心配する。しかしゆっくり話をする間もなく、つくしは「戻らなければいけない」と言って去って行った。
翌日、天馬から「ロサンゼルスでお世話になっている人の所へ行く」と言われ晴と音はある女性に引き合わされる。その女性はなんと道明寺司の姉、道明寺椿だった。そこでつくしとも再会し、つくしは晴がC5だというのを知る。つくしは花嫁修行を頑張っているようだったが、とても疲れている様子に音は心配する。
晴と音は天馬にお別れして日本へ帰ったが、帰りのプライペートジェットの中にはつくしの姿があった。晴は音の両親に会いに行くため音の家へ向かうのだが、花嫁修行から逃げてきてしまったつくしは行く場所もなく、音の家へ一緒について行くことになった。晴は憧れの司の彼女であるにも関わらず花嫁修行から逃げてきたつくしを「ショボくれてる」「かっこいい女だと思っていたのに」と言い放つ。つくしは今もまだ道明寺家から試されてることにくじけそうになることをふたりに話した。そんな時、一人の男がつくしを迎えに来た。F4の一人である花沢類だ。晴が驚くのも束の間、音の両親が帰ってきた。
両親は家族3人で九州で暮らすことを望んでおり、それを晴に伝える。そのことを知らなかった音は驚くが、父親が家族との望んでいたことを知っていたからこそ、受け入れるしかなかった。
つくしは音の気持ちも察して、ふたりでいることが必要なこと、離れない方がいいことを伝える。選択肢がないと思っていた音はつくしの言葉に背中を押され、残ることを決意した。晴とふたりで両親に東京に残ることを伝え、認めてもらうのであった。

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