珈琲いかがでしょう(漫画・アニメ・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『珈琲いかがでしょう』とは、2014年から2015年にかけコナリミサトが『WEBコミックEDEN』で連載していた青年漫画、およびそれを原作としたアニメやドラマ作品。移動珈琲屋を経営する青山一が、家庭や性格に問題を抱えた人と出会い、こだわりの珈琲でおもてなしすることで心を通わせていく。物語が進行するにつれ、人の良さそうな青山一の驚くような過去が明かされていく。2021年4月からテレビドラマ化され話題になった。

ほるもん珈琲

車に三平が居座り、三平と垣根志麻とドライブに行くことになった青山。元やくざの三平は、青山の過去を話したり、垣根志麻に危害を加えるのではないかとひやひやした青山。垣根志麻に「無事に送り届ける」と伝える。三平は、垣根志麻に青山の過去を語りだす。かつて三平と青山は、清掃業の仕事をしていたと語り出す。実際には清掃業とは、暴力で上層部が必要ないと判断した人物の始末に行くという仕事を揶揄した言葉。過去の凶暴な青山に憧れた三平は、青山を兄貴と呼びに一生ついていこうと決心するのだった。しかし青山は、珈琲という宗教と出会ったことで、状況が一変。ヤクザ組長を殺し金を横領して逃げ、そのお金で移動販売車を購入したと明かす。垣根志麻は青山に「嘘ではないか」と尋ねるも、青山は「全て本当だ」と否定しなかった。

たこ珈琲

青山が「ひどい男だ」と暴言を吐き続ける三平。それはまるで誰かに言い聞かせている様子だった。三平は自分の足をナイフで刺し、あたかも青山に刺されたようなセリフを吐きながら、自ら車から転げ落ちていく。三平は自分の血を使い字を書き、車に盗聴器が仕掛けられていることを青山に教える。後ろからヤクザが青山を追いかけていたのだった。三平はたこじいさんの奥さんのことを知っている可能性のあるたこの孫の住所が書かれた紙を手渡し、去っていく。三平は、青山を守ろうとしていたのだった。混乱する青山に、垣根志麻はパーキングエリアで珈琲を飲もうと提案する。青山はかつてホームレスだったたこじいさんに珈琲について学んでいた。ホームレスでありながら前向きに生き、仲間からも慕われていたたこは、青山の心の支えだった。青山が街を転々としているのは、たこじいさんのコーヒーを多くの人に飲んでほしいからという理由とのたれ死んだ身元不明のたこの骨を奥さんと同じ墓に入れたいと思っていたからだった。

ちゃんと珈琲

垣根志麻を乗せたまま、サービスエリアで休憩する青山。突然子供を探す母親が、青山の車を叩いた。子供はすぐに見つかるが、母親が終始辛そうにしており、「夢の国ティス二ーに行く」という母子に違和感を感じる青山。実は母親は夫のモラハラから逃げるため、子供を連れて死のうとしていた。妻として母として娘として完璧に振る舞わないといけないと思いこみ、夫だけでなく実家の母親にも理解されず苦しんでいたのだった。自分の母親も無理やり笑顔で自分に接し、心を壊してしまった。女性を重ね合わせた青山は、「ちゃんとしなくていい」と説得のうえ母子を救う。

まご珈琲

垣根志麻と別れた青山は、三平からもらったメモの住所を訪れる。しかし、すでに空地になっていた。近所に聞き込みを行い、たこじいさんの孫がビーチにいることを突き止める。そしてビーチで大騒ぎする大学生と話をする。そして大学デビューしたサバサバした超ギャルが孫だと判明する。

ぼっちゃん珈琲

孫娘は、たこじいさんの奥さんの家に青山を案内する。しかしインターフォンを押す直前に青山を追いかけていた組の3代目に捕まってしまう。3代目の幼い頃のお世話係は青山で、親が忙しく愛情に飢えていた3代目は青山に懐いていた。しかし、「自分とずっと一緒にいる」と約束してくれた青山が父親を殺して逃亡したことを恨んでいた。手錠を掛けられ無理やり連れてこられた中華料理店には、三平と垣根志麻がいた。激怒した青山は、3代目を殴った。青山の手錠は、3代目の側近の夕張が外していた。夕張は、実は3代目の父親と権田組組長の2人を殺したのは、青山ではなかったと真実を明かす。実は子煩悩だった前組長は、権田組組長に3代目の悪口を言われたことで相打ちになったのだった。最後に青山に「イケてる珈琲屋になれ」と言って亡くなった前組長。その場にいた青山と夕張は、相打ちだと分かれば組同士の戦いになり3代目が狙われる可能性があると判断。全てを青山の犯行にし、罪を被っていたのだった。全てを知った3代目は、泣き崩れる。

ポップ珈琲

青山と三平、そして垣根志麻は再び、たこじいさんの奥さんの幸子の家に出向く。奥さんに骨を渡す際、青山はたこじいさんと奥さんの昔話を聞く。名家出身の奥さんは、たこじいさんと結ばれることを親族から反対されていた。さらに大きな病気になったことで、無理やり別れさせられていた。幸子に移動販売車を見せる青山。実は珈琲の移動販売車をやりたいと思っていたのは、幸子だった。最後にたこ型をした墓石に案内された青山は、たこじいを思い号泣する。物語は3年後に移り、三平と一緒にタコ珈琲で移動販売車を経営している青山やカリスマモデルになった雅など登場人物が幸せに暮らしている描写が描かれ物語は幕を閉じる。

『珈琲いかがでしょう』の登場人物・キャラクター

主要人物

青山一(あおやまはじめ)

CV:斉藤壮馬
演者:中村倫也

タコのマークの移動珈琲屋であるタコ珈琲の店主。王子様のような笑顔で、女性ファンも多い。8種類のブレンドにちなんでタコをキャラクターにして珈琲店を営んでいるが、タコ焼き屋に間違えられることも。丁寧な仕事ぶりで、ファンも多い。右手にタコマークのサポーターをしているが、薬指と小指はない。過去はヤクザの組員だった。未成年の頃からゴミ掃除と称し、組に不要な人物を暴力で片づけていた。2代目のお気に入りで、3代目の世話をしていた。3代目からは、当時流行していたアニメの主人公が連れていたキャラクターにちなみ「とらモン」と呼ばれていた。空虚な毎日を過ごしていたが、ホームレスのたこに珈琲のイロハを教えてもらい人生観が変化する。たこが亡くなり、骨を奥さんに届けたいと思うようになる。2代目と敵対していた組長が亡くなったとき、3代目を守るために自分の犯行に偽装した。組を抜けるとき、薬指と小指を切り落として3代目に預けた。珈琲の移動販売をしているのは、たこの奥さんを探しているからである。

垣根志麻(がきねしま)

青山(左)に珈琲を入れてもらった垣根志麻(右)。

CV:赤崎千夏
演者:夏帆

雑貨卸会社に勤めるOL。誠実・丁寧・義理・人情を意識しながらOLをしている。要領のいい後輩と比べられて落ち込んでいたが、青山の珈琲に救われる。青山が別の町に行ってからは、3時間半かけてモタエのワークショップに通っている。ワークショップで青山と再会。三平の差し金もあり、過去の青山のことを知る。3代目に呼ばれ中華料理屋の修羅場に同席したり、たこの骨を奥さんに伝える場面に参加する。

杉三平(すぎさんぺい)

車の上にのる三平(左)と車に乗る青山(中央)と青山を追いかけて来た垣根志麻(右)。

演者:磯村勇斗

チンピラ風の男で、青山の居場所を探っていた。組に所属していたときの青山の舎弟。青山をアニキのように慕っていた。青山が珈琲にハマっていく様子にがっかりしていた。そして青山の後を追うように組を抜け、行方を追っていた。当初青山に恨みがあるように振る舞っていたが、実は組を欺くためだった。青山の行方を追っていたのは、たこの孫の住所を教えたいという気持ちからだった。

たこ

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