珈琲いかがでしょう(漫画・アニメ・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『珈琲いかがでしょう』とは、2014年から2015年にかけコナリミサトが『WEBコミックEDEN』で連載していた青年漫画、およびそれを原作としたアニメやドラマ作品。移動珈琲屋を経営する青山一が、家庭や性格に問題を抱えた人と出会い、こだわりの珈琲でおもてなしすることで心を通わせていく。物語が進行するにつれ、人の良さそうな青山一の驚くような過去が明かされていく。2021年4月からテレビドラマ化され話題になった。

『珈琲いかがでしょう』の概要

『珈琲いかがでしょう』とは2014年から2015年にかけてコナリミサトが『WEBコミックEDEN』で連載していた青年漫画、およびそれを原作としたアニメ、ドラマ作品である。「マンガ大賞2018」第3位に輝き、2018年にはアニメ化された。2021年4月5日からは、テレビ東京系列で新しく設けられた「ドラマプレミア23」枠にて中村倫也主演ドラマ化され話題になる。
移動式珈琲屋「タコ珈琲」を経営する青山一。一杯一杯丁寧に珈琲を入れることで訪れた先に人々の心をほぐしていった。人の良さそうな笑顔が似合う青山一だったが、街を転々としながら珈琲屋を営むには訳があった。次第に明かされる青山一の過去が感動を呼ぶヒューマンドラマ。予測不能なラストは、多くの人の涙を誘った。
『珈琲いかがでしょう』の魅力は、青山一をはじめとする魅力的な登場人物だ。登場人物はみな心に闇を抱えている。登場人物の悩みは、どこか共感できるところがある。笑顔の裏に隠された青山一の闇にも注目だ。

『珈琲いかがでしょう』のあらすじ・ストーリー

人情珈琲

移動珈琲屋「タコ珈琲」の店主・青山一

雑貨関連会社に勤めるOLの垣根志麻。丁寧にお礼状を書くことが、仕事のモットーだった。丁寧過ぎる垣根志麻に対し、要領のいい後輩と比較して苦言を呈する部長。落ち込む垣根志麻の前に、タコマークが印象的な移動珈琲屋タコ珈琲が現れる。店主の青山一が入れる丁寧な珈琲にハマってしまう垣根志麻だった。青山は、「見ている人はちゃんと見てくれている」と垣根志麻を励ます。前向きな気分になった垣根志麻だったが、後輩が大きなミスをして突然退社してしまう。後輩が抜けた分のカバーを押し付けられ心が折れそうになった垣根志麻。そんな時垣根志麻の手書きで仕事以外の一言を添えるお礼状を読んでタコ珈琲の顧客となった取引先の会長が偶然現れ、垣根志麻を擁護。垣根志麻は、社内で存在が認められるようになる。垣根志麻は気が付いていないが、会長が垣根志麻を訪れたのは青山がタイミングよく会長をその場に誘導したからだった。

死にたがり珈琲

毎日が退屈で自死したいと考えている早野美咲。偶然タコ珈琲に出会った早野美咲は、カフェオレにガラムマサラをプラスすることでチャイのような味になることを教えられる。チャイのような味になることを教えられたことがきっかけで、今まで死にたいと思っていた世界の見方が大きく変わった早野美咲は、もう死にたいとは思わなくなっていた。

男子珈琲

青山は、ゲートボールをする老人たちとゲームを楽しむ小学生グループを見かける。どちらのグループにも仲間外れにされている人がいて、それを見ぬふりする人も存在した。仲間外れにされている人に思いをはせる老人のたーさんと小学生のうじき。青山は2人にグループの違う珈琲豆であっても、配合を変えることで美味しく飲めることを教える。珈琲を飲んだことによって、グループの違う珈琲豆でも上手く利用すれば美味しく飲めるため人間も仲間外れは良くないと改めて感じた2人。勇気を出して仲間外れにされている人に声を掛けるたーさんとうじきだった。

キラキラ珈琲

都会に憧れる田舎の女子高校生の雅。雅は東京に行きたいと思っていたが、行く手段がなかった。しかしたまたま街で知り合ったタコ珈琲の車にひそかに乗り込み、念願の東京へとやってきた。ネットで知り合った年上女性礼と渋谷に繰り出し、雅は初めてスカウトされることを経験する。自分は最高だと思う雅。しかし礼に女の子のシェアハウスと聞かされていた場所は、おっさんが集まるボロボロのアパートだった。スカウトの名刺も全て礼の詐欺で、雅はチンピラに襲われそうになる。その時イベント出店に参加していた青山が、一般人とは思えない身のこなしで周囲を倒し雅を助けにやってくる。父親は青山の移動珈琲店を知っていて、雅が青山について東京に向かうことは父親にばれていたのだった。父親は、雅に密かにGPSを付けていた。父親に文句を言う雅だったが、青山から父親のおかげで助かったと言われ改心。地元に戻り、自分の根っこをしっかり作ってから東京に行こうと決意する。

神経衰弱珈琲

青山は、空気を読むことに疲れたバリキャリウーマン、お金のない漫画家、彼氏の金づるになっているメグの3人に出会う。青山のアイスコーヒーを飲んだことで3人は、目の前の悩みがクリアになり心機一転。新たな道を歩むことを決意する。メグは彼氏の頭にアイスコーヒーをかけ、別れを決意する。

だめになった珈琲

青山は、以前雅の一件で訪れた礼の家に足を運ぶ。青山は、雅を助ける際大切な物を落としていたのだった。礼はかつて雅のように東京に憧れていたが、才能を認められ東京で活躍するようなキラキラした人になれなかったことに挫折感を感じていた。壊れて汚れた自分のエスプレッソマシンと東京でくたびれてしまった自分自身を重ねる礼。礼はエスプレッソマシンを綺麗にしていく中で、自分のことも綺麗になった気分になり礼の気持ちも晴れていく。落とし物を見つけ帰宅した青山と入れ違いでやってきたチンピラ風の男性杉三平。杉三平は、青山を探している様子だった。杉三平は、青山が以前人を殺したと礼に告げる。青山の落とし物とは、人の骨だった。

たまごマン珈琲

誰とでも関係を持ってしまう自分に酔っている桐谷。桐谷はかつてバトル漫画に登場するたまごマンが好きな少女だった。一緒にヒーローごっこをしていた幼馴染の進藤という男の子は、成長と共に桐谷を避けるように。進藤と遊びたかった桐谷だが、「胸を触らせてくれたら遊んでやる」と進藤に言われたことがトラウマになる。仲が良かった男性から性的な目で見られたということがトラウマになり、自分に対する自尊心は低い。その結果誰とでも寝る女になっていた。朝帰りをするたびに青山の珈琲店を訪れる桐谷。ある日進藤によく似た歯並びの悪い大学のサークルの後輩中村の家を訪れる。いつものように誘うも、中村に断られる。中村は自分を大切にしない桐谷に、「たまごマンの最終回を読んで自分を取り戻してほしい」と伝える。たまごマンの最終巻を探すため、桐谷と中村は一晩中街をさまよう。初めて一晩過ごした男性と寝なかった桐谷。帰り際、青山の移動珈琲を見つけた桐谷。好きだったバトル漫画に登場するたまごマンのチャージアイテムをイメージしたたまごマン珈琲を作ってもらう。

金魚珈琲

移動販売車が故障した青山は、故障した原因を作ったスナックを経営するアケミの元で暮らすことに。父が亡くなったアケミは、歌手になる夢を諦めて地元でスナックを開いていた。アケミの元に中学時代の同級生である遠藤が訪れた。青山は、遠藤に焼酎珈琲を入れる。遠藤はアケミが母親に嫌われ、狭い田舎でオカマと呼ばれて暮らしている様子に心を痛める。アケミを助けたいと思う遠藤だった。しかし実際はアケミは歌手時代の度重なるストレスが原因で、夢を自分の意志で諦めていた。そして多くの客から愛され幸せに暮らしていた。可哀想に思っていたアケミが幸せにしていることにアケミを下に見ていた遠藤は逆切れ。青山は、遠藤に迫られているアケミを一般人とは思われない身のこなしで助ける。そんな青山を見て、アケミは昔やくざに手を挙げられたことを思い出す。その時助けてくれたイケメンが青山に似ていると思ったアケミ。翌日青山は、アケミには何も告げず忽然と姿を消していた。

ガソリン珈琲

青山は、昔なじみのガソリン屋のゴンザに車の修理を依頼していた。ゴンザは、昔と違い王子様スマイルを浮かべる青山が怖い様子。そんなとき、彼氏に車から追い出された常連客の菊美がゴンザの店を訪れる。菊美は彼氏によって薬漬けにされていて、以前からゴンザの娘から怖がられていた。青山は、美味しい珈琲を菊美に振る舞う。初めは青山を鬱陶しいと思っていた菊美だったが、青山に胸の内を伝える。そして青山は、「自分が惨めだと素直に認めるといい」とアドバイスを送る。菊美は、実は彼氏から貰った薬を飲んだふりをしていただけで実際には飲んでいなかった。彼氏との楽しい過去にさよならすることを決めた菊美だった。ガソリン屋を後にする青山。入れ違いに三平がゴンザの元を訪れ、娘を人質に取り、青山の車のナンバーを聞き出していた。

ファッション珈琲

青山は、元バリスタチャンピオンのモタエの珈琲店を訪れていた。幻の珈琲で猫の糞を利用して作られたコピ・ルアックを飲み感動する2人。最近珈琲のワークショップを始めたモタエは、生徒と珈琲に関して価値観のずれを感じるとこぼす。ことあるごとに写真を撮ろうとするところや道具や食器にばかり目が行く生徒の様子にモタエが限界を感じていた。その時、3人の生徒達がモタエの店を訪れる。生徒の中には、かつて青山が救った垣根志麻の姿があった。垣根志麻に会いたくなかったため、とっさに隠れる青山。モタエは、生徒にコピ・ルアックの飲み比べを提案。垣根志麻ではないモタエのファンの2人は、高級なカップに入れた方の1杯がコピ・ルアックだと大興奮。しかし本当はシンプルなカップに入った方がコピ・ルアックだった。「珈琲をちゃんと味わって欲しい」と生徒にお願いするモタエ。青山は自分の車に戻る。その姿を見た垣根志麻が追いかける。しかし車には、三平が乗っていた。

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