ドラゴンへの道(ブルース・リー)のネタバレ解説・考察まとめ

『ドラゴンへの道』とは、イタリア・ローマを舞台に、ギャングの悪行に立ち向かっていくカンフーの達人や中華料理店の従業員姿を描いたカンフー映画である。主演のブルース・リーが初監督を務めた海外ロケ作品であり、前二作『ドラゴン危機一発』『ドラゴン怒りの鉄拳』とは対照的にコミカルな演技が多々見られる。また、クライマックスでのブルース・リーとチャックノリスとのコロッセウムでの対決場面は、現在でも語り草となっており、多くの映画人にも影響を与えた。

コロッセウム

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本作のクライマックスにてタン・ロンと武術家コルトが対決した場所で、ローマ帝政期の西暦80年、ウェスパシアヌス帝とティトゥス帝によって建てられた円形闘技場である。イタリアの首都ローマを代表する観光地としても有名。しかしながら、タン・ロンとコルトとの格闘場面は、撮影許可が下りず、香港のセットで撮影された。

怪鳥音

怪鳥音を発し、カンフーを披露するタン・ロン(ブルース・リー、写真左)。

ブルース・リーが映画の中で戦う際に叫ぶ声をこの様に表現されるが、『ドラゴンへの道』が公開されている頃は「絶叫」や「雄叫び」等と言われていた。

体操

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コルトとの戦いの前にストレッチを行うタン・ロン。

本作では、物語前半にて鏡の前でのストレッチシーンや、クライマックスでのコルトとの戦い前の屈伸運動&ストレッチ運動等、ブルース・リーの体操場面も堪能できる。これだけでも、彼の身体能力を垣間見る事ができる。

『ドラゴンへの道』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

タン・ロン「これが中国拳法だ」

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ポーズを決めるタン・ロン(写真右)。

チェンの店に嫌がらせに来たギャング集団に対し、従業員達が頭に来て店の裏で戦おうとするも、従業員の一人であるジミーがギャングにあっさりと叩きのめされる。そこへ様子を見ていたタン・ロンが立ち上がる。カンフーの構えを見せ「これが中国拳法だ」と告げ、一人、また一人とギャングを倒していった。この出来事以降、従業員達はタン・ロンに対して信頼を置く様になり、チェンもまたタン・ロン慕う様になった。

タン・ロン「面倒を起こせば痛い目を見る、訳せ!」

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ギャングのボス(写真左)に拳を突き付けるタンロン(写真右)。

ギャングのボスが部下兼通訳のホーや手下達と共にチェンの店にやって来て、手下の一人がタン・ロンに銃を突きつけ店の裏へ連れ出した後、ボス達がチェンに店の土地を売却する様に迫る。しかしタン・ロンが外の手下達を撃退し、店の中へ入って来て店内のギャング達も倒し、ボスの計画は失敗する。その場から逃げようとしたボスとホーにタン・ロンが歩み寄り、「面倒を起こせば痛い目を見る、訳せ!」と言い放つ。外国語が話せないタン・ロンは、ホーに対し自分の言葉を訳して伝えろと言い、ホーがボスに同じ事を英語で伝え、ギャング集団はその場を立ち去って行く。

長谷平「おまぃわぁ〜、タンロンか〜?」 「お~痛、お~痛っ!」

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日本人武道家・長谷平

物語後半にて、ウォン・インシック演じる日本人空手家・長谷平がタン・ロンへ勝負に挑む際に「おまぃわぁ〜、タンロンか〜?」と問う。そしてタン・ロンが頷き勝負に挑み、あっさり負け「お~痛、お~痛っ!」と痛がる。彼が発する凄いイントネーションであるこの日本語の台詞は、現在もブルース・リー・ファンの間で話のネタにされる事が多い。

『ドラゴンへの道』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

家族が愛した『ドラゴンへの道』

『ドラゴンへの道』オープニングでのひとコマ、主人公のタン・ロン(写真左)と空港のロビーで遭遇した客(写真右)。

ブルース・リーの妻であるリンダ夫人は、後にインタビューで自分が一番好きな作品は『ドラゴンへの道』だと答えた。その理由は、「(劇中での)ユーモラスなところが、普段の彼(ブルース・リー)に一番近いから」との事。

著名人に与えた影響

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