魔女見習いをさがして(おジャ魔女どれみ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『魔女見習いを探して』は1999年に放送開始した、テレビアニメ『おジャ魔女どれみ』シリーズの20周年を記念して制作された映画。本作は、テレビアニメ『おジャ魔女どれみ』を視聴して成長した3人を主人公としているため、小学生・春風どれみを主人公としたアニメシリーズとは異なる完全新作映画である。大学4年生で進路に悩む長瀬ソラ、仕事が思うようにいかず苦しむ会社員の吉月ミレ、夢のために奮闘するフリーターの川谷レイカ。3人が偶然にも『おジャ魔女どれみ』という共通点で繋がり、ゆかりの地を巡る旅に出かける。

『おジャ魔女どれみ』において、3人以上の魔女見習いによって協力して使われる魔法。個々の魔法の級よりも2段階上の上級魔法が使えるようになる。魔法を使用する際の杖の役割を果たす「ポロン」がない場合は、水晶玉と呼ばれる魔女が魔法を使用する際に必要な玉によっても同様の効果が出せる。

『魔女見習いを探して』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

川谷レイカ「私って、世界一不幸な美少女なんです」

画像中央に川谷レイカ、背後に春風どれみ。

『おジャ魔女どれみ』における主人公、春風どれみの口癖。どれみはドジっ子として描かれているが、上手くいかなくても前向きな姿勢が良くあらわれている言葉。本作中ではレイカが、離れ離れになった父親やヒモ彼氏といった自分の身の上話をソラとミレに話す際に使っていた。アニメシリーズ当初からドレミが使ってきた言葉であるため、ファンであれば誰でも聞き覚えのある言葉である。会話の中にセリフを交えて話せる点で、ソラ・ミレ・レイカが『おジャ魔女どれみ』で繋がっていることを改めて実感することができる。

吉月ミレ「女を舐めたらいかんぜよ」

本作中で尾道にレイカと仲直りをするために来たミレが、偶然出会ったレイカの彼氏に放った一言。この言葉と同時に華麗な背負い投げを決めた。レイカがミレのおかげで彼氏との縁を切り、東京に出るきっかけになったシーンでもある。ミレの迫力や突然繰り出される投げ技が衝撃的であり、強引ではあるがレイカの人生が大きく変わる瞬間でもある。

長瀬ソラ「どれみちゃんがもともと持っていた魔法なのかも」

魔法玉を見つめて語るソラ。

京都・奈良の旅行終盤に、夜の公園で3人で話していた際のソラの発言。『おジャ魔女どれみ』シリーズでは魔法を使う場面も多かったが、主人公どれみの持つ優しさが仲間や見る人を惹きつけていた。1人1人の持つ性格や、考え方の違いなどその人自身の魅力こそが魔法だと、ソラが理解したシーンでもある。アニメシリーズの主な舞台はどれみたちの通う学校であったため、1話ごとに1人1人のクラスメイトを取り上げていた。家庭環境に問題のある子や不登校の子もいる。ドジで時には周りに迷惑をかけてしまうどれみだが、人一倍優しく、友達思いの性格が問題やピンチの時に素晴らしい魅力になる。アニメシリーズで丁寧に制作陣が描いてきた『おジャ魔女どれみ』の物語の意味を、このソラの言葉で再確認することができる。そして大人になったかつての子供たちへ、それぞれには魔法のような個性があることを伝えてくれる。

『魔女見習いを探して』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

レイカの旧姓は「玉木レイカ」

本作中に登場したレイカの離れ離れになった父親の苗字は「玉木」であり、レイカの両親が離婚する前のレイカの名前は「玉木レイカ」であったことが分かる。「玉木レイカ」はアニメシリーズ『おジャ魔女どれみ』の登場人物でもあり、どれみたちが実家が金持ちであることを鼻にかけていたクラスメイトである。自分の外見や頭の良さに自信過剰で、意地悪な発言をしてしまうこともあるが、優しくされると素直に喜べない可愛らしい一面もある憎めない女の子である。

かつての声優陣の参加

『魔女見習いを探して』にはアニメシリーズで聴き慣れた声が至る所で聞こえる。どれみたちはもちろんだが、ミレの同僚といった本作登場人物として、かつてどれみたちのクラスメイトを演じた声優などが参加している。

メインターゲットは『おジャ魔女どれみ』をみていた子供たち

本作のメインターゲットはアニメシリーズ放送時に『おジャ魔女どれみ』を見ていた子供たち。20代から30代の女性である。映画の企画の際に出ていたシナリオの案には、ドレミたちが小学校の姿のまま新しい話を作るパターンや大人になったドレミたちの話を作るパターンなどが挙がっていた。しかし、大人になった視聴者に魔法を少なからず信じていたかつての感動を与えられるのかという点などから、よりリアリティを持たせたコンセプトが完成した。また、『おジャ魔女どれみ』を見たことのない人でも、小さい頃に思い描いた夢を思い出させてくれるような映画を目指して制作が進められていった。

現代女性の人生と悩みから制作

本作の主人公である3人は進路や仕事での悩みを抱えている設定にされているが、アニメシリーズと通ずる部分もある。『おジャ魔女どれみ』でも主人公であるドレミと同世代であった視聴者に向けて、様々なクラスメイトたちの家庭環境や性格が丁寧に描かれている。母子家庭や父子家庭の子供、良く喋るお調子者や無口な子など1人1人が1話ごとに取り上げられていた。『魔女見習いを探して』でも20代から30代の女性が抱える悩みや、生活をリサーチした上で登場人物たちの背景が形造られている。

『魔女見習いを探して』の主題歌・挿入歌

主題歌・OP(オープニング):MAHO堂『おジャ魔女カーニバル!!(魔女見習いを探して Version)』

動画はテレビアニメ放送時の『おジャ魔女カーニバル!!』

『魔女見習いを探して』では、原曲をバラード調にアレンジしたメロディーのものになっている。歌うのは春風どれみ(CV:千葉千恵巳)をはじめとするMAHO堂メンバーたち。放送当時の元気でキャッチーなリズムとは違った大人の雰囲気を感じられる一曲となっている。

ED(エンディング):瀬川おんぷ(CV:宍戸留美)『終わらない物語(魔女見習いを探して Version)』

動画では本作の主人公たちのセリフと、ED曲『終わらない物語』が一部流れている。

本作のテーマの一つである「大人のための魔法」を意識して選ばれた曲。テレビアニメ放送時にも使用されていた曲で、少し切なくも優しい曲調がEDを盛り上げてくれる。

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