ラブ★コン(漫画・映画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ラブ★コン』とは『別冊マーガレット』にて2001年から2006年まで連載された中原アヤ原作の漫画およびそれを原作としたアニメ、ゲーム、ドラマCD、実写映画作品である。舞台は大阪の高校、舞戸(まいど)学園。高身長で明るい性格の小泉リサは、入学当初から犬猿の仲である大谷敦士と学園のオール・阪神巨人と呼ばれ名を馳せていた。漫才風の泉州弁で高校生活の模様がコミカルに描かれている。小泉を中心に身長、男性恐怖症、へたれ、それぞれコンプレックスを抱えた高校生たちが織りなす笑って泣ける青春ラブコメディ。

大谷の受験事変とリサの進路

合格発表前日、大谷家で家族がインフルエンザにかかるという事態が巻き起こる。友達の家に泊めて貰うようにと家を追い出された大谷は、リサの家へ向かう。小泉一家に歓迎される大谷。だが結局、勉強をしながら寝落ちしてしまう。翌朝、大谷は試験時間ぎりぎりに目を覚ます。さらに外は大雪で交通機関も動いていなかった。大谷は絶望するも、リサが自転車で大谷を試験会場まで連れて行った事で、なんとか試験を受ける事に成功する。
後日、合格発表を前日に控えたリサと大谷は2人でデートをしていた。しかしその途中、モデルとして働く美々と遭遇する。プロとして働く美々の意識にリサが感動していると、撮影スタッフから来れなくなったモデルの代わりにと、リサが代理に抜擢されてしまう。プロの手によって外見を整えられ、撮影がスタート。だがその途中、美々が体調不良を訴え、病院へ搬送される事態が起こる。大谷とリサも病院へ向かう。一段落がついた後、リサは大谷に、今日の撮影をきっかけにスタイリストの道へ進みたいと思った事を話す。それを聞いた大谷もリサの背を押す。
そして翌日、大谷の合格発表当日。リサはバイト中に遥から、大谷が沈んだ様子で歩いていた事を教えられる。不合格になったのかと不安になったリサは、バイトを早退して大谷を探す。だが結局それは勘違いで、無事に合格していた事が大谷本人から明かされる。安堵したのも束の間、そこへ信子が同じ大学を受験していた鈴木と千春の内、鈴木だけが落ちたことを伝えてくる。

鈴木千春カップル事件

大学受験に失敗したショックを受ける鈴木。そんな時、彼の前に柔道部の生徒・細川弱男(ほそかわ よわお)が現れ、千春を自分によこすようにと告げてくる。それに圧された鈴木は「考えさせて欲しい」と答えてしまう。それを聞いた千春は激怒。怒りを爆発させてしまい、2人の間に溝が生まれる。
2人を心配した大谷とリサは、鈴木に千春は譲れないことをはっきり細川に言うようにアドバイス。鈴木はアドバイス通りにするが、細川に「なんでそれを昨日言わなかった」と返されてしまい、言葉に窮する。はっきりしない鈴木に千春は似合わないと考えた細川は、千春は自分が貰うと宣言する。それを聞いた大谷とリサは、慌てて2人の間に割って入り、一週間後柔道で決着をつける約束を細川に取り付ける。その後、リサと大谷の助力もあり、鈴木は柔道で黒帯を持つ自分の姉に指導して貰う。しかし一週間程度では、細川の実力には届かず鈴木は早々に投げ飛ばされてしまう。それでも粘り続け、最後には細川の隙をつき逆転勝利。鈴木の奮闘を見届けた千春とも和解し、2人は元の関係に戻ったのだった。

リサのじいちゃん事件

ある日、海外旅行から帰ってきたリサの祖父が小泉家にやってくる。そこには大谷もいたのだが、祖父は「小さい男は彼氏として認めない」とリサ達の交際に猛反対。知人の女性・瞳(ひとみ)を使って2人を引き離そうと目論む。だがリサへの思いが固かった大谷は、女性からアピールされてもそれを全て断る。そんな大谷の事を気に入った瞳は、絶対に彼を落とそうと考える。ついには「孫だけは巻き込むな」という祖父との約束を破り、ヤクザである彼氏の子分達を使ってリサへ攻撃を仕掛ける。その事を知り焦る祖父。彼からリサの現状を教えられた大谷は、急いでリサが居るという瞳のマンションへ向かう。だがそこにあったのは「好きに遊んでいいよ」という瞳からの指令通り、好きにトランプをして遊ぶ子分達とリサの姿だった。
リサの祖父は孫を危険な目に合わせてしまったと反省。また、リサの危機に駆けつける姿を目にした事で大谷の事を見直す。その後祖父は、リサと大谷に別れを告げて再び海外へ旅立ったのだった。

マイティの結婚と小堀安倍事件

祖父の件からしばらくしたある日、舞竹が婚約者の百合(ゆり)と南の島で結婚式をあげる事になる。招待を受けたリサ達仲良し6人組は早速現地へ向かうが、ホテルの部屋割がカップルで割り振られていた為に、動揺したリサが大谷と喧嘩をしてしまう。さらに翌日、今度は百合が行方不明になる事件が発生。捜索した結果、大谷とリサは国海との結婚を反対する父親と殴り合いをしている百合を発見。国海もその場に駆けつけ、父親を説得する。リサや大谷も説得に加わり、父親はなんとか2人の結婚を承諾。無事に結婚式を執り行う事に成功する。大谷の事を見直したリサは、覚悟を決めてその晩、ホテルの自室へ戻る。しかしそこに居たのは疲れで爆睡している大谷だった。リサは安堵し、大谷の頬にキスをして眠る。実は狸寝入りしていた大谷は、リサが反省しているらしいと悟る。こうして2人の喧嘩もなんとか落ち着きを見せる。
しかし今度は、南の島から帰国後に事件が発生する。近づく卒業式に向けて、卒業委員として準備にあたろうとしていた大谷が、誰かから嫌がらせを受けるようになったのだ。そうしたある日、ついに犯人が判明。犯人はリサのバイト仲間である舞戸学園の女子生徒・安倍(あべ)だった。安倍は小堀に想いを寄せていたが、彼がリサに想いを寄せていると知り、大谷と別れて欲しいと願っていた。いやがらせはその為のものだった。その思いを知ったリサと大谷は、安倍に素直に想いを伝えるように説得。2人に背中を押された安倍は小堀に想いを伝え、無事成就するのだった。

卒業式

ついに卒業式当日。リサと大谷は2人して遅刻をしてしまう。結果、遅刻した罰として、2人は卒業生の言葉を任される。しかし突然の事で練習もできなかった2人は壇上でコントのような争いを繰り広げてしまう。卒業式は笑いに包まれて終わる。その後、教室に戻ってクラスの卒業コメント映像を観ることに。みんなで観ることに動揺を隠せない大谷だが、そのまま映像がスタート。そこにはリサへの想いを語る大谷の姿が映されていた。感極まり涙するリサ。こうして、リサ達の高校生活は幕を閉じるのだった。

『ラブ★コン プラス 』

中1・大谷編

中学1年の大谷は身長が高校の頃よりもさらに低く、小学生と間違われる事も度々あった。しかしバスケが好きだった大谷は、バスケ部に入部する事を決める。そこで大谷が出会ったのは中尾と、吉井(よしい)という名の同級生だった。中尾と仲良くなった大谷は吉井とも交流を深めようとするが失敗する。吉井は態度こそきついものの、バスケの実力は確かなようで入部そうそうに練習試合のメンバーに選ばれる。補欠止まりの大谷は自分の実力不足を痛感する。と同時に、頑なに周囲と関係をもとうとしない吉井の事を気にし始める。そんなある時、ついに吉井と練習試合のメンバーである1年生が揉める事態が発生する。取っ組み合いになりかけたところで、中尾が間に入り一見落着した。この日の出来事をきっかけに吉井は中尾・大谷とつるむようになる。
そんなある日、吉井が練習試合の1年メンバーから嫌がらせを受ける事件が発生する。メンバー達は吉井に、その態度を改めて欲しかったと話す。それに対して吉井は「めんどくさい」と返す。それに大谷が激怒。吉井と殴り合いを始める。だがそこで吉井は大谷が、嫌がらせを受けてもなおめんどくさいとかっこつける自分の事を心配していると知りハッとする。その後、部長が2人の仲裁に入る。関わった全員が補欠に降格の処分となり、事態は収束を見せる。吉井は今回の件で自分の態度を反省し、1年メンバー達と和解したのだった。
後日、吉井は大谷と中尾に福井に転校することを告げる。大谷達は転校しても友達でいることを約束し合うのだった。

中2・リサ編

中学2年のリサは高身長である事からクラスの男子には女子扱いされず、自身も恋愛に興味が持てない事からゲームにばかり身を投じる日々を過ごしていた。そんなある日、リサは友人のあけちんが最近福井から転入してきた男子生徒・吉井に思いを寄せている事を知る。リサはあけちんの恋を応援する事を決める。だが、ある日吉井から海坊主というアーティストを教えて貰った事を機に、リサはあけちんを置いて1人吉井と仲良くなってしまう。そうした中迎えた林間学校。リサに嫉妬したあけちんは、その思いをリサにぶつけてしまう。そこでようやくあけちんの気持ちに気づいたリサは、吉井を避けるようになる。
あけちんと複雑な仲になってしまったリサ。しかしハイキング中に体調不良で歩けなくなったあけちんを心配したリサが、彼女を背負って歩き始めた事で、あけちんの方がリサに無神経な事をしたと謝る。リサも自分も無神経だったと謝り、2人は和解。そこへ先に行っていた吉井が戻ってくる。彼はリサがあけちんを背負った事で足を怪我したと気付き、リサの代わりにあけちんを背負う。大丈夫だと言うリサに吉井は「女の子なんだから大丈夫なわけない」と返す。女の子扱いをされた事に気づいたリサは戸惑い、それをきっかけに吉井の事が好きなのではと考える。だが事態が全て落ち着いた後、リサは吉井から転校することを告げられてしまう。こうしてリサは自分の思いを告げられないままに、初恋を終える事となった。

中3・リサ&大谷編

中学3年。無事に高校受験を終えたリサと大谷は、それぞれ海坊主のライブに来ていた。しかし大谷の方は、付き合っていた真由からフられた事で憔悴していた。引きずるショックからライブ中に涙を流してしまう大谷。ただならぬ雰囲気に心配したリサは大谷に声をかける。その時、大谷の携帯が鳴る。そこでリサは大谷と電話相手の会話から、彼が今日誕生日だという事を知る。
ライブ開始直後、リサはライブに熱狂するファンにもみくちゃにされる。人混みに溺れかけた時、それを見かねた大谷により助けられる。リサは大谷にお礼を言おうと、声を張り上げたタイミングで音楽が止む。そこでリサは海坊主に大谷が誕生日であると叫ぶ。それを聞いた海坊主とファン達は大谷の誕生日を祝う。大好きな海坊主とそのファンに祝われた大谷は感動し、元気を取り戻す。
ライブ直後、リサは自分が靴を失くしている事に気づく。そこへ大谷がリサの靴を持ってきてくれるが、それはボロボロで履けるものではなくなっていた。大谷は自分の靴をリサに渡す。リサはお礼に持っていた飴を大谷に渡す。大谷もお礼を言って受け取り、2人は笑顔で別れたのだった。
そして高校3年生の春休み。リサは大谷と海坊主のライブツアーに来ていた。そこで2人は吉井、そしてあけちんと再会する。吉井の事を諦められなかったあけちんは、吉井の転校後も彼と連絡を取り合い、彼が好きな海坊主のライブに一緒に来ていたのだ。共通の知り合いの登場に自分達の過去について話し始めるリサと大谷。そこで2人は、中3の時に海坊主のライブで出会った相手がお互いだという事に気づく。その奇跡に感慨深くなったリサは、大谷と過ごすこれからの日々も1日1日大切に生きようと思う。

『ラブコン ファイナル』

専門学校や大学など、それぞれの道を歩むリサ達仲良し6人組。リサと大谷の関係性は相変わらずだったが、自分の知らない大学の話をする彼に少しだけ距離を感じるようになっていた。そんな時、夏休み中の信子の帰省がてら海へ遊びに行く事が決まる。またリサの誕生日と被った為、信子提案でリサの誕生日会も一緒に行われる事になる。
海に行く当日を迎え、久しぶりの仲良し組との遊びにテンションをあげるリサ。しかし皆と接していく内に、高校時代とは皆それぞれ違うのだと痛感してしまう。さらに海の家で大谷の大学の友人達と出会う。そこでリサは大谷が自分(恋人)の存在を明かしていないと知り、ショックを受ける。
そんななか海の家で開かれたリサの誕生日会。だがそこに来て今度は、大谷が今日がリサの誕生日である事を知らなかったと発覚する。ショックを受けリサを励まそうするように花火に誘う信子達。しかし大谷は「用事があるから」と居なくなる。その事でさらにリサが悲しんでいた時、大谷が花束を持って現れる。信子からリサが専門学校に馴染めずに悩んでいる事を聞いていた大谷は、リサにどうして自分に相談しなかったと聞く。リサは観念し、自分が大谷と距離を感じていた事を話す。リサの悩みを全て受け止めた大谷はリサの事を下の名で呼び、花火に誘う。その事にリサは驚くが、同時に自分達の距離が今までよりも縮まったように感じる。
その後、リサは専門学校にてたまたま隣の席になった相手と意気投合する。学生生活が一歩前進した事で、改めてリサは大谷の存在の大きさを痛感する。そうしてこれからも2人で歩いて行こうと改めて前を向くのだった。

『ラブ★コン』の登場人物・キャラクター

仲良し6人組

小泉リサ(こいずみ りさ)

出典: kossynolog.com

CV:岡村明美/演:藤澤恵麻
『ラブ★コン』の主人公。身長170cmの高身長女子。大阪・舞戸学園の高校生である。身長は中学2年時で167cm、その後高校2年生では172cmと更新している。身長が大きいことから「巨女(きょおんな)」や「巨神様」と呼ばれ、大谷と並ぶとオール・阪神巨人と呼ばれている。主にボケ担当。明るくポジティブな性格。身長差にコンプレックスを抱きながらも、大谷に一途な想いを寄せる。

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