今際の国のアリス(今際の路のアリス)のネタバレ解説・考察まとめ
『今際の国のアリス』は作者、麻生羽呂。物語は退屈な日常に漠然とした不安を抱えながらも何もやることが見つからない、いわゆる落ちこぼれた高校生の主人公、有栖(アリス)良平から始まる。現実逃避、中二病、ピーターパン症候群、大多数の人間が少なからず経験したことのある、10代の悩みを背景に進行する序盤、だがそれは戦慄のサバイバル・サスペンスの開幕に過ぎなかった。
作品は2010年から2015年まで『週刊少年サンデーS』で、移籍後は2015年から2016年まで『週刊少年サンデー』で連載された。全18巻。
『今際の国のアリス』の概要
『今際の国のアリス』は2010年より麻生羽呂による漫画である。当初は『週刊少年サンデーS』で掲載され、2015年からは『週刊少年サンデー』に移籍した。移籍前の特別編では、スピンオフ形式で別の登場人物を主人公として描かれており、初見でも違和感なく物語にのめり込めるようになっている。全18巻。2013年にはアニメ化され、2020年にはNetflixで実写ドラマ化している。また、完全スピンオフ作品として『今際の路のアリス』が『月刊サンデーGX』で2015年から2018年まで連載された。全8巻。
くだらない日常からの解放を願う落ちこぼれ高校生の主人公、有栖(アリス)良平は家にも学校にも居場所がなく、今日も悪友の苅部(カルベ)の店へと張太(チョータ)と共に向かう。終電のなくなった線路をあてもなく歩く夜、歩き疲れた3人は朝の4時に巨大な花火に包まれる。気が付くと街は様子を変えていた。都市は廃墟化して人気は一切消えていた。夜、祭りのような賑やかな神社を見つけた3人を待っていたのは、「この国」と「げぇむ」だった。死に直結する難題の数々を前に、物語は開幕する。
『今際の国のアリス』のあらすじ・ストーリー
アリスとカルベとチョータは神社で出会った「げぇむ」経験者、紫吹(シブキ)小織と共に「この国」で初めての「げぇむ」に参加する。モニターに映し出されたのは1枚のトランプ、カードはクラブの3だった。「げぇむ」は「るうる」に従って進められる。
「るうる」は3つ。
・「おみくじ」を1人1回必ず引くこと
・全員が「おみくじ」を引き終えればげぇむは「クリア」
・ちょうちんが全て消えるまでに1人でも「おみくじ」を引いていなければ「げぇむおおばあ」※文字記述は原文ママ
解答方法は以下の通り。
おみくじを引きし者はその問いを声に出して答えよ
誤答による罰則は以下の通り。
解答を謝りし者は誤差の数の火矢に射られる
限られた情報の中で、4人のゲームがスタートする。
すぺえどのご
「たいざいふつかめ」カルベは次の「げぇむ」への参加を提案する。アリスはカルベと二人で「げぇむ」に参加することを決める。舞台はL字型マンション。「げぇむ」は「おにごっこ」
「るうる」は
・マンション内で「おに」から逃げまわること。
「くりあ」条件はただ一つ
・マンション内で一室だけある「カギのかかっていない部屋」を見つけ、その部屋の中に入り「たっち」すること
「げぇむおおばぁ」の条件は
・制限時間30分を過ぎた場合
・「おに」に参加者が全員殺された場合。
マンション周辺には地雷が多数設置されているので勝手に出ることは出来ない。内容だけだと簡単に思えた「げぇむ」だが、「おに」の出現によって場の空気は一変する。体躯に優れ、マシンガンを持った「おに」に対してアリスたちは「くりあ」を目指して立ち向かう。
だいやのろく
苣屋(チシヤ)駿太郎は他の参加者と共に、テーブルを囲んで首にロープを巻いていた。全員が輪縄を首にかけ、ロックした時点で、「げぇむすたあと」。「げぇむ」は「ぶらっくじゃっく」制限時間は1時間。「るうる」は説明書に書かれた10項目。
「げぇむおおばぁ」の条件
・時間切れ。
・「げぇむ」途中にチップが全てなくなる。
・不正なチップのやりとり。
・不正な制裁。
「げぇむくりあ」の条件
・時間内に最後の1人になるまで勝ち残る。
初参加のチシヤは通常のブラックジャックのルールすらほとんど知らない。そんな彼が1周目、1人目の親が終わる頃にこう言った「だいたい、理解した。」と。
負けたら即座に絞首刑。たった1人の生き残りをかけたサバイバルゲームが開始される。
はあとのよん
堂道(ドードー)隼人(15)はどこにでもいる都会育ちの中学生。母親は入院しており、祖母と二人暮らしである。よくある並みの失恋話で親友を同時に失った。明朝河川敷で「どこでもいいから…どっか知らない国にでも、行っちまいたいな…」そう呟くドードーが見たのは、都会に上がる大きな花火であった。そうして「この国」で「げぇむ」の時間が始まった。「げぇむ」は「あんけぇと」
「るうる」は3つ。
・問題が出されます。制限時間は60秒
・最上階まで上がれれば「げぇむくりあ」
・1階まで落ちれば「げぇむおおばぁ」
「ここじゃ…ない、ここじゃないです…!」ドードーが願った知らない国とは違う「この国」で、誤れば即死に繋がる問答無用のデスゲームが始まる。
くらぶのよん
日没、山根(ヤマネ)魁翔(19)はトンネルで参加者たちと出会う。協力を提案する者と自分の生き残りのことだけ考える者で参加者の意志は人それぞれだった。スタート直前から負傷する者もいた。「最後まで手を貸す保証は、しねぇからな…」そう言ったヤマネは負傷者に肩を貸して「げぇむ」はスタートした。「げぇむ」は「らんなうぇい」
・「るうる」は4つの「しれん」にたえ「ごおる」できれば「げぇむくりあ」
ヤマネにはどうしても帰らなければならない理由があった。元暴力団組員だった彼が組みを抜けて足を洗おうとした理由があった。
すぺえどのなな
気づいたら「この国」にいた塀谷(ヘイヤ)朱音、高校生はいつの間にか串刺しになっていた。
舞台はスタジアム。グラウンドには底が見えない巨大な穴が空いていた。
「げぇむ」は「かまゆで」
「るうる」は1つ。
・「げぇむ」会場が倒壊するまでに「だっしゅつ」できれば「げぇむくりあ」
「クズの親から生まれたクズの子は…どーせクズと同じ未来しか待ってないと思って生きてる子よ!!」串刺しになり、満身創痍となったヘイヤは過去の記憶を思い出しながら、極限状態に追い込まれながら、それでも前へと突き進む。
『今際の国のアリス』の登場人物・キャラクター
主要人物
有栖良平(アリス)
CV:細谷佳正、演:山﨑賢人
アリスは退屈な日常に漠然とした不安を抱えながらも何もやることが見つからない、落ちこぼれた高校生である。ただ、小学校時代の同級生である苅部(カルベ)大吉はそんな彼の隠れた才能を目の当たりにしていた。「そんなことより」アリスがそう呟く時に、どんな危機的状況にあっても突破口が開かれる。
宇佐木柚葉(ウサギ)
ウサギはサバイバル技術を持つ、クライマーの女子高生である。彼女は多数決という言葉に不思議を持ち、「大勢と違う」という理由だけで淘汰される周囲から孤立していた。そんな彼女にとって唯一の拠り所はクライマーの父親だけだった。「山にはホントのことしかないからな。」と言っていた父親を、彼女は理不尽に奪われた。父親の弔いが終わった頃、彼女もまた大きな花火に包み込まれる。
アリスの仲間
目次 - Contents
- 『今際の国のアリス』の概要
- 『今際の国のアリス』のあらすじ・ストーリー
- すぺえどのご
- だいやのろく
- はあとのよん
- くらぶのよん
- すぺえどのなな
- 『今際の国のアリス』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 有栖良平(アリス)
- 宇佐木柚葉(ウサギ)
- アリスの仲間
- 苅部大吉(カルベ)
- 勢川張太(チョータ)
- 紫吹小織(シブキ)
- 滞在者
- 苣屋駿太郎(チシヤ)
- 水鶏光(クイナ)
- 韮木傑(ニラギ)
- 佐村隆寅(ラスボス)
- 弾間剛(ボーシヤ)
- 粟国杜園(アグニ)
- 『今際の国のアリス』の用語
- 「この国」
- 「げぇむ」
- 「るうる」
- 「びざ」
- 登場人物の名前
- 『今際の国のアリス』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 初「げぇむ」クリア時
- アリス「命には限りがあることを知った…今はその輝きを1分でも1秒でも、無駄にはしたくない」
- アリスが能力を開花させるシーン
- 『今際の国のアリス』のメディア化
- アニメ化
- 実写ドラマ化
- 完全スピンオフ作品『今際の路のアリス』
- 『今際の路のアリス』の概略