今際の国のアリス(今際の路のアリス)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『今際の国のアリス』は作者、麻生羽呂。物語は退屈な日常に漠然とした不安を抱えながらも何もやることが見つからない、いわゆる落ちこぼれた高校生の主人公、有栖(アリス)良平から始まる。現実逃避、中二病、ピーターパン症候群、大多数の人間が少なからず経験したことのある、10代の悩みを背景に進行する序盤、だがそれは戦慄のサバイバル・サスペンスの開幕に過ぎなかった。
作品は2010年から2015年まで『週刊少年サンデーS』で、移籍後は2015年から2016年まで『週刊少年サンデー』で連載された。全18巻。

カルベはアリスの小学校時代の同級生である。母親は娼婦をしており、父親は誰かもわからない。彼は幼少期より欲にまみれた大人を見ているためか、同級生のアリスやチョータより大人びている。身体能力に長けており、喧嘩に強く場慣れしている。また、自分でBARを経営しており将来はオーストラリアに大きな牧場を買って羊を追いかけて暮らすのを目標にしている。BAR経営はそのための軍資金集めである。アリスを一目置いており、アリスやチョータとの友達関係に救われている。

勢川張太(チョータ)

チョータはアリスの高校の同級生である。金銭問題で夫婦喧嘩の絶えない環境で幼少期を送った。その頃に見ていた父親の背中から、息子である自分も父親のように頭を下げ続けて生きるのだと思っていた。家庭のことで問題を起こしたアリスをかばったことをきっかけに、二人は友達になった。アリスをかばった理由は「すげー悲しそうな顔してたからだよ。」と言っていた。アリス曰く「誰よりも、優しいヤツ。」である。

紫吹小織(シブキ)

シブキはアリスが「この国」で初めて出会った滞在者である。「この国」に来るまでは彼女曰く「歯医者の待合室にいるような時間だけが過ぎていく日々…」を送っていた。アリスたちより先に「げぇむ」へ参加しているため、事前に様々な情報を持っており、トランプの数字やマークの示す意味も知っている。初参加のアリスたちをサポートするナビゲーターの役割を担っている。

滞在者

苣屋駿太郎(チシヤ)

唯一電気が通る死の「げぇむ」会場で充電しながら音楽を聴くほど並外れた人物である。人をバカにした言動が多いのは、実際の知能に裏付けられた自信からくるものであり過信や慢心でないのは、時折僅かに見せる感情表現が物語っている。至って冷静沈着で、自分自身も含めて死生観を卓越している。

水鶏光(クイナ)

ドレッドヘアで関西弁を話す、クイナはビキニ姿で登場する。「この国」に来て禁煙を始めたクイナは生きて元の世界に戻るための決意表明だとアリスに語っていた。病床の母親を一人残して先に死ぬことは出来ないと。そんなクイナは「この国」に来てからも、どんなに死の瀬戸際に立っても頑なに自分の過去を嫌い、封じ込め続けていた。

韮木傑(ニラギ)

「人は放っときゃあ、奪い、犯し、殺す生き物なンだよ。」作中でそう語るニラギは、この言葉に見合う人物像をしている。暴力的だが頭の切れる彼は「げぇむ」の最中に大衆の集団ヒステリーを操作する知能を持つ。武器にはスナイパーライフルを用い、隠れて銃撃することを好む。「この国」に来る前の学生時代は酷いいじめを受けており、嫌われ続けるだけの人生を送るのだと本気で思っていた。

佐村隆寅(ラスボス)

「1日も早くオレを…この仮住まいから出してくれ…」と願ったラスボスは元々は引きこもりだった。「この国」で「げぇむ」を「くりあ」することで生まれて初めて「生きる」自由を味わった。滞在するうちにスキンヘッドにした彼は、彫り師に依頼し、二度と元の世界で生活できないくらいの刺青を顔一面に入れた。日本刀を愛用しており、生き方は自由と真剣に命の獲り合いを望む。

弾間剛(ボーシヤ)

昔は歌舞伎町で名の知れたホストをしていたが、死んだ父親の店を継ぐことになった彼は地元の商店街の連中には「ボーシヤ」と呼ばれていた。「この国」に来た彼はカルトの王であり、常に演劇のようなオーバーアクションで民意を先導している。暴力や恐怖による支配を好まず、安心と快楽により人を操作しようとする。また保身のためには人を資源であるという考え方を示す。

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@7gk_yuma

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